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個人的に懐かしい金沢の昔の風景。土塀と用水に挟まれた道を歩いて学校に通った。
『金沢 (岩波写真文庫 復刻ワイド版 (68)―シリーズ 都会の記録 1952〜1957)』『岩波写真文庫[復刻ワイド版]シリーズ都会の記録 1952~1957[6冊セット]』['88年]/『金沢(岩波写真文庫93)』(1953/05 岩波書店)
『能登 (岩波写真文庫 復刻ワイド版 (64)―シリーズ 日本人の暮らしの記録 1952〜1958) 』『岩波写真文庫 復刻ワイド版(6冊セット)日本人の暮らしの記録 2 山村・漁村』['88年]/『能登(岩波写真文庫133)』(1954/12 岩波書店)
岩波写真文庫は、岩波書店が1950年代に出版していたテーマ別写真集叢書(すべてモノクロ写真)で、1950(昭和25)年6月から1958(昭和33)年)12月20日まで286巻が出版されています(1冊100円)。従来この種の出版は成功が困難とされていましたが、このシリーズは経済的にも成功し、1953(昭和28)年には菊池寛賞を受賞しています。1987(昭和62(年)から1990(平成2)年にかけて、総計114巻が復刻ワイド版(判型をA5判に改めた)として出版され、本書はそのうちの1冊になります。
「金沢」は、自分が2歳から小学校2年までと、小学校6年から高校1年まで金沢に住んでいたため、昭和30年代、40年代の金沢を知る身であり、懐かしく写真を見ました。目次が、地理的位置、樺沢の歴史、加賀気質、工芸と伝統、明日への問題、となっているように、シリーズの企画意図が視覚教育の要望に応えようとしたものだったらしく、観光より生活(社会)に視点が置かれていて、暮らしに近い写真が多く収められています。
兼六園や金沢城、尾山神社なども懐かしいことは懐かしいですが、小学校、中学校に通う際にそれに沿って歩いた長い「土塀」の写真がことさら懐かしいです(小学校は今は無き「長土塀小学校」で、「長土塀」という町名は今もある。ただし、土塀は「長町」にもよく見られ、上の左右の写真はいずれも長町にある武家屋敷と土塀)。
また、尾山神社の手前にあった中学校(今は無き「高岡町中学校」で、移転して「高岡中学校」となった)に通う際に通った長町の「用水」も懐かしいです(用水は長土塀にも見られた。結局、土塀と用水に挟まれた道を歩いて自分は小学校や中学に通ったわけだ)。昭和40年代だから、もうその頃には用水で洗濯をしている人はいなかったかもしれませが。
東廓の写真もありますが、廓などはさすがに行ってないので記憶が薄いですけれど、小学校の遠足が卯辰山だったから、その前ぐらいは通っているかもしれません。昼間はお稽古時間だったのかあ。三味線の音が流れるのは五木寛之の紀行文なのでありそうですが、直接的にはそこまでの記憶は無いなあ。
金沢と言えば次は能登。能登半島沖地震からちょうど1年ですが、復興の遅れが心配です(阪神淡路大震災における神戸の復興の目覚ましいスピードなどと比べるとあまりに遅い)。
個人的には、父親の趣味が釣りで、その父に連れられて能登島などに行くことがあったので懐かしいです(さすがに祭りの日にはぶつかっていないが)。能登金剛も行きました。ヤセの断崖は、映画「ゼロの焦点」('61年)のラストで主人公(久我美子)と犯人(高千穂ひづる)が対峙し、犯人が罪を告白するシーンとして登場しているのが有名です(アレ、福井県の東尋坊と勘違いしていた人がいたなあ)。あの映画には、和倉温泉の「おもてなし日本一」で知られる「加賀屋」も出てきました(松本清張はこの旅館で作品を書いたという)。
因みに加賀屋は、震災以降現在も休業が続いていますが、1週間ほど前['24年12月25日]、'26年冬に営業を再開するとの発表がありました。被災した現在の4棟(全233室)は再建せず、敷地内の別の場所に、新しく5階建ての新館を建てるとしています。デザインは建築家の隈研吾氏で、部屋数は50室、部屋は全室オーシャンビューで、温泉の露天風呂や半露天風呂つきを計画していているとのこと。行ってみたいけれど、庶民には簡単に泊まれる宿泊料金帯ではないかもしれません(外国人観光客で埋まりそう)。金沢の懐かしい場所の写真の話から、加賀屋の新館の話になってしまいました。
《読書MEMO》
●【石川さゆり】「能登半島」復興への願いを込めて【紅白】|NHK(2024.12.31)
出場者の中で最多出場回数記録保持者(47回)であるし、トリでも良かったように思った。この人、演技面でも活躍しているなあ。
「PERFECT DAYS」(2023年、監督・ヴィム・ヴェンダース) - 居酒屋のママ
NHK大河ドラマ「麒麟がくる」(2020年) - 牧(明智光秀の母)