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経営陣の企業倫理の逸脱パターンが戯画的に描かれている。フェィ・ダナウェイの演技は絶妙。

ネットワーク 1976 ちらし.jpgネットワーク 1976 vhs.jpg  ネットワーク 1976 11.jpg
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NETWORK title.jpg 最盛期に28%の視聴率を誇ったUBSのビール(ピーター・フィンチ)のイブニング・ニュースも今や12%とに低落、これが引金となり、ジェンセン(ネッド・ビーティ)率いるCCAがUBSを買収し傘下に収め、CCAより新社長が就任、報道部長マックス(network 1976 01.jpgウィリアム・ホールデン)はビールに番組降板を通告する。翌日、ビールは本番中に自分が辞めさせられる事を暴き、さらに自殺予告までするが、そのことで視聴率は27%に上がる。野心家のダイアナ(フェイ・ダナウェイ)は、ビールを現代の偽善と戦う予言者とし「再売り出し」し、雨の日の本番中にスタジオに闖入したビールの社会不満を告発する言動が大ヒットするなどして、「ビール・ショー」の視聴率は48%に。ダイアナのアイデアはエスカレートし、過激Network.jpg派グループと契約して、ビールを絡めた衝撃シリーズを展開、これも成功し、彼女とマックスの社内での地位は逆転するが、過激化するビールが、親会社CCAを番組内で非難し始めたことで危機に陥る。ジェンセンはビールに強制暗示的に言動変更を迫り、感化されたビールは番組内でジェンセンの理論を滔々とぶつが視聴率は低下、ダイアナはジェンセンのロボットとなったビールを番組から降ろすために、上層部のハケット(ロバート・デュヴァル)らを説得して、ついにビールの暗殺を決定させ、テレビ局の走狗と化した過激派をスタジオの観客に紛れ込ませ、ビールを銃撃させる―。

ネットワーク 1976 02.jpg シドニー・ルメット(1924-2011/享年86)監督作品。最初観たときは、こんなのありっこないという荒唐無稽さを覚えましたが興業的には成功し、風刺劇としての世間評価も高かった作品であり(シドニー・ルメットはこの映画は風刺劇ではなくテレビ業界の内実を暴露したルポルタージュであると言った)、アカデミー賞においても主演男優賞(ピーター・フィンチ)、主演女優賞(フェイ・ダナウェイ)、など4部門獲得しました(ノミネート直後に心不全で急死したピーター・フィンチは、アカデミー賞史上初の「死後の主演男優賞受賞者」となった)。

 そうした評価につられてではないですが、観直してみて、よく出来ている作品だったかもと思いました。ピーター・フィンチに扇動される人々の描き方などは戯画的と言うか漫画チックですが、ピーター・フィンチの脇を固める俳優陣の演技が素晴らしいです。

network 1976 03.jpg ウィリアム・ホールデン演じるマックスがダイアナとの関係をなかなか断ち切れないのは、ある種"保護者"感覚ではないかなあ。彼女、傍に誰かいないとどうなるか分からないという...。それでもって、自分の妻(ベアトリス・ストレイト)に別居を切り出すというのも、言われた方の妻の心境は察するに余りありますが、ベアトリス・ストレイトはこのヘビイなNETWORK 1976.jpg状況に置かれた妻の哀しみを好演して、僅か5分間の登場でアカデミー賞の助演女優賞を獲っています。助演男優賞候補となったネッド・ビーティがもし受賞していれば(ネッド・ビーティがピーター・フィンチを緑色のシェードのライトが並んだ部屋で洗脳するシーンもスゴかったが)、アカデミー史上初の主演男優・主演女優・助演男優・助演女優の演技4賞独占となるところでしたが、「欲望という名の電車」('51年)に次ぐ史上2度目の演技賞3冠にとどまりました(因みに「欲望という名の電車」の時はマーロン・ブランドが主演男優賞を逃した)。
Ned Beatty - Network 1976

network 1976 02.jpg ダイアナの無茶苦茶な提案に躊躇するものの、最終的にはそれを是認してしまうテレビ局の上層部―というのは、経営陣が企業倫理を逸脱する際のパターンを描いており("殺人"まで認めてしまうというところが戯画的だが)、そもそもダイアナは、こんな"素晴らしいアイデア"になぜ上層部がすぐに同意を示さないかが解らず、逡巡する経営陣の様を見てきょとんとしている―この時のフェィ・ダナウェイの演技は絶妙です。

ネットワーク 1976 12.jpg 熾烈な視聴率競争を繰り広げるTV業界の中で「壊れていく」人々を描いた作品ですが、ピーター・フィンチ演じるニュースキャスターは「壊れている」と言うよりも「狂っている」のであって、「壊れている」という言葉が相応しいのはむしろフェィ・ダナウェイ演じるダイアナではないかなと思いました。最後はウィリアム・ホールデン演じるマックスも彼女を見切った感じですが、ダイアナの行く末がどうなったかまでは描かれていません。個人的には、再見して、この作品の主人公はダイアナではなかったかと思っただけに気になりました。

Faye Dunaway - Best Actress Oscar for Network 1976.jpgネットワーク [DVD].jpg「ネットワーク」●原題:NETWORK●制作年:1976年●制作国:アメリカ●監督:シドニー・ルメット●製作:ハワード・ゴットフリード●脚本:パディ・チャイエフスキー●撮影:オーウェン・ロイズマン●音楽:エリオット・ローレンス●時間:121分●出演:フェイ・ダナウェイ/ウィリアム・ホールデン/ピーター・フィンチ/ロバート・デュヴァル/ベアトリス・ストレイト/ウェズリー・アディ/ネッド・ビーティネットワーク ロバート・デュヴァル2.jpg/ジョーダン・チャーニー/コンチャータ・フェレル/レイン・スミス/マーリーン・ウォーフィールド●日本公開:1977/01●配給:ユナイト映画●最初に観た場所:池袋・文芸坐(78-12-13)(評価:★★★★)●併映:「カプリコン・1」(ピーター・ハイアムズ)
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佐々木倫子の部分が星3.5で、綾辻行人の部分が星2.5。『オリエント急行の殺人』へのオマージュか。
月館の殺人.jpg 佐々木 倫子 (原作:綾辻行人) 『月館の殺人』.jpg   オリエント急行殺人事件  1974 dvd.jpg オリエント急行殺人事件01.jpg
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月館の殺人3.jpg 沖縄育ちの雁ヶ谷空海は、鉄道嫌いの母の影響もあり、未だかつて電車に乗ったことがなかったが、母の死後、弁護士に「母方の祖父が生きていて、財産相続の件でぜひ北海道まで来てほしい」と伝えられ、祖父の待つ月館へ列車で向かうことになり、そのSL《幻夜号》には、祖父の招待客らしい6人の鉄道マニアも乗っていたが、そこで密室殺人事件が―。

 '04(平成16)年12月から翌年にかけて「月刊IKKI」('05年2月号〜'06年6月号)に連載された、『おたんこナース』の佐々木倫子の作画による本格ミステリの漫画化作品(原作・綾辻行人)で、上巻を読んでから下巻にいく間に随分間が空いてしまい(下巻は上巻刊行の約1年後の'06年7月刊行)、そうしたら、下巻に入って状況が随分違っているではないかとやや唖然とさせられました(雑誌連載は読んでないんで)。

 鉄道ミステリと言えば、本書にも出てくる『オリエント急行殺人事件』や『Xの悲劇』が有名ですが、「オリエント急行」とは車両だけ同じでストーリーは違うだろうことは予想に難くないのですが、『Xの悲劇』と似たようなことになるのかなと、一瞬思ったりもして...。

 結局それなりにオリジナリティはあったけれども、前提状況にかなり無理があり、相当「空海」という主人公がボケっとしていないと成り立たないような話にも思えました(雪の中で停止している列車というのは、クリスティの『オリエント急行の殺人』へのオマージュだろうが)。むしろ、鉄道マニアの類型が鉄道に関するマニアックな薀蓄に絡めて面白く描き分けられていて、その部分では最後まで楽しめた感じです。

 Amzon.comかどこかの評で、佐々木倫子の部分が星3.5で、綾辻行人の部分が星2.5という評価があったように思いますが、個人的には全く同感で、装丁などは立派ですが、内容的には、息抜き程度には悪くないといったところでしょうか(『おたんこナース』の単行本同様、大判で読み易いし)。

オリエント急行殺人事件 映画 アルバート・フィニー.jpg コミックであるせいか、読んでいる間ずっとクリスティの原作『オリエント急行の殺人』でなく、シドニー・ルメット監督の映画「オリエント急行殺人事件」('74年/オリエント急行殺人事件 snow.jpg英・米)の方が頭に浮かんでいました(原作を読んだ時はあまり雪のシーンをイメージしなかった?)。アルバート・フィニー(1936-2019)がポワロを演じたほか(アカデミー主演男優賞にノミネートされたが、彼のポアロ役はこの一作きりで、以後、アガサ・クリスティ原作の映画化は「ナイル殺人事件」('78年)、「地中海殺人事件」('82年)、「死海殺人事件」('88年)と全てピーター・ユスティノフがポアロを演じている)、被害者役のリチャード・ウィドマークをはじめ、アンソニー・パーキンス、ジョン・ギーオリエント急行殺人事件 バーグマン.jpgルグッド、ショーン・コネリー、ヴァネッサ・レッドグレーヴ、ウェンディ・ヒラー、ローレン・バコール、イングリッド・バーグマン、マイケル・ヨーク、ジャクリーン・ビセット、ジャン=ピエール・カッセル等々が出演したオールスターキャスト映画でしたが、神経質で少しエキセントリックなところがある中年のスウェーデン人宣教師を演じたイングリッド・バーグマンが印象的でした。イングリッド・バーグマンは事件の中心人物的な公爵夫人役を打診されたけれども、この地味な宣教師役を強く希望したそうで、その演技でアカデミー助演女優賞を獲得しています。


オリエント急行殺人事件 2017 00.jpg(●2017年にケネス・ブラナー監督・主演のリメイク作品「オリエント急行殺人事件」('17年/米)が作られた。Amazon.comのレビューなどを見ても評価が割れているが、本国でも賛否両論だったようだ。映画批評集サイトのRotten Tomatoesのサイト側によオリエント急行殺人事件 201700.jpgる批評家の見解の要約は「映画史の古典となった1974年版に何一つ新しいものを付け足せていないとしても、スタイリッシュなセットとオールスターキャストのお陰で、『オリエント急行殺人事件』は脱線せずに済んでいる」となっている。個人的感想も概ねオリエント急行殺人事件 2017 1.jpgそんな感じだが、セットは悪くないけれど、列車が雪中を行くシーンなどにCGを使った分、新作の方が軽い感じがした。旧作にも原作にもないポワロのアクションシーンなどもあったりしたが、最も異なるのは終盤であり、ポワロが事件にどう片を付けるか悩む部分が強調されていて、ラストの謎解きもダ・ヴィンチの「最後の晩餐」を模した構図の中でケネス・ブラナーの演劇的な芝居が続く重いものとなっている。旧作は、監督であるオリエント急行殺人事件 2017 l.jpgシドニー・ルメットが、「スフレのような陽気な映画」を目指したとのことで、ポワロの事件解決後、ラストにカーテンコールの意味合いで、乗客たちがワインで乾杯を行うシーンを入れたりしているので、今回のケネス・ブラナー版、その部分は敢えて反対方向を目指したのかもしれない。ただ、もやっとした終わり方でややケネス・ブラナー監督の意図がやや伝わりにくいものだった気もする。)


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オリエント急行殺人事件  1974 dvd.jpgオリエント急行殺人事件02.jpg「オリエント急行殺人事件」●原題:MURDER ON THE ORIENT EXPRESS●制作年:1974年●制作国:イギリス・アメリカ●監督:シドニー・ルメット●製作:ジョン・ブラボーン/リチャード・グッドウィン●脚本:ポール・デーン●撮影:ジェフリー・アンスワース●音楽:リチャード・ロドニー・ベネット●原作:アガサ・クオリエント急行殺人事件03.jpgリスティ「オリエント急行の殺人」●時間:128分●出演:アルバート・フィニー/リチャード・ウィドマーク/アンソニー・パーキンス/ジョン・ギールグッド/ショーオリエント急行殺人事件 ショーン・コネリー.jpgオリエント急行殺人事件 バコール.jpgン・コネリーヴァネッサ・レッドグレーヴ/ウェンディ・ヒラー/ローレン・バコール/イングリッド・バーグマン/マイケル・ヨーク/ジャクリーン・ビセット/ジャン=ピエール・カッセル●日本公開:1975/05●配給:パラマウント=CIC(評価:★★★☆)
Richard Widmark/Jacqueline Bisset/Vanessa Redgrave
murder victims, Richard Widmark.jpg Jacqueline Bisset、Murder on the Orient Express.jpg 「オリエント急行殺人事件」レッドグレーヴ .jpg
 
   
オリエント急行殺人事件 [DVD]」Kenneth Branagh/Johnny Depp
オリエント急行殺人事件 2017 dvd.jpgオリエント急行殺人事件 20172.jpgオリエント急行殺人事件 2017 deppu.jpg「オリエント急行殺人事件」●原題:MURDER ON THE ORIENT EXPRESS●制作年:2017年●制作国:アメリカ●監督:ケネス・ブラナー●製作:リドリー・スコット/マーク・ゴードン/サイモン・キンバーグ/ケネス・ブラナー/ジュディ・ホフランド/マイケル・シェイファー●脚本:マイケル・グリーン●撮影:ハリス・ザンバーラウコス●音楽:リパトリック・ドイル●原作:アガサ・クリスティ「オリエント急行の殺人」●時間:114分●出演:ケネス・ブラナーペネロペ・クルス/ウィレム・デフォー/ジュディ・デンチ/ジョニー・デッ/ジョシュ・ギャッド/デレク・ジャコビ/レスリー・オドム・Jrオリエント急行殺人事件 2017michelle-pfeiffer.jpgMURDER ON THE ORIENT EXPRESS Penélope Cruz.jpgミシェル・ファイファー/デイジー・リドリー/トム・ベイトマン/オリヴィア・コールマン/ルーシー・ボイントン/マーワン・ケンザリ/マヌエル・ガルシア=ルルフォ/セルゲイ・ポルーニン/ミランダ・レーゾン●日本公開:2017/12●配給:20世紀フォックス(評価:★★★)

Michelle Pfeiffer/Penélope Cruz
 
 

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「参審制」裁判員制度で大丈夫か。考えさせられる「12人の優しい日本人」。

「12人の優しい日本人」2.png 12人の優しい日本人.jpg 12人の優しい日本人 3.jpg  12人の浮かれる男 筒井康隆劇場.jpg
12人の優しい日本人 [DVD]」/「12人の優しい日本人」豊川悦司/『12人の浮かれる男―筒井康隆劇場(1979年)

「12人の優しい日本人」3.jpg 「12人の優しい日本人」は、筒井康隆の『12人の浮かれる男』を原作とする劇団東京サンシャインボーイズの舞台戯曲の映画化作品で、もしも日本に陪審員制が導入されたら...という前提でのコメディです。 ストーリーはちょうど、シドニー・ルメット監督の名作で第7回ベルリン国際映画祭「金熊賞(グランプリ)」受賞作の「十二人の怒れる男」('57年/米)を裏返しにしたようなもので、尚且つ一ひねり入れています。

12 ANGRY MEN.jpg 「十二人の怒れる男」は、ナイフで実父を殺害した容疑がかかる少年の裁判における12人の陪審員の討議において、唯一人、少年の犯行だという意見に疑問を感じた陪審員(ヘンリー・フォンダ)が、残り11人の有罪説の根拠の脆弱を順番に暴いていくものです。圧倒的に被告に不利だった数々の証拠が全て崩され、結局、全員一致で「無罪」の評決が下されるまでの展開は息をもつかせぬものですが、この作品のテーマは、「議論による民主主義の勝利」と言うよりも、その議論の中核を成す「事実に基づく強固な論理」そのものにあるとも言え、推理劇としての楽しさを満喫できるものでした(企業の社員研修などで使われることもあるようだ。ロジカル・シンキングの強化が狙い?)。

 原作者のレジナルド・ローズは、実際に殺人事件の陪審員を務めたことがこの話を書くきっかけになったとのことで、舞台劇の脚本のイメージがありますが、元々のオリジナルはテレビドラマ用に書かれたものでした(当時は生放送で連続ドラマをやっていた。演出はCBS社員だったフランクリン・J・シャフナー(後の「パピヨン」('73年/米)の監督))。

「12人の優しい日本人」432.jpg  「12人の優しい日本人」は、12人の陪審員のうち11人までが被告を無罪だと考えていたところ...という「十二人の怒れる男」とは逆の状況から始まり、その後の展開も含め明らかに「十二人の怒れる男」のパロディなの12人の優しい日本人(映画).jpgですが、一人の若い男の陪審(相島一之)が有罪を主張して周囲を一人ずつ論理的に説得し、ほぼ有罪で固まりかけたところへ、それまで黙っていた男の陪審員(豊川悦司)が口を開三谷幸喜s.jpgき始めて、但し、自分が主張するだけでなく、他の陪審員に自らの考えも言わせつつ、再び一人ずつ無罪支持に導いて最初の状況に戻してしまう、という―三谷幸喜の凝った脚本もいいし(東京サンシャインボーイズは'83年、三谷幸喜が大学3年の時に結成)、役者も下手な人がおらず、自然に笑えるし、テンポのいい緊張感を持って最後まで観続けることができます。

「12人のやさしい日本人.jpg「12人のやさしい日本人2.jpg どちらかと言えば良識派だが、ちょっと偏屈なところもある歯科医(村松克己、当初「銀行員」と称していた)、「難しいことは私には分かりません」と繰り返すばかりの主婦林美智子、NHK「12人のやさしい日本人  はやし.jpgうず潮1.jpgの朝の連ドラ「うず潮」('64年度、原作は林芙美子)の主人公・林フミ子役だった(主人公名から分かるように、林芙美子の自伝的作品『放浪記』などの要素が混ざっている)。ヒロインに無名の新人を起用した最初の作品で、平均視聴率30.2%、最高視聴率47.8%。林美智子は'65年の「NHK紅白歌合戦」の紅組司会にも抜擢された)、論理的には有罪の証拠をも提示しながら、自らの心証「授業」中村まり子.jpgとしての無罪を主張し続ける初老の男性(二瓶鮫一、これこそ「優しい日本人」!)、徹底したメモ魔で、裁判でのやり取りの事実だけを並べているが、自分個人の意見は全くないというキャリアウーマン中村まり子、中村伸郎の娘。渋谷ジャンジャンでのイヨネスコ原作「授業」公演で父・中村伸郎と共演していた時期があった)、とにかく早く終わらせて帰ることしか考えていないセールスマン(大河内浩)、べらんめえ口調で気性が激しく途中でひねくれてしまう独身男(梶原善)..etc.多種多様な12人ですが、やはり豊川悦司の「実は○○○のふりをしていた△△」は良かったです。

リー・J・コッブ.jpg28歳の会社員の2号(相島一之).jpg ネタばれになりますが、ヘンリー・フォンダに相当する役は相島一之ではなく、実は豊川悦司の役であり、一見ヘンリー・フォンダに相当する役に見えた相島一之は、実はリー・J・コッブに相当する役だったんだなあと。このあたりのネジレさせ方もパロディとして上手いと思いました。
  
「12人の優しい日本人」.jpg 豊川悦司はこの作品が本格的映画デビューでしたが(内容的には殆ど舞台劇だが)、元々はシェイクスピア劇で知られる演劇集団「円」出身で、演技の基礎はしっかりしているし、この作品の役はハマリ役12人の優しい日本人 江口洋介版_.jpgだったと思います(最近の舞台では、江口洋介がこの役をやっていて、江口洋介にとっての舞台デビュー作となっている)。

江口洋介版

 「陪審制」は市民だけで有罪・無罪を決める裁判方式で、それに対し裁判官と市民が合議して判決を導き出すのが「参審制」。この映画で描かれているのは市民のみの討議だから「陪審制」で(但し、米国等の陪審制は有罪・無罪を決めるもので、量刑判断はしない)、日本でも昭和3年から昭和18年まで「陪審制」がありました(因みに、司法制度改革で今回導入される裁判員制度は裁判官と市民が合議する「参審制」である)。

「十二人の怒れる男」.jpg 「十二人の怒れる男」に対しては、日本に陪審制がないのは、体制側がこういう結果を恐れているからだ、という説もあるようです(ヘンリー・フォンダに対してではなく、残り11人の陪審員について言っているのだろうが、逆説的にはヘンリー・フォンダも含めた"場"または"座"として言えるかも)。日本人は会議などで権威者や専門家の意見に靡(なび)きやすいと言われますが、そうした専門家または専門家っぽい人に対して過剰な敬意を抱いてしまいやすい傾向にあるらしいです。

12人の優しい日本人5.jpg  「12人の優しい日本人」は「十二人の怒れる男」と同様「陪審制」における話ですが、専門家(裁判官)が討議に加わる「参審制」の裁判員制度であればなおのこと、この映画のままとは言わないまでも類似のことが(つまり裁判官の意見に市民がどんどん引っ張られるようなことが)ありうるのではと、この映画の豊川悦司の役にすっかりダマされた自分をふりかえって思うのです。

12人の優しい日本人5.jpg「12人の優しい日本人」●制作年:1991年●製作:ニュー・センチュリー・プロデューサーズ●監督:中原俊●脚本:三谷幸喜●原作:筒井康隆「12人の浮かれる男」●時間:116分●出演:塩見三省/相島一之/上田耕一/二瓶鮫一/中村まり子/大河内浩/梶原善/山下容莉枝/村松克己/林美智子/豊川悦司/加藤善博●劇場公開:1991/12●配給:アルゴプロジェクト (評価★★★★)


尾道みなと祭.jpgうず潮(1964).jpgうずしお タイトル.jpg「うず潮」●演出:関口象一郎●脚本:田中澄江●音楽:田中正史●原作:林芙美子「うず潮」「放浪記」など●出演:林美智子/日高澄子/永野達雄/大塚国夫/雪代敬子/津川雅彦/桜田千枝子/池田和歌子/茅島うずしお 林・津川1.jpg成美/渡辺文雄/紅新子/永野達雄●放映:1964/04~1965/04(全310回)●放送局:NHK
[右]「うずしお」 林美智子/津川雅彦
[左]1969(昭和44)年・尾道みなと祭 /「うず潮」主演の林美智子(中央パレード・カー)[山陽日日新聞]

                                          
十二人の怒れる男3.jpg「十二人の怒れる男」●原題:12 ANGRE MEN●制作年:1957年●制作国:アメリカ●監督:シドニー・ルメット●製作:レジナルド・ローズ/ヘンリー・12 Angry Men(1957).jpgフォンダ●脚本:レジナルド・ローズ●撮影:ボリス・カウフマン●音楽:ケニヨン・ホプキンス●原作:レジナルド・ローズ(TVドラマ)●時間:96分●出演:ヘンリー・フォンダ/リー・J・コッブ/エド・ベグリー/ E・G・マーシャル/ジャック・ウォーデン/マーティン・バルサム/ジョン・フィードラー/ジャック・クラグマン/エドワード・ビンズ●日本公開:1959/08●配給:ユナイテッド・アーティスツ (評価★★★★☆)
12 Angry Men(1957) [IMDbスコア9.0]IMDb Top 250 Movies

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シリーズ中、特に充実した内容。回答者のコメントを読むのが楽しい。

ミステリーサスペンス洋画ベスト150.jpg大アンケートによるミステリーサスペンス洋画ベスト15074.JPG  『現金(げんなま)に体を張れ』(1956).jpg
大アンケートによるミステリーサスペンス洋画ベスト150 (文春文庫―ビジュアル版)』['91年]表紙イラスト:安西水丸/「現金(げんなま)に体を張れ」(1956).

 映画通と言われる約400人からとったミステリー・サスペンス洋画のアンケート集計で、『洋画ベスト150』('88年)の姉妹版とも、専門ジャンル版とも言えるもの('91年の刊行)。

 1つ1つの解説と、あと、スチール写真が凄く豊富で、一応、"ベスト150"と謳っていますが、ランキング200位まで紹介しているほか、監督篇ランキングもあり、個人的に偏愛するがミステリーと言えるかどうかというものまで、「私が密かに愛した映画」として別枠で紹介しています。また、エッセイ篇として巻末にある、20人以上の映画通の人たちによる、テーマ別のランキングも、内容・写真とも充実していて、このエッセイ篇だけで150ページあり、全体では600ページを超えるボリュームで、この文春文庫の「大アンケート」シリーズの中でもとりわけ充実しているように思えます。                                                         
第三の男.gif『恐怖の報酬』(1953) 2.jpg太陽がいっぱい.jpg 栄えある1位は「第三の男」、以下、2位に「恐怖の報酬」、3位に「太陽がいっぱい」、4位「裏窓」、5位「死刑台のエレベーター」、6位「サイコ」、7位「情婦」、8位「十二人の怒れる男」...と続き、この辺りのランキングは順当過ぎるぐらい順当ですが、どんな人が票を投じ、どんなコメントを寄せているのかを読むのもこのシリーズの楽しみで、時として新たな気づきもあります。因みに、ベスト150の内、ヒッチコック作品は17で2位のシドニー・ルメット、ビリー・ワイルダーの6を大きく引き離し、監督部門でもヒッチコックは1位です。
第三の男
第三の男2.jpg第三の男 観覧車.jpg 「第三の男」1949年・第3回カンヌ国際映画祭「パルム・ドール」受賞作)はグレアム・グリーン原作で、大観覧車、下水道、ラストの並木道シーン等々、映画史上の名場面として語り尽くされた映画ですが、個人的にも、1位であることにとりあえず異論を挟む余地はほとんどないといった感じ。この映画のラストシーンは、映画史上に残る名シーンとされていますが、男女の考え方の違いを浮き彫りにしていて、ロマンチックとかムーディとか言うよりも、ある意味で強烈なシーンかもしれません。オーソン・ウェルズが、短い登場の間に強烈な印象を残し(とりわけ最初の暗闇に光が差してハリー・ライムの顔が浮かび上がる場面は鮮烈)、「天は二物を与えず」とは言うものの、この人には役者と映画監督の両方が備わっていたなあと。この若くして過剰なまでの才能が、映画界の先達に脅威を与え、その結果彼はハリウッドから締め出されたとも言われているぐらいだから、相当なものです。
恐怖の報酬
恐怖の報酬3.jpg『恐怖の報酬』(1953).jpg恐怖の報酬1.bmp 「恐怖の報酬」1953年・第6回カンヌ国際映画祭「パルム・ドール」、1953年・第3回ベルリン国際映画祭「金熊賞」受賞作)は、油田火災を消火するためにニトログリセリンをトラックで運ぶ仕事を請け負った男たちの話ですが、男たちの目の前で石油会社の人間がそのニトロの1滴を岩の上に垂らしてみせると岩が粉微塵になってしまうという、導入部の演出が効果満点。イヴ・モンタンってディナー・ショーで歌っているイメージがあったのですが、この映画では汚れ役であり、粗野ではあるが渋い男臭さを滲ませていて、ストーリーもなかなか旨いなあと(徒然草の中にある「高名の木登り」の話を思い出させるものだった)。この作品は、'77年にロイ・シャイダー主演でアメリカ映画としてリメイクされています。
太陽がいっぱい」(音楽:ニーノ・ロータ
太陽がいっぱい PLEIN SOLEIL.jpg 「太陽がいっぱい」は、原作はパトリシア・ハイスミス(1921- 1995)の「才能あるリプレイ氏」(『リプリー』(角川文庫))で、'99年にマット・デイモン主演で再映画化されています(前作のリバイバルという位置づけではない)。『太陽がいっぱい』(1960).jpgこの淀川長治2.jpg映画の解釈では、淀川長治のホモ・セクシュアル映画説が有名です(因みに、原作者のパトリシア・ハイスミスはレズビアンだった)。あの吉行淳之介も、淀川長治のディテールを引いての実証に驚愕した(吉行淳之介『恐怖対談』)と本書にありますが、ルネ・クレマンが来日した際に淀川長治自身が彼に確認したところ、そのような意図は無いとの答えだったとのことです(ルネ・クレマン自身がアラン・ドロンに"惚れて"いたとの説もあり、そんな簡単に本音を漏らすわけないか)。(●2016年にシネマブルースタジオで再見。トムがフィリップの服を着て彼の真似をしながら鏡に映った自分にキスするシーンは、ゲイ表現なのかナルシズム表現なのか。マルジュがフィリップに「私だけじゃ退屈?そうなら船をおりるわ」とすねるのは、フィリップの恋人である彼女が、男性であるトムをライバル視してのことか。再見していろいろ"気づき"があった。) 
            
 個人的に、もっと上位に来てもいいかなと思ったのは(あまり、メジャーになり過ぎてもちょっと...という気持ちも一方であるが)、"Body Heat"という原題に相応しいシズル感のある「白いドレスの女」(27位)、コミカルなタッチで味のある「マダムと泥棒」(36位)、意外な場面から始まる「サンセット大通り」(46位)、カットバックを効果的に用いた強盗劇「現金(げんなま)に体を張れ」(51位)、「大脱走」を遥かに超えていると思われる「第十七捕虜収容所」(55位)、これぞデ・パルマと言える「殺しのドレス」(70位)(個人的には「ボディ・ダブル」がランクインしていないのが残念)、チャンドラーの原作をボギーが演じた「三つ数えろ」(92位)、脚本もクリストファー・リーブの演技も良かった「デス・トラップ/死の罠」(94位)、ミステリーが脇に押しやられてしまっているため順位としてはこんなものかも知れないけれど「ディーバ」(101位)、といった感じでしょうか、勝手な見解ですが。

kathleen-turner-body-heat.jpg白いドレスの女1.jpg白いドレスの女2.jpg白いドレスの女.jpg 「白いドレスの女」は、ビリー・ワイルダーの「深夜の告白」('48年)をベースにしたサスペンスですが、共にジェイムズ・M・ケインの『殺人保険』(新潮文庫)が原作です(ジェイムズ・ケインは名画座でこの作品と併映されていた「郵便配達は二度ベルを鳴らす」の原作者でもある)。この映画では暑さにむせぶフロリダが舞台で、主人公の弁護士の男がある熱帯夜の晩に白いドレスの妖艶な美女に出会い、彼女の虜になった彼は次第に理性を奪われ、彼女の夫を殺害計画に加担するまでになる―という話で、ストーリーもよく出来ているし、キャスリーン・ターナーが悪女役にぴったり嵌っていました。 kathleen-turner-body-heat(1981)

マダムと泥棒1.jpgマダムと泥棒.jpg 「マダムと泥棒」は、老婦人が営む下宿に5人の楽団員の男たちが練習部屋を借りるが、実は彼らは現金輸送車を狙う強盗団だった―という話で、これもトム・ハンクス主演で'04年に"The Ladykillers"(邦題「レディ・キラーズ」)というタイトルのまま再映画化されています。イギリス人の監督と役者でないと作り得ないと思われるブラック・ユーモア満載のサスペンス・コメディですが、この作品でマダムこと老婦人を演じて、アレック・ギネスやピーター・セラーズといった名優と渡り合ったケイティ・ジョンソンは、後にも先にもこの映画にしか出演していない全くの素人というから驚き。この作品は、本書の姉妹版の『洋・邦名画ベスト150 〈中・上級篇〉』('92年/文春文庫ビジュアル版)では、洋画部門の全ジャンルを通じての1位に選ばれています。

現金に体を張れ.jpg 「現金に体を張れ」(原題:THE KILLING)は、刑務所を出た男が仲間を集めて競馬場の賭け金を奪うという、これもまた強盗チームの話ですが、綿密なはずの計画がちょっとした偶然から崩れていくその様を、同時に起きている出来事を時間を繰り返カットバック方式でそれぞれの立場から描いていて、この方式のものとしては一級品に仕上がっており、また、人間の弱さ、夢の儚さのようなものもしかっり描けています。 スタンリー・キューブリック (原作:ライオネル・ホワイト) 「現金(ゲンナマ)に体を張れ」 (56年/米) ★★★★☆

『パルプ・フィクション』(1994) 2.jpgPulp Fiction(1994) .jpg 本書刊行後の作品ですが、同じくカットバックのテクニックを用いたものとして、ボスの若い妻(ユマ・サーマン)と一晩だけデートを命じられたギャング(ジョン・トラヴォルタ)の悲喜劇を描いたクエンティン・タランティーノ監督の1994年・第47回カンヌ国際映画祭「パルム・ドール」受賞作「パルプ・フィクション」があり(インディペンデント・スピリット賞作品賞も受賞)、テンポのいい作品でしたが(アカデミー脚本賞受賞)、カットバック方式に限って言えば、「現金に体を張れ」の方が上だと思いました(競馬場強盗とコーヒー・ショップ強盗というスケールの違いもあるが)。

Pulp Fiction(1994)

deathtrap movie.jpgdeathtrap movie2.jpg 「デス・トラップ 死の罠」の原作は「死の接吻」「ローズマリーの赤ちゃん」のアイラ・レビンが書いたブロードウェイの大ヒット舞台劇。落ち目の劇作家(マイケル・ケイン)の許に、かつてのシナリオライター講座の生徒クリフ(クリストファー・リーヴ)が書いた台本「デストラップ」が届けられ、作家は、金持ちの妻マイラ(ダイアン・キャノン)に「この劇はクリストファー・リーブ superman.jpg傑作だ」と話し、盗作のアイデアと青年の殺害を仄めかし、青年が郊外の自宅を訪れる際に殺害の機会を狙う―(要するに自分の作品にしてしまおうと考えた)。ドンデン返しの連続は最後まで飽きさせないもので、「スーパーマン」のクリストファー・リーブが演じる劇作家志望のホモ青年も良かったです(この人、意外と演技派俳優だった)。
「デス・トラップ 死の罠」00.jpg クリストファー・リーブ/マイケル・ケイン

映画「ディーバ].jpgディーバ.jpg 「ディーバ」は、オペラを愛する18歳の郵便配達夫が、レコードを出さないオペラ歌手のコンサートを密かに録音したことから殺人事件に巻き込まれるというもので、1981年12月にユニフランス・フィルム主催の映画祭「新しいフランス映画を見るフェスティバル」での上映5作品中の1本目として初日にThe Space (Hanae Mori ビル5F)で上映されるも、その時はすぐには日本配給には結びきませんでした。しかし、'81年シカゴ国際映画祭シルヴァー・ヒューゴー賞を受賞し、'82年セザール賞で最優秀新人監督作品賞(ジャン=ジャック・ベネックス)のほかに、撮影賞(フィリップ・ルースロ)、Jean-Jacques Beineix's Diva.jpgディーバ_5455.JPG音楽賞(ウラディミール・コスマ)など4部門で受賞したことなどもあり、日本でも遅ればせながらフランス映画社配給で'83年11月にロードショーの運びとなりました('82年4月にアメリカでも公開)。個人的には'84年に名画座(大井武蔵野館)で観て、'94年に俳優座シネマテンでのリバイバル上映を観ました。デラコルタ(スイス人作家ダニエル・オディエのペンネーム)の原作は、ジグゾーパズル好きで、波を止めようと考えているゴロディッシュという不思議な男と、彼にくっついて回るアルバ(原作では13歳のフレンチガール)という少女を主人公にしたセリノアール6部作になっているそうで、「ディーバ」はその中の一篇です(この作品のみが翻訳あり)。新潮文庫に翻訳のある原作と映画を比べてみるのも面白いかと思います。


POWER PLAY OPERATION OVERTHROW.jpgパワー・プレイ.jpgPower Play by Peter O'Toole.jpg「パワー・プレイ (1978).jpg 「私が密かに愛した映画」で「パワー・プレイ」を推した橋本治氏が、「すっごく面白いんだけど、これを見たっていう人間に会ったことがない」とコメントしてますが、見ましたよ。

Power Play (1978).jpg ヨーロッパのある国でテログループによる大臣の誘拐殺人事件が起き、大統領がテロの一掃するために秘密警察を使ってテロリスト殲滅を実行に移すもののそのやり方が過酷で(名脇役ドナルド・プレザンスが秘密警察の署長役で不気味な存在感を放っている)、反発した軍部の一部が戦車部隊の隊長ゼラー(ピーター・オトゥール)を引き入れクーデターを起こします。クーデターは成功しますが、宮殿の大統領室にいたのは...。「漁夫の利」っていうやつか。最後、ピーター・オトゥールがこちらに向かってにやりと笑うのが印象的でした。

「パワー・プレイ」輸入版ポスター(上)/輸入盤DVD(右)
                            

第三の男 ポスター.jpg「第三の男」●原題:THE THIRD MAN●制作年:194日比谷映画・みゆき座.jpg日比谷映画.jpg9年●制作国:イギリス●監督:キャロル・リード●製作:キャロル・リード/デヴィッド・O・セルズニック●脚本:グレアム・グリーン●撮影:ロバート・クラスカー●音楽:アントン・カラス●原作:グレアム・グリーン●時間:104分●出演:ジョセフ・コットン/オーソン・ウェルズ/トレヴァー・ハワード/アリダ・ヴァリ/バーナード・リー/ジェフリー・キーン/エルンスト・ドイッチュ●日本公開:1952/09●配給:東和●最初に観た場所:千代田映画劇場(→日比谷映画) (84-10-15) (評価:★★★★☆)
千代田映画劇場 東京オリンピック - コピー.jpg
日比谷映画内.jpg
千代田映画劇場(日比谷映画) 1957年4月東宝会館内に「千代田映画劇場」(「日比谷映画」の前身)オープン、1984年10月、「日比谷映画劇場」(1957年オープン(1,680席))閉館に伴い「日比谷映画」に改称。2005(平成17)年4月8日閉館。

千代田劇場 「東京オリンピック」('65年/東宝)封切時
                                                     
「恐怖の報酬」.bmp恐怖の報酬.jpg恐怖の報酬3.jpg「恐怖の報酬」●原題:LE SALAIRE DELA PEUR●制作年:1953年●制作国:フランス●監督・脚本:アンリ・ジョルジュ・クルーゾー●撮影:アルマン・ティラール●音楽:ジョルジュ・オーリック●原作:ジョルジュ・アルノー●時間:131分●出演:イヴ・モンタン/シャルル・ヴァネル/ヴェラ・クルーゾー/フォルコ・ルリ/ウィリアム・タッブス/ダリオ・モレノ/ジョー・デスト●日本公開:1954/07●配給:東和●最初に観た場所:新宿アートビレッジ (79-02-10) (評価:★★★★)●併映:「死刑台のエレベーター」(ルイ・マル)

太陽がいっぱい 和田誠.jpg「ポスター[左](和田 誠
太陽がいっぱい15.jpg太陽がいっぱい ポスター2.jpg太陽がいっぱい ポスター.jpg「太陽がいっぱい」●原題:PLEIN SOLEIL●制作年:1960年●制作国:フランス●監督:ルネ・クレマン●製作:ロベール・アキム/レイモン・アキム●脚本:ポール・ジェゴフ/ルネ・クレマン●撮影:アンリ・ドカエ●音楽:ニーノ・ロータ●原作:パトリシア・ハイスミス 「才能あ文芸坐.jpg文芸坐ル・ピリエ.jpgるリプレイ氏」●時間:131分●出演:アラン・ドロン/マリー・ラフォレ/モーリス・ロネ/ エルヴィール・ポペスコ/エルノ・クリサ/ビル・カーンズ/フランク・ラティモア/アヴェ・ニンチ●日本公開:1960/06●配給:新外映●最初に観た場所:文芸坐ル・ピリエ (83-02-21)●2回目:北千住シネマブルー・スタジオ(16-02-23) (評価:★★★★)
文芸坐ル・ピリエ (11979(昭和54)年7月20日、池袋文芸坐内に演劇主体の小劇場としてオープン)1997(平成9)年3月6日閉館

「白いドレスの女」.jpg「白いドレスの女」●原題:BODY HEAT●制白いドレスの女8.jpg作年:1981年●制作国:アメリカ●監督・脚本:ローレンス・カスダン●製作:フレッド・T・ガロ●撮影:リチャード・H・クライン●音楽:ジョン・バリー●原作:ジェイムズ・M・ケイン 「殺人保険」●時間:113分●出演:ウィリアム・ハート/BODY HEAT.bmpキャスリーン・ターナー/リチャード・クレンナ/テッド・ダンソン/ミッキー・ローク/J・A・プレストン/ラナ・サウンダース/キム・ジマー●日本公開:1982/02●配給:ワーナー・ブラザース●最初に観た場所:三鷹オスカー (82-08-07) ●2回目:飯田橋ギンレイホール(86-12-13)(評価:★★★★☆)●併映(1回目):「郵便配達は二度ベルを鳴らす」(ボブ・ラフェルソン)

THE LADYKILLERS 1955.jpgマダムと泥棒2.jpg「マダムと泥棒」●原題:THE LADYKILLERS●制作年:1955年●制作国:イギリス●監督:アレクサンダー・マッケンドリック●製作:セス・ホルト●脚本:ウィリアム・ローズ●撮影:オットー・ヘラー●時間:97分●出演:アレック・ギネス/ピーター・セラーズ/ハーバート・ロム/ケイティ・ジョンソン/シル・パーカー/ダニー・グリーン/ジャック・ワーナー/フィリップ・スタントン/フランキー・ハワード●日本公開:1957/12●配給:東和 (評価:★★★★)

現金に体を張れ01.jpgthe killing.jpg現金に体を張れ1.jpg「現金に体を張れ」●原題:THE KILLING●制作年:1956年●制作国:アメリカ●監督:スタンリー・キューブリック●製作:ジェームス・B・ハリス●脚本:スタンリー・キューブリック/ジム・トンプスン●撮影:ルシエン・バラード●音楽:ジェラルド・フリード●原作:ライオネル・ホワイト 「見事な結末」●時間:83分●出演:スターリング・ヘイドン/ジェイ・C・フリッペン/メアリ・ウィンザー/コリーン・グレイ/エライシャ・クック/マリー・ウィンザー/ヴィンス・エドワーズ●日本公開:1957/10●配給:ユニオン=映配●最初に観た場所:新宿シアターアプル (86-03-22) (評価:★★★★☆)

パルプフィクション5E.jpegパルプ・フィクション4.jpg「パルプ・フィクション」●原題:PULP FICTION●制作年:1994年●制作国:アメリカ●監督・脚本:クエンティン・タランティーノ●製作:ローレンス・ベンダーパルプフィクション スチール.jpg●原案:クエンティン・タランティーノ/ロジャー・エイヴァリー●撮影:アンジェイ・セクラ●音楽:カリン・ラットパルプ・フィクション ジョン トラボルタ.jpgマン●時間:155分●出演:ジョン・トラヴォルタ/サミュエル・L・ジャクソン/ユマ・サーマン/ハーヴェイ・カイテル/アマンダ・プラマー/ティム・ロス/クリストファー・ウォーケン/ビング・ライムス/ブルース・ウィリス/エリック・ストルツ/ロザンナ・アークエット/マリア・デ・メディロス/ビング・ライムス●日本公開:1994/09●配給:松竹富士 (評価:★★★★)
ジョン トラボルタ(1994年・第20回ロサンゼルス映画批評家協会賞「主演男優賞」
「パルプ・フィクション」カイテル.jpg ハーヴェイ・カイテル(掃除屋"ザ・ウルフ")
   
「デス・トラップ 死の罠」8.jpegDEATHTRAP 1982 2.jpg「デス・トラップ 死の罠」●原題:DEATHTRAP●制作年:1982年●制作国:アメリカ●監督:シドニー・ルメット●製作:バート・ハリス●脚本:ジェイ・プレッソン・アレン●撮影:アンジェイ・バートコウィアク●音楽:ジョニー・マンデル●原作:アイラ・レヴィン●時間:117分●出演デス・トラップ 死の罠.jpg「デストラップ」ケイン.jpg:マイケル・ケイン/クリストファー・リーヴ/ダイアン・キャノン/アイリーン・ワース/ヘンリー・ジョーンズ/ジョー・シルヴァー●日本公開:1983/09●配給:ワーナー・ブラザース●最初に観た場所:テアトル吉祥寺 (86-02-15) (評価:★★★☆)●併映「殺しのドレス」(ブライアン・デ・パルマ)


ディーバ  チラシ.jpgディーバ 1981.jpg「ディーバ」●原題:DIVA●制作年:1981年●制作国:フランス●監督:ジャン=ディーバ dvd.jpgジャック・ベネックス●製作:イレーヌ・シルベルマン●脚本:ジャン=ジャック・ベネックス/セルジュ・シルベルマン●撮影:フィリップ・ルースロ●音楽:ウラディミール・コスマ●原作:デラコルタ●時間:117分●出演:フレデリック・アンドレイ/ウィルヘルメニア=ウィンギンス・フェルナンデス/リシャール・ボーランジェ/シャンタル・デリュアズ/ジャック・ファブリ/チュイ=アン・リュー●日本公開:1981/12●配給:フランス映画社●最初に観た場所:大井武蔵野館 (84-06-16)●2回目:六本木・俳優座シネマテン(97-10-03) (評価:★★★★)●併映(1回目):「パッション」(ジャン=リュック・ゴダール)
 
「パワー・プレイ 参謀たちの夜」  .jpgPOWER PLAY OPERATION OVERTHROW 1978 .jpg「パワー・プレイ 参謀たちの夜」●原題:POWER PLAY OPERATION OVERTHROW●制作年:1978年●制作国:イギリス/カナダ●監督:マーティン・バーク●製作:クリストファー・ダルトン●撮影:オウサマ・ラーウィ●音楽:ケン・ソーン●時間:110分●出演:ピーター・オトゥール/デヴィッド・ヘミングス/バリー・モース/ドナルド・プレザンス/ジョン・グラニック/チャック・シャマタ/アルバータ・ワトソン、/マーセラ・セイント・アマント/オーガスト・シェレンバーグ●日本公開:1979/11●配給:ワールド映画●最初に観大塚駅付近.jpg大塚名画座 予定表.jpg大塚名画座4.jpg大塚名画座.jpgた場所:大塚名画座 (80-02-21) (評価:★★★☆)●併映:「Z」(コスタ・ガブラス)

大塚名画座(鈴本キネマ)(大塚名画座のあった上階は現在は居酒屋「さくら水産」) 1987(昭和62)年6月14日閉館

《読書MEMO》
- 構成 -
○座談会 それぞれのヒッチコック
○作品編 ここに史上最高最強の151の「面白い映画」がある
○監督編 人をハラハラさせた人たち
○エッセイ集-映画を見ることも、映画について読むことも楽しい(一部)
 ・原作と映画の間に (山口雅也)
 ・どんでん返しの愉楽 (筈見有弘)
 ・ぼくの採点表 (双葉十三郎)
 ・映画は見るもの、ビデオは読むもの (竹市好古)
 ・わたしの「推理映画史」 (加納一朗)
 ・法廷映画この15本- 13人目の陪審員 (南俊子)
 ・襲撃映画この15本-なにがなんでも盗み出す (小鷹信光)
 ・ユーモア・パロディ映画この20本-笑うサスペンス (結城信孝)
 ・10人のホームズ、10人のワトソン、10人のモリアティ、そして8人のハドソン夫人 (児玉数夫)
 ・世界の平和を守った10人の刑事 (浅利佳一郎)
 ・世界を震えあがらせた10人の悪党 (逢坂剛)
 ・サスペンス映画が似合う女優10人 (渡辺祥子)
 ・フランス人はなぜハドリー・チェイスが好きなのか (藤田宜永)
 ・主題曲は歌い、叫ぶ (岩波洋三)
 ・『薔薇の名前』と私を結んだ赤い糸 (北川れい子)
 ・マイケル・ケインはミステリー好き (松坂健)
 ・TV界のエラリー・クイーン (小山正)
 ・394のアンケートを読んで (赤瀬川準)

「●映画」の インデックッスへ Prev|NEXT ⇒ 【825】 毎日新聞社 『昭和外国映画史
「●か 川本 三郎」の インデックッスへ「●は行の外国映画の監督①」の インデックッスへ「●は行の外国映画の監督②」の インデックッスへ 「●シドニー・ルメット監督作品」の インデックッスへ 「●「ロサンゼルス映画批評家協会賞 作品賞」受賞作」の インデックッスへ(「狼たちの午後」) 「●ジーン・ハックマン 出演作品」の インデックッスへ(「ヤング・フランケンシュタイン」) 「●ハリソン・フォード 出演作品」の インデックッスへ(「アメリカン・グラフィティ」) 「○外国映画 【制作年順】」の インデックッスへ 「●海外のTVドラマシリーズ」の インデックッスへ(「ボストン・リーガル」)

名脇役たちを通して'60‐'70年代が一気に甦ってくる本。

傍役グラフィティ.jpg傍役グラフィティ2.gif Roy Scheider.jpg Peter Boyle.jpg Marty Feldman.jpg John Cazale.jpg Ed Lauter.jpg Charles Martin Smith.jpg
傍役グラフィティ―現代アメリカ映画傍役事典 (1977年)』/Roy Scheider /Peter Boyle/Marty Feldman/John Cazale/Ed Lauter/Charles Martin Smith

JAWS/ジョーズ5.bmpJAWS/ジョーズ4.bmp 今年('08年)2月に「JAWS/ジョーズ」でお馴染みのロイ・シャイダーが亡くなりましたが、TVドラマ「サード・ウォッチ」にロシア・マフィア役で出ていて、何だか凄みが増した感じだったけれども、既にその時はガン闘病中だったのか。エルモア・レナード原作の「デス・ポイント/非情の罠」(『五万二千ドルの罠』)に主演していますが、「ジョーズ」とか「デス・ポイント」みたいに、ちょっとビクついている感じの役の方が似合っていた気もします。

 ロイ・シャイダーを思い出したついでに、「ニューシネマ以降10年のアメリカ映画に登場した愛すべきバイプレーヤー200人」をとりあげたという本書を取り出してパラパラめくっていると、旧知に再会したような感じで、結構ノスタルジックな気分になりました。 個人的に"好み"のところでは―、           

YOUNG FRANKENSTEN.jpg『ヤング・フランケンシュタイン』(1974) 2.jpg『ヤング・フランケンシュタイン』(1974).jpg ピーター・ボイルは、「タクシードライバー」('76年/米)でトラビス(デ・ニーロ)を気遣う先輩タクシー運ちゃんぶりが良かったけれど(この映画にはハーヴェイ・カイテルもポン引き役で出ていた)、その前のメル・ブルックジーン・ワイルダー1.jpgス監督、ジーン・ワイルダー主演(脚本も務めた)の「ヤング・フランケンシュタイン」でボイルが演じたのは、何とボリス・カーロフ顔負けのフランケンシュタイン(この映画の奇妙な執事、ギョロ目のマーティ・フェルドマンの怪演も印象的)。ボイルは、「X‐ファイル」にもゲスト出演していましたが、この人も最近亡くなった...。

「ヤング・フランケンシュタイン」2.jpg この映画はシェリイ夫人の原作及び古典的ホラー映画のパロディですが、アインシュタインに似た博士(ジーン・ワイルダー)やその助手(テリー・ガー)も快演(怪演)しているほか、オリジナルの「フランケンシュタイン」にも出てくる小屋に住む盲ヤング・フランケンシュタイン ジーン・ハックマン.jpg目の老人役は、ラストに小さくクレジットされているだけで大概の人は気づかないのですがジーン・ハックマンであるという遊びもありました。

ジーン・ハックマン(右)
ジーン・ワイルダー/マデリン・カーン
「ヤング・フランケンシュタイン」マデリンカーン.jpgヤング・フランケンシュタイン.gif「ヤング・フランケンシュタイン」●原題:YOUNG FRANKENSTEN●制作年:1975年●制作国:アメリカ●監督:メル・ブルックス●製作:マイケル・グラスコフ●脚本:ジーン・ワイルダー/メル・ブルックス●撮影:ジェラルド・ハーシュフェルド●音楽:ジョン・モリス●原作:メアリー・シェリイ●時間:108分●出演:ジーン・ワイルダー/ピーター・ボイル/マーティ・フェルドマン/テリー・ガー/マデリーン・カーン/クロリス・リーチマン/リチャード・ヘイドン/ジーン・ハックマン●日本公開:1975/10●配給:20世紀フォックス●最初に観た場所:飯田橋ギンレイホール (78-12-14) (評価:★★★★)●併映:「サイレントムービー」(メル・ブルックス)

狼たちの午後7.bmp狼たちの午後8.bmp狼たちの午後 ポスター.gifDog Day Afternoon.jpg狼たちの午後2.jpg "おでこのジョン"ことジョン・カザール「狼たちの午後」での鬱々とした演技が良く(アル・パチーノが上手いのはさすがだが、この映画でのチャールズ・ダーニングもいい)、「ディア・ハンター」('78Meryl Streep and John Cazale 2.jpg年)に起用された際に、彼がガン宣告を受けたため出演させることを渋った製作側に対し、降板に反対するロバート・デ・ニーロらに口説かれ、治療を受けながら演じたという、その「ディア・ハンター」が彼の遺作となりました(無名時代に共演したメリル・ストリープと婚約中だった)。

dog_day_afternoon_9.png狼たちの午後.jpg この「狼たちの午後」は、実際にあった銀行強盗をモチーフに作られた作品ですが、撮影のかなりの部分はアドリブで撮られていて、アル・パチーノの演技の旨さもさることながら、その"妻"を演じたクリス・サランドンは、冒頭の僅か10分そこそこの登場で(銀行に押し入ったとたんに怖くなって逃げ出してしまう)アカデミー助演男優賞候補になったというオマケも付きました(犯人の内2人が同性婚していたのは事実らしい)。

アル・パチーノ(第1回ロサンゼルス映画批評家協会賞「主演男優賞」受賞)
「狼たちの午後」●原題:DOG DAY AFTERNOON●制作年:1975年●制作国:アメリカ●監督:シドニー・ルメット●製作:マーティン・ブレグマンほか●脚本:「狼たちの午後」.jpgフランク・ピアソン●撮影:ジヴィクター・J・ケンパー●時間:125分●出演:アル・パチーノ/ジョン・カザール/チャールズ・ダーニング/クリス・サランドン/キャロル・ケイン/ランス・ヘンリクセン/ジェームズ・ブロデリック/ペニー・アレン/サリー・ボイヤー●日本公開:1976/03●配給:ワーナー・ブラザース●最初に観た場所:池袋文芸坐 (77-12-14) (評価:★★★★)●併映:「セルピコ」(シドニー・ルメット)

『ロンゲスト・ヤード』(1974).jpg『ロンゲスト・ヤード』(1974)2.jpgEd Lauter.jpg ド・ローターは「ロンゲスト・ヤードの鬼看守役で、バート・レイノルズと拮抗した演技を見せていましたが(「X‐ファイル」にも出ていた)、この人や「十二人の怒れる男」のリー・J・コップなどは、"脇役"の域を超えているかも。ジャック・ウォーデンも、「十二人」の1人でしたが、「ジャスティス」で判事役をやったほか、「評決」でポール・ニューマンと組む弁護士役をやるなど、裁判絡みの役が結構あったなあと。

Burt Reynolds THE LONGEST YARD.jpgロンゲスト・ヤード.jpg 「ロンゲスト・ヤード」は看守対囚人のフットボールの試合を描いた男臭い映画でしたが(主演のバート・レイノルズはフットボール選手出身。三鷹オスカーで観たレイノルズ主演の3本立てでは、この作品の役が一番ハマっていた)、007の敵役ジョーズ役リチャード・キールなんていうのも出ていました(この作品は'05年にリメイクされた)。

「ロンゲスト・ヤード」●原題:THE MEAN MACHINE (THE LONGEST YARD)●制作年:1974年●制作国:アメリカ●監督:ロバート・アルドリッチ●製作:ロバートエヴァンスほか●撮影:ジョセフ・F・バイロック●音楽:フランク・デ・ヴォル●原案:アルバート・S・ラディ ●時間:121分●出演:バート・レイノルズ/エディ・アルバート/マイケル・コンラッド/リチャード・キール/エド・ローター/ジム・ハンプトン/ハリー・シーザー/ジョン・スティードマン/アルバート・S・ラディ/トレイシー・キーナン・ウィン/バーナデット・ピーターズ●日本公開:1975/05●配給:パラマウント映画●最初に観た場所:三鷹オスカー (78-07-20) (評価:★★★★)●併映:「トランザム7000」(ハル・ニーダム)/「デキシー・ダンスキングス」(ジョージ・G・アビルドセン)

アメリカン・グラフィティ.jpg  ボー・ホプキンスなどは、ジョージ・ルーカス監督の「アメリカン・グラフィティ」のファラオ団のリーダーでしたが、すでに「ワイルドバンチ」で、ペキンパー一家の1人だったわけか。

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 「アメリカン・グラフィティ」では、少しひ弱な感じのチャールズ・マーティン・スミスも印象に残りました。
アメリカン・グラフィティAmerican Graffiti.jpgアメリカン・グラフィティ チラシ.jpgCharles Martin Smith.jpgCharles Martin Smith

 彼はラストで、ベトナムで戦死したことになっていたなあ。リチャード・ドレイファスら演じた4人組の内の1人、ロン・ハワードが演じたスティーヴは"事故死"になっていましたが、ロン・ハワード自身は後に監督となり「アポロ13」「ダビンチ・コード」を撮ります。この映画撮影当時、プロの役者として活動しいたのは実はロン・ハワードのみで、但し、当時はまだ無名です。リチャード・ドレイファス、ハリソン・フォード、チャールズ・マーティン・スミスらは、役者としての実績すら殆どありませんでした。チャールズ・マーティン・スミスは、「アンタッチャブル」でも死んでいく役で、どこまでも"脇"でした。

『ワイルドバンチ』(1969).jpgワイルドバンチ.jpg 因みに「ワイルドバンチ」は、本書が最も注目する脇役"宝庫"の映画であり、主役級のウィリアム・ホールデンのほかに、アーネスト・ボーグナイン、ローバート・ライアン、ウォーレン・オーツ、エドモンド・オブライエン、ベン・ジョンソン、ジェイミー・サンチェス、エミリオ・フェルナンデスらが、プロデューサーとの衝突でハリウッドを干されていたサム・ペキンパーのもとに集結して作った西部劇作品(これだけ出ていれば、ボー・ホプキンスが出ていたことをすぐに思い出せないのも無理ない)。無法者たちの織り成す殺戮劇はヤクザ映画に通じるところがありますが、ペキンパーは本来は「滅びの美学」というより「暴力の虚しさ」を説きたかったのではないかと思います(深作欣二の「仁義なき戦い」も一応はそういうことになっているのだが)。

アメリカン・グラフィティ図1.jpgチャーリー・マーチン・スミス2.jpg「アメリカン・グラフィティ」●原題:AMERICAN GRAFFITI●制作年:1973年●制作国:アメリカ●監督:ジョーハリソン・フォード アメリカン・グラフィティ.jpgジ・ルーカス●製作:フランシス・フォード・コッポラ/ゲイリー・カーツ●脚本:ジョージ・ルーカス/グロリア・カッツ/ウィラード・ハイク●撮影:ロン・イヴスレイジ/ジョン・ダルクイン ●時間:110分●出演:リチャード・ドレイファス/ロン・ハワード/チャーリー・マーチン・スミス/キャンディ・クラーク/ポール・ル・マット/シンディ・ウィリアムズ/ ウルフマン・ジャック/ボー・ホプキンス/ハリソン・フォード/ケイ・レンツ/マッケンジー・フィリップス/キャスリーン・クインラン●日本公開:1974/12●配給:ユニバーサル●最初に観た場所:早稲田松竹 (77-11-05) (評価:★★★★)●併映:「タクシードライバー」(マーチン・スコセッシ)

THE WILD BUNCH_02.jpgTHE WILD BUNCH.jpg「ワイルドバンチ」●原題:THE WILD BUNCH●制作年:1969年●制作国:アメリカ●監督:サム・ペキンパー●製作:フィル・フェルドマン●脚本:ウォロン・グリーン/サム・ペキンパー/ロイ・N・シックナー●撮影:ルシアン・バラード●音楽:ジェリー・フィールディング●時間:110分●出演:アーネスト・ボーグナイン/ローバート・ライアン/ウォーレン・オーツ/エドモンド・オブライエン/ベン・ジョンソン/ジェイミー・サンチェス/エミリオ・フェルナンデス/ストローザー・マーティン/L・Q・ジョーンズ/アルバート・デッカー/ボー・ホプキンス●日本公開:1969/08●配給:ワーナー・ブラザーズ●最初に観た場所:池袋文芸坐 (88-03-13) (評価:★★★★)●併映:「リオ・ブラボー」(ハワード・ホークス)

William Shatner&Candice Bergen in Boston Legal.jpgボストン・リーガル1.jpgウィリアム・シャトナー.jpg 挙げていくとキリがありませんが、脇役から主役級になった人、TVドラマで活躍している人もいるし、映画からテレビに移って役柄のイメージが変わった人もいます。

ウィリアム・シャトナー2.jpgWilliam Shatner&Candice Bergen in Boston Legal

 何せ、「スター・トレック」(元々はテレビシリーズだったわけだが)のカーク船長、ウィリアム・シャトナーが「ボストン・リーガル」で法律事務所長をコメディタッチで演じているぐらいだから...(共演は、キャンディス・バーゲン!それと、ジェームズ・スペイダー演じるアラン・ショアが役どころとしてはいい。彼はこのシリーズで、プライムタイム・エミー賞の最優秀主演男優賞を2度獲っている)。

「ボストン・リーガル」 Boston Legal (ABC 2004~2008) ○日本での放映チャネル:FOX CRIME(2007~2011)

 亡くなった人もいれば、まだまだ頑張っている人もいるし、ロン・ハワードのように監督になった人も...。'60年-'70年代が一気に甦ってくる本です。

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