Recently in ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督作品 Category

「●ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督作品」の インデックッスへ Prev|NEXT ⇒ 【3190】 ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー 「ローラ
「●「ベルリン国際映画祭 銀熊賞(女優賞)」受賞作」の インデックッスへ(ハンナ・シグラ)「●さ行の外国映画の監督①」の インデックッスへ「●ミシェル・ルグラン音楽作品」の インデックッスへ(「真夜中の向こう側」)「●スーザン・サランドン 出演作品」の インデックッスへ(「真夜中の向こう側」) 「○外国映画 【制作年順】」のインデックッスへ

傑作だが、ラストははっきりした方がよかった「マリア・ブラウンの結婚」。

『マリア・ブラウンの結婚』00.jpg
マリア・ブラウンの結婚 [DVD]」ハンナ・シグラ
「マリア・ブラウンの結婚」p.jpg「マリア・ブラウンの結婚」11.jpg 1943年第二次世界大戦後期、混乱するベルリンでマリア(ハンナ・シグラ)とヘルマン(クラウス・レーヴィッチ))は爆撃下の戸籍登記所で略式の結婚式を上げた。しかし半日と一夜を共に過ごした後、ヘルマンは戦場へと向かってしまう。戦争が終わってもヘルマンは還ってこなかったがマリアは夫の生存を信じて尋ね人のプラカードを背負って駅に通う。闇市で物資を調達するだけでは足りず、マリアはアメリ「マリア・ブラウンの結婚」1.jpgカ占領軍のGIバーにホステスの職を得る。親友ベティ(エリザベト・トリッセナー)の夫ウィリー(ゴットフリート・ヨーン)は無事に戻ってくるが、ヘルマンは戦死したと告げられる。マリアは黒人兵ビル(ジョージ・バード)の愛を受け入れ妊娠する。ある日彼女のベッドに二人がいるところに、死んだと思われていたヘルマンが帰還してくる。ビルに立ち向かうヘルマンの姿を見て、マリアは放心状態のまま酒瓶でビルを殴り殺してしまう。米軍兵士殺害の罪でマリアの尋問が行われ、ヘルマンが彼女の罪を被っ「マリア・ブラウンの結婚」2.jpgてビル殺害を自白して投獄される。マリアは牢獄を訪れ、夫の出所を待ち、生活の基盤を準備するために働くことを誓う。子供は堕胎した。マリアは列車の中で繊維業者のオズワルト(イヴァン・デニ)と知り合い、英語を武器に秘書兼愛人として戦後復興の中を成り上がっていく。マリアはオズワルトとの関係も夫に報告する。しかしヘルマンのことを知らないオズワルトは、週末ごとに姿を消すマリアの行く先を突き止め、ヘルマンの存在を知る。そして彼らはマリアを巡ってある「マリア・ブラウンの結婚」4.jpg契約を交わす。突然ヘルマンの出所が決まり慌てるマリアだったが、夫は彼女の前には現れずに行方をくらませる。そして心臓に疾患を持っていたオズワルトもある日急死してしまう。一軒家を買い孤独に暮らすマリアの元へ夫が急に還ってくる。これでようやく二人の結婚生活が再開できると思われたその日、オズワルトの遺言が開封され、オズワルトとヘルマンは合意の上でマリアを共有していた事が明かされる。1954年ドイツは再軍備し、サッカーのワールドカップで世界チャンピオンになった日にマリアの結婚生活は、事故とも故意ともつかぬガス爆発で幕を閉じる―。

「マリア・ブラウンの結婚」3図1.jpg ライナー・ベルナー・ファスビンダー(1945-1982/37歳没)監督の1979年作で、1981年の「ローラ」、1982年の「ベロニカ・フォスのあこがれ」の3本でファスビンダーの「西ドイツ三部作」とも呼ばれ、その最初に当たる本作で、マリア・ブラウンを演じたハンナ・シグラが1979年・第29回「ベルリン国際映画祭」で「銀熊賞(女優賞)を受賞しています。

 最初に観た時は、ラストがマリアが事故死したような感じの終わり方で、かなり突然の展開に思え、衝撃とあっけ無さのようなものを覚えましたが、マリアはオズワルトとヘルマンが合意の上で自分を共有していたこと知り、愕然として自殺したとの解釈があるとのことで納得しました。

「マリア・ブラウンの結婚」3.jpg さらに言うと、マリアの元の夫が東ドイツ、新しい夫が当時のECやアメリカを象徴しているとの見方もあるのようで、そう言えば星条旗が背景に出てくる場面がありました。ハンナ・シグラの美しさばかりに目を奪われていたのかそこまで気がつかなかったですが、この映画がアメリカでも商業的に成功し、初めて100万ドル以上売り上げたドイツ映画となったという背景には、当時の彼女の美しさも貢献していたと思われます(当時35歳だった彼女も、フランソワ・オゾン監督の「すべてうまくいきますように」('21年/フランス・ベルギー)で見るとすっかり年季が入っていたが、77歳でまだ活躍していること自体が喜ばしい)。

「ライナー・ベルナー・ファスビンダー傑作選」.jpg「マリア・ブラウンの結婚」8「.jpg マリアは自殺だったのか不慮の事故死だったのか結末は気になるので、昨年['23年]実施された「ライナー・ベルナー・ファスビンダー傑作選」上映会で何十年ぶりかで観てみると、やっぱり偶然の事故死に見える(笑)。ファスビンダーの原案はマリアは「自殺」だったようですが(最初の脚本ではマリアは夫ヘルマンと一緒にドライヴに出て、ハンドルを恣意的に切って崖から落ちて自殺することになっていた)、マリアを演じたハンナ・シグラが、マリアはそんなことで自殺するような弱い女性ではないと反論したため、事故とも自殺ともとれる結末になったようです。

 そうした表現をとることによって作品に深みが出ることもありますが、この作品については、ファスビンダーの原案通り「自殺」と判るようにした方が良かったようにも思われ、しかしながら、どちらともとれるからこそ、長い間自分の中で印象に残ったというか、引っ掛かっていたのかもしれません(ファスビンダーの最高傑作の部類であるには違いない。個人的評価は初見も今回も★★★★。自殺と判るようにしていれば、初見の時の評価は星5つだったかも)。

「真夜中の向こう側」
「真夜中の向こう側」002.jpg「真夜中の向こう側」001.jpg 最初に池袋・文芸座で観た際の併映がチャールズ・ジャロット監督の「真夜中の向こう側」('77年/米)であり(原作は、シドニー・シェルダンが1973年に発表した『真夜中は別の顔』)、おそらく戦争にその運命を翻弄された女性を描いたという共通項での併映かと思われます。

 ただし、「真夜中の向こう側」(ビデオ化された際に原作と同じ「真夜中は別の顔」のタイトルになった)はストーリーが波乱万丈すぎて、ハーレクイン・ロマンスの"暗黒版"のような感じで、結末も過度の復讐心を戒めた勧善懲悪で判りやすいものでした(こちらは判りやすすぎ! つまりは"通俗")。当時、原作の版元の「アカデミー出版」というところが"超訳シリーズ"として大々的に新聞広告を出していてずっと気になっていたのですが、これなら映画だけで十分かという感じでした(当時の個人的評価は★★☆。配役はいいし、音楽はミッシェル・ルグランので、観直したら星半分くらい上乗せするかも。でも、その機会が無い)。

マリア・ブラウンの結婚 DVD
「マリア・ブラウンの結婚」1979.jpg「マリア・ブラウンの結婚」ハンナ・シグラ2.jpg「マリア・ブラウンの結婚」●原題:DIE EHE DER MARIA BRAUN (英:THE MARRIGE OF MARIA BRAUN)●制作年:1979年●制作国:西ドイツ●監督・原案:ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー●脚本:ペーター・メルテスハイマ―/ペア・フレーリッヒ●撮影:ミヒャエル・バルハウス●音楽:ペール・ラーベン●時間:120分●出演:ハンナ・シグラ/クラウス・レーヴィッチ/「マリア・ブラウンの結婚(字幕版)」.jpgイヴァン・デニ/エリザベト・トリッセナー/ ゴットフリート・ヨーン/ジョージ・バード/ギゼラ・ウーレン/クラウス・ホルム●日本公開:1980/02●配給:フランス映画社●最初に観た場所:池袋・文芸座(80-06-29)●2回目:Bunkamura ル・シネマ渋谷宮下(23-08-02)(評価:★★★★)●併映(1回目):「真夜中の向こう側」(チャールズ・ジャロット)●同日上映(2回目):「不安は魂を食いつくす」(ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー)

マリア・ブラウンの結婚(字幕版)」[Prime Video]
  

真夜中は別の顔 [DVD]
「真夜中は別の顔」.jpg「真夜中の向こう側」1977.jpg「真夜中の向こう側(真夜中は別の顔)」●原題:THE OTHERSIDE OF MIDNIGHT●制作年:1977年●制作国:アメリカ●監督:チャールズ・ジャロット●脚本:ハーマン・ローチャー/ダニエル・タラダッシュ●撮影:フレッド・コーネカンプ●音楽:ミシェル・ルグラン●原作:シドニー・シェルダン「真夜中は別の顔」●時間:165分●出演:マリー=フランス・ピジェ/ジョン・ベック/スーザン・サランドン/ラフ・バローネ/クルー「真夜中の向こう側」ぴじぇ・さらんどん.jpg・ギャラガー/クリスチャン・マルカン/マイケル・ラーナー/ソレル・ブーク/アンソニー・ポンジニ/ルイス・ゾリック/チャールズ・シオッフィ●日本公開:1978/03●配給:20世紀フォックス●最初に観た場所:池袋・文芸座(80-06-29)(評価:★★☆)●併映:「マリア・ブラウンの結婚」(ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー)
「真夜中は別の顔」v.jpg

「●ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督作品」の インデックッスへ Prev|NEXT ⇒ 【3189】 ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー 「マルタ
「○外国映画 【制作年順】」の インデックッスへ

愛に起因する苦悩や残酷さと人種差別批判のダイレクトなメッセージを併せ持つ。

『不安は魂を食いつくす』000.jpg
不安は魂を食いつくす【DVD】
(不安と魂)01.jpg 掃除婦として働きながら一人暮らしをしている60代のドイツ人女性エミ(ブリギッテ・ミラ)は、雨宿りに入ったアラブ系のバーで20歳以上も年下のモロッコ人の自動車工アリ(エル・ヘディ・ベン・サレム)と出会う。ダンスをし、話をして意気(不安と魂)02.jpg投合した二人は一緒に暮らし始め、結婚する。外国人に対する偏見が強いその町で、アラブ人の外国人労働者と一緒にいることで、隣人、同僚、家族をはじ(不安と魂)03.jpgめ、行く先々の人々から差別と偏見に満ちた扱いを受ける。エミはアリを守り、アリはそうした人種差別者に対して寛容にふるまい、二人は幸せに暮らしていたが、ある日エミがアリの自尊心を傷つけるようなことをしたため、アリは家を出る。アリを求めてエミは二人が出会ったバーに行き、最初に踊ったダンスの曲をかける。二人はまたダンスを踊り始めるが、突然アリが腹痛で倒れ、病院に運ばれる。医師から、日常的な差別によるストレスからくる胃潰瘍であることを告げられたエミは横たわるアリに静かに寄り添う―。

 ニュー・ジャーマン・シネマを牽引したライナー・ベルナー・ファスビンダー(1945-1982/37歳没)監督の1974年作で、1955年製作のダグラス・サーク監督作「天はすべて許し給う」の物語を下敷きに、愛に起因する苦悩や残酷さを描いたドラマ。昨年['23年]全国的に実施された「ライナー・ベルナー・ファスビンダー傑作選」上映会での上映が日本初の劇場公開でした(この時、「天はすべて許し給う」も上映されている)。

(不安と魂)04.jpg 第27回カンヌ国際映画祭で「国際批評家連盟賞」「エキュメニカル審査員賞」を受賞しています。今から半世紀前ににこうした人種的偏見を批判するダイレクトなメッセージを持った映画を撮っていることもスゴイですが、それでちゃんと愛とそれに起因する苦悩の物語に仕上げているのはファスビンダーらしく、そのため押しつけがましい印象がないのがいいです(近年では、同じくゲイであることを公表しているフランソワ・オゾンジ監督の作品などがこの系譜ではないか)。

ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー(左端)

(不安と魂)05.jpg 余談になりますが、モロッコ人移民アリを演じたエル・ヘディ・ベン・サレムは、当時のファスビンダーの同性愛パートナーです。モロッコ出身の彼をパリのゲイ向けサウナで見つけたファスビンダーは一目惚れしてミュンヘンへと連れ帰り、俳優でもなく、ドイツ語も話せない黒人男性を初めて自らの映画の主役級の役柄で出演させたのが本作です。

(不安と魂)06.jpg しかし、そのサレムには酒乱癖があり、本作完成後に酒場で酔って暴れ、3人の男性を次々に刺して指名手配され、逮捕を恐れファスビンダーに無断でフランスへと逃亡、結局フランス当局に逮捕され独房で自殺しています。後に彼の最期を知ったファスビンダーは強い衝撃を受け、遺作「ケレル」をサレムに捧げています。

 因みに、ファスビンダーはサレムに去られた1974年以降は、"ドイツの秋"の語源となった共作映画「秋のドイツ」(1978年公開)のファスビンダーの担当パートに出演したアルミン・マイアーと恋愛関係にありましたが、この新たな恋人のマイヤーも大量の睡眠薬を飲んで1978年5月に自殺しています。

(不安と魂)00.jpg 何だか、映画よりもファスビンダーに纏わる裏話の方がスゴそうですが、この話にはまだ続きがあり、かけがえのない友人でありパートナーを相次いで失ったショックから、ファスビンダーは徐々に麻薬へと手を染めていくようになり、1982年、コカインの過剰摂取により37歳で死去しています。それまでの16年間で44本の映画、14本の戯曲、6本の脚色戯曲、4本のラジオドラマを発表しており、もしもっと生きていたら何本映画を撮っただろうかとも考えてしまいますが、むしろ当時はオーバーワークが常態化していて、そのまま続けていてもどこかで限界にぶつかっていたようにも思います。

 作品の方に戻ると、多作にもかかわらす、この作品もカット割りとか構図などはしっかり計算されていて、さすが「マリア・ブラウンの結婚」と並ぶファスビンダー美学の極致と言われる作品だけあるなあと思いました。ただ、ややメロドラマ的なところが、個人的には好みに合わなかったとまではいかないですが、キレを欠いたようにも思えました。

「不安は魂を食いつくす((不安と魂))」●原題:ANGST ESSEN SEELE AUF●制作年:1974年●制作国:西ドイツ●監督・製作・脚本・音楽:ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー●撮影:ユルゲン・ユルゲス●時間:95分●出演:ブリギッテ・ミラ/エル・ヘディ・ベン・サレム/バーバラ・ヴァレンティン/イルム・ヘルマン●日本公開:2023/07●配給:マーメイドフィルム=コピアポア・フィルム●最初に観た場所:Bunkamura ル・シネマ渋谷宮下(23-08-02)(評価:★★★☆)●同日上映:「マリア・ブラウンの結婚」(ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー)

「●ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督作品」の インデックッスへ Prev|NEXT ⇒ 【3292】 ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー 「不安は魂を食いつくす
「○外国映画 【制作年順】」の インデックッスへ

根底にはユーモアがあるものの、痛みが多く感じられる映画。監督の最高傑作とれながら、公開が遅れた。
「ペトラ・フォン・カント 1972.jpg「ペトラ・フォン・カント 00.jpg
「ペトラ・フォン・カントの苦い涙」

「ペトラ・フォン・カント01.jpg ドイツ・ブレーメン。女性ファッション・デザイナーのペトラ(マルギット・カルステンセン)は、2度の結婚に失敗していて、最初の夫との間には娘がいた。今の彼女は、アシスタントのマレーネ(イルム・ヘルマン)を下僕のように扱いながら、アトリエ兼アパルトマンの部屋で生活している。ある日、友人のシドニー(カトリン・シャーケ)が部屋を訪れ、彼女に若い女性カーリン(ハンナ・シグラ)を紹介する。ペトラは美しいカーリンに心奪われ、彼女と同棲を始めるが―。

「ペトラ・フォン・カント絵.jpg ニュー・ジャーマン・シネマの鬼才ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー(1945-1982/37歳没)が1972年に手掛けた、女性同士の愛を描いたメロドラマ。1972年のドイツ映画賞で主演女優賞、助演女優賞、撮影賞を受賞。この映画の男性版リメイク作品である、フランソワ・オゾン監督の、男性の映画監督が野心的な青年に惚れ嫉妬に身を狂わせていくという「苦い涙」('22年/仏)が今年['23年]6月に公開されたのを機に公開されましたが、DVDは'18年に発売されていました(ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督、フランソワ・オゾン監督ともにゲイである)。

「ペトラ・フォン・カント02.jpg 映画は主人公ペトラのアパルトマンの一室で終始、あたかも演劇のように展開され、部屋の美術装飾がちょっと過剰なぐらい凄まじいです。宗教画のような絵画に加えて、衣装や部屋を区切る窓や梁の独特な構図や、実験的演出が取り入れられています。

 2度目の夫と離婚したばかりのペトラは、自分の成功が夫を傷つけたと友人に語り、そこに突然カーリンが現れ、彼女はカーリンをスターにすることに情熱を注ぎますが、結局のところカーリンにとってペトラは成功の踏み台でしかなかった―。

「ペトラ・フォン・カント03.jpg でも結局カーリンは自堕落で奔放な女で、じきにペトラを見限り夫のもとへと戻ってしまったため、そのショックからペトラは常軌を逸してしまいますが、やがて彼女は、自分を支配しようとする男(過去の夫)たちに絶望していた自分が、結局は自分もカーリンを支配したがっていたことに気づき、それが「苦い涙」ということになるのでしょう。しかし、その時はしすでに時遅く、アシスタントのマレーネ(彼女の支配欲の対象であると同時に潜在的同性愛の対象?)も彼女の下を去っていきます。

 相手に依存し、同時に支配下に置きたがるという異性愛でよくあることを同性愛で描いた作品であり、自分が男優のギュンター・カウフマンと同性愛関係にあり、それを女性同士に置き換えたことで映画はより複雑になっています。さらに、それにペトラと娘の確執なども絡んできて(「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」 ('22年/米)か(笑))、映画の根底にはユーモアがあるものの、痛みが多く感じられる映画でした。そのキツさもあるし、ペトラの「支配したい願望」にもちょっと感情移入しにくかったかもしれません(ファスビンダー監督の最高傑作と評価されながら、公開が遅れたのもそのせいか)。 

 ペトラを演じたマルギット・カルステンセン(1940年生まれ)は「マルタ」('74年/西独)などファスビンダー作品の常連でしたが、今年['23年]6月、83歳で亡くなっています。一方、カーリンを演じたハンナ・シグラ(1943年生まれ)も「マリア・ブラウンの結婚」('79年/西独)などファスビンダー作品の常連で、今はフランソワ・オゾン監督の常連、同監督の「すべてうまくいきますように」 (21年/仏・ベルギー)やこの作品のリメイク作「苦い涙」('22年/仏)に出演しています。

「ペトラ・フォン・カント 1972.jpg「ペトラ・フォン・カントの苦い涙」●原題:DIE BITTEREN TRANEN DER PETRA VON KANT/(英)THE BITTER TEARS OF PETRA VON KANT●制作年:1972年●制作国:西ドイツ●監督・脚本・原作:ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー●製作:ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー/ミハエル・フェングラー●撮影:ミヒャエル・バルハウス●音楽:プラターズ●時間:124分●出演:マルギット・カルステンセン/ハンナ・シグラ/カトリン・シャーケ/エーファ・マッテス/ギーゼラ・ファッケルディ/イルム・ヘルマン●日本公開:2023/06(DVD発売:2018/12)●配給:セテラ・インターナショナル●最初に観た場所:新宿武蔵野館(スクリーン2)(23-06-23)(評価:★★★☆)

「●ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督作品」の インデックッスへ Prev|NEXT ⇒「●ダニエル・シュミット監督作品」【1428】 ダニエル・シュミット 「ヘカテ
「○外国映画 【制作年順】」のインデックッスへ

娼婦が巻き起こす結婚騒動。強烈な社会風刺で、ある種、艶笑コメディ的要素も。

「ローラ」1981.jpg ローラ ファスビンダー 00.jpg ローラ ファスビンダー 01.jpg
ローラ ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督 Blu-ray」バルバラ・スコヴァ

「ローラ」1.jpg 1950年代の西ドイツ、バイエルン州の小さな町。ここでは地元の土建屋シュッケルト(マリオ・アドルフ)が幅をきかせ、不正な利権を享受している。娼婦ローラ(バルバラ・スコヴァ)は、夜な夜な娼館に入り浸る彼に愛人とし「ローラ」12.jpgて囲われながら、奔放な生活をしている。この町にある日、清廉潔白な建築省の役人フォン・ボーム(アーミン・ミューラー=スタール)が赴任してくることになり、彼はシュッケルトらとともに町の再開発に着手する。フォン・ボームはその傍ら、淑女のふりをしたローラと恋「ローラ」13.jpgに落ち、結婚を申し込むようになる。しかしある夜彼は、ローラがシュッケルトの情婦であることを知ってしまう。そこでフォン・ボームは、シュッケルトの不正を新聞に告発し彼を破滅させようとするが、町の誰も不正の告発など望んでいないことに気づく―。

「ローラ」14.jpg ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー(1945-1982)監督の'81年公開の映画で、日本ではファスビンダー監督の没後30年となる2012年、特集「ファスビンダーと美しきヒロインたち」で上映されました。70年代後半から80年代前半にかけてファスビンダーが撮った「マリア・ブラウンの結婚」('79年)、「ベロニカ・フォスのあこがれ」('82年)と並ぶ「西ドイツ三部作」の一作で、バイエルン州のとある田舎町が舞台となっています。

 映画では、急速な経済的成長を遂げ、外的(見た目)は豊かになっていきながら、過去やその責任について充分な反省せず、内面(本性)は不道徳に陥っていた50年代西ドイツの在り方を、ある娼婦が巻き起こす結婚騒動を通して皮肉を込めて描いています。テンポや映像構成もよく、けばけばしいライトや服飾が動き回る娼館でのシーンは、それ自体なかなか見応えがあり、ある種、艶笑コメディ的要素もあって面白かったです。

「ローラ」5.jpg ジョセフ・フォン・スタンバーグ監督の「嘆きの天使」('30年/独)のモチーフを引き継ぎつつ、それを戦後の西ドイツを舞台に翻案していて、古めかしい道徳観をもつ真面目な中年男性がローラに入れあげ結婚を申し込むという筋立ては、マレーネ・ディートリヒ演じる放浪のキャバレー歌手ローラ・ローラに権威的な堅物教授が恋焦がれて破滅していくという「嘆きの天使」に似ており、そう言えば見た目も、バルバラ・スコヴァ演じるローラは、ディートリヒ演じるローラ・ローラに似ています(敢えてそういう撮り方をしているのだろう)。

「ローラ」6.jpg ローラは町の最大の権力者である土建屋シュッケルトの情婦という立場に飽き足らず、町にやって来た真面目な建築省の役人フォン・ボームにも自ら接近、娼婦としての姿を隠し、教養ある清楚な淑女を装って、ただただ現実の利害の追求のもとに生きていきます。

「ローラ」7.jpg その結果、「嘆きの天使」のキャバレー歌手がアウトサイダーとして体制の外側から魅惑し続けるのに対し、この映画のローラは、インサイダ―に"成り上がり"ます。そうなれる土壌として、社会秩序を担う権力者たちが娼館に入り浸り、ヒューマニズムを標榜する共産主義者も同じていたらくで、〈退廃〉が〈社会〉秩序を侵食すると言うより、むしろ〈退廃〉が〈社会〉と親和関係を構築してしまっているという状況があります。

「ローラ」11.jpg ローラ自身は、教会での彼女の祈りの表情から、本心では道徳的な誠実さや自らの浄化を希求しているのかなとも思わせますが、結局、フォン・ボームに娼婦であることがバレたら、自棄になったように開放的に歌い踊り狂い、そこには、彼女の中に誠実と退廃が対を成して同居しているかのようにも見えます。

 でも、彼女は精神分裂に陥ったりすることなく、まんまと勝ち組となり、上流階級の一員となります。ただ、その辺りが微妙で、彼女を「汚れた」場所から救い出そうと尽力するフォン・ボームの試みも無為に終わっているようだし、最後はローラを妻にしたいがためだけに画策し、何とか結婚したけれど、ローラの方は結婚式で新妻でありながら前の情婦シュッケルトといちゃついているという、これで本当にまともな夫婦としてやっていけるのかといった感じです。

 ローラ自身も、上流階級には入り込めたけれども、「汚れた」場所から来たというレッテルは剥がれないだろうなあ。そんな目で見られながら上流階級にいて楽しいのかなとも思うけれど、現代社会にだって日本にだってこういうタイプの"偽セレブ"はいるかもしれないなあと思ったりしました。社会風刺映画なのですが、週刊誌記者風の視線になってしまいました(笑)。

ローラ ファスビンダー 1981.jpg「ローラ」cb.jpg「ローラ」●原題:LOLA●制作年:1981年●制作国:西ドイツ●監督:ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー●製作:ホルスト・ベントラント●脚本:ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー/ペア・フレーリッヒ/ペーター・メルテシャイマー●撮影:ザビエ・シュワルツェンベルガー●音楽:ペール・ラーベン/フレディ・クイン●時間:115分●出演:バルバラ・スコヴァ/アーミン・ミューラー=スタール/マリオ・アドルフ●日本公開:2012/12●配給:マーメイドフィルム●最初に観た場所:北千住・シネマブルースタジオ(19-07-09)(評価:★★★☆)

「●ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督作品」の インデックッスへ Prev|NEXT ⇒ 【3293】 ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー 「マリア・ブラウンの結婚
「●TV-M (その他)」の インデックッスへ 「○外国映画 【制作年順】」のインデックッスへ

DV・モラハラのビョーキ夫の支配から逃れられない主人公マルタは「自発的隷従」?

マルタ 1975.jpg マルタ02.jpg マルタ 01.jpg
「マルタ」マルギット・カルステンセン
「マルタ」1.jpg 図書館に勤めるマルタ(マルギット・カルステンセン)は父親とローマを旅行していて、父親を心臓発作で亡くす。その混乱の最中に財布を盗まれたことに気づいたマルタは、ドイツ大使館に行く。大使館を出たマルタは、ある男性を見かけ、帰国後、彼女はたまたま、その男ヘルムート(カ「マルタ」2.jpgール=ハインツ・ベーム)を紹介される。ヘルムートはマルタを言葉で侮辱したり、嫌がることを強要するが、マルタは従順に受け入れていく。そして二人は結婚する。ハネムーンに出かけたイタリアで、ヘルムートの要求はさらにエスカレートしていき、精神的、肉体的にマㇽタを痛めつけるようになっていく。マルタは友人マリア「マルタ」3.jpgンヌ(バルバラ・ヴァレンティン)に相談するが、ヘルムートの振る舞いについて説「マルタ」4.jpg明することができないでいる。ある日ヘルムートの殺意を感じたマルタは、図書館の同僚カイザー(ペーター・カテル)に助けを求める。二人はカイザーの運転する車で逃げるが、動転したマルタがハンドルをつかみ、事故を起こしてしまう。病院で目を覚ましたマルタは、カイザーが事故で死に、自分も下半身麻痺になったことを知る。そして、ヘルムートは―。

「マルタ」f.jpg ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー(1945-1982)監督の'74年制作の映画で、もともとはテレビ映画です(日本ではファスビンダー監督の没後30年となる2012年、特集「ファスビンダーと美しきヒロインたち」で上映)。何かしら精神的に不安定なものや性に対する恐怖心や秘められた欲望を感じさせる女主人公マルタが、サディストの結婚相手に追い詰められる話で、ある意味、サイコサペンスと言うか、血の流れないホラー映画でした(笑)。

「マルタ」6.jpg マルギット・カルステンセン演じる主人公のマルタは、厳格な父親の束縛ゆえか、籠の中の鳥のように三十路を迎えた女で、その世間から浮いた印象は、父と異国に旅する冒頭シーンからも窺えます。そんな彼女を受け入れる男が突如目の前に現れて、「どうする、私っていう」という惑い。それを演じるマルギッテ・カルステンセンのずれ方が巧いです。

 そして、結局はそのサディストのDV男(婚前DV男)と結婚し、男のサディズム攻勢ははますます拍車をかけいきます。マルタは友人に相談したりしますが、観ていて、とっとと別れてしまえばいいににと何度思ったことか。

 夫ヘルムートの出張中に電話線を切られ、さらに外出を禁止され、帰宅すれば暴力を振るわれるなどし、遂にはヘルムートに殺されると思ったマルタは、ようやっと家を出ることを決心しますが―。

「マルタ」7.jpg なぜマルタが逃げないのか、「外出禁止」など無視すればいいのにと思って見ていましたが、ラストの男が病院にマルタを迎えに来るシーンで、車椅子のマルタが抵抗せず夫に付き添われて病院の下りエレベータに乗る場面で、マルタがDV・モラハラのビョーキ夫の支配から逃れられないのは「そういうことか」と、遅ればせながら気づいた次第です。

 後でネットで調べたら、ファスビンダー監督は「マルタは望んで支配されようとした」と述べているそうで、やっぱりそうか、「自発的隷従」かと。しかし、我ながら鈍いなあ。ラストシーンでやっとそのことが分かったとは。マルタを救おうとして亡くなった、親切な青年カイザー君が気の毒になりました。

「マルタ」ひ.jpg しかし、無理やり日焼けさせる「責め」というのがあるのだなあ。本当に白い肌が真っ赤になていて痛そうでした。これがテレビドラマとして作られたというのは、ちょっと意外な気がしますが、ドイツならOKなのか。

gazo_martha01.jpg「マルタ」●原題:MARTHA●制作年:1974年●制作国:西ドイツ●本国放映:1974年5月28日●監督:ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー●脚本:ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー/クルト・ラーブ●撮影:ミヒャエル・バルハウス●音楽:ペール・ラーベン●時間:112分●出演:マルギット・カルステンセン/カール=ハインツ・ベーム/バルバラ・ヴァレンティン/ペーター・カテル/ブリジット・ミラ/イングリット・カーフェン/ジゼラ・ファケルデイ/クルト・ラープ●日本公開:2012/12●配給:マーメイドフィルム●最初に観た場所:北千住・シネマブルースタジオ(19-06-18)(評価:★★★☆)

「●フランソワ・オゾン監督作品」の インデックッスへ Prev|NEXT ⇒ 【3244】 フランソワ・オゾン 「すべてうまくいきますように
「●ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督作品」の インデックッスへ(原作・脚本)「○外国映画 【制作年順】」の インデックッスへ

いま一つ入り込めなかったが、4人並んだダンスシーンなどはセンスを感じた。

「焼け石に水」4r.jpg
焼け石に水 [DVD]」ベルナール・ジロドー/マリック・ジディ

「焼け石に水」1r.jpg 1970年代のドイツ。婚約者がいる20歳の青年フランツ(マリック・ジディ)は、中年男レオポルド(ベルナール・ジロドー)に街で声を掛けられ、婚約者とのデートをすっぽかして彼の「焼け石に水」9r.jpg家に行く。レオポルドの妖しい魅力にとりつかれたフランツはそこにそのまま棲みついてしまう。やがて二人の関係が険悪になり始めた頃、フランツの婚約者の彼女アナ(リュディヴ-ヌ・サニエ)がやって来て、さらには昔レオポルドと7年間同棲していたという元恋人の"彼女" ヴェラ (アンナ・トムソン)が、男性から女性に性転換したと言ってやって来る―。

「焼け石に水」0r.jpgオゾンかんとく.jpg フランソワ・オゾン監督(1967年生まれ)が32歳で発表した2000年公開作。彼が敬愛するライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督が19歳で書いた未発表の戯曲の映画化した、4幕構成の室内劇風の作品です。2001年に日本公開され、キネマ旬報ベストテンで、外国映画の5位。昨年['21年]Bunkamuraル・シネマで20年ぶりに35ミリフィルムでリバイバル上映されました(個人的には今回シネマブルースタジオで観た。同監督の「クリミナル・ラヴァーズ」('99年/仏・日)もやっていたのだが観に行けなかった)。

まぼろし dvd.jpg カトリーヌ・ドヌーヴをはじめとする出演した8人の女優達に対して2002年のベルリン国際映画祭銀熊賞が贈られた「8人の女たち」('02年/仏)に通ずるミュージカル的シーン、「スイミング・プール」('03年/英・仏)に通じるエロティシズム、「ぼくを葬る」('05年/仏)に通じるゲイのモチーフなど、フランソワ・オゾン監督の原点的な作品であるとのことです。個人的には、「まぼろし」('00年/仏)を観て、まったくゲイっぽさを感じなかったのですが、こちらはもろゲイだった(笑)。そのせいではないですが、コメディなんだけれど、ちょっと入り込みにくかった気もします。

「焼け石に水」3r.jpg フランツの婚約者役のリュディヴ-ヌ・サニエは、映画を通してずっと裸かそれに近い下着姿でいて、セクシーと言うよりは健康的という感じ。でも、こんな娘を放っぱらかしにして中年オジンに取り込まれてしまうということは、女性よりも男性によってその孤独を癒されたということであり、フランツ青年はもともともとその素養があったのではないか...。

「焼け石に水」6r.jpg と思ったら、終盤にきて、リュディヴ-ヌ・サニ「焼け石に水」2r.jpgエの演じるアナの方が、ベルナール・ジロドー演じる中年男フランツの性的魅力に目覚めて(調教されて)しまい、この中年男は両刀使いだったわけなのだなあ。アナ、ヴェラとトリプルセックス状態で、これにはフランツ青年は大ショックで(同時に両方の性対象に裏切られたようなものだから)、結局自死の道を選びます。ある意味、「美貌ゆえの悲劇」と言えるかもしれません。

 このように明るい話ではないですが、見た目さほど悲劇的でもなく、むしろ全体のトーンはコメディタッチで、よく分かりませんが、この辺りがこの監督の才気煥発たるところなのでしょう。4人が並んでダンスするシーンなどはいい雰囲気と言うかセンスだと思いました。

HECATE 1982.jpg ベルナール・ジロドーは、ダニエル・シュミット監督の「ヘカテ」('82年/仏・スイス)で、北アフリカにあるフランス植民地(モロッコ?)の外交官で、ローレン・ハットン演じる魔性の美女に耽溺していく主人公を演じていました。今回は職業不詳ですが、何かの顧客業務をやっているみたい(外交官ならむ保険外交員?)。当時、53歳くらいでしょうか。20年前と同様に、性愛の虜になっている男を演じているのがいいです(2010年に63歳で亡くなっているのが残念)。

「ヘカテ」('82年/仏・スイス)ベルナール・ジロドー
 
「焼け石に水」br.jpg「焼け石に水」●原題:GOUTTES D'EAU SUR PIERRES BRULANTES(WATER DROPS ON BURNING ROCKS)●制作年:2000年●制作国:フランス●監督・脚本:フランソワ・オゾン●製作:オリヴィエ・デルボスク/マルク・ミソニエ/アラン・サルド/クリスティーヌ・ゴズラン●撮影:ジャンヌ・ラポワリー●音楽(挿入曲):フランソワーズ・アルディ●原作:ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー●時間:90分●出演:ベルナール・ジロドー/マリック・ジディ/リュディヴィーヌ・サニエ/アンナ・レヴィン●日本公開:2001/07●配給:ユーロスペース●最初に観た場所:北千住・シネマブルースタジオ(22-08-09)(評価:★★★)

Hécate(1982) 1.jpg「ヘカテ」●原題:HECATE●制作年:1982年●制作国:フランス/スイス●監督:ダニエル・シュミット●製作:ベルント・アイヒンガー●脚本:ダニエル・シュミット/パスカル・ジャルダン●撮影:レナート・ベルタ●音楽:カルロス・ダレッシオ●原六本木駅付近.jpg俳優座劇場.jpg作:ポール・モラン「ヘカテとその犬たち」●時間:108分●出演:ベルナール・ジロドー/ローレン・ハットン/ジャン・ブイーズ/ジャン=ピエール・カルフォン/ジュリエット・ブラシュ●日本公開:1983/08●配給:ヘラルド・エース●最初に観た場所:六本木・俳優座シネマテン(83-10-17)●2回目:自由が丘・自由劇場(84-09-15)(評価:★★★★)●併映(2回目):「郵便配達は二度ベルを鳴らす」(ボブ・ラフェルソン)
六本木・俳優座シネマテン(六本木・俳優座劇場内) 1981年3月20日オープン。2003年2月1日休映(後半期は「俳優座トーキーナイト」として不定期上映)。

About this Archive

This page is an archive of recent entries in the ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督作品 category.

ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督作品 is the previous category.

ダニエル・シュミット監督作品 is the next category.

Find recent content on the main index or look in the archives to find all content.

Categories

Pages

Powered by Movable Type 6.1.1