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南北戦争、スペクタクルシーンもあったが、やや冗長。それを一気に締めるラストの三つ巴決闘。



クリント・イーストウッド/リー・ヴァン・クリーフ/イーライ・ウォラック
「続・夕陽のガンマン/地獄の決斗 [Blu-ray]」
「続・夕陽のガンマン 特別版 [DVD]」
3人の賞金稼ぎが酒場に入った途端に銃撃戦となり、一人の男が店の窓を破って飛び出してきた。そして店内には3人の死体が。悪事を積み重ね2000ドルの賞金が懸かったその男の名前はテュコ<卑劣漢>(イーライ・ウォラック)。不敵な笑みを浮かべた一人の殺し屋の男が荒野の一家を訪れた。殺し屋はある兵士を追っており、その名前が知りたいという。名前を告げた一家の主は、金は倍額出すから依頼を破棄して代わりにその雇い主を殺してくれと頼むが、雇い主からの依頼は反故にできないが、追加で依頼を受ける分には構わないと言う。殺し屋は一家の父子を射殺し、別の雇い主に依頼を遂げたと告げ、雇い主も葬る。その男の名前はエンジェル<悪玉>(リー・ヴァン・クリーフ)。賞金稼ぎの待ち伏せに遭い包囲されるテュコ、とその場に金髪で長身のガンマンが現れ、3人の賞金稼ぎを早撃ちで斃す。金髪の男は賞金首のお尋ね者であるテュコ本人を売って賞金を受け取り、縛り首される寸前の縛り縄を長距離から狙撃で切断してテュコを逃走させては後で賞金を山分けする商売を繰り返していたが、テュコの賞金首の額が上限に達したため、商売に見切りをつけ荒野の真ん中でテュコを置き去りにして去る、その金髪の男の名前はブロンディ<善玉>(クリント・イーストウッド)。野垂れ死に寸前で町に到着したテュコは報復のためブロンディを嬲り殺しにしようとする。その砂漠の道中、死にかけた兵士を乗せた馬車に遭遇、その兵士こそエンジェルが追っている兵士だったが既に致命傷を負い、息も絶え絶えの中ブロンディに大金の在り処を伝えて事切れる。南北戦争の戦場を横目に3人の男達は、裏切り、痛めつけ、時には共闘し、時には互いに出し抜こうとし、隠された20万ドル相当の硬貨の在り処を目指す。大金が眠る墓場に到着した3人は、大金を総取りできる決闘で決着をつけようとする―。
1966年のセルジオ・レオーネ監督作で、「荒野の用心棒」('64年)と「夕陽のガンマン」('65年)に続く所謂「ドル箱三部作」(正確にはドル三部作)の第3作目であるとされている作品(ただし、年代的には一番古いとされている)。原題の Il buono, il brutto, il cattivo を直訳すると「善玉、卑劣漢、悪玉」ですが、英題(The Good, the Bad and the Ugly)では順番が変わって「善玉、悪玉、卑劣漢」となっています(前2作の英題がA Fistful of Dollars(荒野の用心棒)、For a Few Dollars More(夕陽のガンマン)なのに対し、この作品だけタイトルに「ドル」が無い)。日本で初めて劇場公開されたときには、「続・夕陽のガンマン/地獄の決斗」でしたが、ビデオ販売時に「続・夕陽のガンマン」になったようです。
南北戦争が背景で、1500人の地方兵をエキストラに使い、60トンの爆薬を使用し、160万ドルで製作されていて(ただし、当時のハリウッド映画としてはむしろ低予算だそうだ)、橋の爆破シーンなど、壮大なスペクタクルシーンもあります。南北戦争を舞台にした映画には「風と共に去りぬ」などがありますが、戦闘の模様を描いた作品はあまり観る機会がないかもしれません。実際には、戦争映画ではないのですが、イーストウッド演じるブロンディが戦争の虚しさを示唆するような場面もあります(彼は橋を爆破して無駄な戦いを回避することで多くの人命を救ったことになり、その意味で確かに<善玉>と言えるかも)。
ただ、南北戦争という舞台背景に、3人の主人公の金を巡る駆け引きを織り交ぜて描いているのが、却ってテンポを悪くして大味になっている印象もあります。戦争映画と言うより、前2作の続編として観ているということもあり、その流れで観てしまうと、3時間のは長さはやや冗長の感がありました(一方で、リー・ヴァン・クリーフ演じるエンジェルがいつも唐突に現れるなど、ストーリーが飛ぶような箇所もあった)。
それが、ラストの三つ巴の決闘で、それまでの「減点」を一気に取り戻した感じがします。ここまで来るとある種「様式美」です。映画撮影用に造られたスペインのサッドヒル(墓地)は、5000基の墓標が円形に配置された巨大オープンセットで、撮影の49年後にこの映画のファンの有志の人たちが、草や土に埋もれたままのサッドヒルを掘り返して2000基を復元し、このプロジェクトは「サッドヒルを掘り返せ」('17年/スペイン)という記録映画になっています。
「ドル箱三部作」は後の方になればなるほどいいとの評価があります。例えばIMDbの評価を見ると、「荒野の用心棒」('64年)[7.9]<「夕陽のガンマン」('65年)[8.2]<「続・夕陽のガンマン」('66年)[8.8]とだんだん高い評価になっています。続編の方が本編より評価が高い映画というのは時々ありますが、第3作が最も高い評価であるケースというのは少ないかもしれません。特に、米国ではこの「続・夕陽のガンマン」の評価が高いようですが、日本でも3部作ではこれが一番という人が最近は多数派ではないでしょうか(公開当初はそうでもなかった)。

個人的には、前2作と質的にやや異なる映画になっているため比べるのは難しいですが、先に述べた通り、後半"挽回"しているので(シリーズの流れに"回帰"しているとも言える)、前2作と同じく★★★★の評価です。リー・ヴァン・クリーフは前作「夕陽のガンマン」の方が好みだったかも(悪そうに見えて実はワケアリ)。「夕陽のガンマン」は、クリント・イーストウッドではなくリー・ヴァン・クリーフの映画でしたが、こっちはイーライ・ウォラックの映画になっているという印象です(3人の内、セリフが圧倒的に多いのがこの人)。
因みに、IMDbではセルジオ・レオーネが生涯に監督した7作品のうち、「荒野の用心棒」「夕陽のガンマン」「続・夕陽のガンマン」「ウエスタン」「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」の5作品が2015年7月現在のユーザーの選んだTop250のリストにランクインしています。特にこの「続・夕陽のガンマン」は黒澤明監督の「七人の侍」などを凌ぎ、ハリウッド以外で製作された映画の中で最高の順位を獲得(当時)、根強い人気があることを窺わせます。
音楽:エンニオ・モリコーネ

「続・夕陽のガンマン(続・夕陽のガンマン/地獄の決斗)」●原題: Il BUONO, Il BRUTTO, Il CATTIVO(英:THE GOOD, THE BAD AND THE UGLY●制作年:1966年●制作国:イタリア・西ドイツ・スぺイン・アメリカ●監督:セルジオ・レオーネ●製作:アルベルト・グリマルディ●脚本:フリオ・スカルペッリ/セルジオ・レオーネ/ルチアーノ・ヴィンチェンツォーニ●撮影:トニーノ・デリ・コリ●音楽:エンニオ・モリコーネ
●時間:178分(完全版)・162分(国際版)●出演:クリント・イーストウッド/リー・ヴァン・クリーフ/イーライ・ウォラック/マリオ・ブレガ/ルイジ・ピスティッリ/アルド・ジュフレ/アントニオ・カサール/クラウディオ・スカラチリ/サンドロ・スカラチリ/リヴィオ・ロレンゾン/ラダ・ラシモフ●日本公開:1967/12●配給:ユナイテッド・アーティスツ●最初に観た場所(再見):池袋・新文芸坐(24-10-11)(評価:★★★★)
新文芸坐で無料配布されていた「続・夕陽のガンマン」ポストカード



ブルックリンの街角で小さな煙草店を営むオーギー・レン(ハーヴェイ・カイテル)は、10年以上毎日同じ時刻の同じ場所で写真を撮影していた。煙草屋の常連で、オーギーの親友でもあるポール・ベンジャミン(ウィリアム・ハート)は、作家であるが数年前に銀行強盗の流れ弾で妻を亡くして以来、仕事が手につかず悩んでいた。閉店間際の店に駆け込んだポールは、見せてもらったオーギーの写真集から亡き妻のありし姿を見つけ号泣する。ポールはボンヤリとして自動車に轢かれそうになったのを助けられ、ラシード(ハロルド・ペリノー・ジュニア)と出会う。その怪しい少年に感謝し、ポールは彼を自分の家に泊めてやる。2晩泊まった後にラシードは家を出て行ったが、その数日後にラシードの叔母を名乗る女性が現れた。ラシードの本名はトーマス・コールといい、偽名を使って各地を転々としていたのだ。その頃トーマスは生き別れた父親のサイラス(フォレスト・ウィテカー)に会いに、サイラスが営む小さなガレージを訪れた。トーマスはサイラスのガレージのスケッチをしているが、追い払われても退かず、そこでトーマスは以前世話になったポールの名前を偽名として用い、無理やり雇わせる。後日、トーマスはポールの元を再訪。ポールは先日トーマスの叔母が自分の元を訪れた経緯を述べ、本名を問い詰める。トーマスを追うギャングに押し入られ、ポールはトーマスのヤバさを知る。ルビー(ストッカード・チャニング)は戦争中、オーギーを裏切り他の男と結婚したが、娘がピンチだと金の工面に訪れる。ポールはトーマスの隠した6000ドルを自宅で見つけるが、その金はトーマスがタバコ屋のバイトでドジした賠償に当てられ、さらにルビーに渡される。トーマスはサイラスに本当の名を名乗り、息子であることを伝えるが、混乱から乱闘になる。オーギーは作家に昼食をとりながら過去にあったクリスマスの話をする。昔、万引き犯を追いかけるが逃げられ、落としていった財布には写真だけがあった。家を訪ねるとそこには盲目のおばあさんが一人で住んでいて、自分のことを孫だと思い込んだ。だから話を合わせて一緒にクリスマスを過ごしてきたという。それにポールは「本当にいいことをしたな。人を幸せにした。生きていることの価値だ」と言う。オーギーはその言葉に心から満足する。ポールはその話の原稿を書き始める―。
香港出身のウェイン・ワン監督の1995年公開作で、同年・第45回 「ベルリン国際映画祭」の銀熊賞(審査員特別賞)受賞作。原作は今年['24年]4月30日に77歳で没したポール・オースターが、ニューヨーク・タイムズ紙から依頼されて書いた短編小説。ポール・オースターは、事実を載せるはずの新聞に虚構を書けというアイデアが気に入って引き受けたそうで、そのタイムズ紙を読んでウェイン・ワン監督が感激して映画化をポール・オースターに持ちかけたということだったようです。ポール・オースターはウェイン・ワン監督と親交を深め、映画「スモーク」の脚本を書き下ろし、ハーヴェイ・カイテルやフォレスト・ウィテカーなどのキャストの選定もポール・オースターが行ったそうです。
オーギーがポールにクリスマス・ストーリー(盲目のおばあさんとの話)を語る店は実在する惣菜屋で、この店での撮影に3日間もかかり、ポール・オースターはハーヴェイ・カイテルにセリフの一字一句変えることを禁じたとのこと。結果、このクリスマス・ストーリーを語るシーンが、ハーヴェイ・カイテルの演技の見せ処となったように思います。
また、ポール・オースターが1987年の『ニューヨーク三部作』(City of Glass, Ghosts, The Locked Room)の発表から5年後の1992年に発表した原作(Auggie Wren's Christmas Story)は、柴田元幸訳、タダジュン絵で『オーギー・レンのクリスマス・ストーリー』('21年/スイッチパブリッシング)とし
て翻訳されています(絵本だが、原文は全部生かしている)。タダジュン氏のモノクロの絵がいい感じです。原作はポールの視点で描かれており、ニューヨーク・タイムズからクリスマスの朝刊に載せる短編を書かないかといわれ引き受けたものの、「クリスマス・スートリー」なんて書けないと悩んでいたという、作家ポール・オースター自身の経験を裏返しにして活かしています。「銀行強盗の流れ弾で妻を亡くした」とかはもちろん"脚本家ポール・オースター"としての創作ですが。原作では「銀行強盗の流れ弾で妻を亡くした」という話そのものが無く、これは映画のオリジナルです(ラシード少年の話なども原作には無い話で、原作では少年そのものが登場しない)。
物語の中で、最後は、ポールはオーギーの盲目のおばあさんとの話は全部でっち上げではないかとも思いますが、彼の話を信じることにし、「誰か一人でも信じる人間がいる限り、本当でないない物語などありはしないのだ」として、小説のネタをくれたオーギーに感謝します。ある意味、「虚構」が入れ子構造になっているとも言え、「虚構の中にこそ真実がある」という作家のメッセージのように思いました。
因みに、村上春樹氏・柴田元幸氏の共著の『
フォレスト・ウィテカー/ストッカード・チャニング/アシュレイ・ジャッド/エリカ・ギンペル/ジャレッド・ハリス/ヴィクター・アルゴ●日本公開:1995/10●配給:日本ヘラルド映画●最初に観た場所:新宿武蔵野館(24-06-05)((評価:★★★★)


第1章のミニシアターというものが未知数だった「80年代」のトップは新宿「シネマスクエアとうきゅう」(81年12月、歌舞伎町「東急ミラノビル」3Fにオープン)。企業系ミニシアターの第1号で、1席7万円の椅子が売り物でした。柳町光男のインディペンデント作品「
が16週上映(コピーは"中世は壮大なミステリー"。教養映画風だが実はエンタメ映画)、今で言うストーカーが主人公で、買い手がつかなかったのを買い取ったというパトリス・ルコントの「
六本木「俳優座シネマテン」(81年3月、「俳優座劇場」内にオープン)の「テン」は夜10時から映画上映するためだけでなく、ブレイク・エドワーズのコメディ「テン」(79)から
とったとのこと。トリュフォーの、フランスの文豪ヴィクトル・ユーゴーの次女アデルの狂気的な恋の情念を描いた「アデルの恋の物語」(75)はここでした。ルキノ・ヴィスコンティが看板監督で、「地獄に堕ちた勇者ども」(69)や「
81年オープンのもう1館は、渋谷「パルコ・スペース・パート3」。ヴィスコンティの「郵便配達は二度ベルを鳴らす」(43)(ヴィスコンティの処女作。原作はアメリカのハードボイルド作家ジェームズ・M・ケイン。映画での舞台は北イタリア、ポー河沿いのドライブイン・レストランに。ファシスト政権下でオールロケ撮影を敢行した作品)、「
行機でやってきて、ホテルに泊まり1週間通い詰めた人もいたとのこと。カルトムービーとインディーズのメッカでもあり、日本では長年オクラだった「ピンク・フラミンゴ」(72)は、86年に初めてここで正式上映されたとのこと、個人的には84年に「アートシアター新宿」で観ていましたが、その内容は正直、個人的理解を超えていました。99年に映画常設館「CINE QUINTO(シネクイント)」となり、これは第2章で「シネクイント」として取り上げられています。個人的には、初期の頃観た作品では、フランスの女流監督コリーヌ・セローの「彼女と彼たち-なぜ、いけないの-」(77)、チェコスロバキアのカレル・スミーチェクの「少女・少女たち」(79)、台湾の侯孝賢(ホウ・シャオシェン)の「
「シネヴィヴァン六本木」(83年11月「WAVEビル」地下1階にオープン)は、オープン2本目でゴッドフリー・レジオ監督の「コヤニスカッティ」(82)を上映、アメリカの大都市やモニュメントバレーなどを映したイメージビデオ風ドキュメンタリー。コヤニスカッティとはホピ族の言葉で「平衡を失った世界」。延々と続いた早回しシーンがスローモーションに転じた途端に眠気に襲われました。アンドレイ・タルコフスキー監督の「ノスタルジア」(83)が84年に7週間上映、ビクトル・エリセ監督の「
監督の「
「ユーロスペース」(82年、渋谷駅南口桜丘町「東武富士ビル」2Fにオープン)は、85年6月のデヴィッド・クローネンバーグ監督の「
ーヴン・キング原作の「
「シャンテ・シネ」(87年、日比谷映画跡地にオープン)は、今の
「TOHOシネマズ シャンテ」。ここの大ヒット作は何と言っても88年公開の「ベルリン・天使の詩」(87)で、30週のロングランという単館ロード全体の記録を打ち立てたとのこと(動員数は16.6万人)。侯孝賢(ホウ・シャオシェン)の「
「シネスイッチ銀座」(87年にオープン)は、個人的には前身の「銀座文化劇場・銀座ニュー文化」さらに「銀座文化1・2」の頃から利用していましたが、"シネスイッチ"は、洋画と邦画の2チャンネルを持つという意味でのネーミングだそうで、ジェームズ・アイヴォリーの「
第2章のブームの到来の「90年代」のトップは渋谷「シネマライズ」(86年6月、渋谷 スペイン坂上「ライズビル」地下1階にオープン)。劇場の認知度を上げたのは86年7月公開のトニー・リチャードソンの「
2011年に閉館した「シネセゾン渋谷」 (85年11月、渋谷道玄坂「ザ・プライム渋谷」6Fにオープン)はリバイバル上映に個性があり、市川崑の「
「ル・シネマ」(89年9月、渋谷道玄坂・Bunkamura6階にオープン)の方は東急系で、92年にかけられたジャック・リヴェット監督(原作はバルザック)のフランス映画「
主演の「花の影」(96)も17週上映、今世紀に入ってからは、張藝謀(チャン・イーモウ)監督、チャン・ツィイー主演の「
「恵比寿ガーデンシネマ」(94年10月、恵比寿ガーデンテラス弐番館内にオープン)は、ポール・オースター原作、ウェイン・ワン監督の、ニューヨークのタバコ屋の人間模様を描いた「スモーク」(95)のような渋い作品をやっていました。個人的には、ロイ・アンダーソンの「
第2章の最後は、「岩波ホール」(68年オープン、74年から映画常設館に)。サタジット・レイ「
4年2月にロードショー。4週間後にホールは満席になったといいます(因みに、サタジット・レイの「大地のうた三部作」のうち「大河のうた」は結末がハッピーエンドでないため、インドでも興行上は振るわなかった)。その後も、75年にルネ・クレールの「

「隣の女」●原題:LA FEMME DA'COTE(英:THE WOMAN NEXT DOOR)●制作年:1981年●制作国:フランス●監督:フランソワ・トリュフォー●製作:フランソワ・トリュフォー/シュザンヌ・シフマン●脚本:フランソワ・トリュフォー/シュザンヌ・シフマン/ジャン・オーレル●撮影:ウィリアム・ルプシャンスキー●音楽:ジョルジュ・ドルリュー●時間:107分●出演:ジェラール・ドパルデュー/ファニー・アルダン/アンリ・ガルサン/ミシェル・ボートガルトネル/ヴェロニク・シルヴェール/ロジェ・ファン・ホール/オリヴィエ・ベッカール●日本公開:1982/12●配給:東映ユニバースフィルム●最初に観た場所:五反田TOEIシネマ(83-10-01)(評価:★★★)●併映:「アメリカの夜」(フランソワ・トリュフォー)/「終電車」(フランソワ・トリュフォー)
「アメリカの夜(映画に愛をこめて アメリカの夜)」●原題:LA NUIT AMERICAINE(英:DAY FOR NIGHT)●制作年:1973年●制作国:フランス●監督・脚本:フランソワ・トリュフォー●製作:マルセル・ベルベール●撮影:ピエール=ウィリアム・グレン●音楽:ジョルジュ・ドルリュー●時間:115分●出演:ジャクリーン・ビセット/ヴァレンティナ・コルテーゼ/ジャン=ピエール・オーモン/ジャン=ピエール・レオ/アレクサンドラ・スチュワルト/フランソワ・トリュフォー/ジャン・シャンピオン/ナタリー・バイ/ダニ/ベルナール・メネズ●日本公開:1974/09●配給:ワーナー・ブラザース●最初に観た場所:五反田TOEIシネマ(83-10-01)(評価:★★★☆)●併映:「隣の女」(フランソワ・トリュフォー)/「終電車」(フランソワ・トリュフォー)
「終電車」●原題:LE DERNIER METRO(英:THE LAST METRO)●制作年:1980年●制作国:フランス●監督:フランソワ・トリュフォー●製作:マルセル・ベルベール●脚本:フランソワ・トリュフォー/シュザンヌ・シフマン●撮影:ネストール・アルメンドロス●音楽:ジョルジュ・ドルリュー●時間:134分●出演:カトリーヌ・ドヌーヴ/ジェラール・ドパルデュー/ジャン・ポワレ/ハインツ・ベネント/サビーヌ・オードパン/ジャン=ルイ・リシャール/アンドレア・フェレオル/モーリス・リッシュ/ポーレット・デュボスト/マルセル・ベルベール●日本公開:1982/04●配給:東宝東和●最初に観た場所:五反田TOEIシネマ(83-10-01)(評価:★★★)●併映:「アメリカの夜」(フランソワ・トリュフォー)/「終電車」(フランソワ・トリュフォー)
「薔薇の名前」●原題:LE NOM DE LA ROSE●制作年:1986年●制作国:フランス・イタリア・西ドイツ●監督:ジャン=ジャック・アノー●製作:ベルント・アイヒンガー●脚本:アンドリュー・バーキン●撮影:トニーノ・デリ・コリ●音楽:ジェームズ・ホーナー●原作:ウンベルト・エーコ●時間:132分●出演:ショーン・コネリー/クリスチャン・スレーター/F・マーリー・エイブラハム/ロン・パールマン/フェオドール・シャリアピン・ジュニア/エリヤ・バスキン/ヴォルカー・プレクテル/ミシェル・ロンスダール/ヴァレンティナ・ヴァルガス●日本公開:1987/12●配給:ヘラルド・エース●最初に観た場所(再見):新宿武蔵野館(23-04-18)(評価:★★★)
「赤い影」●原題:DON'T LOOK NOW●制作年:1973年●制作国:イギリス・イタリア●監督: ニコラス・ローグ●製作:ピーター・カーツ●脚本:アラン・スコット/クリス・ブライアント●撮影:アンソニー・B・リッチモンド●音楽:ピノ・ドナッジオ●原作:ダフニ・デュ・モーリエ「いまは見てはだめ」●時間:110分●出演:ドナルド・サザーランド/ジュリー・クリスティ
/ヒラリー・メイソン/クレリア・マタニア/マッシモ・セラート/レナート・スカルパ/ジョルジョ・トレスティーニ/レオポルド・トリエステ●日本公開:1983/08●配給:ヘラルド・エース●最初に観た場所:新宿・シネマスクエアとうきゅう(83-09-11)(評価:★★★)
「マーラー」●原題:MAHLER●制作年:1974年●制作国:イギリス●監督・脚本:ケン・ラッセル●製作:ロイ・ベアード●撮影:ディック・ブッシュ●音楽:グスタフ・マーラー/リヒャルト・ワーグナー/ダナ・ブラッドセル●時間:115分●出演:ロバート・パウエル/ジョージナ・ヘイル/リー・モンタギュー/ロザリー・クラチェリー●日本公開:1987/06●配給:俳優座シネマテン=フジテレビ●最初に観た場所:新宿・シネマスクエアとうきゅう(87-06-21)(評価:★★★)
「ケレル(ファスビンダーのケレル)」●原題:QUERELLE●制作年:1982年●制作国:西ドイツ/フランス●監督:ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー●脚本:
ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー/ブルクハルト・ドリースト●撮影: クサファー・シュヴァルツェンベルガー/ヨーゼフ・バブラ●音楽:ペール・ラーベン●原作:ジャン・ジュネ『ブレストの乱暴者』●時間:108分●出演:ブラッド・デイヴィス/ジャンヌ・モロー/フランコ・ネロ/ギュンター・カウフマン/ハンノ・ポーシェル●日本公開:1985/05●配給:人力飛行機舎=デラ●最初に観た場所:新宿・シネマスクエアとうきゅう(88-05-28)(評価:★★★?)
「アデルの恋の物語」●原題:L'HISTOIRE D'ADELE H.(英:THE STORY OF ADELE H.)●制作年:1975年●制作国:フランス●監督・製作:フランソワ・トリュフォー●脚本:フランソワ・トリュフォー/ジャン・グリュオー/シュザンヌ・シフマン●撮影:ネストール・アルメンドロス●音楽:モーリス・ジョベール●原作:フランセス・ヴァーノア・ギール『アデル・ユーゴーの日記』●時間:96分●出演:イザベル・アジャーニ/ブルース・ロビンソン/シルヴィア・マリオット/ジョゼフ・ブラッチリー/イヴリー・ギトリス●日本公開:1976/04●配給:ユナイテッド・アーティスツ●最初に観た場所:大塚名画座(78-12-08)(評価:★★★★)●併映:「二十歳の恋」(フランソワ・トリュフォー/ロベルト・ロッセリーニ/石原慎太郎/マックス・オフュルス/アンジェイ・ワイダ)
「地獄に堕ちた勇者ども」●原題:THE DAMNED(独:Götterdämmerung)●制作年:1969年●制作国:イタリア・西ドイツ・スイス●監督:ルキノ・ヴィスコンティ●製作:アルフレッド・レヴィ/エヴェール・アギャッグ●脚本:ルキノ・ヴィスコンティ/ニコラ・バダルッコ/エンリコ・メディオーリ●撮影:アルマンド・ナンヌッツィ/パスクァリーノ・デ・サンティス●
音楽:モーリス・ジャール●時間:96分●出演:ダーク・ボガード/イングリッド・チューリン/ヘルムート・バーガー/ラインハルト・コルデホフ/ルノー・ヴェルレー/アルブレヒト・シェーンハルス/ウンベルト・オルシーニ/シャーロット・ランプリング/ヘルムート・グリーム/フロリンダ・ボルカン●日本公開:1970/04●配給:ワーナー・ブラザース●最初に観た場所:大塚名画座(79-02-07)(評価:★★★★)●併映:「ベニスに死す」(ルキノ・ヴィスコンティ)
「カッコーの巣の上で」●原題:ONE FLEW OVER THE CUCKOO'S NEST●制作年:1975年●制作国:アメリカ●監督:ミロス・フォアマン●製作:ソウル・ゼインツ/マイケル・ダグラス●脚本:ローレンス・ホーベン/ボー・ゴールドマン●撮影:ハスケル・ウェクスラー●音楽:ジャック・ニッチェ●原作:ケン・キージー『カッコウの巣の上で』●時間:133分●出演:
ジャック・ニコルソン/ルイーズ・フレッチャー/マイケル・ベリーマン/ウィリアム・レッドフィールド/ブラッド・ドゥーリフ/クリストファー・ロイド/ダニー・デヴィート/ウィル・サンプソン●日本公開:1976/04●配給:ユナイテッド・アーティスツ●最初に観た場所:テアトル吉祥寺(82-03-13)(評価:★★★★)●併映:「ビッグ・ウェンズデー」(ジョン・ミリアス)
「光と影のバラード」●原題:Свой среди чужих, чужой среди своих(英題:AT HOME AMONG STRANGERS)●制作年:1974年●制作国:ソ連●監督:ニキータ・ミハルコフ●脚本:エドゥアルド・ボロダルスキー/ニキータ・ミハルコフ●撮影:パーベル・レベシェフ●音楽:エドゥアルド・アルテミエフ●時間:95分●出演:ユーリー・ボガトィリョフ/アナトリー・ソロニーツィン/セルゲイ・シャクーロフ/アレクサンドル・ポロホフシコフ/ニコライ・パストゥーホフ/アレクサンドル・カイダノフスキー/ニキータ・ミハルコフ●日本公開:1982/10●配給:日本海映画●最初に観た場所:六本木・俳優座シネマテン(82-11-21)(評価:★★★☆)
「郵便配達は二度ベルを鳴らす」●原題:OSSESSIONE●制作年:1943年●制作国:イタリア●監督:ルキノ・ヴィスコンティ●製作:カミッロ・パガーニ●脚本:ルキノ・ヴィスコンティ/マリオ・アリカータ/ジュゼッペ・デ・サンティス/ジャンニ・プッチーニ●撮影:アルド・トンティ/ドメニコ・スカーラ●音楽:ジュゼッペ・ロゼーティ●原作:ジェームズ・M・ケイン●時間:140分●出演:マッシモ・ジロッティ/クララ・カラマイ/ファン・デ・ランダ/ディーア・クリスティアーニ/エリオ・マルクッツォ/ヴィットリオ・ドゥーゼ●日本公開:1979/05●配給:インターナショナル・プロモーション●最初に観た場所:池袋・文芸坐(79-09-24)(評価:★★★★)●併映:「家族の肖像」(ルキノ・ヴィスコンティ)
「ピンク・フラミンゴ」●原題:PINK FLAMINGOS●制作年:1972年●制作国:アメリカ●監督・製作・脚本・撮影:ジョン・ウォーターズ●時間:93分●出演:ディヴァイン/ディビッド・ロチャリー/メアリ・ヴィヴィアン・ピアス●日本公開:1986/06●配給:東映=ケイブルホーグ●最初に観た場所:渋谷・アートシアター新宿(84-08-01)(評価:★★★?)●併映:「フリークス・神の子ら(怪物団)」(トッド・ブラウニング)
「彼女と彼たち-なぜ、いけないの-」●原題:POURQUOI PAS!●制作年:1977年●制作国:フランス●監督・脚本:コリーヌ・セロー●製作:ミシェル・ディミトリー●撮影:ジャン=フランソワ・ロバン●音楽:ジャン=ピエール・マス●時間:97分●出演:サミー・フレイ/クリスチーヌ・ミュリロ/マリオ・ゴンザレス/ニコル・ジャメ●日本公開:1980/11●配給:フランス映画社●最初に観た場所:渋谷・パルコスペース3(84-06-17)(評価:★★★★)
「寡婦(やもめ)の舞」●原題:과부춤(英:WIDOW DANCING)●制作年:1984年●制作国:韓国●監督:李長鍋(イー・チャンホ)●脚本:李長鍋(イー・チャンホ)/李東哲(イ・ドンチョル)/イム・ジンテク●撮影:ソ・ジョンミン●原作:李東哲(イ・ドンチョル)『五人の寡婦』●時間:114 分●出演:イ・ボイ(李甫姫)/パク・ウォンスク(朴元淑)/パク・チョンジャ(朴正子)/キム・ミョンコン(金明坤)/パク・ソンヒ/チョン・ジヒ/ヒョン・ソク/クォン・ソンドク/ソ・ヨンファン/イ・ヒソン●日本公開:1985/09●配給:発見の会●最初に観た場所:渋谷・パルコスペース3(「東京国際映画祭」)(85-06-02)(評価:★★★☆)
「ビジル」●原題:VIGIL●制作年:1984年●制作国:ニュージーランド●監督:ヴィンセント・ウォード●製作:ジョン・メイナード●脚本:ヴィンセント・ウォード/グレーム・テットリー●撮影:アルン・ボリンガー●音楽:ジャック・ボディ●時間:114 分●出演:ビル・カー/フィオナ・ケイ/ペネロープ・スチュアート/ゴードン・シールズ●日本公開:1988/02●配給:ギャガ・コミュニケーションズ●最初に観た場所:渋谷・パルコスペース3(85-06-02)(評価:★★★☆)
「コヤニスカッティ(コヤニスカッツィ)」●原題:KOYANISQATSI●制作年:1982年●制作国:アメリカ●監督:ゴッドフリー・レッジョ●製作:
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「暗殺の森」●原題:CONFORMISTA●制作年:1970年●制作国:イタリア・フランス・西ドイツ●監督・脚本:ベルナルド・ベルトリッチ●撮影:ヴィットリオ・ストラーロ●音楽:ジョルジュ・ドルリュー●原作:アルベルト・モラヴィア『孤独な青年』●時間:115分●出演:ジャン=ルイ・トランティニャン/ステファニア・サンドレッリ/ドミニク・サンダ/エンツォ・タラシオ●日本公開:1972/09●配給:パラマウント映画=CIC●最初に観た場所:シネヴィヴァン六本木(84-06-21)(評価:★★★☆)
「闇のカーニバル」●制作年:1981年●●監督・脚本・撮影:山本政志●製作:伊地知徹生/山本政志●時間:118分●出演:太田久美子/桑原延亮/中島稔/太田行生/じゃがたら/遠藤ミチロウ/伊藤耕/中島稔/前田修/山口千枝●公開:1981/12●配給:CBC=斜眼帯●最初に観た場所:渋谷・ユーロスペース(83-07-16)●2回目:渋谷・ユーロスペース(88-07-09)(評価:★★★★)
「ブラザー・フロム・アナザー・プラネット」●原題:THE BROTHER FROM ANOTHER PLANET●制作年:1984年●制作国:アメリカ●監督・脚本:ジョン・セイルズ●製作:ペギー・ラジェスキー/マギー・レンジー●撮影:アーネスト・ディッカーソン●音楽:メイソン・ダーリング●時間:110分●出演:ジョー・モートン/ダリル・エドワーズ/スティーヴ・ジェームズ/レナード・ジャクソン/ジョン・セイルズ/キャロライン・アーロン/デヴィッド・ストラザーン●日本公開:1986/05●配給:ユーロスペース●最初に観た場所:ユーロスペース(86-06-14)(評価:★★★★)
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「避暑地の出来事」●原題:A SUMMER PLACE●制作年:1959年●制作国:アメリカ●監督・製作・脚本:デルマー・デイヴィス●撮影:ハリー・ストラドリング●音楽:マックス・
スタイナー●原作:スローン・ウィルソン『避暑地の出来事』●時間:131分●出演:リチャード・イーガン/ドロシー・マクガイア/トロイ・ドナヒュー/ サンドラ・ディー/アーサー・ケネディ●日本公開:1960/04●配給:ワーナー・ブラザース●最初に観た場所:銀座文化劇場(84-06-21)(評価:★★★☆)
「酒とバラの日々」●原題:DAYS OF WINE AND ROSES●制作年:1962年●制作国:アメリカ●監督:ブレイク・エドワーズ●製作:マーティン・マヌリス●脚本:J・P・ミラー●撮影:フィル・ラスロップ●音楽:
「シャレード」●原題:CHARADE●制作年:1963年●制作国:アメリカ●監督:スタンリー・ドーネン●製作:マーティン・マヌリス●脚本:J・P・ミラー●撮影:フィル・ラスロップ●音楽:
ー・マッソー/ジョージ・ケネディ/ネッド・グラス●日本公開:1963/12●配給:ユニバーサル・ピクチャーズ●最初に観た場所:銀座文化劇場(88-04-16)(評価:★★★☆)

「レザボア・ドッグス」●原題:RESERVOIR DOGS●制作年:1992年●制作国:アメリカ●監督・脚本:クエンティン・タランティーノ●製作:ローレンス・ベンダー●撮影:アンジェイ・セクラ●音楽:カリン・ラクトマン●時間:100分●出演:ハーヴェイ・カイテル/ティム・ロス/マイケル・マドセン/クリス・ペン/スティーヴ・ブシェミ/ローレンス・ティアニー/クエンティン・タランティーノ●日本公開:1993/04●配給:日本ヘラルド映画●最初に観た場所(再見):早稲田松竹(24-05-20)(評価:★★★★)●併映:「バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト」(アベル・フェラーラ)

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ルディーノ・ザッポーニ●撮影:ダリオ・ディ・パルマ●音楽:ニーノ・ロータ●時間:110分●出演:フェデリコ・フェリーニ/アニタ・エクバーグ/ピエール・エテックス/ジョセフィン・チャップリン/グスターブ・フラッテリーニ/バティスト●日本公開:1976/12●配給:東宝東和●最初に観た場所:池袋・文芸坐(78-02-07)(評価:★★★★)●併映:「フェリーニのアマルコルド」(フェデリコ・フェリーニ)

「木靴の樹」●原題:L'ALBERO DEGLI ZOCCOLI(米:THE TREE OF WOODEN CLOGS)●制作年:1978年●制作国:イタリア●監督・脚本・撮影:エルマンノ・オルミ●音楽:J・S・バッハ●時間:186分●出演:ルイジ・オルナーギ/フランチェスカ・モリッジ/オマール・ブリニョッリ/テレーザ・ブレシャニーニ/バティスタ・トレヴァイニ/ルチア・ベシォーリ●日本公開:1979/04●配給:フランス映画社●最初に観た場所:有楽町・スバル座(80-12-02)(評価:★★★★)
「大理石の男」●原題:CZLOWIEK Z MARMURU●制作年:1977年●制作国:ポーランド●監督:アンジェイ・ワイダ●製作:バルバラ・ペツ・シレシツカ●脚本:アレクサンドル・シチボ
ル・リルスキ●撮影:エドワルド・クウォシンスキ●音楽:アンジェイ・コジンスキ●時間:165分●出演:イエジー・ラジヴィオヴィッチ/クリスティナ・ヤンダ/タデウシ・ウォムニツキ/ヤツェク・ウォムニツキ/ミハウ・タルコフスキ/ピョートル・チェシラク/ヴィエスワフ・ヴィチク/クリスティナ・ザフヴァトヴィッチ/マグダ・テレサ・ヴイチク/ボグスワフ・ソプチュク/レオナルド・ザヨンチコフスキ/イレナ・ラスコフスカ/スジスワフ・ラスコフスカ●日本公開:1980/09●配給:日本ヘラルド映画●最初に観た場所:飯田橋・佳作座(81-05-24)(評価:★★★☆)●併映:「水の中のナイフ」(ロマン・ポランスキー)

「女の叫び」●原題:A DREAM OF PASSION●制作年:1978年●制作国:アメリカ・ギリシャ●監督・脚本:ジュールス・ダッシン●撮影:ヨルゴス・アルヴァニティズ●音楽:ヤアニス・マルコプロス●時間:110分●出演:メリナ・メルクーリ/エレン・バースティン/アンドレアス・ウツィーナス/デスポ・ディアマンティドゥ/ディミトリス・パパミカエル/ヤニス・ヴォグリス/フェドン・ヨルギツィス/ベティ・ヴァラッシ●日本公開:1979/12●配給:東宝東和●最初に観た場所:岩波ホール(80-02-04)(評価:★★★★)

フレデリック・ワイズマン監督の2011年発表のフランス・アメリカ合作作で、「BALLET/アメリカン・バレエ・シアターの世界」('95年)、「パリ・オペラ座のすべて」('09年)に続くダンスをテーマとした作品であり、有名なパリの老舗ナイトクラブ「クレイジーホース」に10週間、70時間密着したドキュメンタリーです。幻想的できらびやかなショーの模様から、そこで働く女性ダンサーたちの姿、スタッフや舞台裏、オーディションの風景なども収められています。
クレイジーホースには以前にスペイン旅行の帰りに寄ったパリの観光ツアーで行ったことがあり、懐かしかったですが、映画では、ショーそのものを見せるというより、練習風景と裏方の様子、そして完成形に近いダンスを見せるという点で、構成は前作の「パリ・オペラ座のすべて」と似ています。
フレデリック・ワイズマン監督のこの作品を観ると、舞台上で女性をもっとも美しく表現するためにはダンサーの美しさのみならず演出、音楽、衣装、小道具、照明等に工夫をこらさなければならないことが分かり、そうしたことに関わるスタッフの大変さや細やかさと、「世界最高のヌードショー」を自負するプライドが伝わってきました。
総監督がショーの質を上げるために一定期間休業しようと提案するものの、女性支配人が株主の指示が得られないとして反対するなどの生々しいやり取りもあります。総監督と監督の激論もあって、総監督のフィリップ・ドゥクフレは、1992年のアルベールビルオリンピックで僅か31歳にして開会式・閉会式の演出を担当したダンサー出身の振付師であり(オリンピックでのサーカスとダンスを融合させた演出は今も記憶に残っている。この人、近年では尊敬する
監督とダンサーたちの討議、ダンサーのくつろいでいる様子(ボリショイバレ団か何かのNG集ビデオを観て大笑いしている)、オーディションの様子などがあり、特にオーディションでは選ぶ側が最初から「あくまでボディライン」を見ると明言していました(だから開脚しなくてもいいとも言っていた)。
また、クレイジーホースには、女性同士でレズビアンを示唆するものやエレガントな形でマスターベーションを示唆する演目はあるものの(男性二人のタップダンスなどもある)、一方で、異性間の性交を示唆するようなものが一切ないのが面白いとも言っています。女性がひとり、あるいは女性同士のグループで見に来ることもあり、これも特筆すべきことであると。ナルホドと思いました。
「クレイジーホース・パリ 夜の宝石たち」●原題:CRAZY HORSE●制作年: 2012年●制作国:フランス●監督.:フレデリック・ワイズマン●製作:ピエール=オリヴィエ・バルデ●撮影:ジョン・デイヴィ●時間:134分●出演:フィリップ・ドゥクフレ/フィリップ・ドゥワレ/フィリップ・ボウ/ナアマ・アルバ/ディーバ・ノヴィタ●日本公開:2012/06●配給:ショウゲート●最初に観た場所:北千住・シネマブルースタジオ(22-10-18)(評価:★★★★)

フレデリック・ワイズマン監督の2009年発表のフランス・アメリカ合作作で、フランス国王ルイ14世が権力を尽くして作り上げた世界最古のバレエ団「パリ・オペラ座」の舞台裏を84日完全密着して記録したドキュメンタリーです。公演では見られない、「エトワール」と呼ばれる最高位のダンサーたちの練習風景や、ダンサーたちを支えるスタッフの日常を映し出しています。
主な登場シーンとしては、エトワールやダンサーたちの稽古風景、舞台のリハーサル、ゲネプロ、公演のレセプション、大口寄付者への特典について話合うスタッフ、経営陣からダンサーに年金についての説明(ダンサーの定年は40歳のようだ)、運営についてのミーティング、メーク風景、食堂のランチ風景、音響テスト、裏方の衣装の制作、屋上でミツバチの巣箱からハチミツを採取するスタッフ(オペラ座の屋上で養蜂しているのは有名)などの多岐にわたるシーンが盛り込まれています。
特に稽古に関するシーンでは、メートル・ド・バレエ(振付師)との様々なやり取りや、役柄について芸術監督に直訴する場面などがあり、映画のメインとなっています。ダンスシーンに緊張感があって、ずっとそれだけ観ているとしんどい感じもしますが、ちょうど合間に、裏方の仕事ぶりなどの紹介があったりするので(ただし、全編を通じてノンナレーション)、それがいいアクセントになっていて、160分を飽きずに観ることができました(自分でもちょっと意外だった?)。


エトワールは皆、超一流であることが、素人目にも分かります。ダンスシーンは、前半の部分は主にパートごとの練習風景で、後半にいくと完成状態のリハーサルを主に見せるようになっていて、この構成も良かったです。また、コンテンポラリー・ダンスがバラエティに富んでいて、その力強さに圧倒されました。ただし、映像の中で芸術監督がコンテンポラリーを練習するダンサーが少ないと嘆いてました。興行としての裾野を広げていくのならば、コンテンポラリーの充実は不可欠であろうことは分かるように思いました。
パリ・オペラ座はほとんどがフランス人で占められており、またパリ・オペラ座バレエ学校出身者が多いため、外部からの入団は難しいとされていますが、オペラ座でプルミエール・ダンスーズとして活躍する日本人にオニール八菜(はな)がいて(父親はニュージーランド人のラグビー選手で、12年間にわたって伊勢丹ラグビー部でスクラムハーフとしてプレイ、母親は日本人)、もし最高峰「エトワール」に昇格すれば、日本人としてはもちろんアジア人としてオペラ座史上初の快挙となるため、期待されるところです(バレエ用品メーカーのチャコットは、オニール八菜をイメージ・キャラクターとして起用している)。
「パリ・オペラ座のすべて」●原題:LA DANSE - LE BALLET DE L'OPERA DE PARIS●制作年: 2009年●制作国:フランス●監督:フレデリック・ワイズマン●製作:フランソワ・ガズィオ/ピエール=オリヴィエ・バルデ/フレデリック・ワイズマン●撮影:ジョン・デイヴィ●時間:160分●出演:(エトワール)エミリー・コゼット/オーレリー・デュポン/ドロテ・ジルベール/マ
リ・アニエス・ジロ/アニエス・ルテステュ/デルフィーヌ・ムッサン/クレールマリ・オスタ/レティシア・プジョル/カデル・ベラルビ/マチュー・ガニオ/ジェレミー・ベランガール/マニュエル・ルグリ/ニコラ・ル・リッシュ/エルヴェ・モロー/ウィ
ルフリード・ロモリ/バンジャマン・ペッシュ/ジョゼ・マルティネス/(メートル・ド・バレエ、他)ブリジッド・ルフェーブル(オペラ座バレエ団芸術監督)/ローラン・イレール(メートル・ド・バレエ)/エマニュエル・ガット(メートル・ド・バレエ)/ウェイン・マクレガー(メートル・ド・バレエ)/アンジュラン・プレルジョカージュ(メートル・ド・バレエ)/マッツ・エック(メートル・ド・バレエ)/ピエール・ラコット(振付家)●日本公開:2009/10●配給:ショウゲート●最初に観た場所:北千住・シネマブルースタジオ(22-10-04)(評価:★★★★)


1930年のはじめの、アレクサンドル・スタビスキー(ジャン=ポール・ベルモンド)は、クラリッジ・ホテルの一室で、友人であり共同の事業経営者であるラオール男爵(シャルル・ボワイエ)、弁護士のボレリ(フランソワ・ペリエ)と共にお茶を飲んでいた。実は彼は生まれながらの野心家で、詐欺のような行為で大金を稼いでいたのだ。彼は政財界の大物と仲良くな
り、妻アルレッテ(アニー・デュプレー)と優雅な生活を送っていた。その彼女に献身的な愛を捧げる男がいた。スペイン人のモンタルボ(ロベルト・ビサッコ)だ。モンタルボはフランコ側につく地主の息子で、人民戦線を叩きつぶす目的でムッソリーニから武器を買いつけるためにマルセーユに来ていた。その頃、スタビスキーの身辺が騒がしくなる。彼の前歴を怪しんだボニー(クロード・リッシュ)という検察官の調べで、スタビスキーが偽公債を発行していたことがばれてしまい、スタビスキーはスイスの山荘へ逃亡することになる―。
アラン・レネ監督の1974年5月公開作で(日本公開は1975年5月)、ジャン=ポール・ベルモンドを主演に迎え、1930年代にフランス政財界を揺るがした「スタビスキー事件」を映画化した実録サスペンス。シャルル・ボワイエがラオール男爵を演じ、1974年・第27回「カンヌ国際映画祭」で特別表彰を受けたほか、「ニューヨーク映画批評家協会賞」の最優秀助演俳優賞を受賞しています(若き日のジェラール・ドパルデューが少しだけ出ている)。今月['22年9月]、ベルモンド主演作をリマスター版で上映する「ジャン=ポール・ベルモンド傑作選3」(東京・新宿武蔵野館ほか)で47年ぶりに劇場公開されました(ジャン=ポール・ベルモンドが'昨年['21年]9月に亡くなったため、この第3弾は"追悼上映"のような位置づけにもなってしまった)。 
本作の前年のフィリップ・ラブロ監督「相続人」('73年/仏・伊)で、ベルモンドは、ダンディな三つ揃いをりゅうと着こなすコンツェルンのサラブレッドにして、全ヨーロッパの資産家20位に入るセレブの後継者を演じています。ベルモンドの半分つぶれたような鼻が、どういうわけかハーバード大卒という、主人公のインテリジェンスに相応しく見えるのが不思議。ただし、「相続人」は、後にベルモンド主演で「危険を買う男」('76年/仏)を撮るフィリップ・ラブロ監督なのにアクションが無くてイマイチでした。ベルモンドに美女を絡ませれば何とかなる―みたいな感じ。フィリップ・ド・ブロカ 監督、ジュール・ヴェルヌ原作の 「
ただし、主人公のスタビスキーは次第に追い詰められていき、実際には一文無し同然であるのに、それでもスイスの銀行口座があると言って当面を凌ぎ、政界の汚職スキャンダルにも巻き込まれていきます。従って、実際のスタビスキーも、パリを脱出後、警察による捜索の結果、スイス国境のシャモニーにある別荘にて、頭に銃弾を受けて倒れているのを発見され、病院に搬送されたが2時間後に死亡したそうで、警察当局は「警官隊に包囲され逃げられないと悟ったスタビスキーが、自ら命を絶った」と発表したそうですが、射殺説もあるようです(映画もどちらともとれる終わり方になっていた)。
ベルモンドは野心溢れるスタビスキーの栄枯盛衰を熱演(自分がやりたかった役のようだ)していたように思います。また彼に騙され財産を失う男爵役のシャルル・ボワイエがハマリ役で、人生の深みを感じさせる演技をしていました。さらには、美術は豪勢で、最近の映画には
無い"本物感"がありました。ただ難点を言えば、アラン・レネ監督の他の作品に比べればわかり易いですが、それでも展開が複雑で(疑獄事件を扱った作品にありがち。この間観たダニエル・シュミット 監督の「
「薔薇のスタビスキー」●原題:STAVISKY●制作年:1974年●制作国:フランス●監督:アラン・レネ●製作:ジャン=ポール・ベルモンド●脚本:ホルヘ・センプラン●撮影:サッシャ・ヴィエルニー●音楽:ステファン・ソン
ダイム●時間:118分●出演:ジャン=ポール・ベルモンド/シャルル・ボワイエ/フランソワ・ペリエ/アニー・デュプレー/クロード・リッシュ/ジジ・バーリスタ/ジェラール・ドパルデュー●日本公開:1975/05●配給:エデン●最初に観た場所:新宿武蔵野館(22-09-14)(評価:★★★☆)














黒澤明然り。ただし、筆を持たせたら素晴らしく、「影武者」('80年/東宝)のスケッチなどは大したものであると(著者自身が絵を描くからそう感じるのだろう)。個人的には、かつての黒澤作品のダイナミズムは影を潜め、映画は映像美・様式美に終始してしまった印象。カンヌ国際映画祭でパルムドールを撮ったのは、その様式美がジャポニズムとして受けたのでは。勝新太郎が黒澤監督と喧嘩して主役を降りたけれど、もともと勝新太郎向きではなかった? 映画の完成披露試写会を勝新太郎が観に来たていて、「面白くなかった...俺が出ていたらもっと面白くなってたよ」と言ったそうだ。
映画評論を読めば、自分自身の「好み」や「個性」がわかってくる。それが値打ち。... 推薦できる評論家として、飯島正、南部圭之助、双葉十三郎を挙げ、淀川長治さんなんかの映画評論を一般のファンは当てにしたらいいんじゃないかと思うと(そう言えば、本書のカバー裏の著者紹介は淀川長治が書いている)。
ハリウッドの西部劇とマカロニ・ウエスタン。その大きな違いの一つは「女の描き方」。... マカロニ・ウエスタンには女の匂いがぷんぷんするような女が出てきて男とからみ合うが、アメリカの方は「女なんか全然数のうちじゃない...」といった男がいっぱい出てくると。また、マカロニ・ウエスタンの特徴はサディスティックであることで、拷問シーンなどでもユーモアがないとのこと。
確かに「荒野の用心棒」('64年/伊)がそうだった。クリント・イーストウッド演じる「名無しの男」はボロボロにやられていた。ただし、著者は、黒澤明の「用心棒」を無断でかっぱらった「荒野の用心棒」が面白くないはずがないと(「名無しの男」というのも「用心棒」の「桑畑三十郎」がその場で思いついた名前であることをなぞっている)。
はなく「夕陽のガンマン」('65年/伊・西独・スペイン、セルジオ・レオーネ監督・ クリント・イーストウッド主演、原題の意味は「もう数ドルのために」)であり、その続編(出来事としては前二作より以前の話だが)「続・夕陽のガンマン」('65年/伊・西独・スペイン・米、セルジオ・レオーネ監督・クリント・イーストウッド主演、原題の意味は「善玉、悪玉、卑劣漢」)と併せて「ドル箱三部作」または(主人公の名がでないため)
「名無しの三部作」と言われています。「荒野の用心棒」は黒澤明の「用心棒」と同じで、互いに相争う2組の悪党どもの対立をイーストウッド演じる主人公が一層煽り、けしかけながら、双方を壊滅状態に追い込むという話
なのに対し、「夕陽のガンマン」は、共に腕利きの同業者にして宿命のライバルたる2人の賞金稼ぎが、時に相争い、時には紳士協定を結んで互いに協力しながら、いずれも多額の懸賞金を狙うという話。ただし、クリント・イーストウッド演じる「名無しの男(あだ名はモンコ(Manco)、スペイン語で「片腕」)」が単なる金目当て賞金稼ぎなのに対し、リー・ヴァン・クリーフが演じるモーティマー大佐には別の目的があった―。続編の方が本編より上とされる作品の1つで(年代が古い、米国映画でない、邦題がまるきり違うなどの理由であまり取り沙汰されないが)、この1作でリー・ヴァン・クリーフはマカロニ・ウェスタンのスターとなりました(敵役は「荒野の用心棒」に続いてジャン・マリア・ヴォロンテ)。



「影武者」●制作年:1980年●制作国:日本・アメリカ●監督:黒澤明●製作:黒澤明/田中友幸●外国版プロデューサー:フランシス・コッポラ/ジョージ・ルーカス●脚本:黒澤明/井手雅人●撮影:斎藤孝雄/上田正治
●音楽:池辺晋一郎●時間:180分●出演:仲代達矢/山﨑努/萩原健一/根津甚八/油井昌由樹/隆大介/大滝秀治/桃井かおり/倍賞美津子/室田日出男/阿藤海/矢吹二朗/志村喬/藤原釜足/清水綋治/清水のぼる/山本亘/音羽久米子/江幡高志/島香裕/井口成人/松井範雄/大村千吉●公開:1980/04●配給:東宝●最初に観た場所:飯田橋・佳作座(81-02-14)(評価:★★★)

「荒野の用心棒」●原題:PER UN PUGNO DI DOLLARI(英:A FISTFUL OF DOLLARS)●制作年:1964年●制作国:イタリア・西ドイツ・スペイン●監督:セルジオ・レオーネ●脚本:ヴィクトル・アンドレス・カテナ/ハイメ・コマス・ギル/セルジオ・レオーネ●製作:アリゴ・コロンボ/ジョルジオ・パピ●音楽:

「夕陽のガンマン」●原題:PER QUALCHE DOLLARO IN PIU(英:FOR A FEW DOLLARS MOREA)●制作年:1965年●制作国:イタリア・西ドイツ・スペイン●監督:セルジオ・レオーネ●脚本:セルジオ・レオーネ/ルチアーノ・ヴィンチェンツォーニ●製作:アルトゥーロ・ゴンザレス/アルベルト・グリマルディ●音楽:
/ホセ・マルコ/ヨゼフ・エッガー●公開:1967/01●配給:ユナイテッド・アーティスツ(評価:★★★★)




南仏マルセイユでは、警察官が暗黒街から賄賂を貰い、麻薬、恐喝、売春などの犯罪を黙認してたが、ある日モーテルで地元警察の警部が娼婦と一緒のところを殺された。背後に暗黒街の影がちらつく中、パリから一人の男がやって来る。彼の名は、スタニスラス・ボロウィッツ(ジャン=ポール・ベルモンド)、またの名をアント
ニオ・セルッティ。その行状から一見悪党にも見え、警察に逮捕されたりもするが、実は別名"洗濯屋"と呼ばれる、自らの身分を隠して他の警察官を監督する警部だった。彼は早速、身分を隠して地下組織に潜り調査を開始、殺された警部の未亡人(マリー・ラフォレ)に接近し、彼女を通して事件の真相に迫るが、一方、警察内では暗黒街の組織と通じて彼を葬り去ろうとする計画が進んでいた―。
'79年フランス公開作で、ミシェル・グリリアの原作を基に「さらば友よ」('68年)、「パリ警視J」('84年)のジャン・エルマンが脚色し、撮影は「
観ていてテンポがいいと思いました。ベルモント演じる男は、革ジャン・革ブーツで白いクラシックのスポーツカーをぶっ飛ばして登場するや、マリー・ラフォレ演じる警部の未亡人の家に乗り付け、車ごと窓をぶち破って侵入、自らセルッティと名乗り、カナダの刑務所から出所してきたばかりであり、殺されたのは妹だと自己紹介して金を請求する―どこの無法者かと思いきや実は刑事ということで、ただしこれは邦題がネタバレ気味でしょうか(原題は FLIC OU VOYOU(COP OR HOOD)、つまり「刑事か無法者か」)。
ただ、もう一つ大きな
ヤマがあって、ボロウィッツは二つの組織を対立させて自滅に追い込む黒澤明の「用心棒」みたな戦略をとるのですが、警察内部にも暗黒組織に通じた側にはボロウィッツを陥れようとする罠があって、ボロウィッツがどこまでそれに気が付いているかが分からず、観ていてはらはらさせられることです。一方で、ボロウィッツには娘(ジュリー・ジェゼケル)がいて、ホームドラマ的な親子問題も微妙に(時にユーモラスに)絡んで、さらに極力スタントマンを使わず体を張ってやっているアクションの部分にもユーモラスな場面があり、全体としてコメディ・アクション映画と言えるものになっています。
この明るさが、アラン・ドロンのギャング映画などとは大きく異なる点で、フランスではアラン・ドロンより人気があるということですが、日本でも、ボロウィッツの人物造型はモンキー・パンチの「ルパン三世」や寺沢武一の「コブラ」に影響を与えたと言われてます(ただし、「ルパン三世」の雑誌連載そのものは'67年にスタートしているので、実際に「ルパン三世」に影響を与えたかどうかとなると「?(クエスチョン)」)。「ルパン三世」「コブラ」のルーツと言われながら、その割にはあまり注目されてこなかったようにも思いますが、相まみえてみると意外と楽しめた作品でした。
「警部(ジャン=ポール・ベルモンドの警部)」●原題:FLIC OU VOYOU(COP OR HOOD)●制作年:1978年●制作国:フランス●監督:ジョルジュ・ロートネル●製作:アラン・ポワレ●脚本:ジャン・エルマン/ミシェル・オーディアール●撮影:アンリ・ドカ●音楽:フィリップ・サルド●原案:ミシェル・グリリア●時間:108分●出演:ジャン=ポール・ベルモンド/マリー・ラフォレ/ジョルジュ・ジェレ/ジャン=フランソワ・バルメ/クロード・ブロッセ/トニー・ケンドール/ミシェル・ボーヌ/カトリーヌ・ラシェン/ジュリー・ジェゼケル●日本公開:1980/11●配給:エデン●最初に観た場所:新宿武蔵野館(20-11-12)(評価:★★★☆)



海外名作映画の中に登場する美しい絶景の数々を、映画のストーリーや実際に撮影されたシーンと共にご紹介したもので、スマホで掲載されているバーコードを読み込むことで、バーチャル旅行を楽しんだりすることもできる点が今風と言えば今風でしょうか。
15作の映画を取り上げ、それぞれ数カ所の場面シーンの実際にモデルになった場所の写真を載せ、併せて映画のシーンなども引用するとともに、撮影にまつわるコラム風の解説を付しています。その15作とは、「ハリー・ポッター」「スター・ウォーズ」「インディ・ジョーンズ」「ダ・ヴィンチ・コード」「ミッション:インポッシブル」「ロード・オブ・ザ・リング」「ライフ!」「マンマ・ミーア!」「プラダを着た悪魔」「フォレスト・ガンプ」「ローマの休日」「アメリ」「サウンド・オブ・ミュージック」「パディントン」「ピーターラビット」になります。
れでも、「サウンド・オブ・ミュージック」('65年/米)とか、音楽もさることながら、改めて見どころが多かったなあと思いました。
その主要な映画の舞台であるザルツブルグは、モーツァルトの出身地としても知られていますが、行ったことはありません。ただ、家族が合唱遠征で行って、本書にも写真がある、映画の中で若い二人が密会して「もうすぐ17才」を歌うヘルブルン宮殿のガラスのパビリオン(映画に使われたものと同じものを後に観光用に再現したものらしいが)や、ザ
たようです。お土産は"モーツァルト・チョコ"と""モーツァルト栓抜き"(笑)。それと"ザルツブルグ"という都市名の由来になったよく言われているソルト(塩)でした("ザルツブルグ"という都市名は、実際には市章にもなっている城の固有名詞が由来だそうだが)。





作者は、1996年に英国で世界初のクローン羊"ドリー"(米国のシンガーソングライター兼女優ドリー・パートンの巨乳に因んで名づけられた)が誕生したニュースから、この作品のモチーフを着想したそうです。この作品の発表の翌年2006年に、山中伸弥教授が率いる京都大学の研究グループがiPS細胞を開発し、その時点でノーベル受賞が確実視されるほど話題になりましたから(2012年ノーベル生理学・医学賞を受賞)、そのニュースの後だったら違った作品になっていたかもしれないという気もします(iPS細胞の開発はこの作品の前提を変えてしまうから)。
この作品の登場人物たちは、自分たちの運命に抵抗もしますが、それを宿命として受け入れている部分がかなり大きいように思います。P・K・ディックの小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』の映画化作品リドリー・スコット監督の「
この作品は、2010年にマーク・ロマネク監督、キャリー・マリガン、キーラ・ナイトレイ、アンドリュー・ガーフィールド主演により、イギリスにおいて映画化されています。キャリー・マリガン、キーラ・ナイトレイ共に1985年生まれで、キーラ・ナイトレイは「プライドと偏見」('05年/英)でアカデミー主演女優賞にノミネートされ、ハリウッド映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズでジョニー・デップの相手役でブレイク、一方のキャリー・マリガンは、そのキーラ・ナイトレイが主演した「プライドと偏見」がデビュー作ということで、当初はキャリアに相当差がありましたが、その後「17歳の肖像」('09年/英)で英国アカデミー賞主演女優賞を受賞、この「わたしを離さないで」では、キャリー・マリガンが主人公キャシーを演じ、ルースを演じたキーラ・ナイトレイ、トミーを演じたアンドリュー・ガーフィールドと共に2010年・
役者達の演技は悪くなく、特にキャリー・マリガンはいいです。子役たちも、意図して選んだのだと思いますが、3人の役者にそれぞれ似ていました。ただ、小説におけるヘールシャムからは英国のパブリック・スクールに代表される「イギリス的学校」の雰囲気が感じられ、ここにも作者の"英国的"なものへの批判が込められていると思
いましたが、映画ではもろにパブリック・スクールそのものになってしまっていて、ストレートすぎて逆にイマジネーションが阻害された感じ。それと、シャーロット・ランプリング演じるヘールシャムの校長が、かなり早い段階で生徒たちに事実を告げてしまうので、これもどうかなと思いました。原作を読んでいて、読みながら何かこの学校にはあるぞという思いを巡らせる、そうした時間に相当する部分が短かすぎたため、原作を"追体験"した気分にならなかったです(そう考えると、原作は"引っ張る"ことの効果まで計算されていたということか)。
日本では2014年に蜷川幸雄演出、多部未華子主演により舞台化され、2016年には森下佳子(「おんな城主 直虎」('17年/NHK))脚本、綾瀬はるか主演でテレビドラマ化されました。多部未華子の舞台は観ていま
まっています(これ、何歳でそうした事実を知らされるかで、話がやや違ってくるように思われ、児童劇のような序盤と併せ、原作と最もイメージが違った点だった)。更に、ラストの方は、ドラマのオリジナルの話になっています。映画化も舞台化もされているため、オリジナリティを出そうとしたのかもしれませんが、ドラマ化は初なので、原作通りで真っ向勝負して欲しかった気もします(歴史さえ改変してしまう「直虎」の脚本家だから、何でもありか)。
「わたしを離さないで」●原題:NEVER LET ME GO●制作年:2010年●制作国:イギリス●監督:マーク・ロマネク●製作:アンドリュー・マクドナルド/アロン・ライヒ●脚本:アレックス・ガーランド●撮影:アダム・キンメル●音楽:レイチェル・ポートマン●原作:カズオ・イシグロ●時間:105分●出演:キャリー・マリガン/アンドリュー・ガーフィールド/キーラ・ナイトレイ/イソベル・メイクル=スモール/エラ・パーネル/チャーリー・ロウ/エミリシャーロット・ランプリング/サリー・ホーキンス/ナタリー・リシャール/アンドレア・ライズボロー/ドムナル・グリーソン●日本公開:2011/03●配給:フォックス・サーチライト・ピクチャーズ(評価:★★★)







1960年、兵役を数カ月後に控えたミッシェル(ジャン=クロード・エミニ)は、勤め先のテレビ局でリリアーヌ(イヴリーヌ・セリ)とジュリエット(ステファニア・サバティーニ)という女の子と知り合う。2人の娘はミシェルに恋心を抱く。ミシェルは生中継中にヘマをして放送局を辞め、コルシカ島で早めのヴァカンスを楽しんでいた。そんな彼のところに、リリアーヌとジュリエットがやって来る。双子のように仲良しだった2人の仲は、嫉妬が原因でぎくしゃくし始めて―。
「アデュー・フィリピーヌ」('62年/伊・仏)は、ヌーヴェルヴァーグの代表監督の一人ジャック・ロジエの長編モノクロ処女作。日本では70年代に東京日仏学院で自主上映されていて、2004年と2006年には紀伊国屋書店がDVDを発売されていますが、入手困難で1万円位のプレミア価格になっていました。2010年1月のユーロスペースでの特集上映「ジャック・ロジエのヴァカンス」での上映が日本初の劇場公開で、2016年にはシアター・イメージフォーラムの同特集で再上映されながらも、DVDは2018年現在再リリースされておらず、価格は依然高値のようです。
「さよならフィリピン娘」という意味のタイトルは、劇中に出てくるフランス式の遊びからとったもので、アーモンドの双子の実を見つけた者同士が次に顔を合わせた時に、先に「さよならフィリピン娘」と言った方に幸運が訪れる、という他愛ないものですが、それがこの映画の内容を象徴しているとも言えるし、また、リリアーヌとジュリエットがただふざけて口にする、大した意味が無い言葉ともとれます。
前半の舞台はパリ、主人公ミッシェルはマスコミで働く(といってもカメラのケーブルマン)青年で、録画装置の無かった生放送時代のテレビ局の舞台裏や、華やかな業界に群がる浮薄な連中などを絡めながら、ナンパした2人の娘を手玉に取る様子がテンポ良く描かれます。
ヌーヴェルヴァーグ繋がりとして、ゴダールがプロデューサーにジャック・ロジエ監督を推薦して、この長編デビューの契機を与えたということがあるようです。随所にイタリア的な要素が表出していますが、ジャック・ロジエ監督のイタリアン・ネオリアリスモへの傾倒ぶりを端的に示しているのが、主演に素人を起用している点でしょう。俳優たちにとっても、この作品はほとんどワン・アンド・オンリーなものになったようで、刹那的な魅力を強調しているように思えます。箒のCM(ホーキー?)や冷蔵庫のCM(エスキモーに氷を売る)の制作風景が戯画的に描かれているのは、商業主義への風刺でしょうか? ただし、全体としては、メッセージ性を極力排除しているように思えました。
ジャック・ロジエ監督の長編第2作は「オルエットの方へ」('69年/仏)で、これも、2010年1月のユーロスペースでの「ジャック・ロジエのヴァカンス」で日本初上映、'16年10月にシアター・イメージフォーラムで再上映された作品。今度はカラー作品ですが、ヴァカンス、男女の三角関係(今度は五角関係?)、ドキュメンタリー風乃至プライベートフィルムタッチなところ、主役に素人の俳優を使っている点など、「アデュー・フィリピーヌ」の要素を多く引き継いでいます。あらすじは―、
キャロリーヌ(キャロリーヌ・カルチエ)は、ヴァンデ県の海岸沿いにある家族の別荘に友だちのカリーヌ(フランソワーズ・ゲガン)、ジョエル(ダニエル・クロワジ)と共にヴァカンスを過ごしに来る。最初のうち3人は女だけの気ままな時間を楽しんでいたが、そこへ、ジョエルの上司で密かに彼女に
思いを寄せるジルベール(ベルナール・メネズ)が現れる。ジルベールは別荘の庭にテントを張らせてもらうことになるが、3人から軽く扱われるばかり。そんな中、3人は海からの帰りにパトリック(パトリック・ヴェルデ)というヨットマンの青年と出会い、ジルベールはパトリックと親しくなっていく―。
と、書きましたが、これまたそれほどストーリー性は前面に出されておらず、9月1日から20日までの3人のヴァカンスの過ごし方が映像日記のよう描かれ、3人が都会生活を離れた開放感から日常の何でもないことに可笑しみを見い出しては燥(はしゃ)ぐ姿が自然に生き生きと語られています。彼女たちが別荘の近くの農場やカジノのあるオルエットという村へ行こうとして、その地名を口にするだけで意味なく笑いこけ、これが作品のタイトルの一部になっている点で、タイトルの付け方も「アデュー・フィリピーヌ」と少し似ています。
3人に体よく馬鹿にされ続けた上司ジルベールがパリに帰ってしまい、次にはパトリックの粗雑な一面に腹を立てたカリーヌがパリに帰ってしまって、残った2人も興覚めして騒々しいパリに戻ってくる―という結末ですが、ストーリーよりも、うなぎを床にぶちまけるシーン、ヨットで海面を走行するシーン、海岸を馬で駆けるシーンなど、個々の断片的なシーンの方が印象に残ります(特にヨットに乗るシーンは、昔、夏にティンギーヨットに乗ったことがあったので、個人的に懐かしさを覚えた)。
寡作で知られるジャック・ロジエ監督が長編第3作「トルチュ島の遭難者」('74年/仏)に続いて撮った長編第4作は「メーヌ・オセアン」('86年/仏)で、前第3作に続くコメディですが、ジャック・ロジエ監督はこの作品で、本来は新人若手監督に贈られる「
フランス西部ナント行きの列車メーヌ・オセアン号で、ブラジル人ダンサーのデジャニラ(ロザ=マリア・ゴメス)は検札係のル・ガレック(ベルナール・メネズ)とリュシアン(ルイス・レゴ)との間でトラブルになるが、女弁護士ミミ(リディア・フェルド)に救われる。漁師プチガ(イヴ・アフォンソ)の弁護のためアンジェで降りる予定のミミは、意気投合したデジャニラと海に行く計画を立て、2人一緒にアンジェで下車する。プチガの裁判はプチガの態度の悪さとミミの意味不明の抗弁のため、あっさり
と敗訴する。ミミとデジャニラは列車内で再会したリュシアンの勧めで、プチガの住むユー島に3人で行くことに。リュシアンはユー島への旅に上司のル・ガレックも誘う。ユー島でリュシアンとル・ガレックは、ミミとデジャニラと合流、そこにプチガが居合わせ、ミミとデジャニラからメーヌ・オセアン号でのル・ガレックの態度について悪口を聞かされていたプチガはル・ガレックに喧嘩をふっかけ、止めに入ったリュシアンがケガを負う。冷静になったプチガは反省し、酔った勢いもあり、逆にル・ガレックを気に入ってしまう。そこにニューヨークからデジャニラの雇い主である興行主ペドロ・マコーラ(ペドロ・アルメンダリス・Jr)が現れ、ふとしたことから市民会館でどんちゃん騒ぎをすることになる―。
ダンサーと弁護士という全く異質な職業の2人の女性の偶然の出会いを介して、漁師、列車の検札係、興行主という、これまた全く異質の職業の男たちが一堂に会してどんちゃん騒ぎをする―という、コメディだけに初期2作よりはストリー性があり、観ていて楽しい映画です。「ヴァカンス」というモチーフは前3作に通じ、「海辺」や「島」といった背景についても同じことが言えます。
ただし、映画の終盤は、興行主に「現代のモーリス・シュヴァリエ」とおだて上げられたものの実は単にからかわれていただけだったことに気付いた検札係の上司が(演じるベルナール・メネズは17年前の「オルエットの方へ」でも、ヴァカンス先で部下の女性らに軽んじられ、途中で帰る上司という役柄だった)、ナントに戻るため漁師に頼み込んで船で送ってもらい、何度か船を乗り継ぎ、ようやく海岸に辿り着くまでを延々と描いており、ストーリーもさることながら、ベルナール・メネズがズボンの裾を濡らしながら浅瀬を道路が走っている側に向かって行くシーンなどが印象に残ります。
ストーリー性を前面に出さず(或いはストーリーがあってもさほど意味はなく)、個々の出来事を単に個々の事象として背景の中に塗り込んでしまうとでもいうか、そのため、背景が前景にも増して印象に残るのがジャック・ロジエ作品の特徴かもしれません。その意味では、比較的ストーリー性が感じられる「メーヌ・オセアン」よりも、「アデュー・フィリピーヌ」「オルエットの方へ」の2作の方が、よりジャック・ロジエらしいユニークさがあったように思います。特に「アデュー・フィリピーヌ」が実際に撮影されたのは公開の2年前、アルジェリア戦争最中の1960年(昭和35)年の物語と同時期の夏ですが、主人公の兵役の話が出てきてやっと時代に気づくくらいのモダンなセンスには驚かされます。
「アデュー・フィリピーヌ」●原題:ADIEU PHILIPPINE●制作年:1960年(撮影)・1962年(公開)●制作国:フランス・イタリア●監督:ジャック・ロジエ●脚
本:ジャック・ロジエ/ミシェル・オグロール●時間:106分●出演:ジャン=クロード・エミニ/ダニエル・デカン/ステファニア・サバティニ/イヴリーヌ・セリ/ヴィットーリオ・カプリオリ/ダヴィド・トネリ/アンヌ・マルカン/アンドレ・タルー/クリスチャン・ロンゲ/ミシェル・ソワイエ/アルレット・ジルベール/モーリス・ガレル//ジャンヌ・ペレス/シャルル・ラヴィアル●日本公開:2010/01●配給:アウラ●最初に観た場所:北千住・シネマブルースタジオ(18-06-12)(評価:★★★★)

作年:1971年(撮影)・1973年(公開)●制作国:フランス●監督:ジャック・ロジエ●脚本:ジャック・ロジエ/アラン・レゴ●撮影:コラン・ムニエ●時間:106分●出演:フランソワーズ・ゲガン/ダニエル・クロワジ/ キャロリーヌ・カルチエ/ベルナール・メネズル●日本公開:2010/01●配給:アウラ●最初に観た場所:北千住・シネマブルースタジオ(18-06-26)(評価:★★★★)

「メーヌ・オセアン」●原題:MAINE-OCEAN●制作年:1986年●制作国:フランス●監督:ジャック・ロジエ●製作:パウロ・ブランコ●脚本:ジャック・ロジエ/リディア・フェルド●撮影:アカシオ・デ・アルメイダ●音楽:シコ・ブアルキ/フランシス・ハイミ/ユベール・ドジェクス/アンヌ・フレ
デリック●時間:130分●出演:ベルナール・メネズ/ルイス・レゴ/イヴ・アフォンソ/リディア・フェルド/ロザ=マリア・ゴメス/ペドロ・アルメンダリス・Jr●日本公開:2010/01●配給:アウラ●最初に観た場所:北千住・シネマブルースタジオ(18-07-04)(評価:★★★☆)



唐代8世紀後半、聶隠娘(ニエ・インニャン)(舒淇(スー・チー))が、13年ぶりに両親の元へ帰ってくる。道士・嘉信(ジャーシン)(許芳宜(シュー・ファンイー))に育てられ、暗殺者としての修行を積んだ彼女には、魏博(ウェイボー)の節度使・田季安(ティエン・ジィアン)(張震(チャン・チェン))暗殺命令が下されている。ある夜、季安の館に何者
かが忍び入り、季安は、室内に残された玉玦の片割れを見て、幼馴染みだった隠娘が自分の命を狙っているのを知る。かつて、先帝の妹で、妾腹の季安の養母だった嘉誠(ジャーチャン)公主(許芳宜(シュー・ファンイー)二役)の計らいで婚約した隠娘と季安は、その証に玉玦を半分ずつ託されたが、田家と元家が同盟を結んだため結婚は破談、隠娘に身の危険が迫ったため、嘉誠は双子の姉・嘉信に彼女を預けたのだ。隠娘の伯父・田興(ティエン・シン)(雷鎮語(レイ・チェンユイ))は、朝廷寄りの献言をしたことで季安の怒りを買い、国境へ左遷されることになる。義弟である
隠娘の父・聶鋒(ニエ・フォン)(倪大紅(ニー・ダーホン))が護送するが、道中で元家の刺客たちに襲われる。田興は生き埋めにされかけ、聶鋒らも縛られるが、通
りがかりの鏡磨きの青年(妻夫木聡)が助けに現れる。その青年も追い詰められたところに隠娘が駆けつけ、刺客たちを撃退するが、そんな娘に聶鋒は、道士に預けたのは誤りではなかったかと後悔する。別れも告げず去った隠娘は、仮面の女刺客・精精兒(ジンジンアー)(周韻(チョウ・ユン))に襲われ手傷を負い、後を追ってき
た鏡磨きの青年の治療を受ける。青年はかつて日本から遣唐使としてやってきたのだが、今は鏡磨きをしながら旅していた。季安の側室・瑚姫(フージィ)(謝欣穎(シェ・シンイン))が不意に廊下で倒れ込む。季
安の館に忍び入っていた隠娘は、呪術に苦しむ瑚姫を救い、駆けつけた季安に瑚姫の妊娠を告げて去る。季安は、正妻の田元氏(ティエン・ユエンシ)(周韻(チョウ・ユン)二役)が呪術師を雇い、瑚姫を苦しめたのだと知る。呪術師は射殺され、季安は元氏を斬り捨てようとするが、母を庇う息子を前に思い止まる。嘉信を訪れた隠娘は、季安暗殺を遂行できなかったと告げる。嘉信は隠娘を、暗殺者としての技術は完成しながらも情を捨てられなかったのだと詰る。隠娘と嘉信は一戦を交えるが、隠娘の剣術の腕前は、師匠の嘉信に引けを取らないものとなっていた。隠娘は剣を収めて立ち去り、嘉信はそれを呆然と見つめる。隠娘は、新羅へ向かう鏡磨きの青年らと共に、霧深い草原の彼方へと姿を消す―。
2015年公開の侯孝賢(ホウ・シャオシェン)監督による台湾・中国・香港合作映画で、同監督初の武侠映画です。中華圏の監督は、芸術映画を撮って"巨匠"と言われるようになっても武侠映画を撮ることにこだわりがあるようです。代表的なものでは、同じ台湾出身のアン・リー(李安)監督の「
」を受賞、「HERO」はベルリン国際映画祭の「銀熊賞(アルフレード・バウアー賞)」を受賞、「グランド・マスター」は香港国際映画祭「アジア・フィルム・アワード」受賞と、"巨匠"たちは武侠映画においても賞レースでの強さを発揮しています。そして、この「黒衣の刺客」も、第68回カンヌ国際映画祭で「監督賞」を受賞し、「アジア・フィルム・アワード」も、最高賞である「作品賞」ほか主演女優賞(舒淇(スー・チー))、助演女優賞(周韻(チョウ・ユン))などを受賞しています。
ただ、この作品は先に挙げた3作品に比べ武闘シーンは多くなく、カンフー映画とまでは呼べない内容であり、侯孝賢監督自身も、インタビューで「カンフーアクションやワイヤーアクションには関心がなく、黒澤明監督のサムライ映画の動き、背景に大自然が映るような部分に興味があった」という趣旨の発言をしています。話が前半緩やかに進むのは、複雑
な人間関係図を観る者に分からせるためかとも思いましたが(それでも説明不足で分かりにくのだが)、後半になってもゆったりしたペースはそれほど変わらず、黒澤作品の前期のダイナミズムよりも、後期の様式美の影響が強く感じられます。時々、水墨画のような荘厳な背景が現われて、その美しさにはっとさせられますが、娯楽映画的なアップテンポの展開を期待した人にはやや退屈に感じられたかも。後半の映
像美は、小栗康平監督の「
妻夫木聡演じる窮地に追い込まれたヒロインを助ける日本人青年(彼が元遣唐使であるという説明は映画の中では無い)の日本に居る妻役を務めた忽那汐里のシーンは、侯孝賢監督が来日した際のインタビューによると、編集の女性スタッフから「青年に奥さんが居るなんて、主人公の女刺客が可哀そう」という声が上がって国際版でカットされ、それが、日本公開版で監督の希望で戻されたとのこと。青年を日本で待つ人が居ることで、隠娘の孤独が一層深まるようにしたと明かしていますが、原作(原作者の裴鉶(はいけい)は晩唐の官僚&伝奇作家)では隠娘はこの青年と一緒になるようです。映画でもそう解釈できなくもない?(でも何故最後に向かう先が新羅なのか。やっぱり青年が朝鮮半島経由で日本に帰るため?)。
その他に、隠娘の子供時代なども撮ったそうですが、最終的に全然残さなかったそうで、結局、いろいろな面で説明不足になったように思います。妻夫木聡が中国語を話すシーンもあったのが、これも「そんなに説明しなくてもわかると判断しました。セリフにしすぎると想像できなくなるからです」としてカットしたそうです(だから彼が何者なのかよく分からない)。但し、妻夫木聡が中国語を話すシーンをカットしたのは、小栗康平監督の「
「黒衣の刺客」のヒロインを演じた舒淇(スー・チー)(1976年生まれ)は「ミレニアム・マンボ」('01年/台湾・仏)以来ずっと侯孝賢監督作品の常連で、ルイ・レテリエ、コリー・ユン監督の「トランスポーター」('02年/仏・米)で欧米映画にも進出しました。「トランスポーター」は、「
ラン・ブルー
ョン映画によくあるモチーフです。スー・チーの役どころは、ジェイソン・ステイサム演じる男フランクが請け負った仕事で運んだバッグの中に詰め込まれた中国人の女性で、自分を助けてくれたフランクを利用して父親の悪事を暴こうとしたが次第に彼に惹かれていくというもの。確かにリュック・ベッソン監督の「レオン」('94年/仏)っぽい雰囲気もありましたが、基本はアクション映画。ただし、この頃のジェイソン・ステイサムは演技もアクションもまだ完成されていない感じで、むしろヒロイン役のスー・チーの演技が上手くて楽しめました。スー・チーはその後、侯孝賢監督の「百年恋歌」('05年/台湾)で第42回「金馬奨最優秀主演女優賞」を受賞、カンヌ国際映画祭にも毎年登場し、'09年の第62回「カンヌ国際映画祭」では審査員を務めるなどし、'15年にこの侯孝賢監督の「黒衣の刺客」で第10回「アジア・フィルム・アワード最優秀女優賞」の受賞に至ったということで(39歳にして可憐!)、台湾・香港映画界を代表する国際派女優の一人となっています。


「黒衣の刺客」●原題:刺客聶隱娘/THE ASSASSIN●制作年:2015年●制作国:台湾・中国・香港●監督:侯孝賢(ホウ・シャオシェン)●製作:廖慶松●脚本:侯孝賢/朱天文(チュー・ティエンウェン)●音楽:林強(リン・チャン)●撮影:李屏賓(リー・ピンビン)●時間:93分●出演:舒淇(スー・チー)/張震
(チャン・チェン)/許芳宜(シュー・ファンイー)/周韻(チョウ・ユン)/倪大紅(ニー・ダーホン)/咏梅(ヨン・メイ)/雷鎮語(レイ・チェンユイ)/謝欣穎(シェ・シンイン)/阮經天(イーサン・ルアン)/謝欣穎(ニッキー・シエ)/梅芳(メイ・ファン)/妻夫木聡/忽那汐里●日本公開:2015/09●配給:松竹メディア事業部(評価:★★★)
舒淇(スー・チー)
謝欣穎(ニッキー・シエ)
「トランスポーター」●原題:LE TRANSPORTEUR/THE TRANSPORTER●制作年:2002年●制作国:フランス・アメリカ●監督:ルイ・レテリエ/コリー・ユン(元奎)●製作:リュック・ベッソン/スティーヴ・チャスマン●脚本:リュック・ベッソン/ロバート・マーク・ケイメン●音楽:スタンリー・クラーク●撮影:ピエール・モレル●原作:裴鉶(はいけい)「聶隱娘」●時間:106分(インターナショナル版)/108分(日本オリジナル・ディレクターズカット版)●出演:ジェイソン・ステイサム/スー・チー(舒淇)/マット・シュルツ/フランソワ・ベルレアン/リック・ヤン/ディディエ・サン・ムラン/ヴァンサン・ネメス/アドリアン・デアルネル●日本公開:2003/02●配給:アスミック・エース(評価:★★★)



和田 誠 
メイドがノックして入った部屋で刺殺体を発見し、大声で叫ぶ。この場面が7回繰り返され、回ごとに「MURDER!」というそれぞれ違ったタイトルロゴの後、様々な探偵が登場し、独自の方法で犯人を突き止め、逮捕に至る(逮捕
されるのは常に同じ人物)。1人目は、ハンチングキャップ.を被りパイプを咥え、現場の遺留物や足跡など残された手掛かりの組み合わせから犯人を推理する探偵。2人目は、巻き口髭を生やし、肘掛椅子で葉巻を燻らせな
がら新聞記事を読み、創造力だけで事件を解決してみせる探偵。3人目は、ソフト帽を被って両手はいつもコートのポケットの中で、メイドへの質問を手始めに鉄道や船
を使って地道な聞き込みを行い、更にはバーに行って聞き込みをしてカクテルを飲んだり、飛行機に乗ったりして捜査を続け、犯人を見つける探偵。4人目からは、"探偵"という枠を超えた人物が登場し、トップハット
を被った19世紀風の男が刺殺体を調べていると、死体が突然目を見開いて吸血鬼となって甦るも、男はニンニクと十字架でこれを退散させるという
オカルト・ホラー調。5人目は、007(ジェームズ・ボンド)風で、映画でよく知られている銃口をモチーフしたオープニングのパロディあり、美女との出会いや危険なア
クションありで、事件を解決して最後は美女とベッドイン。6人目は、SF映画のパロディ風で、科学者風の男が登場し、コンピュータにデータを打
ち込んで犯人を割り出す。本当の犯人はどうやら人間の躰を借りた宇宙人だったらしく、犯人の首がパカッと開いて、そこから空飛ぶ円盤へと帰って行く。最後7人目は、アートシアター風で、冒頭のタイトル及び刺殺体発見場面から最後まで全編モノクロ。映画「去年マリエンバートで」のパロディになっていて、探偵かと思われた男は、最後犯人探しはどうでもよくなっていて、出会った女と共に闇に消えていく。このパートだけ、犯人逮捕の場面はなく、ラストは「END」ではなく「FIN」で終わる―。
1964年秋、草月会館ホールで行われた第1回「アニメーション・フェスティバル」で上映するため、主催の「
この「殺人 MURDER!」は9分という長さの軽く楽しめる作品ですが、'64年という制作年で、しかも、「アニメーション三人の会」からの依頼で作った自主制作映画であったにしては、質的レベルはかなり高いように思います。『

「去年マリエンバートで」は、脚本のアラン・ロブ=グリエ(1922-2008)自身の言によれば、黒澤明監督の「
「殺人 MURDER!」の1人目と2人目の探偵はシャーロック・ホームズとエルキュール・ポアロがモデルであるのがすぐに分かるけれど、3
人目は、前のエントリーで取り上げた『
なお、この第1回「アニメーション・フェスティバル」には、先に述べたように、主催者である久里洋二、柳原良平、真鍋博の作品のほかに横尾忠則や宇野亜喜良、さらには手塚治虫の作品なども出品されていますが、この和田誠の「殺人 MURDER!」以外では、真鍋博の「潜水艦カシオペア」、手塚治虫の「人魚」、横尾忠則の「アンソロジーNo.1」「KISS KISS KISS」などを観ました。真鍋博「潜水艦カシオペア」は、SF作家の都筑道夫が原作の"戦争が嫌いな潜水艦"を主人公に据えた寓話的短編で、米ソ冷戦の影響を受けつつも真鍋博らしいなあという印象(但し、ラストはアンハッピーエンド)。手塚治虫「人魚」は、空想を禁じられている架空の国が舞台で、ひとりの少年が助けた魚が人魚に変身してしまい、これはよからぬ空想の産物だとして少年は逮捕され、強制的に空想する力を奪い取られてゆくという管理社会の怖さとそこからの脱出を描いた作品。8分の短編にテリー・ギリアム監督のSF映画「
感じ。横尾忠則「アンソロジーNo.1」は、実験映画というよりは画像コラージュに近い作品。星、古城、太陽、木、鳥、女の顔、演奏、涙、指差す形、ピストル、決闘、死(死神、霊柩車、十字架)という風に、いくつかのイメージを集め、ポスターや本の表紙、自らが描いたイラストなどから切り取った静止画がほとんどで(一部動画もあり)、60年代という時代における"横尾忠則"を感じる作品とでもいうべきでした。これらの中ではやはり、和田誠の「殺人 MURDER!」と手塚治虫の「人魚」が頭一つ抜きん出ているでしょうか。更に言えば、和田誠が一番でした(何度観ても飽きない)。
「去年マリエンバートで」●原題:L'ANNEE DERNIERE A MARIENBAT●制作年:1961年●制作国:フランス・イタリア●監督:アラン・レネ●製作:ピエール・クーロー/レイモン・フロマン●脚本:アラン・ロブ=グリエ●撮影:サッシャ・ヴィエルニ●音楽:フランシス・セイリグ●時間:94分●出演:デルフィーヌ・セイリグ/ ジョルジュ・アルベルタッツィ(
ジョルジョ・アルベルタッツィ)/サッシャ・ピトエフ/(淑女たち)フランソワーズ・ベルタン/ルーチェ・ガルシア=ヴィレ/エレナ・コルネル/フランソワーズ・スピラ/カ
リン・トゥーシュ=ミトラー/(紳士たち)ピエール・バルボー/ヴィルヘルム・フォン・デーク/ジャン・ラニエ/ジェラール・ロラン/ダビデ・モンテムーリ/ジル・ケアン/ガブリエル・ヴェルナー/アルフレッド・ヒッチコック●日本公開:1964/05●配給:東和●最初に観た場所:カトル・ド・シネマ上映会(81-05-23)(評価★★★?)●併映:「アンダルシアの犬」(ルイス・ブニュエル)
アルフレッド・ヒッチコック(ホテルの廊下に立つ人)
「潜水艦カシオペア」●制作年:1964年●監督・製作:真鍋博●協力:都築道夫/杉山正美/富澤幸男/岡田三八雄/染谷博/村瀬信夫/大野松雄/植田俊郎/池田亜都敦夫/片岡邦男/矢野譲/山内雅人●原作:都築道夫●時間:5分●公開:1964/09●配給:草月アートセンター(自主制作)(評価:★★★☆)
「人魚」●制作年:1964年●原案・構成・演出・作画:手塚治虫●製作:富岡厚司(虫プロのプロデューサー)●原画:山本繁●動画:沼本清海●撮影:佐倉紀行●音楽:冨田勲(ドビュッシー「牧神の午後の前奏曲」より)●時間:8分●公開:1964/09●配給:草月アートセンター(自主制作)(評価:★★★★)

「アンソロジーNo.1」●制作年:1964年●監督・製作:横尾忠則●時間:7分●公開:1964/09●配給:草月アートセンター(自主制作)(評価:★★★☆) 
●森卓也(映画評論家)の推すアニメーションベスト10(『

1991年春、数々の困難な任務を遂行し今や伝説の存在であるCIA工作員ネイサン・ミュアー(ロバート・レッドフォード)は、引退前の最後の勤務日を迎えようとしていた。彼にとってトム・ビショップ(ブラッド・ピット)はその弟子でもあり最も信頼のおける相棒でもあった。ミュアー自身がスカウトし、スパイに関するあらゆることを教え育て上げ、二人は互いに固い絆で結ばれていた。しかし、まさにミュアーのCIA退官日に、ビショップが中国側にスパイ容疑で逮捕される事件が起きる。本来ビショップはCIA香港支局長のダンカン(デヴィッド・ヘミングス)が指揮をとっていた米中通商会談の盗聴作戦に従事するはずだったが、許可なく中国人協力者を指揮して蘇州刑務所に侵入したのだった。ミュアーはビショップを見捨てようとするCIA上層部の反対を押し切り、背後の巨大な陰謀を承知の上で、ビショップ救出の壮大な作戦を計画する―。
2012年に高い橋から飛び降りて自殺してしまったトニー・スコット監督(1944-2012)。彼の2001年監督作で、 ロバート・レッドフォードが監督した「
レッドフォードは「コンドル」ではCIA職員でありながら凄腕の諜報部員でも何でもない単なる素人役だったのが、ここでは伝説的存在の工作員ミュアー役となっています。捕らえられてから24時間後に処刑予告されているブラッド・ピッ
ト演じるビショップをいつ助けに行くのかと思ったら、ミュアーはCIAの幹部らにビショップをCIA工作官に育て上げた経緯を語るばかりで、なかなか助けに行かない。その間に、ミュアーの口からベトナム戦争での二人の出会いから、西ドイツでの仕事やベイルートでの仕事が語られ、映画の大部分の時間はそのカットバックで占められ、ビショップがなぜ蘇州刑務所に侵入したのかも明かされます。
ミュアーが延々と過去を語るのは、ビショップの解放を外交交渉に委ねるための時間稼ぎだったわけですが、結局CIAは中国との通商交渉を控えたホワイトハウスの意向に沿ってビショップを見殺しにすることになり、これではミュアーは観客に過去の経緯を見せるためだけに"昔話"をしていたようなものだなあと思いましたが、実はミュアーはしっかり裏で手を打っていた―。
ロバート・レッドフォードがおいしいところの殆どを持っていってしまったような映画で、監督第一作の「普通
の人々」('80年)でアカデミー賞監督になったレッドフォードですが、こうした映画に出る時は昔ながらにカッコいい役をやるのだなあと。ブラッド・ピット演じるビショップは助けを待っているだけなので、ブラッド・ピットのファンには相当物足りない映画ではないでしょうか。
最後、あまりにすんなり事が運んで、ちょっと話が出来すぎている感じもしました。終わり方もあっさりしすぎたかな。もう少しCIAの幹部らが唖然とする様を見たかったような気もします。CIA香港支局長を演じたデヴィッド・ヘミングス(1941-2003)が、ミケランジェロ・アントニオーニ監督の「
べると、キャスカート大使夫人役のシャーロット・ランプリングは、最近でもアンドリュー・ハイ監督の「さざなみ」('15年/英)でベルリン国際映画祭銀熊賞(女優賞)を受賞するなどして、かつての美貌を維持しながら齢を重ねているという感じでしょうか(この作品の前年にはフランソワ・オゾン監督の「
「スパイ・ゲーム」●原題:SPY GAME●制作年:2001年●制作国:アメリカ●監督:トニー・スコット●製作:ダグラス・ウィック/マーク・エイブラハム●脚本:マイケル・フロスト・ベックナー●撮影:ダニエル・ミンデル●音楽:ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ●原案:マイケル・フロスト・ベックナー●時間:126分●出演:ロバート・レッドフォード/ブラッド・ピット/キャサリン・マコーマック/スティーヴン・ディレイン/ラリー・ブリッグマン/マリアンヌ・ジャン=バプティスト/デヴィッド・ヘミングス/シャーロット・ランプリング●日本公開:2001/12●配給:ユニバーサル・ピクチャーズ(評価★★★☆)
(●2025年、ロバート・レッドフォードが亡くなった。トニー・スコット監督のアクション・スリラー「スパイ・ゲーム」(2001年)の時は65歳でブラッド・ピットの指南役だったが、「フィールド・オブ・ドリームス」のF・アルデン・ロビンソンが監督した、コンピュータハッキングを題材にしたクライム・アクション「スニーカーズ」(1992年)の時は56歳で、自らもアクションしていた。そんなロバートレッドフォードもカッコいいが、シドニーポワチエ、ダン・エイクロイド、リヴァー・フェニックスの熱演も見どころ。さらには、レッドフォードの敵役がベン・キングズレーと配役はかなり豪華。ここまではいいのだが、肝心のハッカー組織との争奪の的となる暗号解読器がチャチなせいもあってか、リアルさに欠ける。今観るとさらに古臭く感じるのではないかと思うが、Amazonのレビューなどを見ると、「非常に高い完成度を持つ超一流のサスペンス」などの高い評価が並ぶ。追悼特集で上映(放映)されたらもう一度観てみようか。)
「スニーカーズ」●原題:SNEAKERS●制作年:1992年●制作国:アメリカ●監督:フィル・アルデン・ロビンソン●製作:ローレンス・ラスカー/ウォルター・F・パークス●脚本:フィル・アルデン・ロビンソン/ローレンス・ラスカー/ウォルター・F・パークス●撮影:ジョン・リンドリー●音楽:ジェームズ・ホーナー●時間:126分●出演:ロバート・レッドフォード/ダン・エイクロイド/ベン・キングズレー/メアリー・マクドネル/リヴァー・フェニックス/シドニー・ポワチエ/デヴィッド・ストラザーン/ジェームズ・アール・ジョーンズ●日本公開:1993/02●配給:ユナイテッド・インターナショナル・ピクチャーズ(評価★★★)


霧雨のヴェニスで水上を滑るゴンドラから過ぎゆく景色を眺めている女エヴァ(ジャンヌ・モロー)。彼女のために幾人もの男が身を滅していったのだが、作家のティヴィアン・ジョーンズ(スタンリー・ベイカー)もその一人だった。処女作が売れて一挙に富も名声を獲得し、あと婚約者フランチェスカ(ヴィルナ・リージ)と結婚するばかりだったある雨の夜、ティヴィアンの別荘にずぶ濡れになったエヴァと彼女の客が迷いこんで来る。それがティヴィアンとエヴァとの最初の出会いだったが、以来、ティヴィアンの脳裡にはエヴァの面影が焼きついて離れず、彼はエヴァの肉体に溺れていった。それから2年の月日を経て、今は乞食同然のティヴィアンだったが、彼はいまだにエヴァの面影を求めている。今日もヴェニスは雨に煙り、ゴンドラが漂う―。
英国の推理小説作家ジェームズ・ハドリー・チェイスの原作『悪女エヴァ』('45年)を、「コンクリート・ジャングル」('60年)のジョゼフ・ロージーが監督した1962年公開のフランス映画。撮影は「
ジャンヌ・モロー(当時34歳)が所謂〈ファム・ファタール〉(運命の女=悪女)を演じた映画として知られており、ジャンヌ・モローはジャン・コクトーに「いつかスターになったら、映画でこの役を演じなさい」と言われて『悪女エヴァ』の本を渡され、最初にジャン=リュック・ゴダールに監督を依頼するも製作サイドがゴダールの作風を嫌がったため、次にジョセフ・ロージーを推薦しています。そのジョセフ・ロージーは、ルイ・マル監督の「恋人たち」('58年)を観てフランス映画を崇拝するようになったといい、その「恋人たち」に主演したジャンヌ・モローで作品を自ら撮る機会が巡ってきたことになります。
ジャンヌ・モロー演ずるエヴァは、カジノで金のありそうな男を物色しては身ぐるみ巻き上げる高級娼婦であり、そこには愛だの恋だの感情的なものは一切関わりません。この作品でそのエヴァによって身を滅ぼされるのが、スタンリー・ベイカー演じる新進の売れっ子作家ティヴィアンですが、ティヴィアンに「世界中で一番好きなものはなんだい?」と訊かれて、エヴァは「ラルジャン(お金)」と即答しています。ヴィルナ・リージ演じるティヴィアンの恋人フランチェスカ
は、ティヴィアンとの結婚後も続くティヴィアンとエヴァのことを知って自殺しますが、そのことに対してもエヴァはどこ吹く風。決定的なのはラストで、新しい男をとギリシャ旅行に出かけるため早朝のヴェネチアの広場で船を待つエヴァ
のもとへ落魄したティヴィアンが現れ、ギリシャから戻ったらまた会ってくれとエヴァにすがると、エヴァはティヴィアンをじっと見つめ、「みじめな男」とのみ言い捨てて新しい男と旅立って行きます(ヴェニスをこれくらい暗く撮っている映画も珍しいが、その暗さと男の心境がマッチしているとも言える)。
男はどうしてこんな女に惹かれてしまうのかと、普通に考えれば醒めた目で捉えられがちなところを、ジャンヌ・モローの演技のお蔭で、ティヴィアンの悪女にずぶずぶ嵌っていく様が腑に落ちてしまうし(ビリー・ホリデイの曲に乗せたジャンヌ・モローの一人演技の蠱惑的な長回しショットがあるので注目)、男には元々そうした墜ちていくような願望があるのかもしれないとさえ思ってしまいます。
全てをエヴァに吸い取られてしまい、今は酒場に入り浸る日々のティヴィアンですが、彼は本当に不幸だったのか。実はティヴィアンは炭鉱夫あがりの作家ということで話題になったものの、その話題になった処女作は亡き兄が書いたもので、つまり「盗作」で作家の名を成してしまったわけで、それがこの度のエヴァとの間での手痛い経験が肥やしとなって、やがて「本物」の作家として大成するのではないか。そうした意味では、結果的にティヴィアンにとっては実りある体験であって、彼は将来において幸せであり、むしろ、永遠に愛の不毛を抱え続けるエヴァこそが不幸なのではないか―というこの作品の解釈もあるようで、やや穿ち過ぎた見方のようにも思えますが、なかなか興味深い解釈だと思います(暗いヴェニスの風景は、エヴァの心の虚無を表していたのかも)。
因みに、この映画におけるジャンヌ・モローのファッションは、彼女が当時交際していたピエール・カルダンで統一されています(それまではシャネル一色だったジャンヌ・モローは、以後はカルダン一色となる)。
また、自殺に至るフランチェスカを演じたヴィルナ・リージは、ハリウッドに渡ってジャック・レモン主演の「女房の殺し方教えます」('64年/米)などにも出たりしましたが、後にイタリアで熟女女優として活躍し、サルヴァトーレ・サンペリ監督の「
「エヴァの匂い」●原題:EVA●制作年:1962年●制作国:フランス●監督:ジョセフ・ロージー●製作:ロベール・アキム/レイモン・アキム●脚本:ヒューゴー・バトラー(脚色)/
エヴァ・ジョーンズ(脚色)●撮影:ジャンニ・ディ・ヴェナンツォ●音楽:ミシェル・ルグラン(挿入曲:ビリー
・ホリデイ)●原作:ジェームズ・ハドリー・チェイス「悪女エヴァ」●時間:166分●出演:ジャンヌ・モロー/スタンリー・ベイカー/ヴィルナ・リージ/ジェームズ・ヴィリアーズ/リッカルド・ガルローネ/ジョルジョ・アルベルタッツィ/リザ・ガストーニ/ケッコ・リッソーネ/エンツォ・フィエルモンテ/ノーナ・メディチ/ロベルト・パオレッティ●日本公開:1963/06●配給:日本ヘラルド映画●最初に観た場所(再見):北千住・シネマブルースタジオ(16-03-20)(評価:★★★★)







1870年代のテキサスのある町に、東部から1人の紳士ジェームズ・マッケイ(グレゴリー・ペック)が、有力者テリル少佐(チャールズ・ビックフォード)の娘パット(キャロル・ベイカー)
と結婚するためにやって来る。出迎えた牧童頭のスティーブ・リーチ(チャールトン・ヘストン)は主人の娘を密かに恋しており、ヤサ男風のジェームズに敵意を抱く。パットは、ジェームズと父の牧場に向かう途中、ヘネシー家の息子
バック(チャック・コナーズ)たちの悪戯を受けるが、ジェームズは彼らの為すがままで抵抗しなかった。パットの父テリル少佐は大地主ルーファス・ヘネシー(バール・アイヴス)とこの地の勢力を二分して争っていた。両者が共に目をつけている水源地ビッグ・マディは、パットの親友の女教師ジュリー・マラゴン(ジーン・シモンズ)が所有していた。
彼女は一方が水源を独占すれば必ず争いが起こると考え、どちらにも土地を売ろうとしなかった。少佐は娘婿にされた乱暴に対して、ヘネシーの集落を襲いヘネシーの息子たちにリンチを加えて復讐するが、ジェームズはそんな少佐に相
容れないものを感じる。彼は争いの元である水源地ビッグ・マディを見て女主人ジュリーに会い、中立の立場で誰にでも水を与え、自分でこの地に牧場
を経営したいと申し出て売約契約を交わす。血気にはやるパットと父の少佐には、ジェームズの態度が不満だった。一方、ヘネシー父子は、水源地を手に入れて少佐に対抗するため、ジュリーを監禁する。ジェームズはメキシコ人牧童ラモン(
アルフォンソ・ベドヤ)の案内で単身本拠に乗り込み、水源は自由にすると明言してジュリーを救出しようとする。ジュリーに横恋慕する息子バックは、父ルーファス・ヘネシーの計らいでジェームズと決闘することになるが、卑怯な振舞いから父に射殺される。やがて少佐の一隊が乗り込んできて戦いが始まり、1対1で対決したルーファスと少佐は相撃ちで共に死に、憎悪による対立と暴力の時代は終わりを告げる―。
ウィリアム・ワイラー監督の1958年作品で、まさに「大いなる西部」を雄大に描きつつ、その中に様々な価値観の対立を織り込み、また、ストーリー的にも2時間46分の長尺でありながら飽きさせずに最後まで見せるという、巨匠ならではの堂々たる娯楽大作です。グレゴリー・ペック(1916-2003/享年87)、チャールトン・ヘストン(1923-2008/享年84)、ジーン・シモンズ(1929-2010/享年80)、キャロル・ベイカー(1931- )の4大スターが共演していますが、テレビで初めて観た時は4人とも存命していたのが、今はキャロル・ベイカーしか生きていないのは、50年以上前の作品であるから仕方無いけれど、ちょっと寂しいです。
チャールトン・ヘストンは「主演」ではなく、主演はこの映画の製作も兼ねたグレゴリー・ペックであり、チャールトン・ヘストンの方は「助演」ということで、年齢的にも、グレゴリー・ペックが当時42歳だったのに対し34歳と、相対的にはまだ若い感じか。ウィリアム・ワイラー監督は、グレゴリー・ペックの主演作では「ローマの休日」('53年)があり、一方、この作品の翌年には、チャールトン・ヘストン主演の「ベン・ハー」('59年)を撮ることになります。
この作品には、グレゴリー・ペック演じるジェームズ・マッケイのキャラクターが分かりにくいとの批評もあるようですが、物語の設定上も、周囲が煮え切らないようなものを感じるキャラだから、観ている側がそう感じるのもおかしくないかも。実際にはジェームズは勇気ある正義漢であり、決して"ヤサ男"でも"慎重居士"でもないわけですが
(逆にいくら命があっても足りないくらい(?)勇敢)、ただ、そこまで「能ある鷹は爪を隠す」的行動をするかなあという感じは確かにあります(却ってイヤミっぽい?)。むしろ、チャールトン・ヘストン演じる牧童頭スティーブ・リーチのキャラクターの方が分かり易くて親近感が感じられました。チャールトン・ヘストンが屈折した役柄を演じているというのも興味深いですが、彼は同年のオーソン・ウェルズ監督の

それ以外の俳優陣では、ヘネシー家の父親を演じたバール・アイヴス(1909-1995、数多くのヒット曲を持つフォーク歌手でもあった)がアカデミー助演男優賞とゴールデングローブ賞の両方の助演男優賞を受賞していますが、個人的には、ジーン・シモンズ(1929-2010)演じる女教師が印象的でした。きりっとした美人でもありますが、自らの名誉を犠牲にしてジェームズを守ろうとするところが、名誉にこだわって争いを繰り返す周囲の愚か者たちとの対比で際立
っていました。最後は、ジェームズと結ばれることを暗示するような終わり方と取るのが妥当―というか、もう、それしかないだろうなあと思ったりもします。
グレゴリー・ペックとチャールトン・ヘストンの延々と続く殴り合いのシーンも語り草になっていますが、確かにグレゴリー・ペック190㎝、チャールトン・ヘストン191㎝という両者の長身は荒野に映えます。但し、敵役バック・ヘネシーを演じたチャック・コナーズ(1921-1992/享年71)はそれらを上回る身長197㎝の長身で、俳優になる前はBAA(現NBA)とMLBの選手でした(つまりプロバスケットボールとメジャーリーグ
の選手を兼ねていたことになる)。1958年10月に公開されたこの映画の中では、ヘネシー家の不良息子で、ジェームズ、パットらにちょっかいを出し、ジュリーに横恋慕した挙句、最期はその卑怯な行為によりバール・アイヴス演じる自分の父親に射殺されてしまうという情けない男の役ですが、同じく1958年9月から米ABCで放送開始されたテレビ西部劇「ライフルマン」では、無法者の悪や暴力と闘う銃の達人にして、妻に



Charlton Heston in 1958 "Touch of Evil" (「
和田 誠 氏 

自分があまり面白いと思わなかった映画は、その理由も含め正直に書いているのもいいです。一方、この人の一番好きな監督は、表紙に「
ボギーことハンフリー・ボガートが出演したビリー・ワイルダー作品では「麗しのサブリナ」('54年)があり、ここではボガートの「ぼくをみてください。神経痛の大学生だ」というセリフを取り上げていますが、堅物の兄ボガートが、遊び人の弟ウィリアム・ホールデンから女の子オードリー・ヘプバーンを引き離すために自分が代わりにデートする、その際に無理矢理若作りしている自分のことを自嘲気味に父親に言うセリフです。
この作品は、ボガートがコメディタッチの演技を見せ(しかもラストは女の子を追いかけるために飛んでいく)、
それが彼にあまりに似合っていないのではないかということで、一般の評価はそう高くないように思いますが、本書では、三島由紀夫がこのセリフを言うボガートを評して、「これ以上の適役はなかろう」と当時の「スクリーン」誌に書いていることを取り上げ、「こんな文章を読むと、とてもあのような死に方をする人とは思えないのだ」と書いているが印象深かったです(和田氏がこの文章を書いている時は、三島の自決からまだ3年と経っていない)。
「麗しのサブリナ」は、サミュエル・テイラーの舞台劇を映画化したもので、「ローマの休日」に続くヘプバーン主演第2作。運転手の娘が何故ジバンシィを着ているのかというのはあるけれ
ど(ジバンシィがヘプバーンのドレスを最初にデザインしたのがこの作品だが、ジバンシィはヘプバーンと顔を合わせるまで、自分が衣裳を担当する女優はキャサリン・ヘプバーンだと思っていた)、モノクロのせいか、ヘプバーンの美しさ、可憐さという点では「ローマの休日」と並んで一番の作品ではないかと思います。でも、ビリー・ワイルダーの演出も結構しっかりしていて、そこがまた見所だったのかも(因みに、ボガートは撮影中、ヘプバーンの演技の未熟さにややウンザリさせられていたという話もある(エドワード・ルケィア『ハリウッド・スキャンダル』より))。


「サンセット大通り」●原題:SUNSET BOULEVARD●制作年:1950年●制作国:アメリカ●監督:ビリー・ワイルダー●製作:チャールズ・ブラケ
ット●音楽:フランツ・ワックスマン●時間:110分●出演:グロリア・スワンソン/ウィリアム・ホ
た場所:銀座文化劇場 (88-12-12) (評価:★★★★)

パリ郊外でカフェを営むテレーズ(アリダ・ヴァリ)はある日、店の前を通る浮浪者に目を止める。その男(ジョルジュ・ウィルソン)は16年前に行方不明になった彼女の夫アルベールにそっくりであった。テレーズはその男とコンタクトをとるが、その男は記憶喪失だった―。
の小説『モデラートカンタービレ』(原題:Moderato Cantabile, 1958年)を原作としジャンヌ・モロー、ジャン=ポール・ベルモンドが主演した「雨のしのび逢い」('60年/仏・伊)の脚本家ジェラール・ジャルロと共同でいきなり脚本から書き起こしていて、それは「ちくま文庫」に所収されています。
アリダ・ヴァリはキャロル・リード監督の「第三の男」('49年/英)が有名ですが、この作品を観ると、ミケランジェロ・アントニオーニ監督の「
この「かくも長き不在」においても、アリダ・ヴァリ演じるテレーズには日常においては暗さは無く、16年前にゲシュタポに捕えられたまま消息を絶った夫の帰りを待ちながらも店を営んで逞しく生活しており、若い恋人までいるような様子であって、そこへ抜け殻のようになって現れた"夫かもしれない男"との対比が、逆に男の心的外傷によるトラウマの闇の深さを際立たせています。テレーズが男とぎこちないダンスをした際に、男の頭部の傷に気づく場面はぞっとさせられますが、一方で、そのことにより"夫かもしれない男"に憐れみと慈しみを覚えるテレーズの表情は、まさにアリダ・ヴァリにしか出来ないような演技であり、この作品の白眉と言えます。
マルグリット・デュラスは多くの作品を残しながら自身も監督業を手掛けていますが、どちらかと言うと原作や脚本を書いたものを別の映画監督が映画化したものの方が知られており、有名なものでは原作・脚本を書き、アラン・レネが監督してカンヌ国際映画祭FIPRESCI(国際映画批評家連盟)賞を受賞した「二十四時間の情事」('59年/仏・日)がありますが、こちらもモチーフとしてナチの収容所体験を持つ女性が出てきます。ヌーヴェル・ヴァーグの色合いを感じる作品で、観念的な原作の文脈でそのまま映像化するとこんな感じかなという作品ですが、これもオリジナルよりは分かり易くなっています。同じアラン・レネ監督の、後にノーベル文学賞を受
「かくも長き不在」のちくま文庫版の原作脚本を読むと、自身で監督したものに有名な作品は無いけれど、(脚本家の協力・示唆はあったにせよ)小説的効果と映画的効果の違いはわかっていた人ではないかという気がします。特に、この映画のラストの男を呼ぶ声が伝言のように街中を伝わっていく場面は、映画的シチュエーションの極致と言ってよいかと思います。
「かくも長き不在」●原題:UNE AUSSI LONGUE ABSENCE●制作年:1960年●制作国:フランス●監督:アンリ・コルピ●脚本:マルグリット・デュラス/ジェラール・ジャルロ●撮影:マルセル・ウェイス●音楽:ジョルジュ・ドルリュー●時間:98分●出演:アリダ・ヴァリ/ジョルジュ・ウィルソン/シャルル・ブラヴェット/ジャック・アルダン/アナ・レペグリエ●日本公開:1964/08●配給:東和●最初に観た場所:新宿シアターアプル(85-04-21)(評価:★★★★)


「ジブラルタルの追想」●原題:THE SAILOR FROM GIBRALTAR PERFORMER●制作年:1967年●制作国:イギリス●監督:トニー・リチャードソン●製作:オスカー・リュウェンスティン●脚本:クリストファー・イシャーウッド/ドン・マグナー/




石器時代、ローマ時代、現代の3つの時代で繰り広げられる、美しい娘を手に入れるまでの男の恋愛騒動&奮闘劇で、キートン・プロダクションのキートン監督・出演作の【第20作】で、キートンが監督した初長編作品(1923年9月公開、47分)ということになっていますが、長編への進出に不安のあったキートンが、従来に短編を組み合わせる形で制作し、上手くいかなかった場合はそれぞれ個別の作品として公開しようと考えていたという説もあるようです。日本公開は1925(大正14)年3月で、公開時邦題は「滑稽恋愛三代記」。'74年7月に「キートンの恋愛三代記」のタイトルで「ニュー東宝シネマ2」でリバイバル上映されました(併映短編「スケアクロウ」「マイホーム」)。
各時代それぞれシチュエーションごとに区切って、47分の間に石器時代、ローマ時代、現代の3つの時代が繰り返し出てくる展開は、キートンならではのギャグ満載で観る者を飽きさせず、しかも前半の恋占いシーンや、中盤の女性をめぐる男達の決闘シーンなど、時代ごとのモチーフを揃えているところなどから、やはり最初からから長編としての公開を意識したものと思われます(キートンの相手役のヒロインも一貫してマーガレット・リーイー(Margaret Leahy)が演じているし)。
セシル・B・デビル監督を皮肉ったものとも言われていますが、このキートンの「恋愛三代記」の中でもセットなどに最もお金をかけている場面のように思われました。D・W・グリフィス監督の「イントレランス」('16年)のパロディとも言われていますが、確かにセットは「イントレランス」と似ています(大掛かりなだけに、大観衆の迎える中でキートンがしょぼい犬ぞりで登場するギャップが非常に効果的なのだが)。
キートンは実際に映画「ベン・ハー」を参考したのでしょうか? ウィリアム・ワイラー監督、チャールトン・ヘストン主演の「ベン・ハー」('59年/米)はアカデミー賞11部門を獲得した大作として知られていますが、その前にフレッド・ニブロ監督が撮ったラモン・ノヴァロ主演のMGM映画「ベン・ハー」('26年/米)があり、ウィリアム・ワイラーはこの作品で助監督を務めています。この作品は、「民衆」役でジョン・バリモア、ジョーン・クロフォード、マリオン・デイヴィス、ダグラス・フェアバンクス、リリアン・ギッシュ、ハロルド・ロイド、メアリー・ピックフォードなど多くのスターが出演していることでも知られています。但し、これはこの「恋愛恋愛三代記」の3年後の公開作品であり、キートンが真似ようにもそれは不可能です。
品を参照した可能性はかなり高いように思います。
ローマ時代だけでなく、石
器時代も現代も手抜きしておらず、石器時代ではマンモスの代わりに本物のアフリカゾウを使い(ローマ時代のキートンが爪を磨いてあげることで喰われずに済んだライオンは明らかに着ぐるみだが)、現代ではフットボールの試合をスポーツ大好き人間のキートンらしくかなり本格的に撮影しています。石
器時代の岩から岩へ飛び移ってのアクションが、現代のビルからビルへ飛び移るアクションと重なるのも上手いし(それにしてもスゴいアクション)、ラストはどの時代のキートンも目出度くヒロインと結ばれ、石器時代では凄い数の子どもに恵まれ、ローマ時代もそこそこ、それが現代では夫婦の間にペットの犬が一匹というのが見る側の予想を覆して可笑しいです(少子化時代を予測した?)。
派手なアクションもありますが、細かいギャグや小道具も効いていたように思います。石器時代で言えば、キートンがしている"腕時計型の日時計"とか"ゴルフセット"とか。現代においては、ジョー・ロバーツ演じる恋敵(こちらも3時代を通しての)の見せる身分証(社員証)にFirst National Bank(国立一流銀行)であるのに対し、キートンのがLast National Bank(国立三流銀行)であるというのも可笑しいです。現代版
におけるキートン帽にネクタイ、ワイシャツ、チョッキ、ダブダブのズボン、ドタ靴という組み合わせは、所謂「アーバックル時代」と言われるロスコー・アーバックルとの共演時代(1917-1920)の最後の名残りかと思われますが、キートン帽など以降の作品にも暫く引き継がれていくものもあります。
石器時代にキートンがアプローチする女性の一人で岩の上に寝そべっている女性―立ち上がると実は大女だった―は、ブランシ・ペイソンという人で、ニューヨーク最初の婦人警官だったそうです。
「キートンの恋愛三代記(滑稽恋愛三代記)」●原題:THE THREE AGES●制作年:1923年●制作国:アメリカ●監督:バスター・キートン/エドワード・F・クライン●製作:バスター・キートン/ジョセフ・M・シェンク●脚本:バスター・キートン/クライド・ブラックマン/ジョゼフ・ミッチェル/ジャン・C・ハヴェズ●撮影:エルジン・レスレー/ウィリアム・C・マクガン●時間:47分●出演:バスター・キートン/ウォーレス・ビアリー/マーガレット・リーイー/ジョー・ロバーツ/ホラス・モーガン/リリアン・ローレンス●日本公開:1925/03●配給:イリス映画(評価:★★★★)
「ベン・ハー」●原題:BEN-HUR●制作年:1959年●制作国:アメリカ●監督:ウィリアム・ワイラー●製作:サム・ジンバリスト/ウィリアム・ワイラー●脚本:カール・タンバーグ/マクスウェル・アンダーソン/クリストファー・フライ/ゴア・ヴィダル/S・N・バーマン●撮影:ロバート・L・サーティーズ●音楽:ミクロス・ローザ●原作:ルー・ウォーレス●時間:212分●出演:チャールトン・ヘストン/スティーヴン・ボイド/ジャック・ホーキンス/ハイヤ・ハラ
リート/ヒュー・グリフィス/マーサ・スコット/キャシー・オドネル/フランク・スリング/サム・ジャッフェ/フィンレイ・カリー/テレンス・ロングドン/アンドレ・モレル/ジョージ・レルフ/マリ
ナ・ベルティ/ジュリアーノ・ジェンマ/クロード・ヒータ/フィンレイ・カリー●日本公開:1960/04●配給:ワーナー・ブラザース●最初に観た場所:杉本保男氏邸(80-12-02)(評価:★★★★)
「ベン・ハー」●原題:BEN-HUR:A TALE OF THE CHRIST●制作年:1926年●制作国:アメリカ●監督:フレド・ニブロ●脚本:ジューン・メイシス/ケイリー・ウィルソン/ベス・メレディス●撮影:クライド・デ・ヴィナ/ ルネ・ガイサート/ パーシー・ヒルバーン/カール・ストラッス●音楽:ウィリアム・アクスト●原作:ルー・ウォーレス●時間:141分●出演:ラモン・ノヴァロ/フランシス・X・ブッシュマン/メイ・マカヴォイ/ベティ・ブロンソン/クレア・マクドウェル/キャスリーン・キー/カーメル・マイヤーズ/ナイジェル・ド・ブルリエ/ミッチェル・ルイス/レオ・ホワイト/フランク・


「ベン・ハー」●原題:BEN-HUR●制作年:1907年●制作国:アメリカ●監督:シドニー・オルコット●脚本:ジーン・ゴルチエ●原作:ルー・ウォーレス●時間:15分●出演:ハーマン・レトガー/ウィリアム・S・ハート●米国公開:1907/12●最初に観た場所:杉本保男氏邸(81-09-27)(評価:★★★☆)



「ダイ・ハード シリーズ」の中で一番面白かったのはやはり第1作の「ダイ・ハード」('88年)であり、「テロ集団に襲われたロサンゼルスの高層ビル」という設定を生かして、縦のアクションに徹したのが成功した1つの要因だったと思います。
ブルース・ウィリス演じるニューヨーク市警マックレーン刑事は、これまでに無かった新たなヒーロー像を産み出した言えるし(その"嘆き節"も受けた)、マックレーンが高層ビル内で孤軍奮闘する状況の中、外部から無線の声だけでサポートする黒人刑官(レジナルド・ヴェルジョンソン)との男同士の見えない絆なども、観客を熱くさせるものがあったと思います。
また、英ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー出身のアラン・リックマン(1946-2016/享年69)演じるテロリストも良かったです。アラン・リックマンは「ロビン・フッド」('91年/米)でもケビン・コスナー演じるロビンの敵役の悪役を演じましたが、半ばコメディ仕立てということもあってか、「ダイ・ハード」で見せたほどの凄味や演技のキレはありませんでした(但し「ロビン・フッド」の演技で英国アカデミー賞助演男優賞を受賞している)。「ダイ・ハード」での好演は、リックマンの落下シーンで事前に打ち合わせていたタイミングより早く彼を落下させ、"素"の驚きの表情を撮るなどした、ジョン・マクティアナン監督の演出の妙にあるのでしょうか(撮影は、後に「スピード」('94年/米)を監督することになるヤン・デ・ボン)。
「ダイハード2」('90年)は、スイス出身で、「エルム街の悪夢4 ザ・ドリームマスター最後の反撃」('88年/米)を撮ったレニー・ハーリンの監督作です。「エルム街の悪夢」シリーズは'84年から'97年までの間に7作作られいて、ライバルシリーズであった「13日の金曜日」シリーズは'88年から'02年までの間に10作作られています('03年には「フレディ vs ジェイソン」が作られている)。「エルム街の悪夢4」は「フレディ対超能力少女」で、その前に観た「13日の金曜日 PART6/ジェイソンは生きていた!」('86年/米)が、"ジェイソン"はコメディアンだったのか?と思えるほど怖くなかったのですが、「エルム街の悪夢4」
におけ
る"フレディ"のコメディアン化は、ジェイソンのそれを上回っているように思えました。そんなこともあって、「ダイハード2」も劇場に行くのをためらわれたのですが、劇場で観たらまあまあの出来だったでしょうか。但し、雪のワシントン・ダレス空港を舞台に(原作はウォルター・ウェイジャー『ケネディ空港/着陸不能』)、旅客機
の爆発、滑走路の大火災とスペクタル・シーンが大掛かりになった分だけ主人公のマックレーン刑事がスーパーマン化し、「1」と比べると大味な印象を受けました。レニー・ハーリンは、この後、シルヴェスター・スタローン主演の「クリフハンガー」('93年/米・仏・日)を撮っています(「ダイハード2」の終盤のクライマックスシーンでのマックレーン刑事が懐からライターを取り出すところから、彼がまだ喫煙者であったころが窺える)。
「ダイハード3」('95年)で監督をマクティアナン、舞台をニューヨークに戻して原点回帰? ニューヨーク市内で突如爆弾テロが発生し、「サイモン」と名乗る犯人は警察に電話し、ジョン・マクレーンを指名する。嫌がらせの様に、黒人達が多く住むハーレムのど真ん中で、「黒ん坊は嫌いだ(I hate Niggers)」というカードを下げさせられたマクレーンは、自身が白人である事も災いし、当然それを見た黒人ギャング達に半殺しにされかける。しかし、その近くで店を経営する黒人の男・ゼウス(サミュエル・L・ジャクソン)に助けられ、それを知り、面白くなかったサイモンの指示によって、2人は行動を共にする事になるというあらすじ。
マクレーンに協力する黒人ゼウスを演じたサミュエル・L・ジャクソン(前年の「パルプ・フィクション」('94年/米)で一気に知名度をアップさせていた)、敵役サイモンを演じたジェレミー・アイアンズと(個人的には「運命の逆転」('90年/米)以来だったなあ)、共に演技達者で、途中まではそれなりに楽しませてくれましたが、途中から主人公のスーパーマン化は前作より更に進行し、最終的には一層大味な作品になってしまいました。
因みに、マクレーンとその敵役サイモンの右腕タルゴ(ニック・ワイマン)との格闘シーンで、相手がデカくて(ニック・ワイマンは身長196㎝))脚に杭を刺されても痛みを感じずマクレーンを追い詰める怪物ぶりであるため、マクレーンが「お前『アダムズのお化け一家』に出てなかったか?」と言いますが、TVドラマ「アダムズのお化け一家」の映画化作品「アダムス・ファミリー」('77年/米)(テッド・キャシディ(身長206㎝)がアダムス一家に仕える巨人の執事を演じた)のリメイク作品が、バリー・ソネンフェルド監督の「アダムス・ファミリー」('91年/米)でした。ブルース・ウィリス自身は、メリル・ストリープとゴールディ・ホーンが、永遠の若さと美貌を賭けて女のバトルを繰り広げるロバート・ゼメキス監督のブラックコメディ「永遠に美しく...」('92年/米)で、二人の間でオロオロするばかりの整形外科医役で出ていて、これもまた"不老不死"映画でした。
「ダイハード3」の12年後に作られた「ダイハード4.0(フォー)」('07年)では(いきなりマクレーンの娘が出てきた)、不正にネットワークへアクセスするハッカーを利用して、政府機関・公益企業・金融機関への侵入コードを入手したテロリストがライフラインから防衛システムまでを掌握し、サイバーテロによって全米を揺るがすという設定で、それでもテロリストとまともに戦ってい
るのは(若いハッカーを従えた)マクレーンただ1人という不思議な設定で、彼の娘は例のごとくテロリストの人質に。一部にサイバー合戦も見られますが、遂には国防省から最新鋭戦闘機F-35まで出てきてしまって、これが結構間抜けな役回りで、通信システムを掌握するテロリストのミスリードでマクレーンを攻撃(いくら命令とは言え、街中のハイウェイで戦闘機が機銃を乱射するかなあ)、これはもう、カネをかければいいものが出来ると勘違いしているのではないかと思わざるを得ません。マクレーンはトラックから戦闘機に飛び乗り、戦闘機からハイウェイに舞い降りと、殆ど人間ではあり得ない超絶アクションで、これまた更に大味に。まあ、自分の中では既に「3」でこのシリーズは終わったという印象ではありましたが...。
最近作のシーリズ第5作となる「ダイ・ハード/ラスト・デイ」('13年)は、舞台をシリーズ初の海外であるロシアに移しての展開でしたが(今度はいきなりマクレーンの息子が出てきた)、周囲の迷惑を顧みない滅茶苦茶なカーチェイスから始まって(巻き添えの死傷者が何十人と出てもおかしくない)、ラストでは女性敵役がマックレーンに対する怨みからヘリコプターで突っ込んでくるという、殆ど盲目的自爆の様相。彼女イリーナ(ユーリヤ・スニギル)はそれまで何のためにマックレーンを欺こうとしていたのか。もう完全にリアリティとはサヨナラした上に、ストーリーまでも破綻気味―「3」以降「5(ラスト・デイ)」まであまり評価する気にならないのですが、「5」はこれまでの中で最も劣るように思いました。 「
「ダイ・ハード」●原題:DIE HARD●制作年:1988年●制作国:アメリカ●監督:ジョン・マクティアナン●製作:ローレンス・ゴードン/ジョエル・シルバー●脚本:スティーヴン・E・デ・スーザ/ジェブ・スチュアート●撮影:ヤン・デ・ボン●音楽:マイケル・ケイメン●原作:ロデリック・ソープ「ダイ・ハード」●時間:131分●出演:ブルース・ウィリス/アラン・リックマン/アレクサンダー・ゴドノフ/ボニー・ベデリア/レジナルド・ヴェルジョンソン/アート・エヴァンス/ウィリアム・サドラー●日本公開:1989/02●配給:20世紀フォックス●最初に観た場所:渋谷東宝(89-02-12)●2回目:三軒茶屋映劇(89-07-01)(評価:★★★★)●併映(2回目):「レッド・スコルピオン」(ジョセフ・シドー)








プソン●日本公開:1990/09●配給:20世紀フォックス(評価:★★★)


「13日の金曜日 PART6/ジェイソンは生きていた!」●原題:FRIDAY THE 13TH PART6:JASON LIVES●制作年:1986年●制作国:アメリカ●監督・脚本:トム・マクローリン●製作:ドン・ビーンズ●撮影:ジョン・R・クランハウス●音楽:ハリー・マンフレディーニ●時間:87分●出演:トム・マシューズ/ジェニファー・クック/デヴィッド・ケーガン/トム・フリドリー/レネー・ジョーンズ/ケリー・ヌーナン/トニー・ゴールドウィン/ナンシー・マクローリン/ヴィンセント・ガスタフェッロ/ロン・パリロ●日本公開:1986/10●配給:20世紀フォックス●最初に観た場所:東急レックス(89-04-30)(評価:★★)




![ダイ・ハード4.0 [DVD].jpg](http://hurec.bz/book-movie/%E3%83%80%E3%82%A4%E3%83%BB%E3%83%8F%E3%83%BC%E3%83%894.0%20%5BDVD%5D.jpg)
「ダイ・ハード/ラス
ト・デイ」●原題:A GOOD DAY TO DIE HARD●制作
年:2013年●制作国:アメリカ●監督:ジョン・ムーア●製作:アレックス・ヤング●脚本:スキップ・ウッズ●撮影:ジョナサン・セラ●音楽:マルコ・ベルトラミ●キャラクター創造:ロデリック・ソープ●時間:98分(劇場公開版)・102分(最強無敵ロング・バージョン)●出演:ブルース・ウィリス/ ジェイ・コートニー/セバスチャン・コッホ/メアリー・エリザベス・ウィンステッド/ユーリヤ・スニギル/ラシャ・ブコヴィッチ●日本公開:2013/02●配給:20世紀フォックス(評価:★★)
![スーパーマンIII 電子の要塞 [Blu-ray].jpg](http://hurec.bz/book-movie/%E3%82%B9%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%B3III%20%E9%9B%BB%E5%AD%90%E3%81%AE%E8%A6%81%E5%A1%9E%20%5BBlu-ray%5D.jpg)
メキシコ・アカプルコへ向かう豪華客船で、中古車ディーラーのヘイドン・ダンジガー(ロバート・ヴォーン)は、不倫関係にあり、不倫をネタに恐喝されていた、船専属のショー歌手ロザンナ(プーピー・ボッカー)を殺害、ロザンナに言い寄ってい
たピアニスト、ロイド(ディーン・ストックウェル)に容疑がかかるよう工作を行う。船長は、たまたま缶詰の懸賞に当選し、夫婦で観光で船に乗り込んでいたコロンボを呼び出し、非公式に捜査を依頼することにする―(結局、"カミさん"は映像上一度も出てこないのだが..)。
第29話であり、テレビシリーズ「0011/ナポレオン・ソロ」のロバート・ヴォーン演じる犯人は、第24話「白鳥の歌」のジョニー・キャッシュが演じたカントリー&ウェスタン歌手、第25話「権力の墓穴」のリチャード・カイリーが演じたロス市警次長、第27話の「逆転の構図」のディック・バン・ダイクが演じた写真家に続く、「恐妻家」乃至「資産家の奥さんの尻に敷かれている旦那」といったところですが、こっちはこれまでの彼らのように奥さんを殺すのではなく、愛人の方を殺してしまいます。
撮影には随分費用がかかっているのではないかなあと思いましたが、実際にメキシコのマサトラン経由でアカプルコに向かうクルーズ(出港地はサンフランシスコ)を利用して行なわれ、エキストラは本当の乗船客だったそうです。
患者として寝ていたはずのダンジガーに後ろをすり抜けられてしまう看護婦メリッサ役のスーザン・ダマンテは、この作品では脇役ですが、この頃、スチュワート・ラフィル監督の「アドベンチャー・ファミリー」('75年)にロバート・ローガンと共に主人公の夫婦役で出演していて、人柄の良さそうな典型的な70年代美女でした。
ロスの大都会からロッキーの山奥へ移住した家族を描いた「アドベンチャー・ファミリー」は実話がヒントになっているそうですが、佳作ではあるものの、ロッキーでの自給自足生活は、"グリズリー"の襲来などもあって大変そうだなあと(娘の健康を考えての移住なのに、万一子供が羆に襲われたりしたら元も子もない)。クマに襲われたところを家族が助けたクマに救われるという、今思うとちょっと作り話っぽかったかな。
因みに、脚本家の倉本聰氏は、テレビドラマ「北の国から」の脚本を書く際に制作サイドから、この「アドベンチャー・ファミリー」のようにしてくれと言われたそうです(あと一つ、参考にしてくれと言われたのが映画「キタキツネ物語」だった)(倉本聰『獨白 2011年3月』フラノ・クリエイティブ・シンジケート、2011年)。


ロバート・ヴォーンはその後も渋い脇役や悪役として活躍し、80年代では個人的には「スーパーマンⅢ/電子の要塞」('83年/米)に出ていたのが印象に残っています。リチャード・プライヤー演じる"小物"のワルを背後から操る"大物"のワルといった役どころ。クリストファー・リーヴ演じるスーパーマンをスーパー・コンピュータで打ちのめそうとするコンピュータ会社の悪徳社長の役ですが、現場に送り込まれるのはいつもリチャード・プライヤーで、作品全体のトーンもコメディ調。リチャード・プライヤーって、日本ではマイナーだけど、アメリカではかなり有名なコメディアンだったんだなあ(2005年没)。この作品は、ロバート・ヴォーン自身にとっても、その後の相次ぐコメディ映画出演への転機となった作品でしたが、映画全体としては、「スーパーマン」「スーパーマンⅡ」を超えるものではありませんでした。
因みに、テレビシリーズ(実写版)「スーパーマン」(1952‐1958年、1954年のシーズン3からカラー化)は、主人公のスーパーマン/クラーク・ケント役はジョージ・リーヴスでした(ジョージ・リーブスとも表記される。クリストファー・リーヴとは無関係)。日本では1956年からラジオ東京テレビ(KRテレビ、現TBS)で放映が開始され、最高視聴率74.2%を記録したそうで
す。当時テレビ局が3つ(NHK、NTV、KR)しかなかったことを考慮てもスゴイ数字! 古いドラマなのに記憶にあるのは、日本ではその後フジテレビ、東京12チャンネルTと局を変えて何度も再放送されたためです。米国での放送終了後、ジョージ・リーヴスはスーパーマンのイメージが強過ぎて他の役が得られずスランプに陥り、1959年6月16日、ロサンゼルス市内の自宅寝室で射殺死体となって発見されてい
ます(自分が観ていた頃にはもうこの世にいなかったということになる)。自殺説が有力ですが、ほかに他殺説もあります。クリストファー・リーヴの身の上に起こった有名な災厄やその他諸々と併せて、「
がヴェネツィア国際映画祭男優賞を受賞しています。


「刑事コロンボ(第29話)/歌声の消えた海」●原題:TROUBLED WATERS●制作年:1975年●制作国:アメリカ●監督:ベン・ギャザラ●製作:エヴァレット・チェンバース●脚本:ウィリアム・ドリスキル●音楽:ディック・デ・ベネディクティス●時間:95分●出演:ピーター・フォーク/ロバート・ヴォーン/ジェーン・グリア/ディーン・ストックウェル/バーナード・フォックス/ロバート・ダグラス/パトリック・マクニー/プーピー・ボッカー/スーザン・ダマンテ/ピーター・マローニー●日本公開:1976/01●放送:NHK(評価:★★★★)
ル●製作:アーサー・R・ダブス●撮影:ジェラルド・アルカン●音楽:ジーン・カウアー/ダグラス・M・ラッキー●原作:アーサ






ー・ニューマン ●撮影:ロバート・ペインター ●音楽:ケン・ソーン●時間:123分●出演:クリストファー・リーヴ/リチャード・プライアー/アネット・オトゥール/マーゴット・キダー/ジャッキー・クーパー/マーク・マクルーア/ロバート・ヴォーン/アニー・ロス/パメラ・スティーヴンソン/ギャヴァン・オハーリヒー●日本公開:1983/07●配給:ワーナー・ブラザーズ●最









本国で'71年3月に放映されたもので、日本では一応シリーズ第3話となっていますが、本国で'68年2月に放映された「殺人処方箋」と同じく、シリーズ化の前に作られたパイロッット版です。同'71年9月に次の第3話「
日本での放映は、'72年8月に「殺人処方箋」、'72年11月「構想の死角」、そして'73年4月にこの「死者の身代金」となっており、'73年2月に放映された第9話「
「殺人処方箋」でスーツもヘアスタイルもさっぱりしていたのが、ちゃんとよれよれのコートで、もじゃもじゃの髪型になっているし、いざという時に筆記用具を失くしたりなかなか出てこなかったりするのは「殺人処方箋」の時からですが、"バーニーの店"でチリソースを食べるシーンは今回が初めて。あとは、愛車プジョーはまだ出てきていません。
犯人は、リー・グラント演じる女性弁護士レスリーで、電話を使った偽装誘拐トリックなど、その後のシリーズの作品の同種の場面を彷彿させるシーンが幾つかありますが、何よりも、出だしは犯人に対しても、他の捜査員(FBI)に対してもぐっと控えめでありながらも、レスリーが"夫からの電話"に対し、「あなたご無事?」などと言って夫の安否を訪ねなかったことをまず不審に思うといったところから事件の真相に迫るところが、やはり"コロンボ"らしいなあと(FBI捜査官らはこれを看過してしまう)。
犯人に対しては、状況証拠がありながらも決定的な証拠がなくてお手上げだというフリをして、最後一気にに犯人から物証を引き出す―このやり方も、その後のシリーズの作品に同様のものがあったし、まさに本作において、シリーズ化以降の"コロンボ"のキャラクターや事件解決手口のパターンが出来上がっていたという感じ。
完全犯罪が破綻したのは、そうした自分の思い込みによるものだと、この辺りは「殺人処方箋」とも通じるものがありますが、それを犯人である彼女に説いてみせるのは、やや解説過剰かなあ(脚本家は、犯人の口から言わせたかったのだろうなあ)。
因みに、犯人役のリー・グラントは、ブロードウェイで評価を得た後、1951年にブロードウェイのヒット作の映画化である「探偵物語」('51年/米)で、舞台となる二十一分署に連行され、分署内の様々な人間模様を目撃する女スリ役で映画デビュー(主演はカーク・ダグラス)、本作は自身が舞台でも演じていた当り役であり、1952年・第5回「カンヌ国際映画祭女優賞」を受賞しています(この映画、原題の"Detective Story"を「探偵物語」と訳してし
まったのはなぜか。刑事(Detective)しか出てこないのに)。しかし彼女は、当時吹き荒れた赤狩りのブラック・リストに載ったため、以後12年の間は映画の仕事がほとんどなくなってしまい、テレビに出演、1967年のノーマン・ジュイソン監督、シドニー・ポワチエ主演の「夜の大捜査線」('67年/米)で映画に復帰し、同監督の1976年の「
「刑事コロンボ(第2話)/死者の身代金」●原題:RANSOM FOR A DEAD MAN●制作年:1971年●制作国:アメリカ●監督:リ
チャード・アービング●脚本・製作:ディーン・ハーグローブ●音楽:ビリー・ゴールデンバーグ●時間:95分●出演:ピーター・フォーク/リー・グラント/パトリシア・マティック/ハロルド・グールド/ハーラン・ウォード/ハンク・ブラント/ビル・ウォーカー/ジャドソン・モーガン/ジョン・フィンク/リサ・ムーア/ジーン・バイロン●日本公開:1973/04●放送:NHK-UHF(評価:★★★★)


「探偵物語」●原題:DITECTIVE STORY●制作年:1951年●制作国:アメリカ●監督・製作:ウィリアム・ワイラー●脚本:フィリップ・ヨーダン/ロバート・ワイラー●音楽:ヴィクター・ヤング●撮影:リー・ガームス●原作:シドニー・キングスレー●時間:103分●出演:カーク・ダグラス/エリノア・パーカー/ウィリアム・ベンディックス/ジョージ・マクレディ/ホレイス・マクマホン/グラディス・ジ
ョージ/ジョセフ・ワイズマン/リー・グラント/ジェラルド・モーア/フランク・フェイレン/ワーナー・アンダーソン/クレイグ・ヒル/マイケル・ストロング/ルイス・ヴァン・ロッテン/バート・フリード/ワーナー・アンダーソン/グランドン・ローデス/ウィリアム・フィリップス/ラッセル・エヴァンズ●日本公開:1953/02●配給:パラマウント映画●最初に観た場所:高田馬場・ACTミニシアターー(84-10-20)(評価:★★★★)





ポスターに関して言えば、60年代よりも前のものの方がいいものが多いような印象を受けました。個人的には、「キング・コング」('33年)のポスターが見開き4ページにわたり紹介されているのが嬉しく、「『美女と野獣』をフロイト的に改作」したものとの解説にもナルホドと思いました。映画の方は、最近のリメイクのようにすぐにコングが出てくるのではなく、結構ドラマ部分で引っ張っていて、コングが出てくるまでにかなり時間がかかったけれど、これはこれで良かったのでは。当のコングは、ストップ・アニメーションでの動きはぎこちないものであるにも関わらず、観ている不思議と慣れてきて、ティラノサウルスっぽい「暴君竜」との死闘はまるでプロレスを観ているよう(コマ撮りでよくここまでやるなあ)。比較的自然にコングに感情移入してしまいましたが、意外とこの時のコングは小さかったかも...現代的感覚から見るとそう迫力は感じられません。但し、当時は興業的に大成功を収め(ポスターも数多く作られたが、本書によれば、実際の映画の中での
コングの姿を忠実に描いたのは1点[左上]のみとのこと)、その年の内に「コングの復讐」('33年)が作られ(原題は「SON OF KONG(コングの息子)」)公開されました。 「コングの復讐」('33年)[上]
因みに、アメリカやイギリスでは「怪獣映画」よりも「恐竜映画」の方が主に作られたようですが、日本のように着ぐるみではなく、模型を使って1コマ1コマ撮影していく方式で、ハル・ローチ監督、ヴィクター・マチュア、キャロル・ランディス主演の「紀元前百万年」('40年)ではトカゲやワニに作り物の角やヒレをつけて撮る所謂「トカゲ特撮」なんていう方法も用いられましたが、何れにしても動きの不自然さは目立ちます。そもそも恐竜と人類が同じ時代にいるという状況自体が進化の歴史からみてあり得ない話なのですが...。
この作品のリメイク作品が「恐竜100万年」('66年)で、"全身整形美女"などと言われたラクエル・ウェルチが主演でしたが(100万年前なのに
ラクェル・ウェルチがバッチリ完璧にハリウッド風のメイキャップをしているのはある種"お約束ごと"か)、やはりここでも模型を使っています。結果的に、ラクエル・ウェルチの今風のメイキャップでありながらも、何となくノスタルジックな印象を受けて、すごく昔の映画のように見えてしまいます(CGの出始めの頃の映画とも言え、なかなか微妙な味わいのある作品?)。

それが、その10年後の、ジョン・ギラーミン監督のリメイク版「キングコング」('76年)(こちらは邦題タイトル表記に中黒が無い)では、キング・コングの全身像が出てくる殆どのシーンは、リック・ベイカーという特殊メイクアーティストが自らスーツアクターとなって体当たり演技したものであったとのことで、ここにきてアメリカも、「ゴジラ」('54年)以来の日本の怪獣映画の伝統である"着ぐるみ方式"を採り入れたことになります(別資料によれば、実物大のロボット・コング(20メートル)も作られたが、腕や顔の向きを変える程度しか動かせず、結局映画では、コングがイベント会場で檻を破るワンシーンしか使われなかったという)。
「

代では「遊星よりの物体X」('51年)や「大アマゾンの半魚人」('54年)などのポスターがあるのが楽しく、50年代では日本の「ゴジラ」('54年)のポスターもあれば、「
「キャット・ピープル」はポール・シュレイダー監督、ナスターシャ・キンスキー主演で同タイトル「キャット・ピープル」('81年)としてリメイクされ(オリジナルは日本では長らく劇場未公開だったが1988年にようやく劇場公開が実現したため、多くの人がリメイク版を先に観たことと思う)、「遊星よりの物体X」は、ジョン・カーペンター監督によりカート・ラッセル主演で「遊星からの物体X」('82年)としてリメイクされています。
前者「キャット・ピープル」は、オリジナルでは、猫顔のシモーヌ・シモンが男性とキスするだけで黒豹に変身してしまう主人公を演じていますが、ストッキングを脱ぐシーンとか入浴シーン、プールでの水着シーンなどは当時としてはかなりエロチックな方だったのだろうなあと。実際に黒豹になる
場面は夢の中で暗示されているのみで、それが主人公の妄想であることを示唆しているのに対し、リメイク版では、ナスターシャ・キンスキーが男性と交わると実際に黒豹に変身します。ナスターシャ・キンスキーの猫女(豹女?)はハマリ役で、後日
「あの映画では肌を露出する場面が多すぎた」と述懐している通りの内容でもありますが、むしろ構成がイマイチのため、ストーリーがだらだらしている上に分かりにくいのが難点でしょうか。ナスターシャ・キンスキー自身は、「テス」('79年)で"演技開眼"した後の作品であるため、「肌を出し過ぎた」発言に至っているのではないでしょうか。「テス」は、19世紀のイギリスの片田舎を舞台に2人の男の間で揺れ動きながらも愛を貫く女性を描いた、文豪トマス・ハーディの文芸大作をロマン・ポランスキーが忠実に映画化した作品で、ナスターシャ・キンスキーの演技が冴え短く感じた3時間でした(ナスターシャ・キンスキーはこの作品でゴールデングローブ賞新人女優賞を受賞)。一方、「テス」に出る前年にナスターシャ・キンスキーは、スイスの全寮制寄宿学校を舞台に、そこにやって来たアメリカ人少女という
設定の青春ラブ・コメディ「レッスンC」('78年)に出演していて、そこでは結構「しっかり肌を出して」いたように思います。「レッスンC」は音楽は



「キング・コング」('33年)のリメイク、ジョン・ギラーミン監督の「キングコング」('76年)は、オリジナルは、ヒロイン(フェイ・レイ)に一方的に恋したコングが、ヒロインをさらってエンパイアステートビルによじ登り、コングの手の中フェイ・レイは恐怖のあまりただただ絶叫するばかりでしたが(このため、フェイ・レイ"絶叫女優"などと呼ばれた)、
リメイク版のヒロイン(ジェシカ・ラング)は最初こそコングを恐れるものの、途中からコングを慈しむかのように心情が変化し、世界貿易センタービルの屋上でヘリからの銃撃を受けるコングに対して「私といれば狙われないから」と言うまでになるなど、コングといわば"男女間的コミュにケーション"をするようになっています(そうしたセリフ自体は観客に向けての解説か?)。但し、「美女と野獣」のモチーフが、それ自体は「キング・コング」の"正統的"なモチーフであるにしてもここまで前面に出てしまうと、もう怪獣映画ではなくなってしまっている印象も。個人的には懐かしい映画であり、
興業的にもアメリカでも日本でも大ヒットしましたが、後に観直してみると、そうしたこともあってイマイチの作品のように思われました。ジェシカ・ラングも「郵便配達は二度ベルを鳴らす」('81年)で一皮むける前の演技であるし...2005年にナオミ・ワッツ主演の再リメイク作品が作られましたが、ナオミ・ワッツもジェシカ・ラング同様、以降の作品において"演技派女優"への転身を遂げています。
(●2017年に32歳のジョーダン・ヴォート=ロバーツ監督による「キングコング:髑髏島の巨神」('17年/米)が作られた。シリーズのスピンオフにあたる作品とのことだが、主役はあくまでキングコング。1973年の未知の島髑髏島が
舞台で、一応、コングが島の守り神であったり、主人公の女性を救ったりと、オリジナルのコングに回帰している(一方で、随所にフランシス・フォード・コッポラ監督の「
込められているようだ)。ヴォート=ロバーツ監督自らが来日して行われた本作のプレゼンテーションに参加した
「

「キング・コング」●原題:KING KONG●制作年:1933年●制作国:アメリカ●監督:メリアン・C・クーパー/アーネスト・B・シェードサ
ック●製作:マーセル・デルガド●脚本:ジェームス・クリールマン/ルース・ローズ●撮影:エドワード・リンドン/バーノン・L・ウォーカー●音楽:マックス・スタイナー●時間:100分●出演:フェイ・レイ/ロバート・アームストロング/ブルース・キャボット/フランク・ライチャー/サム・ハーディー/ノーブル・ジョンソン●日本公開:1933/09●配給:ユニヴァーサル映画●最初に観た場所:池袋・文芸座ル・ピリエ(84-06-30)(評価:★★★☆)●併映:「紀元前百万年」(ハル・ローチ&ジュニア)


「恐竜100万年」●原
題:ONE MILLION YEARS B.C.●制作年:1966年●制作国:イギリス・アメリカ●監督:ドン・チャフィ●製作:マイケル・カレラス●脚本:ミッケル・ノバック/ジョージ・ベイカー/ジョセフ・フリッカート●撮影:ウィルキー・クーパー●音楽:マリオ・ナシンベーネ●時間:105分●出演:ラクエル・ウェルチ/ジョン・リチャードソン/パーシー・ハーバート/ロバート・ブラウン/マルティーヌ=ベズウィック/ジェーン・ウラドン●日本公開:1967/02●配給:20世紀フォックス●最初に観た場所:杉本保男氏邸 (81-02-06) (評価:★★★) Raquel Welch age71

「禁断の惑星」●原題:FORBIDDEN EARTH●制作年:1956年●制作国:アメリカ●監督:フレッド・マクラウド・ウィルコックス●製作:ニコラス・ネイファック●脚本:シリル・ヒューム●撮影:ジョージ・J・フォルシー●音楽:ルイス・アンド・ベベ・バロン●原作:アーヴィング・ブロック/アレン・アドラー「運命の惑星」●時間:98分●出演:ウォルター・ピジョン/アン・フランシス/レスリー・ニールセン/ウォーレン・スティーヴンス/ジャック・ケリー/リチャード・アンダーソン/アール・ホリマン/ジョージ・ウォレス●日本公開:1956/09●配給:MGM●最初に観た場所:新宿・名画座ミラノ(87-04-29)(評価:★★★☆)
「宇宙水爆戦」●原題:THIS ISLAND EARTH●制作年:1955年●制作国:アメリカ●監督:ジョセフ・ニューマン●製作:ウィリアム・アランド●脚本:フランクリン・コーエン/エドワード・G・オキャラハン●撮影:クリフォード・スタイン/デビッド・S・ホスリー●音楽:ジョセフ・ガ―シェンソン●原作:レイモンド・F・ジョーンズ●時間:86分●出演:フェイス・ドマーグ/レックス・リーズン/ジェフ・モロー/ラッセル・ジョンソン/ランス・フラー●配給:ユニバーサル・ピクチャーズ●日本公開:1955/12)●最初に観た場所:新宿・名画座ミラノ(87-05-17)(評価:★★★☆)


ズビー●撮影:ジョン・ベイリー●音楽:ジョルジ
オ・モロダー(主題歌:








「キングコング」●原題:KING KONG●制作年:1976年●制作国:アメリカ●監督:ジョン・ギラーミン●製作:ディノ・デ・ラウレンティス●脚本:ロレンツォ・センプル・ジュニア●撮影:リチャード・H・クライン●音楽:ジョン・バリー●時間:134分●出演:ジェフ・ブリッジス/ジェシカ・ラング/チャールズ・グローディン/ジャック・オハローラン /ジョン・ランドルフ/ルネ・オーベルジョノワ/ジュリアス・ハリス/ジョン・ローン/ジョン・エイガー/コービン・バーンセン/エド・ローター ●日本公開:1976/12●配給:東宝東和●最初に観た場所:新宿プラザ劇場(77-01-04)(評価:★★★)![郵便配達は二度ベルを鳴らす [DVD].jpg](http://hurec.bz/book-movie/%E9%83%B5%E4%BE%BF%E9%85%8D%E9%81%94%E3%81%AF%E4%BA%8C%E5%BA%A6%E3%83%99%E3%83%AB%E3%82%92%E9%B3%B4%E3%82%89%E3%81%99%20%5BDVD%5D.jpg)

ブ・ラフェルソン●脚本:デヴィッド・マメット●撮影:スヴェン・ニクヴィスト●音楽:マイケル・スモール●原作:ジェイムズ・M・ケイン「郵便配達は二度ベルを鳴らす」●時間:123分●出演:ジャック・ニコルソン/ジェシカ・ラング/ジョン・コリコス/マイケル・ラーナー/ジョン・P・ライアン/ アンジェリカ・ヒューストン/ウィリアム・トレイラー●日本公開:1981/12●配給:日本ヘラルド●最初に観た場所:三鷹オスカー (82-08-07)●2回目:自由ヶ丘・自由劇場 (84-09-15)(評価★★★★)●併映:(1回目)「白いドレスの女」(ローレンス・カスダン(原作:ジェイムズ・M・ケイン))●併映:(2回目)「ヘカテ」(ダニエル・シュミット)


「キングコング:髑髏島の巨神」●原題:KONG:SKULL ISLAND●制作年:2017年●制作国:アメリカ●監督:ジョーダン・ヴォート=ロバーツ●脚本:ダン・ギルロイ/マックス・ボレンスタイン/デレク・コノリー●原案:ジョン・ゲイティンズ/ダン・ギルロイ●製作:トーマス・タル/ジョン・ジャシュー/アレックス・ガルシア/メアリー・ペアレント●撮影:ラリー・フォン●音楽:ヘンリー・ジャックマン●時間:118分●出演:トム・ヒドルストン/
サミュエル・L・ジャクソン/ジョン・グッドマン/ブリー・ラーソン/ジン・ティエン/トビー・ケベル/ジョン・オーティス/コーリー・ホーキンズ/ジェイソン・ミッチェル/シェー・ウィガム/トーマス・マン/テリー・ノタリー/ジョン・C・ライリー●日本公開:2017/03●配給:ワーナー・ブラザース●最初に観た場所:OSシネマズ ミント神戸 (17-03-29)(評価★★☆)

OSシネマズ ミント神戸 神戸三宮・ミント神戸(正式名称「神戸新聞会館」。阪神・淡路大震災で全壊した旧・神戸新聞会館跡地に2006年10月完成)9F~12F。全8スクリーン総座席数1,631席。







以前にハーバート・ロス(1927-2001)監督の「ニジンスキー」('80年/米)という伝記映画を観ましたが(ハーバート・ロス監督は「愛と喝采の日々」「ダンサー」の監督でもあり、この監督自身ダンサー、振付師を経て映画監督になったという経歴の持ち主)、ニジンスキーはその映画でも描かれている通り、バレエ団の団長と同性愛関係にあり(映画で団長を演じていたのは、一癖も二癖もありそうなアラン・ベイツ)、また分裂病者でもあり(本書によれば、最初にそう診断したのはブロイラー)、夫人はその治療のために、フロイト、ユング、アドラー、ロールシャッハといったセラピストを訪れ(スゴイ面子!)、最後にヴィンスワンガーに行きついていますが、結局ニジンスキーは治らずに、病院で生涯を終えたとのことです。
ニジンスキー夫人となるハンガリー貴族の娘ロモラ・ド・プルスキー(「愛と喝采の日々」のレスリー・ブラウンが演じており、彼女は本職がバレエ・ダンサーであって、映画出演は「愛と喝采の日々」('77年/米)とこの「ニジンスキー」の以外では同じくハーバート・ロス監督の「ダンサー」('87年/米)のみ)がニジンスキーの元"追っかけ"の女性で、強引に彼の愛を手に入れてしまうというのは河合氏が本書で語っている通りですが、この映画は夫人の原作に基づいて作られていながらも(ニジンスキーの愛を獲得するという)目的のためには手段を選ばない夫人を相当な悪女として描いています(と言うより"怖い女として"と言った方がいいか)。







ァン」で演じていたことで知られていますが(「ジャンジャン」は1969年7月オープン。ここへは「高橋竹山の津軽三味線」や「おすぎのシネマトーク」も聞きに行った。「イッセー尾形の一人芝居」もこのジァン・ジァンで始められた。「美輪明宏の世界」とか「松岡計井子
ビートルズをうたう」などといったものもあり、荒井由実(後の松任谷由実)、中島みゆき、吉田拓郎、井上陽水など、ここでライブをやった著名アーティストは数知れない。'00年4月25日閉館)、自分自身のメモを見ると、'79年の5月4日の金曜日に「ジァン・ジァン」に「授業」を観に行っていました(ゴールデンウィーク中
もやっていた)。小劇場であるため、役者と観客の距離が近くて緊迫感があり、結構インパクトを受けました(その時の女性徒役は、演出も兼ねていた大間知靖子。歴代の女性徒役の中でも名演とされている)。
いかにもひと癖ありそうな柄本明よりも、教授然とした中村伸郎の方が、この作品の
場合"意外性"の効果はあるのではないかなあ。中村伸郎は「
「死の教室」は、廃墟(倉庫?)のような教室に、自らの子供の頃の分身である人形を持ってやって来た老人(死者)たちが、脈絡のない不可思議な行動をとりながら、ユダヤの歴史に由来する言葉や、意味不明な単語を発演するという、これもまた「不条理劇」で、舞台劇(演出はタデウシュ・カントール)をそのまま撮った記録映画です。
アンジェ
イ・ワイダはこの「死の教室」という作品を、やはりTV用作品として撮影しましたが、ポーランド国内ではTV放映も劇場公開もされていないとのこと、かつて「劇団クリコット2」が再来日して('82年に一度来日して公演、蜷川幸雄(1936-2016)氏ら日本の演劇人に衝撃を与えたとのこと)、この芝居を舞台公演するという話がありましたが、「クリコット2」のメンバーが全員高齢であるため、長旅に耐えられないという理由で中止になったという顛末がありました。出演者らは"老け役"ではなく、ホントに老人だったのだ...。



「オーケストラ・リハーサル」●原題:PROVA D'ORCHESTRA(ORCHESTRA REHEARSAL)●制作年:1979年●制作国:イタリア・西ドイツ●監督:フェデリコ・フェリーニ●製作:ファビオ・ストレッリ●脚本:フェデリコ・フェリーニ/ブルネッロ・ロンディ●撮影:ジュゼッペ・ロトゥンノ●音楽:ニーノ・ロータ●時間:72分●出演:ボールドウィン・バース/クララ・ユロシーモ/チェーザレ・マルティニョニ/ハインツ・クロイガー/クラウディオ・チョッカ/エリザベス・ラビ ●日本公開:1980/08●配給:フランス映画社●最初に観た場所:三鷹オスカー(81-10-10)(評価:★★★☆)●併映:「フェリーニのアマルコルド」「フェリーニのローマ」 




ラン愛好家のジャービス・グッドイン(レイ・ミランド)は、資産家の遺児である甥のトニー(ブラッドフォード・ディルマン)の信託財産の共同管理人になっていたが、それは、トニーの父が、息子が浪費できないように遺産を信託の形で遺したものだった。ジャービスはトニーと謀って狂言誘拐を演出し、2人は信託財産から30万ドルを引き出させることに成功するが、ジャービスの本当の狙いは、その後でトニーを殺害し、金を独り占めすることだった―。
「刑事コロンボ」が第2シーズンに入ってからの作品で、通算では第11話(パイロット版である「殺人処方箋」と「死者の身代金」を含めてカウントして)。ビリーワイルダー監督の「失われた週末」('45年)に主演したレイ・ミランド(1905-1986)が犯人役で出ているのが個人的には嬉しい作品ですが、もう少しコロンボとの直接対決の場面があっても良かったのではないかという気もします。
「失われた週末」は、ブレイク・エドワーズ監督の「酒とバラの日々」('62年)と並んで、アルコール依存症患者を描いた映画の傑作とされていますが、「酒とバラの日々」が依存症の苦しみから立ち直ったジャック・レモン演じる主人公が過去の苦しかった日々を振り返るという形をとっている(ヘンリー・マンシーニの甘い音楽がそのことを象徴している)のに対し、「失われた週末」のレイ・ミランド演じる主人公の方は、リアルタイムでどんどんアル中の深みに嵌っていくのが描かれていて怖い面もありました。
売れない作家である主人公の依存症は相当なもので、作家なのに酒を買うためにタイプライターを売ってしまうし、アル中治療病棟に入院してからもそれは治まらず、医師の白衣か何かを盗んで病院を抜け出て、それを換金して酒を買おうとする―最後は恋人の愛によって救われるのですが、プロセスにおいては次第に恐怖映画のようになっていくところが凄く、酒造業界から「500万ドル払うから作品を処分してくれ」 との申し出もあったということです。
1945年度アカデミー受賞作品で、1946年カンヌ国際映画祭グランプリ受賞作品(現在のパルム・ドール=最高賞に該当)でもあります。アカデミー賞は監督賞、脚本賞も受賞し、更にレイ・ミランドも主演男優賞を受賞していますが、彼がその後、サスペンス映画やSFホラー映画に多く出演するようになることを暗示するような作品でもありました。
「悪の温室」のレイ・ミランドは、あの作品から四半世紀以上を経ていますが、傲慢で自信に満ちた犯人像をしゃきっと演じています。でも、目元とか変わっていないなあ、この人(アル中役ではないのだから当たり前だが、眼光が鋭くなった?)。
その時に若手刑事に触発されて金属探知機を使うというのがコロンボにしては珍しく、そもそも誘拐事件でコロンボが出動して、実際に殺人事件が起こるのはドラマの真ん中あたりというのも珍しいパターンです。

レイ・ミランドは、これに先立つシリーズ第4話「指輪の爪あと」にも出演していて、こちらは妻を殺される新聞社社長の大富豪という被害者側の役。この事件の犯人は、大富豪が妻の浮気調査のために雇った私立探偵で、浮気の証拠を掴むものの依頼主に報告せず、妻の方を恐喝するも、妻が交渉に応じず、逆に夫に恐喝されたことを伝えると言ったため、発作的に妻を殺してしまうというもので、第12話「アリバイのダイヤル」、第21話「意識の下の映像」でも犯人役を好演したロバート・カルプ(1930-2010)が犯人の探偵を演じており、彼のシリーズ初登場でもありましたが、過去の事件について容疑者が語ったことが仮にいい加減なものであったとしたら元も子も無い「悪の温室」よりは、ミステリとしての出来はこちらの方がやや上でしょうか。
殺人現場に被害者のコンタクトレンズが落ちている可能性があることをコロンボが容疑者に示唆し、逆トリックを仕掛けるというもので、犯人逮捕後に「妻がコンタクトレンズを落としておいてくれて良かった」というレイ・ミランドに対して、実はそれがコロンボの仕掛けたトリックであることを明かされて、彼は目を白黒。更に、「それにしても車が偶然...」というレイ・ミランドに対し、それもまたコロンボの仕掛けであったことを示唆し、もはや茫然としているレイ・ミランドを残して、コロンボは去っていくというエンディングのシナリオは、エミー賞の最優秀ドラマ脚本賞を受賞しています。
「刑事コロンボ(第11話)/悪の温室」●原題:THE GREENHOUSE JUNGLE●制作年:1972年●制作国:アメリカ●監督:ボリス・セイガル●製作:ディーン・ハーグローヴ●脚本:ジョナサン・ラティマー●



「刑事コロンボ(第4話)/指輪の爪あと」●原題:DEATH LENDS A HAND●制作年:1971年●制作国:アメリカ●監督:バーナード・コワルスキー●製作・脚本:リチャード・レヴィンソン&ウィリアム・リンク●ストーリー監修:スティーブン・ボッコ●音楽:ギル・メレ●時間:76分●出演:ピーター・フォーク/ロバート・カルプ/レイ・ミランド/パトリシア・クローリィ/ブレット・ハルゼー/エリック・ジェイムズ●日本公開:1973/01●放送:NHK-UHF(評価:★★★★)



砂漠化した故郷の星に妻子を残し、地球にやってきたニュートン(デヴィッド・ボウイ)は、発明家として人知を超えた9つの特許を元に巨万の富を築き、アメリカのかつての大富豪、ハワード・ヒューズなどを思わせる、彼の奇妙な暮らしは全米の注目の的となる。ニュートンはロケットを建造して家族の待つ星に帰ろうとするが、地球で知り合って愛し合うようになったメリー・ルー(キャンディ・クラーク)を残して宇宙に飛び立とうとする直前、政府組織に捕らえらてしまい、拷問じみた人体実験と軟禁生活の中で数十年を過ごす―。
原作はウォルター・テヴィス。「ブレードランナー」の原作者であるフィリップ・K・ディックらに影響を与えたとされるSF映画ですが、特撮(と言えるほどのものでもない)部分は、ニュートンが回想する故郷の星の家族が"着ぐるみ"みいたいだったりして(しかも、お決まりの"キャット・アイ")、むしろ、地球人の姿を借りている主人公の宇宙人を演じているデヴィッド・ボウイ自身の方が、表情や立ち振る舞いがよほど宇宙人っぽく見えました。これって相当な集中力を要求される演技だと思います(デヴィッド
・ボウイ自身もこの作品に思い入れがあったのか、2015年にオフブロードウェイで舞台化された際にはボウイ自身もプロデュースを担当した)。
パンフレットの解説によれば、これはSFと言うよりも愛の物語であるとありましたが、メリー・ルーがニュートンとの数十年ぶりの再会で心を開くことが出来なかったのは、彼女が年齢を加えているのに、ニュートンの方は一向に年をとっていないという隔たりのためで、時を共有するというのは、一緒に年齢を重ねていくということなのだなあと思ったりもしました。
「時間」というものも、この作品のテーマの1つであると言えるかもしれません。
、酒に溺れていく(宇宙人もアル中になる!)ニュートン―。人間の疎外というものを描いた作品でもあるように思いました。
デヴィッド・ボウイは、本作が映画では日本初お目見えでしたが、この作品の前後に「ジギー・スターダスト」('73年/英、ボウイのステージと素顔を追ったドキュメンタリー。日本での公開は'84年)、「ジャスト・ア・ジゴロ」('81年/西独、未見)に出ていて、その後「クリスチーネ・F」('83年/西独、ドイツの麻薬中毒少女をドキュメンタリー風に扱った映画)、「ハンガー」('83年/英、カトリーヌ・ドヌーヴが吸血鬼女、デヴィッド・ボウイがその伴侶という設定)、大島渚監督の「戦場のメリー・クリスマス」('83年/日・英)と続きます。因みに、「ジギー・スターダスト」は1972年にデヴィッド・ボウイがリリースしたアルバム名であり、異星からやってきた架空のスーパースター「ジギー」の成功からその没落までを描いたというそのコンセプトは、3年後に作られた「地球に落ちて来た男」にほぼ反映されたとみていいのではないでしょうか。


「クリスチーネ・F」は、西ベルリンの実在のヘ麻薬中毒の少女(当時14歳)の手記『かなしみのクリスチアーネ』(原題: "Wir Kinder vom Bahnhof Zoo", 「われらツォー駅の子供たち」)をベースに作られ映画ですが、主人公のクリスチーネも、同じ14歳の女友達も、共に薬代を稼ぐために売春していて(この女友達はヘロインの過剰摂取で死んでしまう)、更に、男友達も男娼として身体を売っているという結構すごい話で、クリスチーネをはじめ、素人を役者として使っていますが、演技も真に迫っていて、衝撃的でした(因みに、手記を書いたクリスチアーネ・フェルシェリノヴ(1962年生まれ)は、2010年現在生きていて、一旦は更生したものの、最近また麻薬に手を出しているという)。
この頃の「西ドイツ」映画には、日本に入ってくるものが所謂"芸術作品"っぽかったり(「ノスフェラトゥ」('78年)、「ブリキの太鼓」('79年)、「メフィスト」('81年))、歴史・社会派の作品だったり(「リリー・マルレーン」('81年)、「マリア・ブラウンの結婚」('79年))、重厚でやや暗めのものが多く、また、娯楽映画の中にもアナーキーな部分があったりして(「

リドリー・スコット監督の弟トニー・スコットの初監督作品でもある「ハンガー」では、デヴィッド・ボウイは、「地球に落ちてきた男」で演じた「歳を取らない」宇宙人役とは真逆で、吸血鬼に若さを奪われ「急速に老いていく男」を演じています。
この他にも、スーザン・サランドンとカトリーヌ・ドヌーヴとのラヴシーンといったのもありましたが、個人的には、全体的にイマイチ入り込めなかった...。日本でもそんなにヒットしなかったように思いますが、ガラッと作風を変えた次回作「
デヴィッド・ボウイが日本で再びブレイクすることになったのは、「ハンガー」より先に公開された大島渚監督作品「戦場のメリークリスマス」('83年/日・英)によってであって、音楽の方は、同じく役者として出演していた坂本龍一が担当していました。


「地球に落ちて来た男」●原題:THE MAN WHO FELL TO EARTH●制作年:1976年●制作国:アメリカ●監督:ニコラス・ローグ●製作:マイケル・ディーリー/バリー・スパイキングス●脚本:ポール・メイヤーズバーグ●撮影: アンソニー・B・リッチモンド●音楽:ジョン・フィリップス●原作:ウォルター・テヴィス●時間:119分●出演:デヴィッド・ボウイ/キャンディ・クラーク/リップ・トーン/バック・ヘンリー/バーニー・ケイシー●日本公開:1977/02●配

「ジギー・スターダスト」●原題:ZIGGY STARDUST●制作年:1973年●制作国:イギリス●監督:ドン・アラン・ペネベイカー●撮影:ジェームズ・デズモンド/マイク・デイヴィス/ニック・ドーブ/ランディ・フランケン/ドン・アラン・ペネベーカー●音楽:デヴィッド・ボウイ●衣装デザイン:フレディ・パレッティ/山本寛斎●時間:90分●出演:デヴィッド・ボウイ/リンゴ・スター(ノンクレジット)●日本公開:1984/12●配給:ケイブルホーグ●最初に観た場所:三鷹オスカー(86-07-06)(評価:★★★)●併映:「地球に落ちて来た男」(ニコラス・ローグ)/「ハンガー」(トニー・スコット)
「クリスチーネ・F」●原題:CHRISTINE F●制作年:1981年●制作国:西ドイツ●監督:ウルリッヒ・エーデル●製作:ベルント・アイヒンガー●脚本:ヘルマン・ヴァイゲル/カイ・ヘルマン/ホルスト・リーク●撮影:ユストゥス・パンカウ●音楽:ユルゲン・クニーパー/デヴィッド・ボウイ●原作:クリスチアーネ・ヴェラ・フェルシェリノヴ「かなしみのクリスチアーネ(われらツォー駅の子供たち)」●時間:138分●出演:ウルリッヒ・エーデル/ナーチャ・ブルンクホルスト/トーマス・ハウシュタイン/イェンス・クーパル/ヘルマン・ヴァイゲル/デヴィッド・ボウイ●日本公開:1982/06●配給:日本ヘラルド映画●最初に観た場所:荻窪オデヲン座(82-12-11)(評価:★★★☆)●併映:「グローイング・アップ ラスト・バージン



「ハンガー」●原題:THE HUNGER●制作年:1983年●制作国:イギリス●監督:トニー・スコット●製作:リチャード・シェファード●脚本:ジェームズ・コスティガン/アイヴァン・デイヴィス/マイケル・トーマス●撮影:スティーヴン・ゴールドブラット●音楽:デニー・ジャガー/デヴィッド・ローソン/ミシェル・ルビーニ●時間:119分●出演:カトリーヌ・ドヌーヴ/デヴィッド・ボウイ/スーザン・サランドン/クリフ・デ・ヤン
グ/


「戦場のメリークリスマス」●制作年:1983年●制作国:日本・イギリス・オーストラリア・ニュージーランド●監督:大島渚●製作:ジェレミー・トーマス●脚本:大島渚/ポール・メイヤーズバーグ●撮影:杉村博章●音楽:坂本龍一●原作:ローレンス・ヴァン・デル・ポスト「影さす牢格子」「種子と蒔く者」●時間:123分●出演:デヴィッド・ボウイ/坂本龍一/ビートたけし/








セットも役者(脇役陣含む)も音楽(エンニオ・モリコーネ)も豪勢で、時代の雰囲気を感じさせる重厚かつ哀愁に満ちた作品だと思いましたが、3時間半近い長尺の割にはやや唐突な終わり方のような気もしていました。但し、後年テレビで観直してみると、劇場のようにスケールの大きさは味わえないのですが、ストーリーは冷静に追えるというメリットもあって(勿論、2回目ということあって)、ちゃんと伏線はあったのだなあと思いました。
つまりヌードルスは自分が仲間を裏切ったと思っていたのが、実はマックスの方が最初から仲間を裏切っていたわけで、そのマックスが、今は実業界に君臨するも失脚の窮地にある―ラストシーンで、ヌードルスが道でマックスと思しき人影を認めるも、清掃車が通り過ぎた後にはその影は無かったことは、マックスの自殺を示唆しているのでしょう。
友情が悔恨に、更に復讐の念に転じるべきものが、ノスタルジーを通じてアンビバレントとして様々な感情が複雑に併存しているのが、今の老いたヌードルスなのでしょう。そして過去を引き摺って生きてきたという点では、マックスもヌードルスと同じであり、彼なりに落し前をつけようとしたともとれます。
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」●原題:ONCE UPON A TIME IN AMERICA●制作年:1984年●制作国:アメリカ●監督:セルジオ・レオーネ●製作:アーノン・ミルチャン●脚本:セルジオ・レオーネ/レオナルド・ベンヴェヌーティ/ピエロ・デ・ベルナルディ/エンリコ・メディオーリ●撮影:トニーノ・デリ・コリ●音楽:エンニオ・モリコーネ●時間:205分●出演:ロバート・デ・ニーロ/ジェームズ・ウッズ/エリザベス・マクガヴァン/ジェニファー・コネリー/ダーラン・フリューゲル/トリート・ウィリアムズ/チューズデイ・ウェルド/バート・ヤング/ジョー・ペシ/ジェームズ・ヘイデン/ウィリアム・フォーサイス/ダニー・アイエロ/ジェラード・マーフィ/ラリー・ラップ/ダッチ・ミラー/ロバート・ハーパー/リチャード・ブライト/ポール・ハーマン●日本公開:1984/10●配給:東宝東和●最初に観た場所:有楽町・日本劇場







著者独自の「星」による採点は上の方が厳しくて、100点満点換算すると100点に該当する作品は無く、最高は90点で「天井桟敷の人々」('45年)と「ザッツ・エンタテインメント」('74年)の2作か(但し、個人的には、「天井桟敷の人々」は、一般的な「ミュージカル映画」というイメージからはやや外れているようにも思う)。











アメリカの作曲家コール・ポーターの伝記作品。著者の言う通り、「ポーターの佳曲の数々を聴かせ唄と踊りの総天然色場面を楽しませる」のが目的みたいな作品(曰く「その限りにおいては楽しい」と)。


ならない」という「赤い靴」の伝説があるそうだが、「赤い靴」と言えばアンデルセンが先に思い浮かぶ(一応、そこから材を得ているとのこと)。.jpg)

24時間の休暇をもらった3人の水兵がニューヨークを舞台に繰り広げるミュージカル。3人が埠頭に降り立って最初に歌うのは「ニューヨーク、ニューヨーク」。振付もジーン・ケリーが担当した。著者はヴェラ=エレンの踊りが良かったと。
「踊る大紐育」●原題:ON THE TOWN●制作年:1949年●制作国:アメリカ●監督:スタンリー・ドーネン●製作:アーサー・フリード●脚本:ベティ・カムデン/アドルフ・グリーン●撮影:ハロルド・ロッソン●音楽:レナード・バーンスタイン●原作:ベティ・カムデン/アドルフ・グリーン●時間:98分●出演:ジーン・ケリー/フランク・シナトラ/ジュールス・マンシン/アン・ミラー/ジュールス・マンシュイン/ベティ・ギャレット/ヴェラ・エレン●日本公開:1951/08●配給:セントラル●最初に観た場所:テアトル新宿(85-09-23)
⑧「巴里のアメリカ人」 ('51年/米)著者 ☆☆☆☆★(85点)自分 ★★★★(80点)


「巴里のアメリカ人」●原題:AN AMERICAN IN PARIS●制作年:1951年●制作国:アメリカ●監督:ヴィンセント・ミネリ●製作:アーサー・フリード●脚本:アラン・ジェイ・ラーナー●撮影:アルフレッド・
ギルクス●音楽:ジョージ・ガーシュイン●時間:113分●出演:ジーン・ケリー/レスリー・キャロン/オスカー・レヴァント/ジョルジュ・ゲタリー/ユージン・ボーデン/ニナ・フォック●日本公開:1952/05●配給:MGM日本支社●最初に観た場所:高田馬場パール座(78-05-27)●併映:「シェルブールの雨傘」(ジャック・ドゥミ)


![バンド・ワゴン 特別版 [DVD].jpg](/book-movie/archives/バンド・ワゴン 特別版 [DVD].jpg)
落ち目のスター、フレッド・アステアの再起物語で、「イースター・パレード」以上にショー・ビズもの色合いが強い作品だが、コメディタッチで明るい。ストーリーは予定調和だが、本書によれば、ミッキー・スピレーンの探偵小説のパロディが織り込まれているとのことで、そうしたことも含め、通好みの作品かも。但し、アステアとシド・チャリシーの踊りだけでも十分楽しめる。シド・チャリシーの踊りも、レスリー・キャロンと双璧と言っていぐらいスゴイ。
「バンド・ワゴン」●原題:THE BANDO WAGON●制作年:1953年●制作国:アメリカ●監督:ヴィンセント・ミネリ●製作:アーサー・フリード●脚本:ベティ・コムデン/アドルフ・グリーン●撮影:ハリー・ジャクソン●音楽:アドルフ・ドイッチ/コンラッド・サリンジャー●時間:112分●出演:フレッド・アステア/シド・チャリシー/オスカー・レヴァント/ナネット・ファブレー●日本公開:1953/12●配給:MGM●最初に観た場所:テアトル新宿(85-10-19)

著者曰く「すばらしいファション・ミュージカル」であり、オードリー・ヘプバーンの魅力がたっぷり味わえると(原題の「ファニー・フェイス」はもちろんヘップバーンのことを指す)。
衣装はジバンシー、音楽はガーシュウィンで、音楽と併せて、女性であればファッションも楽しめるのは確か。
ちょっと「マイ・フェア・レディ」に似た話で、「マイ・フェア・レディ」が吹替えなのに対し、こっちはオードリー・ヘプバーン本人の肉声の歌が聴ける。それにしても、一旦引退したこともあるはずのアステアが元気で、とても57才とは思えない。結局、更に20余年、「ザッツ・エンタテインメント」('74年)まで活躍したから、ある意味"超人"的。「タワーリング・インフェルノ」 ('74年)ではその演技が高評価を受け、アカデミー助演男優賞にノミネートされた。
「パリの恋人」●原題:FUNNY FACE●制作年:1956年●制作国:アメリカ●監督:ス
タンリー・ドーネン●製作:アーサー・フリード●脚本:レナード・ガーシェ●撮影:レイ・ジューン●音楽:ジョージ・ガーシュウィン/アドルフ・ドイッチ●時間:103分●出演:オードリー・ヘプバーン/フレッド・アステア/ケイ・トンプスン/ミシェル・オークレール●日本公開:1957/02●配給:パラマウント映画●最初に観た場所:高田馬場ACTミニシアター(85-11-03)●併映:「リリー・マルレーン」(ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー)
⑪「南太平洋」('58年/米)著者 ☆☆☆★(65点)自分 ★★★☆(70点)
れる自然が満喫できる島だった)。著者は「戦時色濃厚な」作品であるため、あまり好きになれないようだが、それを言うなら、著者が高得点をつけている「シェルブールの雨傘」などは、フランス側の視点でしか描かれていないとも言えるのでは。超エスニック、大規模ロケ映画で、空も海も恐ろしいくらい青い(カラーフィルターのせいか? フィルターの色が濃すぎて技術的に失敗しているとみる人もいるようだ)。トロピカル・ナンバーの定番になった主題歌「バリ・ハイ」や「魅惑の宵」などの歌曲もいい。



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本書『ヘビ大図鑑-驚くべきヘビの世界』に見開きで描かれている蛇のイラストはいずれも大変に美しいのですが、一部、生態も含めたイラストがあるものの、半分ぐらいはとぐろを巻いている同じような"ポース"ばかりのもので、せっかくあの「千石先生」が翻訳しているのに、これではそれぞれの蛇の生態がシズル感を以って伝わってはきません(ある意味、"蛇柄"のカタログ)。
図鑑という観点から本書よりもお奨めなのが、『爬虫類と両生類の写真図鑑 完璧版』('01年/日本ヴォーグ社/定価2,500円)。
そう言えば、ジェニファー・ロペス、ジョン・ヴォイトが主演した「アナコンダ」('97年/米)という映画がありました。伝説のインディオを探して南米アマゾンに来た映画作家らの撮影隊(ジェニファー・ロペスら)が、遭難していた密猟者(ジョン・ヴォイト)を助けるが、最初は温厚な態度をとっていた彼が、巨大蛇アナコンダが現れるや否や本性を曝け出し、アナコンダを捕獲するという自らの目的遂行のために撮影隊のメンバーを支配してしまう―というもの。
大蛇アナコンダが出てくる場面はCGとアニマトロニクスで合成していますが、CGのアナコンダはあまり怖くなく、作品としてはどちらかと言うとスペクタクルと言うより人間劇で、アナコンダよりもアクの強い演技がすっかり板についているジョン・ヴォイトの方が怖かった(蛇すら吐き出してしまうジョン・ヴォイド?)。
後に「アナコンダ2」('04年/米)という続編も作られ(それにしても、南米にしか生息しないアナコンダをボルネオに登場させるとは)、更には「アナコンダ3」('08年/米・ルーマニア)、「アナコンダ4」('09年/米・ルーマニア)までも。「ラスト・アナコンダ」('06年/タイ)というタイ映画や「「アナコンダ・アイランド」('08年/米)という、蛇の大きさより数で勝負している作品もあるようです。![ボア [DVD].jpg](http://hurec.bz/book-movie/%E3%83%9C%E3%82%A2%20%5BDVD%5D.jpg)


"コブラもの"の映画もあるみたいですが(追っかけていくとどんどんマニアックになっていく)、"ニシキヘビもの"は無いのか? 実は「パイソン」はニシキヘビ類全般を指す場合に用いられる呼称であって、「パイソン」の中にアミメニシキヘビなども含まれているわけです。更に、「ボア」も、アメリカ大陸(中南米)に生息するニシキヘビの一種で、ボア・パイソンとも呼ばれます。但し、分類学上は、ボア科が本科であり、ニシキヘビ科をボア科の亜科とする学説が有力なようです。ボア科とニシキヘビ科の違いは胎生か卵生かであり、「ボア」は胎生(卵胎生)で、ボア科の「アナコンダ」も胎生、これに対してニシキヘビは卵生です(但し進化学的には、本科のボアの方が亜科ニシキヘビより原始的)。映画「ボア vs.パイソン」は、「本科 vs.亜科」といったところなのでしょうか。
国:アメリカ●監督:ルイス・ロッサ●製作:ヴァーナ・ハラー/レナード・ラビノウィッツ/キャロル・リトル●脚本:ハンス・バウアー/ジム・キャッシュ/ジャック・エップスJr.●撮影ビル・バトラー●音楽:ランディ・エデルマン●時間:89分●出演:ジェニファー・ロペス
・ストルツ/ジョナサン・ハイド/オーウェン・ウィルソン/カリ・ウーラー/ヴィンセント・カステラノス/ダニー
・トレホ●日本公開:1997/09●配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント (評価:★★)


![犬神家の一族 角川映画 THE BEST [DVD].jpg](http://hurec.bz/book-movie/%E7%8A%AC%E7%A5%9E%E5%AE%B6%E3%81%AE%E4%B8%80%E6%97%8F%20%E8%A7%92%E5%B7%9D%E6%98%A0%E7%94%BB%20THE%20BEST%20%5BDVD%5D.jpg)

'59(昭和34)年に雑誌「文藝春秋」に発表された松本清張の「昭和史発掘シリーズ」に先立つ昭和の事件モノで、「昭和史発掘シリーズ」の中でも'48(昭和23)年という占領時代に起きたこの「帝銀事件」は取り上げられていますが、「小説」と頭に付くのは、捜査に疑念を抱いた新聞社の論説委員の視点からこれを描いているのと、事件の部分がセミドキュメンタリータッチで再現されているためでしょうか。
平沢が疑われることになった原因の1つに、所持金の出処の曖昧さの問題がありましたが、「春画を描いたと自分の口から白状すれば、彼の画家的な生命は消滅するのである」とし、「肉体的な死刑よりも、芸術的生命の処刑を重しとした」と、その精神的内面まで踏み込んで"推理"している点も作家らしく、またこれも、タイトルに「小説」と付くことの所以の1つであると思います。 

松本清張のこの作品は1980(昭和55)年に1度だけドラマ化されていて、ドラママタイトルは「帝銀事件 大量殺人 獄中三十二年の死刑囚」、監督は森崎東、脚本は新藤兼人、主演は仲谷昇、共演は田中邦衛・橋本功などです。テレビ朝日の「土曜ワイド劇場」枠で放映されました。平沢(仲谷昇)を犯人と決めつけてしまった古志田警部補(田中邦衛)に焦点を当て、平沢に対する拷問に近い取り調べなどが描かれており、第17回ギャラクシー賞(月間賞)を受賞するなどしています。結局、「GHQのことなど何も知らなかっ
た」と後に嘯く警部補も、利用された人間だったということでしょう。誰による犯行かについては、冒頭に犯人が犯行に及ぶ場面がかなりの間尺であり、その間常に犯人の背中や手元・足元だけを映し顔を殆ど映していませんが、犯人が犯行後に現場付近で待機していたと思われる軍用ジープで現場を立ち去る場面などがあ
り、最初からGHQ関係者の犯行であることを強く匂わせる作りとなっています。
原作は読んでいませんが、西田敏行が金田一耕助を演じた映画「悪魔が来りて笛を吹く」('79年/東映)を観ました(角川春樹製作、監督は「太陽にほえろ」「俺たちの旅」などのTVシリーズを手掛けた斎藤光正)。青酸カリも事件に絡んで出てきますが、メインのモチーフは近親相姦と言えるでしょうか。謎解きの部分で複雑な家系図が出てきますが、映画ではそれが分かりにくいのが難でした(「読んでから観る」タイプの映画だったかも)。歴
代の横溝正史原作の映画化作品の中ではまあまあの評価のようですが、そのわりには西田敏行が金田一耕助を演じたのはこの1回きりでした。まあ、映画で金田一耕助を1度演じただけという俳優は、西田敏行以前には池部良、高倉健、中尾彬、渥美清などがいて、西田敏行以降も古谷一行、鹿賀丈史、豊川悦司などがいるわけですが...(石坂浩二と並んで金田一耕助役のイメージが強い古谷一行は映画では1度きりだが、MBSテレビの「横溝正史シリーズ」('77-'78年)、TBSの「名探偵・金田一耕助シリーズ」('83-'05年)でそれぞれ金田一耕助役を演じている)。
金田一耕助ものの映画化作品でやはりまず最初に思い浮かぶのは、東宝の市川崑監督・石坂浩二主演の金田一耕助シリーズ(「犬神家の一族」('76年)、「悪魔の手毬唄」('77年)、「獄門島」('77年)、「女王蜂」('78年)、「病院坂の首縊りの家」('79年))ではないでしょうか。特に、角川映画第1作として作られた「犬神家の一族」('76年)(配給会社は東宝、共演は島田陽子、坂口良子など)は、かつて片岡千恵蔵の金田一耕助シリーズ(「獄門島」('49年)など)で千恵蔵がスーツ姿だったりしたのが、金田一耕助を初めて原作通りの着物姿で登場させた映画であり(結局、西田敏行版「悪魔が来りて笛を吹く」などもその路線をなぞっていることになる)、原作の複雑な人物関係も分かりやすく表されていて、細部では原作と改変されている部分も少なからずあるものの、エンタテインメントとしてよく出来ていたように思います。30年後の2006年に同じ監督・主演コンビでリメイクされ(原作からの改変部分まで旧作を踏襲している)、石坂浩二(金田一)のほかに、大滝秀治(神官)、加藤武(署長)が旧作と同じ役で出演していますが、00年代としては

豪華キャストであるものの、それでも旧作と比べると役者の豪華さ・熟達度で及ばないように思いました。犬神家の三姉妹は旧作の高峰三枝子、三條美紀、草笛光子に対して、新作が富司純子、松坂慶子、 萬田久子でそれなりに錚々たるものでしたが、何となく違うなあと思いました。富司純子も大女優ですが、高峰三枝子が長年役柄を通して培ってきた"毒気"のようなものが無いように思われました。ヒロイン役の島田陽子と松嶋菜々子を比べても、松嶋菜々子って何か運命的なものを負っている
という印象が島田陽子に比べ弱いなあと(ただ、島田陽子も米テレビドラマ「将軍 SHŌGUN」('80年)に出てダメになった。ジェームズ・クラベルのベストセラー小説を原作に、アメリカで12時間ドラマとしてTV放映したものを劇場用にまとめたものを観たが、日本人の描き方がかなりヘンだ。どうしてこんな作品に三船敏郎はじめ日本の俳優は臆面もなく出るのか。ただし、島田陽子はこの作品で日本人女性初のゴールデングローブ賞を受賞している)。



「悪魔が来りて笛を吹く」●制作年:1979年●監督:斎藤光正●製作:角川春樹●脚本:野上龍雄 ●撮影:伊佐山巌●音楽:山本邦山/今井裕●原作:横溝正史●時間:136分●出演:西田敏行/夏木勲(夏八木勲)/仲谷昇/鰐淵晴子/斎藤とも子/村松英子/石浜朗/小沢栄太郎/池波志乃/原知佐子/山本麟一/宮内淳/二木てるみ
/梅宮辰夫/浜木綿子/北林早苗/中村玉緒/加藤嘉/京
唄子/村田知栄子/藤巻潤/三谷昇/熱田一久/住吉道博/村田知栄子/藤巻潤/三谷昇/金子信雄/中村雅俊/秋野太作/横溝正史(特別出演)/角川春樹(特別出演)●公開:1979/01●配給:東映(評価:★★☆)

夏木勲(夏八木勲)(39歳)等々力警部


1982年8月 舛田利雄監督・丹波哲郎主演「大日本帝国」公開時
「犬神家の一族」●制作年:1976年●監督:市川崑●製作:市川
坂浩
喜一●脚本:市川崑/日高真也/長田紀生●撮影:長谷川清●音楽:大野雄二●原作:横溝正史●時間:146分●出演:石坂浩二/島田陽子/あおい輝彦/川口恒/川口晶/坂口良子/地井武男/三条美紀/原泉/草笛光
子/大滝秀治/岸田今日子/加藤武/小林昭二/三谷昇/三木のり平/高峰三枝子/小沢栄太郎/三國連太郎/横溝正史(特別出演)●公開:1976/11●配給:東宝(評価:★★★☆)
「犬神家の一族」●制作年:2006年●監督:市川崑●製作:市川喜一●脚本:市川崑/日高真也/長田紀生●撮影:五十畑幸勇●音楽:谷川賢作/大野雄二(テーマ曲)●原作:横溝正史●時間:134分●出演:石坂浩二/松嶋菜々子/尾上菊之助/富司純子/松坂慶子/萬田久子/池内万作/奥菜恵/岸部一徳/深田恭子/三條美紀/草笛光子/大滝秀治/加藤武/中村敦夫/仲代達矢●公開:200

6/12●配給:東宝(評価:★★★)

「将軍 SHŌGUN」●原題:SHŌGUN●制作年:1980年●制作国:アメリカ●監督:ジェリー・ロンドン●製作プロデューサーベル/ケリー・フェルザーン●脚本:エリック・バーコビッチ●撮影:アンドリュー・ラズロ●音楽:モーリス・ジャール●原作:ジェームズ・クラベル●時間:125分(映画版)(TV版全5話・547分)●出演:リチャード・チェンバレ
/ベン・チャップマン/ジェームズ・クラ
ン/三船敏郎/島田陽子/フランキー堺/目黒祐樹/金子信雄/ダミアン・トーマス/ジョン・リス=デイビス/安部徹/高松英郎/宮口精二/夏木陽介/岡田真澄/宅麻伸/山本麟一/(ナレーション)オーソン・ウェルズ●日本公開:1980/11●配給:東宝●最初に観た場所:飯田橋・佳作座 (81-01-24)(評価:★☆)●併映:「二百三高地」(舛田利雄)
1.『三つ首塔』 昭和31年 白黒 監督:小林恒夫、小沢茂弘 出演:片岡千恵蔵、高千穂ひづる、三条雅也、中原ひとみ、南原伸二
ポスター/パンフ 
細身のアイビー・スーツにネクタイを締め、米軍放出のロング・コートを無造作に羽織る"モッズ"ファッションに固執する若者グループ―広告代理店のメールボーイをしているジミーもその1人で、会社がひけると、"モッズ"の溜り場のクラブへスクーターで駆けつける日常だが、そこでは、"モッズ"の対立グループである、革ジャン・リーゼントで大型バイクを乗り回す"ロッカーズ"との間での決着をつけるべく、近々果し合いがあるとの話が―。
"モッズ"とは、ロンドン近辺で60年代に流行した音楽やファッションをベースとした若者文化で、そのライフスタイルは、例えば、夜はファッションを決めて派手なデコレーションをしたスクーターで移動し、自家調合のドラッグを服用し、女の子と夜を徹してクラブで踊り明かすというようなもので、この映画のタイトル(QUADROPHENIA)は、ロックグループ"ザ・フー"が'73年に発表したアルバム「四重人格」からとっていますが(ザ・フーの曲がふんだんに使われている)、物語の背景には、'64年に実際に起きた「ブライトンの暴動」と呼ばれる、"モッズ"対"ロッカーズ"の大掛かりな言わば集団のケンカ騒ぎがモデルとしてあります。
実際、この暴動騒ぎの場面はリテイクの効かない合戦シーンのようなシークエンスで撮られていてなかなかの迫力ですが、"モッズ"は主人公にしても「さやえんどう」みたいにひょろっとした感じの青年で、1対1だと"ロッカーズ"の方が強そうだけれども、集団で束になって相手に向かっていくという感じです。但し、そうした中にあって、スティング演じるリーダーのエースは別格の存在感があり、かなりカッコいい(スティングはこれが映画初出演)。
暴動騒ぎに加わったことが親に知れ、家族からも見離されてドラックに溺れる主人公は、後日偶然に、今日まで長く憧憬の対象であったエースを見つけますが、それは郷里のホテルのドアマンとしてポーターのユフォームを纏ったものだった―(ああ、ショック。ボーイ姿のスティング)。
エースの派手なスクーターを見つけ出したジミーは、それを駆ってブライトンの海岸を疾走し(この場面のカメラが美しい)、やがて岬の先端の絶壁へ。
空中に舞うヴェスパは、何を意味するのでしょうか。最初早とちりして、ああ、ジミー君よ、死んじゃったのかあ、と思ったけれども、そいうことではないらしいです。崖から落ちたのはスクーターのみでした。彼の心の中で、かつての憧憬の的であったエースを葬る儀式だったのでしょう。邦題にはちょっとクサさもありますが、その辺りの解釈も含んでのことなのかも。
「さらば青春の光」●原題:QUADROPHENIA●制作年:1979年●制作国:イギリス●監督:フランク・ロダム●製作:ロイ・ベアード/ビル・カービシュリー●製作総指揮:デイヴィッド・ギデオン・トムソン●脚本:デイヴ・ハンフェリーズ/マーティン・スチルマン/フランク・ロダム●撮影:ブライアン・テュファノ●音楽:ザ・フー(ロジャー・ダルトリー/ジョン・エントウィッスル/ピート・タウンゼンド)●時間:111分●出演:フィル・ダニエルス/レスリー・アッシュ/スティング/フィリップ・デイヴィス/マーク・ウィンゲット●日本公開:1979/11●配給:松竹富


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ハイテク企業に勤めるトム・サンダース(マイケル・ダグラス)は、自分に内定していた副社長ポストに、社の創設者ボブ・ガーヴィン(ドナルド・サザーランド)が目をかけてきた野心溢れる女性メレディス(デミ・ムーア)が就任したことを知らされ唖然とする。彼女はかつてのトムの恋人だったのだ。そしてトムは就任したばかりの彼女に部屋に呼び出されて誘惑され、その誘いに負けそうになるも、かろうじて踏み止まり部屋を出る。しかし今度は、彼女から部屋でレイプをされそうになったと訴えられる―。
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イケル・クライトン
たのが『アンドロメダ病原体』('69年)であり、『ジュラシック・パーク』('90年)などのバイオ・サスペンスや、ハーバード・メディカルスクールの出身でもあるだけに、TVドラマ「ER」のようなメディカル系に強かった印象があります(1994年にはテレビ(「ER」)、映画(「
映画としては凡作になってしまったと思いますが、マイケル・クライトンへの追悼と、「ライジング・サン」よりはまだ映画らしい映画になっているということで本作品を取り上げました。
上司デミ・ムーアの誘いを断った主人公に対する上司の仕打ちの1つに、会社のサーバーへのアクセス権を奪ってしまうというのがあって、そのことで主人公は仕事が完全にストップしてしまいパニックに陥るというのが当時としてはすごく"現代風"の恐怖だなあと思われ、印象的に残りました。

マイケル・クライトン原作のその他の映画化作品では、マイケル・クライトン自身の脚本・監督で、ショーン・コネリーが主演した
「大列車強盗」('78年/米)が面白かったです。ヴィクトリア朝時代のイギリスで実際に起きた事件を基に、怪盗とその仲間たちが厳重管理で列車輸送している莫大な金塊の強奪に挑むさまを描いた犯罪サスペンスで、ストーリーはいいし(1975年に出版された原作『大列車強
盗』('76年/早川書房、'81年/早川書房)は、今回取り上げた『ディスクロージャー』よりはっきり言って面白い)、怪盗ピアースを演じるショーン・コネリーをはじめ役者もいいです。ショーン・コネリー(当時48歳)は、桁の低い陸橋が何本も接近してくる中、それをよけながら疾走する列車の屋根を這い進んで行くというアクションをスタントなしでこなしています。
「大列車強盗」と同じショーン・コネリー主演でフィリップ・カウフマンが監督した「ライジング・サン」('93年/米)は、ロサンゼルスに進出した日本企業のビルで殺人事件が発生し、ショーン・コネリー演じる刑事ジョン・コナーが捜査を進めるうち、文化の違いという壁にぶち当たるという、コネリーが製作総指揮と主演を兼ねたサスペンス・アクション。ネタバレになりますが、偽造ディスクを解明した女性がコナー刑事の愛人だったというオチは、裏ストーリーを暗示させるものの、あまりに説明不足。日本人の社員が黒服にサングラスだったり、日本語の使い方がヘンテコリンで笑わせます(もっと以前よりは良くはなっているが、この時点でまだ日本文化の認識の違いが窺えるのは仕方のないことか)。因みに、武満徹が劇中音楽を担当し、そのキャリアの中で唯一の外国映画音楽作品となりました。
あともう1本、フランク・マーシャル監督の「コンゴ」('95年)というのもありました。映画的展開の狭い「ライジング・サン」や「ディスクロージャー」の失敗を反省材料にしたのか、今度は旧作('80年発表)ながら派手な見せ場のある『失われた黄金都市』を映画化したもので、アフリカ奥地で、レーザー通信の核となるダイヤモンドの鉱脈を調べていたトラヴィコム社の先発隊が全滅し、手掛かりは通信画面に映し出された"灰色の猿人"らしきものだけだった...というもの。この監督はあまり上手くない(本業は映画プロデューサー。妻のキャスリーン・ケネディと共に、多くのスピルバーグ作品を手がけている)。観終わって時間が無駄だったと思いましたが(一緒に観た人間と「もう今後(こんご)は観ない」と冗談を言い合った)、amazonのレビューでは高い評価を得ているみたいで、自分たちだけ違う映画を観たのかなあ(笑)。
「ディスクロージャー」●原題:DISCLOSURE●制作年:1994年●制作国:アメリカ●監督:バリー・レヴィンソン●製作:バリー・レヴィンソン/マイケル・クライトン●脚本:ポール・アタナシオ●音楽:エンニオ・モリコーネ●撮影:アンソニー・ピアース=ロバーツ●原作:マイケル・クライトン●時間:128分●出演:マイケル・ダグラス/デミ・ムーア/ドナルド・サザーランド/キャロライン・グッドオール/デニス・ミラー/ロマ・マフィア/
ニコラス・サドラー/ローズマリー・フォーサイス/ディラン・ベイカー/ジャクリーン・キム/ドナル・ローグ/アラン・リッチ/ スージー・プラクソン●日本公開:1995/02●配給:ワーナー・ブラザース (評価★★★)
「大列車強盗」●原題:THE GREAT TRAIN ROBBERY/THE FIRST GREAT TRAIN ROBBER●制作年:1979年●制作国:アメリカ●監督・脚本:マイケル・クライトン●製作:ジョン・フォアマン●撮影:ジェフリー・アンスワース●音楽:ジェリー・ゴールドスミス●原作:マイケル・クライトン●時間:111分●出演:ショーン・コネリー/ドナルド・サザーランド/レスリー=アン・ダウン/アラン・ウェッブ/ロバート・ラング/マイケル・エルフィック/パメラ・セイラム/ガブリエル・ロイド/ジェームズ・コシンズ/ブライアン・グローヴァー/マルコム・テリス/ウェイン・スリープ●日本公開:1979/11●配給: ユナイト映画(評価★★★★)
「ライジング・サン」●原題:RISING SUN●制作年:1993年●制作国:アメリカ●監督:フィリップ・カウフマン●製作:ピーター・カウフマン●脚本:マイケル・クライトン/フィリップ・カウフマン/マイケル・バックス●撮影:マイケル・チャップマン●音楽:武満徹●原作:マイケル・クライトン●時間:125分●出演:ショーン・コネリー/ウェズリー・スナイプス/ハーヴェイ・カイテル/ケイリー=ヒロユキ・タガワ/ケヴィン・アンダーソン/マコ/レイ・ワイズ/スタン・イーギー/ティア・カレル/タジャナ・パティッツ/ヴィング・レイムス/スティーヴ・ブシェミ/サム・ロイド●日本公開:1993/11●配給:20世紀フォックス(評価★★★)
「コンゴ」●原題:CONGO●制作年:1995年●制作国:アメリカ●監督:フランク・マーシャル●製作:キャスリーン・ケネディ/サム・マーサー●脚本:ジョン・パト
リック・シャンリー●撮影:アレン・ダヴィオー●音楽:ジェリー・ゴールドスミス●原作:マイケル・クライトン●時間:109分●出演:ショーン・コネリー/ウェズリー・スナイプス/ハーヴェイ・カイテル/ケイリー=ヒロユキ・タガワ/ケヴィン・アンダーソン/マコ/レイ・ワイズ/スタン・イーギー/ティア・カレル/タジャナ・パティッツ/ヴィング・レイムス/スティーヴ・ブシェミ/サム・ロイド●日本公開:1995/10●配給:UIP(評価★★)



この作品は、ロードショー公開時の平日夜に新宿グランドヲデオン座で観ましたが、ロード中にアカデミー賞受賞が決まり、劇場は超満員でした(1988年の作品賞、主演男優賞、監督賞、脚本賞)。その前に、ゴールデングローブ賞の作品賞も受賞してはいましたが...(
精神科医の北山修氏(=元ザ・フォーク・クルセダーズの「きたやまおさむ」氏)は、その著書『
その力の源は、「自閉症者は火星人のようなものだから理解できるとは思わない方がいい」と著名な学者に言われ(『レナードの朝』『火星の人類学者―脳神経科医と7人の奇妙な患者』のオリヴァー サックスじゃないかなあ)、かえって発奮したというダスティン・ホフマンと、LD(学習障害)であるためbとd、pとqの区別がつかないなどの識字困難により教科書が読めず幼い頃から苦労したトム・クルーズの、両俳優の挑戦意欲だと思います。
アメリカのTVドラマなどには、自閉症やアスペルガー症候群の登場人物が結構出てきますが、わざとらしい説明的な描写は少ないようです。アメリカ社会での自閉症に対する認知度・理解度を高める上で、この映画の果たした役割は大きかったのではないかと思いますが、日本でのヒットが国内でのそうしたムーブメントに繋がったかというと、どうでしょうか。
「君が教えてくれたこと」('00年/TBS系列)とか「光とともに...〜自閉症を抱えて〜」('04年/日本テレビ)といったテレビドラマがあり、それぞれは良質な作品なのですが、全体のムーブメントで捉えた場合、結果として単発的な"感動狙い"で終わっている感じもしなくもないのですが。




ジェームズ・ディーンが補導されて警察署いる場面のパンフレットが懐かしいこの映画は、
マーロン・ブランドが出演を断った脚本が、ジョージ・スティーブンス監督の「
この映画でのジム(ジェームズ・ディーン)とプレイトウ(サル・ミネオ)の関係はよく同性愛だと言われていますが、17歳という設定ですから思春期的なものであると思われ、それでも当初はジムがプレイトウにキスしようとするシーンもあったそうですが、米国内の検閲でカットされたとのこと。個人的には、カットされて良かったと思います。もしそのシーンがあると、BL色が濃くなって、ジュディ(ナタリー・ウッド)を含めた3人の関係のバランスが壊れていたのではないかと思われるからです。
一方で、この映画の脚本には、当時の若者の声を聞いたアンケートが反映されていて、そのため、世間の親への教唆的要素が多分に含まれているようにも思います(「理由なき反抗」というタイトルからして)。
わらず、父親は叱ることも止めることも出来ずジムをガッカリさせる場面な
どは、当時言われるようになっていた"父権の失墜"に対する警告ともとれるのではないでしょうか。


'75年にレイ・コノリー監督により「ジェームズ・ディーンのすべて-青春よ永遠に」(James Dean:The First American Teenager)という記録映画(TV用ドキュメンタリー)が作られていて、その中でナタリー・ウッドもサル・ミネオもジェームズ・ディーンの思い出を語っていますが、その翌年の'76年にサル・ミネオは強盗に刺殺され(享年38、生前はピーター・フォークと知己の関係にあり、「刑事コロンボ」の「ハッサン・サラーの反逆」('75年)に、アラブのある国の大使館員の役で出演していた。犯人役はヘクター・エリゾンド(最近では「名探偵モンク」でモンクの新しいかかりつけの精神分析医役を演じている)で、犯人に協力させられて、結局口封じのため殺されてしまう役だった)、更にその

5年後の'81年には、ナタリー・ウッドが撮影中にボートの転覆事故で亡くなっています(享年43、その死因には、事故説以外に他殺説、自殺説もある)。
この記録映画の中では、ジェームズ・ディーンがマーロン・ブランドの演技を意識していたことが窺えたのが興味深かったです(演技ばかりでなく、自分はパーティ嫌いでバーティを避けていたのに、パーティに出ていたマーロン・ブランドがどういった様子だったかを人に聞くなど、普段の立ち振る舞いにも強い関心を示していた)。もし、もっと長生きしていたら、どんな作品に出ていただろうかと、ついつい考えてしまいますが、オヤジになったジェームズ・ディーンなんて見たくないという人も結構いるだろうなあ。


「理由なき反抗」●原題:REBEL WITHOUT A COUSE●制作年:1955年●制作国:アメリカ●監督・原案:ニコラス・レイ●製作:デヴィッド・ワイスバート●脚本:スチュワート・スターン/アーヴィング・シュルマン●撮影:アーネスト・ホーラー●音楽:レーナード・ローゼンマン●時間:105分●出演:ジェームズ・ディーン/ナタリー・ウッド/サル・ミネオ/デニス・ホッパー/ジム・バッカス/ロシェル・ハドソン/コーレイ・アレン/ウィリア
ム・ホッパー/ニック・アダムス/エドワード・プラット/アン・ドーラン/フランク・マッゾラ●日本公開:1956/04●配給:ワーナー・ブラザース●最初に観た場所:高田馬場・早稲田松竹(77-12-21)●
2回目:池袋文芸坐(79-02-18)(評<価★★★★)●併映(1回目):「ジャイアンツ」(ジョージ・スティーブンス)●併映(2回目):「エデンの東」(エリア・カザン」

「ジェームズ・ディーンのすべて 青春よ永遠に」●原題:JAMES DEAN:THE FIRST AMERICAN TEENAGER●制作年:1975年●制作国:アメリカ●監督:レイ・コノリー●製作:デイヴィッド・パトナム
/サンディ・リーバーマン●時間:80分●出演:ジェームズ・ディーン/ナタリー・ウッド/サル・ミネオ/デニス・ホッパー/サミー・デイビスJr./キャロル・ベイカー●日本公開:1977/09●配給:東宝東和●最初に観た場所:テアトル新宿(78-01-13)(評価★★★) ●併映:「サスペリア」(ダリオ・アルジェント)●記録映画



「刑事コロンボ(第33話)/ハッサン・サラーの反逆」●原題:A CASE OF IMMUNITY●制作年:1975年●制作国:アメリカ●監督:テッド・ポスト●製作:エドワード・K・ドッズ●脚本:ルー・ショウ●撮影:リチャード・C・グローナー●音楽:ベルナルド・セガール/ハル・ムーニー●時間:73分●出演:ピーター・フォー
ク/ヘクター・エリゾンド/サル・ミネオ/ケネス・トビー/バリー・ロビンス/ビル・ザッカート/ハンク・ロビンソン/ハーヴェイ・ゴールド/アンドレ・ローレンス/ネイト・エスフォームス/ジョージ・スカフ/ジェフ・ゴールドブラム(ノンクレジト(領事館前で抗議活動しているデモ隊の男))●日本公開:1976/12●放送:NHK:★★★☆)







わせる若者が登場しますが、『われらの時代』にはどちらかと言うと、若者のナイーブな感性がとらえた世間というものが反映されているのに対し、『男だけの世界』の方は、男性原理が前面に出た(短編集の表題通り女性が殆ど登場しない)、男臭いというかハードボイルド風のものが殆どとなっています。

「リバー・ランズ・スルー・イット」(原作はノーマン・マクリーンの「マクリーンの川」)では、主人公(クレイグ・シェイファー)が、牧師だった父(トム・スケリット)と才能がありながらも破天荒な生き方の末に亡くなった弟(ブラッド・ピット)を偲んで、故郷の地で、かつて父から教わり、父や弟と親しんだフライフィッシングをする場面が美しく、また、こうした「供養」と言える行動を通して主人公が癒されていくスタイルが独特だなあと思ったのですが、ヘミングウェイの「二つの心臓の大きな川」においても、フライフィッシングが主人公の戦争体験のトラウマを癒す役割を果たしているように思えます。
「リバー・ランズ・スルー・イット」●原題:A RIVER RUNS THROUGH IT●制作年:1992年●制作国:アメリカ●監督・製作総指揮:ロバート・レッドフォード●脚本:リチャード・フリーデンバーグ●撮影:フィリップ・ルースロ ト●音楽:マーク・アイシャム●原作:ノーマン・マクリーン 「マクリーンの川」●時間:124分●出演:ブラッド・ピット/クレイグ・シェイファー/トム・スケリット/ブレンダ・ブレシン/エミリー・ロイド/スティーヴン・シェレン/ニコール・バーデット/ジョセフ・ゴードン=レヴィット/ロバート・レッドフォード(ナレーション)●日本公開:1993/09●配給:東宝東和 (評価:★★★★)















映画もミュージカル映画として作られていて、テーマ曲のバイオリン独奏はアイザック・スターン。ラストの「サンライズ・サンセット」もいい。

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の策略で国を追い出されアメリカ大陸に向かったものの、キューバ、米国で入港拒否をされ(ナチス側もそれを予測し、ユダヤ人差別はナチスだけではないことを世界にアピールするためわざと出航させた)、結局また大西洋を逆行するという先の見えない悲劇に見舞われます。
この映画はユダヤ人資本で作られたもので、マックス・フォン・シドーの船長役以下、オスカー・ヴェルナーとフェイ・ダナウェイの夫婦役、ネヘマイア・パーソフ、マリア・シェルの夫婦役、オーソン・ウェルズやジェームズ・メイソンなど、キャストは豪華絢爛。今思うと、フェイ・ダ
ナウェイの
ような大物女優からリン・フレデリック、キャサリン・ロスのようなアイドル女優まで(キャサリン・ロスは今回は両親を養うために娼婦をしている娘の役でゴールデングローブ賞助演女優賞を受賞。アイドル女優と言っては失礼か)、よく揃えたなあと。さすがユダヤ人資本で作られた作品。但し、グランドホテル形式での人物描写であるため、どうしても1人1人の印象が弱くならざるを得なかったという、このタイプの映画にありがちな弱点も見られたように思います。
「屋根の上のバイオリン弾き」●原題:FIDDLER ON THE ROOF●制作年:1971年●制作国:アメリカ●監督・製作:ノーマン・ジュイスン●脚本:ジョセフ・スタイン●撮影:オズワルド・モリス●音楽:ジョン・ウィリアムス●原作:ショーレム・アレイヘム「牛乳屋テヴィエ」●時間:179分●出演:トポル/ノーマ・クレイン/ロザリンド・ハリス/ミシェル・マーシュ/モリー・ピコン/レナード・フレイ/マイケル・グレイザー/ニーバ・スモール/レイモンド・ラヴロック/ハワード・ゴーニー/ヴァーノン・ドブチェフ●日本公開:1971/12●配給:ユナイト●最初に観た場所:新宿ビレッジ2(88-11-23)(評価:★★★☆)



新宿ビレッジ1・2 新宿3丁目「新宿レインボービル」B1(

「さすらいの航海」●原題:VOYAGE OF THE DAMNED●制作年:1976年●制作国:イギリス●監督:スチュアート・ローゼンバーグ●製作:ロバート・フライヤー●脚本:スティーヴ・シェイガン/デヴィッド・バトラー●撮影:オズワルド・モリス●音楽:ラロ・シフリン●原作:ゴードン・トマス/マックス・モーガン・ウィッツ「絶望の航海」●時間:179分●出演:フェイ・ダナウェイ/オスカー・ヴェルナー/オーソン・ウェルズ/リン・フレデリック/マックス・フォン・シドー/マルコム・マクダウェル/リー・グラント/キャサリン・ロス/ジェームズ・メイソン/

マリア・シェル/ネヘミア・ペルソフ/ホセ・フェラ
ー/フェルナンド・レイ/ベン・ギャザラ/サム・ワナメイカー/ネヘマイア・パーソフ●日本公開:1977/08●配給:日本ヘラルド映画●最初に観た場所:吉祥寺スカラ座 (77-12-24)(評価:★★★)●併映:「シ
ビルの部屋」(ネリー・カフラン)









「フィールド・オブ・ドリームス」は、アイオワ州のとうもろこし畑で働いていた
農夫キンセラ(ケビン・コスナー)が、ある日「それを造れば彼が来る」という"声"を聞き、畑を潰して野球場を造ると、「シューレス・ジョー」ことジョー・ジャクソンなど
過去の偉大な野球選手たちの霊が現れ、その後も死者との不思議な交流が続くというもので(キンセラが訪ねる作家テレンス・マン(ジェームズ・アール・ジョーンズ(1931-2024))のモデルはJ・D・サリンジャーで、原作では実名で登場する)、「ナチュラル」は、ネブラスカ州の農家の息子で若くして野球の天才と呼ばれた男(ロバート・レッドフォード)が、発砲事件のため
球界入りを遅らされるが、35歳にして「ニューヨーク・ナイツ」に入団し、"奇跡のルーキー"として活躍するというもの。
野球映画はまだまだあって、ロン・シェルトン監督の「さよならゲーム」('88年)は「ナチュラル」と比較されそうな、これまたケビン・コスナー主演の野球映画でした(評価★★★)。ロン・シェルトン監督はマイナーリーグで野球選手として活躍した経歴を持つ人物です。そう言えば、レッドフォードもコスナーも共にハイスクール時代は野球の選手でした。
コメディでは、デヴィッド・S・ウォード監督の「メジャーリーグ」('89年)(評価★★★)、「メジャーリーグ2」(評価★★)('94年)がありました。チャーリー・シーンは
オリバー・ストーン監督の 「
ャーリー・シーンはこの間「
セレックが中日ドラゴンズに助っ人でやってきた元メジャー・リーガー役。星野仙一と広岡達朗をモデルにしたという中日ドラゴンズの監督役・高倉健との共演はまずまずでしたが、日本にやって来た外国人のカルチャー・ショックというワンパターンにはまった?(評価★★★)。女流監督ペニー・マーシャルが撮ったトム・ハンクス主演の「
こうした今まで観た映画のことを思い浮かべながらでないと、歴史的イメージがなかなか湧かない部分もありましたが、個人的には、例えば、アフリカ系とアングロサクソン系の混血であるデレク・ジーターが、ここ何年にもわたり"NYヤンキースの顔"的存在であり、アメリカ同時多発テロ事件の後はニューヨークそのものの顔になっていることなどは、ベースボールが人種差別という歴史を乗り越え、近年ナショナル・スポーツとしての色合いが強まっているという意味で、何だか象徴的な現象であるような気がしています(メジャーリーグでは近年ラティーノと呼ばれる中南米出身者が占める比率が高まりつつある)。
(●2020年8月13日に、映画「フィールド・オブ・ドリームス」の舞台となったダイアーズビルの野球場でシカゴ・ホワイトソックス 対 ニューヨーク・ヤンキースの試合を開催することが前年に決まっていたが、そ
の後、新型コロナウィルス感染拡大による2020年のMLBのシーズン短縮化に伴い、ホワイトソックスの対戦相手はセントルイス・カージナルスに変更され、さらに、8月3日になって、移動の困難から試合開催の中止が発表された。)
ジェームズ・アール・ジョーンズ 2024年9月9日、ニューヨーク州の自宅で死去、93歳。
「フィールド・オブ・ドリームス」●原題:FIELD OF DREAMS●制作年:1989年●制作国:アメリカ●監督・脚本:フィル・アルデン・ロビンソン●製作:ローレンス・ゴードンほか●音楽:ジェームズ・ホーナー●原作:W・P・キンセラ 「シューレス・ジョー」●時間:107分●出
演:ケヴィン・コスナー/エイミー・マディガン/ギャビー・ホフマン/レイ・リオッタ/ジェームズ・アール・ジョーンズ/バート・ランカスター●日本公開:1990/03●配給:東宝東和 (評価:★★★☆)
「ナチュラル」●原題:THE NATURAL●制作年:1984年●制作国:アメリカ●監督:バリー・レヴィンソン●製作:マーク・ジョンソン●脚本:ロジャー・タウン/フィル・ダッセンベリー●撮影:キャレブ・デシャネル●音楽:
ランディ・ニューマン●原作:バーナード・マラマッド●時間:107分●出演:ロバート・レッドフォード/ロバート・デュヴァル/グレン・クロース/キム・ベイシンガー●日本公開:1984/08●配給:コロムビア映画●最初に観た場所:自由が丘武蔵野推理(85-01-20) (評価:★★★☆)●併映:「再会の時」(ローレンス・カスダン)
「さよならゲーム」●原題:BULL DURHAM●制作年:1988年●制作国:アメリ
カ●監督・脚本:ロン・シェルトン●製作:トム・マウント/マーク・バーグ●撮影:ボビー・バーン●音楽:マイケル・コンヴァーティノ●時間:107分●出演:ケビン・コスナー/スーザン・サランドン/ティム・ロビンス/ロバート・ウール/ウィリアム・オリアリー/デイビッド・ネイドルフ/ダニー・ガンズ/トム・シラルディ/ロイド・ウィリアムズ/リック・マーザン/ジェニー・ロバートソン/ガーランド・バンティング/スティーブン・ウェア/ヘンリー・G・サンダース●日本公開:1988/09●配給:ワーナー・ブラザース (評価:★★★☆)
「メジャーリーグ」●原題:MAJOR LEAGUE●制作年:1989年●制作国:アメリカ●監督・脚本:デヴィッド・S・ウォード●製作:クリス・チェイサー/アービー・スミス●撮影:レイナルド・ヴィラロボス●音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード●時間:107分●出演:トム・ベレンジャー/チャーリー・シーン/コービン・バーンセン/ウェズリー・スナイプス/デニス・ヘイスバート/チェルシー・ロス/マーガレット・ホイットン/レネ・ルッソ/ボブ・ユッカー/ピート・ブコビッチ●日本公開:1989/06●配給:日本ヘラルド映画(評価:★★★)
レネ・ルッソ in「


「メジャーリーグ2」●原題:MAJOR LEAGUE II●制作年:1994年●制作国:アメリカ●監督・脚本:デヴィッド・S・ウォード●製作:ジェームズ・G・ロビンソン/デヴィッド・S・ウォード●脚本:R・J・スチュワート●撮影:ビクター・ハマー●音楽:ミシェル・コロンビエ●時間:105分●出演:チャーリー・シーン/トム・ベレンジャー/コービン・バーンセン/マーガレット・ホイットン/ジェームズ・ギャモン/スティーブ・イェーガー/ デニス・ヘイスバート/レネ・ルッソ/オマー・エップス/石橋貴明/ミシェル・バーク/アリソン・ドゥーディ●日本公開:1994/06●配給:東宝東和(評価:★★)
国:アメリカ●監督:フレッド・スケピシ●製作:フレッド・スケピシ/ダグ・クレイボーン/ロバート・ニューマイヤー●脚本:ゲイリー・ロス/ケヴィン・ウェイド/モンテ・メリック●撮影:イアン・ベイカー●音楽:ジェリー・ゴールドスミス●時間:110分●出演:トム・セレック/高倉健/デニス・ヘイスバート/高梨亜矢/塩屋俊/穂積隆信/豊原功補/藤原稔三/森永健司/問田憲輔/スコット・プランク/レオン・リー/アニマル・レスリー●日本公開:1993/02●配給:UPI(評価:★★★)
「ホット・ショット」●原題:HOT SHOTS!●制作年:1991年●制作国:アメリカ●監督:ジム・エイブラハムズ●製作:ビル・バダラート●脚本:ジム・エイブラハムズ/パット・プロフト●撮影:ビル・バトラー●音楽:シルヴェスター・リヴェイ●時間:85分●出演:チャーリー・シーン/ケイリー・エルウィス/ヴァレリア・ゴリノ/ロイド・ブリッジス/ケヴィン・ダン/ジョン・クライヤー●日本公開:1991/12●配給:20世紀フォックス(評価:★★★)
「ホット・ショット2」●原題:HOT SHOT! PART DEUX●制作年:1993年●制作国:アメリカ●監督:ジム・エイブラハムズ●製作:ビル・バダラート●脚本:ジム・エイブラハムズ/パット・プロフト●撮影:ビル・バトラー●音楽:シルヴェスター・リヴェイ●時間:89分●出演:チャーリー・シーン/ロイド・ブリッジス/ヴァレリア・ゴリノ/ブレンダ・バーキ/リチャード・クレンナ●日本公開:1993/06●配給:20世紀フォックス(評価:★★★)![プリティ・リーグ [DVD].jpg](http://hurec.bz/book-movie/%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BB%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B0%20%5BDVD%5D.jpg)
「プリティ・リーグ」●原題:A LEAGUE OF THEIR OWN●制作年:1991年●制作国:アメリカ●監督:ペニー・マーシャル●製作:ロバート・グリーンハット/エリオット・アボット●脚本:ババルー・マンデル/ローウェル・ガンツ●撮影:ミロスラフ・オンドリチェク●音楽:ハンス・ジマー●時間:116分●出演:トム・ハンクス/ジーナ・デイヴィス/マドンナ/ロリー・ペティ/ロージー・オドネル/ジョン・ロビッツ/デヴィッド・ストラザーン/ゲイリー・マーシャル/ビル・プルマン/ティア・レオーニ/アン・キューザック/エディ・ジョーンズ/アン・ラムゼイ/ポーリン・ブレイスフォード/ミーガン・カヴァナグ/トレイシー・ライナー/ビッティ・シュラム/ドン・S・デイヴィス/グレゴリー・スポーレダー●日本公開:1992/10●配給:コロンビア・トライスター映画社(評価:★★★★)

「星の王子 ニューヨークへ行く」●原題:COMING TO AMERICA●制作年:1988年●制作国:アメリカ●監督:ジョン・ランディス●製作:ジョージ・フォルセイ・ジュニア/ロバート・D・ウォッチス●脚本:デビッド・
シェフィールド/バリー・W・ブラウスティン●撮影:ウディ・オーメンズ●音楽:ナイル・ロジャース●時間:117分●出演:エ
ディ・マーフィ/アーセニオ・ホール/ジェームズ・アール・ジョーンズ/ジョン・エイモス/マッジ・シンクレア/シャリ・ヘッドリー/ヴァネッサ・ベル
/フランキー・フェイソン/サミュエル・L・ジャクソン●日本公開:1988/12●配給: UIP(評価:★★★)●最初に観た場所:名古屋・毎日ホール(88-12-30)●併映(同日上映):「3人のゴースト」(リチャード・ドナー) 


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文学賞を受賞した脚本家ハロルド・ピンターの脚色であり、現代の役者が19世紀を舞台とした『フランス軍中尉の女』という小説の映画化作品を撮影する間、小説と同じような事態が役者達の間で進行するという入れ子構造になっていることからもわかるように(そのため個人的にはやや入り込みにくかった)、映画はほぼハロルド・ピンターのオリジナル作品になっているとも言え、映画は映画として見るべきでしょう。
『コレクター』の方のストーリーは、蝶の採集が趣味の孤独な若い銀行員の男が、賭博で大金を得たのを機に仕事をやめて田舎に一軒家を買い、自分が崇拝的な思慕を寄せていた美術大学に通う女性を誘拐し、地下室にに監禁する―というもの。
しかし、性的略奪が彼の目的でないことを知った女性が彼に抱いたのは「哀れみ」の感情で、彼女の日記からそのことを知った男はかえって混乱する―。
文芸・社会評論家の長山靖生氏は、この作品の主人公について「宮崎勤事件」との類似性を指摘し、共に「女性の正しいつかまえ方」を知らず、実犯行に及んだことで、正しくは"コレクター"とは言えないと書いてましたが、確かにビデオや蝶の「収集」はともかく、この主人公に関して言えば女性はまだ1人しか"集めて"いないわけです。しかし、作品のラストを読めば...。
映画化作品の方も、男が監禁女性を標本のように愛でるのは同じですが、彼女に対する感情がより恋愛感情に近いものとして描かれていて、結婚が目的となっているような感じがして、ちょっと原作と違うのではと...。
因みに、冒頭に挙げた「フランス軍中尉の女」('81年)のメリル・ストリープは、前述の通りこの作品でゴールデングローブ賞の主演女優賞を受賞しましたが、アカデミー賞の主演女優賞はノミネート止まりで、翌年の「ソフィーの選択」('82年)で主演女優賞を、2年連続となるゴールデングローブ賞主演女優賞と併せて受賞しました(ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞、
アラン・J・パクラの「ソフィーの選択」('82年)は、昨年['06年]亡くなったウィリアム・スタイロン(1925-2006)が1979年に発表しベストセラーとなった小説が原作です。駆け出し作家のスティンゴ( ピーター・マクニコル )が、ソフィー(メリル・ストリープ)というポーランド人女性と知り合うのですが、彼女には誰にも語ることの出来ない恐るべき過去があり、それは、彼女の人生を大きく左右する選択であった...という話で、ネ
タバレになりますが、自分の幼い娘と息子のどちらを生きながらえさせるか選択しろとドイツ将校に求められるシーンが壮絶でした。この作品でメリル・ストリープは役作りのためにロシア語訛りのポーランド語、ドイツ語及びポーランド語訛りのある英語を自在に操るなど、作品の背景や役柄に応じてアメリカ各地域のイントネーションを巧みに使い分けており、そのため「訛りの女王」と呼ばれてその才能は高く評価されることになります。「
「コレクター」●原題:THE COLLECTOR●制作年:1965年●制作国:イギリス・アメリカ●監督:ウィリアム・ワイラー●製作:ジョン・コーン/ジャド・キンバーグ●脚本:スタンリー・マン/ジョン・コーン/テリー・サザーン●撮影:ロバート・サーティース/ロバート・クラスカー●音楽:モーリス・ジャール●原作:ジョン・ファウルズ●時間:119分●出演:テレンス・スタンプ/サマンサ・エッガー/モナ・ウォッシュボーン/モーリス・ダリモア●日本公開:1965/08●配給:コロムビア映画(評価:★★★☆)
「フランス軍中尉の女」●原題:THE FRENCH LIEUTENANT'S WOMAN●制作年:1981年●制作国:イギリス●監督:カレル・ライス●製作:レオン・クロア ●脚本:ハロルド・ピンター●撮影:フレディ・フランシス●音楽:カール・デイヴィス●原作:ジョン・ファウルズ●時間:123分●出演:メリル・ストリープ/ジェレミー・アイアンズ/レオ・マッカーン/リンジー・バクスター/ヒルトン・マクレー●日本公開:1982/02●配給:ユナイテッド・アーチスツ●最初に観た場所:六本木・俳優座シネマテン(82-05-06)●2回目:三鷹文化(82-11-06)(評価:★★☆)●併映(2回目):「情事」(ミケランジェロ・アントニオーニ)
「ソフィーの選択」●原題:SOPHIE'S CHOICE●制作年:1982年●制作国:アメリカ●監督・脚本:アラン・J・パクラ●製作:キース・バリッシュ/アラン・J・パクラ●撮影:ネストール・アルメンドロス●音楽:マーヴィン・ハムリッシュ●原作:ウィリアム・スタイロン●時間:150分●出演:メリル・ストリープ/ケヴィン・クライン/ピーター・マクニコル/リタ・カリン/スティーヴン・D・ニューマン/グレタ・ターケン/ジョシュ・モステル/ロビン・バートレット/ギュンター・マリア・ハルマー/(ナレーター)ジョセフ・ソマー●日


二子東急 1957年9月30日 開館(「二子玉川園」(1985年3月閉園)そば) 1991(平成3)年1月15日閉館
テレンス・スタンプ(英・俳優)
「スーパーマン」●原題:SUPERMAN●制作年:1978年●制作国:アメリカ・イギリス●監督:リチャード・ドナー●製作:ピエール・スペングラー●脚本:マリオ・プーゾ/デイヴィッド・ニューマン/レスリー・ニューマン/ロバート・ベントン/トム・マンキウィッツー●撮影:ジェフリー・アンスワース●音楽:ジョン・ウィリアムズ●時間:144分(劇場公開版)/152分(ディレクターズ・カット版)●出演:クリストファー・リーヴ/マーゴット・キダー/マーロン・ブランド/ジーン・ハックマン/ネッド・ビーティ/ヴァレリー・ペリン/
マーク・マクルーア/ジャッキー・クーパー/グレン・フォード/フィリス・サクスター/スザンナ・ヨーク/トレヴァー・ハワード/マリア・シェル/テレンス・スタンプ/サラ・ダグラス/ジャック・オハローラン/ジェフ・イースト/ハリー・アンドリュース/ダイアン・シェリー/ウェストン・ギャビン/ラリー・ハグマン/ポール・テュルペ/ジョージ・ハリス2世●日本公開:1979/06●配給:ワーナー・ブラザーズ●最初に観た場所:池袋・文芸坐 (82-12-29)(評価:★★★)●併映:「スーパーマンⅡ」(リチャード・レスター)
「スーパーマンⅡ/冒険篇」●原題:SUPERMANⅡ●制作年:1980年●制作国:アメリカ・イギリス●監督:リチャード・レスター●製作:ピエール・スペングラー●脚本:マリオ・プーゾ/デイヴィッド・ニューマン/レスリー・ニューマン/トム・マンキウィッツー●撮影:ジェフリー・アンスワース●音楽:ケン・ソーン(テーマ曲:ジョン・ウィリアムズ)●時間:127分●出演:クリストファー・リーヴ/マーゴット・キダー/ジーン・ハックマン/ネッド・ビーティ/テレンス・スタンプ/ヴァレリー・ペリン/スザンナ・ヨーク/
ジャッキー・クーパー/マーク・マクルーア/サラ・ダグラス/ジャック・オハローラン/E・G・マーシャル/クリフトン・ジェームズ●日本公開:1981/06●配給:ワーナー・ブラザーズ●最初に観た場所:池袋・文芸坐 (82-12-29)(評価:★★★)●併映:「スーパーマン」(リチャード・ドナー)






1885年の原著発表のフランスの作家エミール・ゾラ(Emile Zola、1840‐1902)による作品で、彼の膨大な小説群「ルーゴン・マッカール双書」の中では『居酒屋』(1877年発表)、『ナナ』(1879年発表)と並ぶ代表作。

「居酒屋」でマリア・シェルが演じた洗濯女ジェルヴェーズは、一度は夫に逃げられた女性ですが、今度は真面目な屋根職人と結婚します。しかし、その亭主である男はある日屋根から落ちて大ケガをし、彼はやがて酒びたりになる―、それでも彼女はダメ亭主にもめげず懸命に働き、なんとか自分の店を持つものの、更に重なる不運があって、やがて自身が酒に溺れ破滅するという、きつい話(マリア・シェルはこの作品の演技により1956年・第17回「
(●2025年にゾラの原作『居酒屋』を読んだ。傑作である。ここまで主人公をイジメるかというぐらいで、映画以上に凄かった。映画はまだ温(ぬる)い。20巻シリーズの「ルーゴン・マッカール双書」の第7巻で、1877年2月単行本刊行(1876年に新聞に連載が開始)、1885年発表の「ルーゴン・マッカール双書」の第13巻に当たる『ジェルミナール』よりさらに暗い(笑)。連載が始まるや非難囂囂(ごうごう)で連載が中断されることもあったが、本が出ると大ベストセラーになったそうだ。ゾラの作品でこれしか読まないと、ゾラが自然主義の作家であることは認識させられるが、あまりペシミスティックであるため、後に彼が空想的社会主義に向かっていくことを予測するのは不可能だと思った。)


1941年にアカデミー作品賞を受賞した作品がありましたが、そこには影の部分もあれば(悲惨な炭鉱事故の場面)、また光の部分もあり(家族愛がテーマだとも言える)、ノスタルジーにより美化された部分もありました(全体が当時少年だった語り手の想い出として設定されている。モーリーン・オハラって、昔のアメリカ映画にみる典型的な美人だなあ)。


「居酒屋」●原題:GERVAISE●制作年:1956年●制作国:フランス●監督・:ルネ・クレマン●製作:アニー・ドルフマン●脚本:ジャン・オーランシュ/ピエール・ポスト●撮影:ロベール・ジュイヤール●音楽:ジョルジュ・オーリック
「わが谷は緑なりき」●原題:HOW GREEN WAS MY VALLEY●制作年:1941年●制作国:アメリカ●監督:ジ
ョン・フォード●製作:ダリル・F・ザナック●脚本:フィリップ・ダン●撮影:アーサー・ミラー●音楽:アルフレッド・ニューマン●原作:リチャード・レウェリン(How Green Was My Valley)●時間:118分●出演:ウォルター・ピジョン/モーリーン・オハラ/ドナルド・クリスプ/アンナ・リー/ロディ・マクドウォール●日本公開:1950/12●配給:セントラル●最初に観た場所:吉祥寺ジャヴ50 (84-06-30)●2回目:自由が丘劇場 (85-02-17) (評価:★★★★)●併映(2回目)「いとしのクレメンタイン 荒野の決闘」(ジョン・フォード)









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/エミール・カレヴィッチ/ヴラデク・シェイバル/ヤン・エングレルト●日本公開:1958/01(1979/12(リバイバル))●配給:東映洋画●最初に観た場所:新宿アートビレッジ (79-04-10) (評価:★★★★☆) ●併映:「灰とダイヤモンド」(アンジェイ・ワイダ)「地下水道」の一場面/「
「灰とダイヤモンド」(1958)
【1954年文庫化・1994年改版[岩波文庫(上・中・下)]/1994年再文庫化[中公文庫(上・下)]】