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シリーズを通して亡くなった人に対するレクイエムだったのだなあと。

『奇縁まんだら 終り』0.jpg奇縁まんだら 終り 2011.jpg奇縁まんだら 終り

 著者自身が縁あって交流したことのある文学者や芸術家との間のエピソードを綴ったエッセイに、彼女と親交の深かった横尾忠則氏が、エッセイに登場する人たちの肖像画を描いて(装幀も担当)コラボした本の、全部で4集の内の第4弾。日本経済新聞の連載で言うと、2010年9月から2011年11月にかけてになります。登場する人物は、第1集の21人、第2集の28人、第3集の41人からさらに増えて45人です。

 連載が始まったのが2007年1月で、著者の年齢で言うと84歳から89歳まで書き続けたことになりますが、3冊目が出た2010年に背骨圧迫骨折で作家になって初めて休筆した半年、「奇縁まんだら」としては6回分休んだだけというのがスゴイです。病も癒えぬうちに再開し、他の連載はすべて休ませてもらって「奇縁まんだら」だけ書き続けたというから相当の入れ込み様です。「最後の章は、個人となった「瀬戸内寂聴」で締めくくれればスマートだなと思っていた」と―。でも、連載を終了してから10年も生きて、2021年11月に99歳で亡くなっています。

 第4集は、吉村昭から始まって、やはり基本的には同業である作家が多いでしょうか。ただ、他分野の芸術家や俳優などもこれまでと同様に入ってきます。作家といっても、表紙にも横尾忠則氏の肖像画がきていますが、ボーボワールやパール・バックなどの"大物"も出てきて、実際に見たり会ったりしており、まさに"生き証人"という感じです。

 裏表紙にもある池部良の、「かの子繚乱」の舞台で岡本一平役を演じた時の話が面白かったです。池部良が以前に舞台で台詞が飛んでしまったのを知っていてダメだろうと言っていた岡本太郎が、本番を見て驚いたという―。岡田嘉子とはモスクワで会ったのかあ。後に日本で会って対談した際に馬鹿にされて、自分のことを書いていいと言われ、書いてやるものかと(笑)。やっぱり人間、合う合わない、好き嫌いはあるみたい。寺山修司とはミュンヘンで会ったのかあ。エノケンこと榎本健一と会ったときは、修行を積み上げた賢僧に向かい合っている気持ちだったと―。作家以外の職業の人の方が好き嫌いが出ている?

 永田洋子、永山則夫といった死刑囚なども出てくるのは、そうした人たちとの往復書簡があったり接見する機会があったりしたためのようです。そう言えば、第1集から第4集まで登場した135人全員が、連載執筆の時点ですでに故人となっており、このシリーズはそうした人たちへのレクイエムだったのだなあと改めて思いました。

 巻が進むと、そのうち連載時点で生きている人の話も出てくるのかなあと思って読んでいましたが、そういうコンセプトではなかったと途中で気がついた次第です。ホントは、第1集から人物のプロフィール紹介のところに墓の写真が多く出てくるので、その時点で気づくべきでした。

 因みに、最後に登場したのは永平寺第78世貫首の宮崎奕保禅師で、やはり著者は僧侶だなあと。禅師は108歳で亡くなっていますが、著者が数えで84歳の時の数え105歳の禅師との間の思い出を書いています。個人的には、NHKの立松和平がインタビュアーを務めたドキュメンタリー「永平寺 104歳の禅師」('04年)で見た記憶があり、著者の話もその頃でしょうか。お坊さんって時々すごく長生きする人がいるなあと思ったりしました。

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作家だけでなく、芸能人や政治家も登場。「私の履歴書」に出てくるような人ばかりになった印象も。
『奇縁まんだら 続の二』.jpg『奇縁まんだら 続の二』u.jpg
奇縁まんだら 続の二

『奇縁まんだら 続の二』n.jpg 著者自身が縁あって交流したことのある文学者や芸術家との間のエピソードを綴ったエッセイに、彼女と親交の深かった横尾忠則氏が、エッセイに登場する人たちの肖像画を描いて(装幀も担当)コラボした本の、全部で4集の内の第3弾。日本経済新聞の連載で言うと、2009年10月から2010年8月になります。

 登場する人物は、第1集の21人、第2集の28人に対し、41人と増えていて、内容も、第1集が作家20人と芸術家1人、第2集も作家や芸術家が中心だったのが、この第3週では芸能人や政治家、実業家などの何人か入っています。

 最初が田中角栄、次が美空ひばりと大物が続きますが、著者は田中角栄と自身が出家する前の時代に対談しているし(田中角栄は自民党幹事長時代)、美空ひばりとは2度も対談していたのだなあ。出てくるのは、連載執筆当時すでに亡くなっている人ばかりで、各冒頭にプロフィールと併せてお墓の写真があり、ああ、これって、単なる回顧録ではなく、鎮魂歌的なトーンになっているなあと新ためて思いました。

 亡くなった時に著者自身が駆けつけた人も何人かいて、吉行淳之介などもそうだったのだなあ。「まりちゃん」と暮らしていた家に行って、安らかな死顔に対面したと。吉行淳之介と宮城まり子の間のエピソードなども興味深かったです。結婚していない異性との欧州旅行するのは、著者の方が先輩で、あちらのホテルが正式な夫婦でないと一つの部屋に泊めないことに対する対応を、吉行淳之介は著者に訊いてきたとにこと。

 芸能人や俳優と言っても出てくるのは森繁久彌や藤山寛美、長谷川一夫など大物ばかりで、勝新太郎との話で、勝新が大麻を忍ばせて飛行機に乗り、空港で逮捕された事件を振り返って、著者に話した話がおかしいです。五百人乗りのジャンボ機に五百一人の乗客が乗っていて、その一人がお釈迦様で、そのお釈迦様から、「勝よ、お前にこれをやろう」と薬を授かったと。その後、著者が勝新を祇園に連れて行った時の話も、小説みたいで面白いです。

 小林秀雄や江藤淳もでてきますが、一つの講演会で、著者は江藤淳と小林秀雄の間に講演したりしていたのだなあ(昔から話上手だった)。あの司馬遼太郎さえ一緒にいると緊張したという「日本一偉大な評論家」小林秀雄の懐にすっと入っていく著者。その入っていき方が面白いです。江藤淳の自殺は、「美貌の愛妻の死に殉じた」としています。遺書では、脳梗塞で今の自分は形骸にすぎないとあり、最近では、妻の死の4年後に自殺した西部邁を想起させられました。

 いろいろな人が出てきて興味深くは読めるし、横尾忠則の装画も愉しめます。取り上げる人数が増えて、一人当たりのページ数が減っても、それほど浅くなったという印象がないのはさすが作家(でも、やっぱり少し浅くなっているか)。日経新聞連載ということのあってか、「私の履歴書」に出てくるような人ばかりになった印象も少しあります。最後の第4集はどうなるのでしょうか。

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横尾忠則氏の描く肖像画がいい。文庫化されていないが、内容的には『正』より面白い。

奇縁まんだら 続 瀬戸内寂聴.jpg奇縁まんだら 続 瀬戸内寂聴.jpg 瀬戸内寂聴 横尾忠則.jpg
奇縁まんだら 続』['09年]瀬戸内寂聴・権大僧正/横尾忠則氏

『奇縁まんだら 続』図2.jpg 昨年['21年]11月に99歳で亡くなった瀬戸内寂聴(1922-2021)(僧階は「権大僧正」で、これ最高位の「大僧正」に次ぐものだそうだ)が、'07年から日本経済新聞朝刊に毎週(当初土曜、後に日曜)連載していた、彼女自身が縁あって交流したことのある文学者や芸術家との間のエピソードを綴ったエッセイに、彼女と親交の深かった横尾忠則氏が、エッセイに登場する人たちの肖像画を描いて(装幀も担当)コラボした本で、全部で4集あります。

 '08年刊行の『正』とでも言うべき第1集では、作家20人と芸術家1人との出会いや交際の様子がそれぞれ短くスケッチされていましたが、登場する人物が、島崎藤村、正宗白鳥、川端康成、三島由紀夫、谷崎潤一郎、佐藤春夫、舟橋聖一、丹羽文雄、稲垣足穂、宇野千代、今東光、松本清張、河盛好蔵、里見弴、荒畑寒村、岡本太郎、檀一雄、平林たい子、平野謙。遠藤周作、水上勉と超大物揃いで、著者は連載スタート時で既に85歳くらいだったし、登場する人物の多くはその頃は既に亡くなっていてものの(丹羽文雄は2005年100歳まで生きたが、70代から認知症を患っていた)、どことなくそれぞれの描写に遠慮があるように思われました。

 それがこの第2集『続』では、まさに著者と同時代を生きた作家や芸術家が中心になっていて、芸能人まで含めて28人が取り上げられていますが、こちらの方が第1集よりも面白いのではないかという気がします(ただし、どういうわけか第1集だけが「日経文芸文庫」で文庫化されていて、残りは文庫化されていない)。

 この『続』は、'08年の1月から12月連載分を所収しており、取り上げている人物は、菊田一夫、開高健、城夏子、柴田錬三郎、草野心平、湯浅芳子、円地文子、久保田万太郎、木山捷平、江國滋、黒岩重吾、有吉佐和子、武田泰淳、高見順、藤原義江、福田恆存、中上健次、淡谷のり子、野間宏、フランソワーズ・サガン、森茉莉、萩原葉子、永井龍男、鈴木真砂女、大庭みな子、島尾敏雄、井上光晴、小田仁二郎。

 やはり連載時点で既に亡くなっていた人がほとんどで、エッセイの末尾は墓の写真などが添えられていて、レクイエムのようなトーンになっているものが多いですが(著者が僧侶であることも影響していると思うが)、第1集に比べ、著者と登場人物との間により深いコンタクトがあった分、興味深く読めました。

菊田一夫.jpg 一番面白かったのは、前エントリーで取り上げた映画「放浪記」の戯曲版の原作者でもある、冒頭の「菊田一夫」でしょうか。旅行に行くときいつも空手で出掛けて、帰りは大きなトランクを買い込み、「別れた女」たちへのお土産をいっぱい買って帰るという―。空港の税関でトランクを開けられたら、カラフルな女のパンティでいっぱいだったというのには笑いました。

 昔の人はちょっとスケールが違うというか。高度成長期以降の昭和の匂いも感じられました。そして何よりも横尾忠則氏の描く色鮮やかな独特のタッチの肖像画。画伯が敬愛する著者のために全力で創作に取り組んでいるのが伝わってきました。続きも読んで(見て)みたくなります。

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総数約900点。全ての作品に本人コメント付き。横尾忠則の精神史を垣間見える。

横尾忠則 全装幀集2013.jpg横尾忠則 全装幀集01.jpg   横尾忠則 全装幀集pster.jpg
横尾忠則 全装幀集』(24.7 x 19.7 x 5.3 cm)

横尾忠則 全装幀集044.jpg 横尾忠則と言えば、グラフィック・デザインとイラストレーション、コラージュに始まり、1980年代初めから絵画制作、さらに写真、小説なども手掛け、幅広い分野で精力的に活動している世界的デザイナーであり、"世界的"ということで言えば、個人的には90年代に、ニューヨーク近代美術館(MoMA)内の一等地とも言える展示スペースをその作品群が占めているのを見て、そのことを痛感した次第です(因みに、横尾忠則がデザイナーから画家へ転身した契機となったのは、80年代初めにMoMA「ピカソ展」にインスパイアされたためと自身で語っている)。

 その横尾忠則が、早くから機会あるごとに手掛けてきたのがブックデザインであり、本書は、1957年から2012年までの55年にわたる装丁の仕事を、処女作を含め約900点をカラーで収録したものであり、全ての作品に本人によるコメントが付されているというのが貴重です(本書の刊行に合わせて。

横尾忠則 全装幀集020.jpg横尾忠則 全装幀集176.jpg横尾忠則 全装幀集068.jpg 寺山修司「書を捨てよ、町へ出よう」、柴錬三郎「うろつき夜太」、デビット・ラシャペル「Lachapelle Land」などの単行本・大型本の他、アートディレクターを務めた流行通信や、広告批評などの雑誌(無名に近い頃には「少年サンデー」や「話の特集」などの表紙デザインも手掛けている)、そして自著に至るまで、意匠デザインだけでなくタイポグラフィ(絵文字)までもが個性的で、しかもモダンなものから筆文字まで多彩。それらがコラージュ写真や絵画などのビジュアルとぶつかり合って、また新たな味わいを醸しています。

横尾忠則 全装幀集156.jpg こうして見ていくと、横尾忠則自身が何度もインドを訪れていて、神秘主義やスピリチュアリズムに嵌っていた時代があり、そうしたものが反映されている作品が結構あるように思いました(インドに行くことを勧めたのは三島由紀夫だった)。横尾忠則 全装幀集268.jpgそうした彼の精神史も垣間見ることができ、また、後のものになるほど絵画的要素も入ってきているように思われました。版元による紹介にも「横尾忠則装幀という名の自伝」とあります(ただ、その辺りは、年代順に並べてくれた方が分かりやすかったかもしれないが、必ずしもそうはなっていない)。

横尾忠則 全装幀集506.jpg 国書刊行会から、本書の前に『横尾忠則全ポスター』('10年)、『横尾忠則コラージュ: 1972-2012』('12年)、本書の後に『横尾忠則全版画 HANGA JUNGLE』('17年)が刊行されていて、画集『全Y字路』('15年/岩波書店)なども刊行されており、10年代以降、横尾忠則の創作活動の再整理が進んでいるようです。こうして見ると、装丁の仕事が(他人の書いた本の装丁をするわけであって)一見制約を受けそうで、実はかなり多様性に富み、横尾忠則の創作の幅の広さを感じさせるのが興味深いです(その意味で、白地の比較的シンプルな装丁にしたのは良かった)。

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絵画集と写真集。ある種のこだわりを強く持ち続けるということも、一つの偉大な才能ではないかと。

横尾忠則 全Y字路.jpg横尾忠則 Y字路.jpg
     
    
東京Y字路  .jpg
全Y字路』['15年](30.5 x 23.5 x 2 cm)/『横尾忠則 Y字路』['06年]/写真集『東京Y字路』['09年](30.2 x 23.4 x 2.6 cm)
「魂と肉体の交差」(2002)
魂と肉体の交差.jpg 2000年以降の横尾忠則の絵画作品を代表する「Y字路」シリーズの"集大成本"で(2006年にいったん『横尾忠則 Y字路』(東方出版)が刊行されている)、2000年から2015年までの間に描かれた150点の作品が年代順に掲載されています。イラストレーターとして、または美術家として、或はさらに幅広く芸術家として活動する横尾忠則氏ですが、画家としての活動の中心はやはりこの「Y字路」シリーズでしょうか。日本のY字路を描いたものでありながら、海外でも高い評価を得ているようです。

 『横尾忠則 Y字路』によれば、横尾忠則氏が「Y字路」を描き続ける契機となったのが、故郷の兵庫県西脇市を訪れた際に撮影した一枚の写真であり、少年時代に通った模型店が無くなったことを知り、その跡地をカメラに収めますが、現像された写真は懐かしい風景ではなく、夜の闇の中、フラッシュに浮かび上がる建物、その手前で二叉に分かれる道といった、郷愁から切り離された、見知らぬ夜の風景であったとのこと。そこで横尾氏は、その写真を忠実にキャンバスに写し取り、一切の「私」的な要素を排除した普遍的な絵画を試みたとのことで、それがシリーズ作品に特徴的な、2つの消失点をもつ左右対称の構図として定着し、以後の「Y字路」シリーズとなります。

「暗夜光路N市-I」(2000)/「暗夜光路N市-V」(2000)
「暗夜光路N市-I」.jpg「暗夜光路N市-V」.jpg シリーズは「暗夜光路N市-Ⅰ」からスタートし、「暗夜光路N市-Ⅴ」までが2000年の作品で、以降、2001年になって、「暗夜光路 眠れない街」「暗夜光路 赤い街」などと続き、「暗夜光路 T市のY字路」あたりから西脇市に限定しななくなっています。さらに、同年の「暗夜光路 赤い闇から」あたり「暗夜光路 眠れない街」.jpg健全な感情.jpgから、必ずしも写実性に捉われなくなっているように思われます。更に2002年からは昼間の光景も描くようになり、また、様々な画風やタッチを駆使するようになって、2012年後半になるともう当初のシンメトリックな構図は維持されていないものが多くなっています。横尾氏がこの作品集を『全Y字路』と名付けたのは、バリSee You Again.jpgエーションが極みに達したため、ここで区切りをつけるという意図もあったようです。

「暗夜光路 眠れない街」(2001)/「健全な感情」(2002)
「See You Again」(2002)

 横尾氏による様々なタッチの絵が楽しめ、さらに、一部にはモデルとなった「Y字路」の写真が付されていて、横尾氏がそれをどう"絵画化"したかが窺えるのも興味深いですが、いずれにせよ「Y字路」という一つのモチーフでこれだけの数の作品を15年間も描き続けるというのはスゴイなあと思います。ある種のこだわりを強く持ち続けるということも、一つの偉大な才能ではないかと思いました。


写真集『東京Y字路』より  
東京Y字路030.jpg東京Y字路066.jpg この作品集の6年前に『東京Y字路』('09年/国書刊行会)という横尾氏による「Y字路」を撮った写真集が刊行されていて、この写真集も東京都内(都下、島嶼部を含む)の「Y字路」を撮った写真ばかり約250点ほど収められています。東京都内だけでもこんなに「Y字路」リサーチして写真に収めているのかと驚くやら感心するやらです東京Y字路219.jpgが、東京の「Y字路」を描くようになった頃には、必ずしも一つの写真を元に写実的に描くのではなく、思い切ってデフォルメしたり、いくつかの写真のイメージをミックスさせたりすることも行っていたようです。

Y字路_0170.JPG 実際の「Y字路」を見てちょっと不思議な感覚を抱いたりすることは無きにしもあらずですが、日常生活においては、次の瞬間にはもうそんなことはどうでもよくなっているというのが普通の人ではないかと思います。でも、こうした画集や写真集(特に画集)を見ていると、改めて郷愁のようなものを覚えたり、何だか人生の岐路みたいだなあと感じたりするから不思議です。どういう思いを抱くかは人それぞれだとは思いますが、そうした思いに至らせるのは、やはり横尾忠則という人の才能の一つなのだろうなあと思います。

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高倉健の"原点"と併せ、60年代から70年代にかけての"時代"を感じさせる。
憂魂、高倉健 74.jpg
憂魂、高倉健.jpg憂魂、高倉健0.jpg
憂魂、高倉健』['09年](28.2 x 20.4 x 3.8 cm)
   
憂魂、高倉健11.jpg憂魂、高倉健00.jpg 1971年に刊行されたものの、版元の倒産や東映による販売差し止め等の事情により書店店頭に並ぶことのなかった写真集の38年ぶりの復刻リニューアル版で、遠藤努撮影による俳優・高倉健(1931-2014)のスチール写真を中心に、プライベート写真やスナップも含め、横尾忠則が編集した370ページあまりの写真集です。細江英公、立木義浩、森山大道、石黒健治ほか写真家の作品、横尾忠則による高倉健インタビュー・年譜なども収録されています。

『憂魂、高倉健』['71年]

 左開きの表紙の最初に7ページほど細江英公撮影の海の写真が続き、高倉健の生地の五万分の一の地図が入って、次のページから立木義浩に憂魂、高倉健12.jpgよるヌード写真5枚とその間にヘンリー・フォンダのポートレイト(インタビューによればヘンリー・フォンダは高倉健の好きな俳優)、なぜか乳牛を撮ったものなどイメージ写真が挿入されていて、次に1ページ9点、8ページにわたって、高倉健の映画撮影の際などに撮られたスナップ写真やそれに混じって横尾氏による高倉健のイラストレーションが続き、続いて12ページほどの高倉健に対する質問状形式のインタビューがあり、年譜が3ページあって、さらに高倉健の赤ちゃんの時から明治大学1年生の時までのポートレイト的な写真が続き、ここまででで60ページになります。

憂魂、高倉健02.jpg憂魂、高倉健03.jpg その後はすべてモノクロで310ページ分、各ページ断ち落としで高倉健の映画スチール、撮影現場などでのスナップ写真が続き、そのうちの7割が東映のスチールカメラマンだった遠藤努氏の撮影によるもので、残りの3割は石黒健治氏の雑誌発表の写真や新たに撮り直した写真などとなっています。ですから、ボリューム比率からすると遠藤努、石黒健治両氏による写真集と言えなくもないですが、上記の60ページまでの構成から窺えるように、また、表紙デザインなどからも窺えるように、横尾忠則氏の編集色がはっきり出ている写真集でもあります。

憂魂、高倉健1 3.jpg憂魂、高倉健04.jpg 収められているのが70年代以前の、「日本侠客伝」シリーズ('64年スタート)、「網走番外地」シリーズ('65年スタート)、「昭和残侠伝」シリーズ('65年スタート)に出まくっている頃の高倉健のスチール写真、スナップ写真が大半で(その時点ですでにネガが棄却されていたものが殆どで、プリントされた印画紙を撮り直しているため、コラージュ的な雰囲気がある)、高倉健の"原点"的なものが感じられるとともに、60年代から70年代にかけての"時代"を感じさせるものにもなっています。そのことは、それだけ高倉健という俳優が、その時代の何かを背負っていたということなのかもしれません(後の人が彼に"時"を重ねたとも言える)。

『憂魂、高倉健』['71年]
憂魂、高倉健 都市出版社1.jpg憂魂、高倉健 都市出版社2.jpg 「付録」リーフレットなどによれば、本書のオリジナル版は1971年に都市出版社から刊行され、前述の通り色々な事情があってそのオリジナル版が書店に並ぶことはなく、その一部は古書店に流通しただけだけだったとのことですが、それよりも以前に、その本の元になった『高倉健賛江』('68年/天声出版)というものがあり、こちらは、出版社に突発事故が生じ、見本数冊を作っただけで出版さえ実現しなかったとのことです。復刻リニューアル版では、函のデザインに「高倉健賛江」のカバーを使用し、本体には「憂魂、高倉健」のカバー写真を使用するなどして、「高倉健賛江」と「憂魂、高倉健」を合体させた形となっています。

 インタビューのところが、1968年と1971年で同じ質問をしてそれを対比させる形になっているのは、『高倉健賛江』編集時のインタビューと『憂魂、高倉健』編集時のインタビューということになるかと思いますが、同じ質問に対して回答が殆ど同じものもあれば、一部に答えが真逆だったりするものもあって面白かったです。個人的に興味深かったのは、「好きな自分の映画」で、1971年のインタビューで、「お正月にいった網走番外地」(どういう意味?)と、1回目の「日本侠客伝」、1回目の「昭和残侠伝」を挙げていて、やはり1回目の作品が印象深いのでしょう(1968年のインタビューでは「ジャコ万と鉄」と1回目の「昭和残侠伝」を挙げている)。「網走番外地」「日本侠客伝」「昭和残侠伝」をシリーズとして比べてどうかというと、「京都と東京スタジオに分かれてますねェ。イレズミの入っているのと入ってないのとあります。残侠伝は好きですねェ。で、やってて楽しいのは網走が楽しいです。ハイ、役柄としては、ですよ」と。

I憂魂、高倉健_5269.JPG 横尾忠則氏が全体をコラージュのように編集しているという意味で、写真集と言うより横尾氏の作品と言った方がいいくらいかもしれませんが、横尾氏自身は、「藝術」と言うより高倉ファンとしての思い入れでこの写真集を編集したように思われ、再度復刻されたことも含め、その思い入れが伝わってくる内容でした。

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刺殺体を巡る7人の"探偵"。パロディ精神と映画愛が密度濃く詰まっている。

殺人 MURDER 0.jpg 殺人 MURDER①.jpg 和田 誠 氏2.jpg 和田 誠  去年マリエンバートで dvd 2009_.jpg
「殺人 MURDER!」 (1964)           「去年マリエンバートで HDニューマスター版 [DVD]

殺人 Murder.jpg メイドがノックして入った部屋で刺殺体を発見し、大声で叫ぶ。この場面が7回繰り返され、回ごとに「MURDER!」というそれぞれ違ったタイトルロゴの後、様々な探偵が登場し、独自の方法で犯人を突き止め、逮捕に至る(逮捕殺人 MURDER①ホームズ.jpgされるのは常に同じ人物)。1人目は、ハンチングキャップ.を被りパイプを咥え、現場の遺留物や足跡など残された手掛かりの組み合わせから犯人を推理する探偵。2人目は、巻き口髭を生やし、肘掛椅子で葉巻を燻らせな殺人 MURDER② ポワロ.pngがら新聞記事を読み、創造力だけで事件を解決してみせる探偵。3人目は、ソフト帽を被って両手はいつもコートのポケットの中で、メイドへの質問を手始めに鉄道や船殺人 MURDER③サム・スペード.jpgを使って地道な聞き込みを行い、更にはバーに行って聞き込みをしてカクテルを飲んだり、飛行機に乗ったりして捜査を続け、犯人を見つける探偵。4人目からは、"探偵"という枠を超えた人物が登場し、トップハット殺人 MURDER④.pngを被った19世紀風の男が刺殺体を調べていると、死体が突然目を見開いて吸血鬼となって甦るも、男はニンニクと十字架でこれを退散させるという殺人 MURDER⑤007.pngオカルト・ホラー調。5人目は、007(ジェームズ・ボンド)風で、映画でよく知られている銃口をモチーフしたオープニングのパロディあり、美女との出会いや危険なア殺人 MURDER⑥科学者.pngクションありで、事件を解決して最後は美女とベッドイン。6人目は、SF映画のパロディ風で、科学者風の男が登場し、コンピュータにデータを打殺人 MURDER⑦.pngち込んで犯人を割り出す。本当の犯人はどうやら人間の躰を借りた宇宙人だったらしく、犯人の首がパカッと開いて、そこから空飛ぶ円盤へと帰って行く。最後7人目は、アートシアター風で、冒頭のタイトル及び刺殺体発見場面から最後まで全編モノクロ。映画「去年マリエンバートで」のパロディになっていて、探偵かと思われた男は、最後犯人探しはどうでもよくなっていて、出会った女と共に闇に消えていく。このパートだけ、犯人逮捕の場面はなく、ラストは「END」ではなく「FIN」で終わる―。
第1回「アニメーション・フェスティバル」('64年)チラシ
第1回「アニメーション・フェスティバル」.jpg 1964年秋、草月会館ホールで行われた第1回「アニメーション・フェスティバル」で上映するため、主催の「アニメーション三人の会」(久里洋二、柳原良平、真鍋博)から依頼されて和田誠が制作した16ミリのアニメーションで、音楽は八木正生(1932-1991)が担当し、時間が無い中で作られたというこの作品は、毎日映画コンクール・第3回「大藤信郎賞」を受賞しています(受賞理由では音楽も高く評価されている)。

 「アニメーション三人の会」が設立された'60年の段階では、柳原良平の「アンクルトリス」のCMを除きそれまで本格的なアニメーション制作の経験のなかった3人ですが、「三人の会」の活動は、日本の自主制作アニメーション界全体の活性化と次代の人材育成に繋がったほか(「三人の会」のメンバー作品のみの上映会は'60年、'61年、'63年の3回行なわれ、それが第4回以降「アニメーション・フェスティバル」となった)、「アニメーション・フェスティバル」を通じて、横尾忠則や宇野亜喜良など他の分野の芸術家がアニメーション制作を行なう契機にもなっています。

去年マリエンバートで 01.jpg この「殺人 MURDER!」は9分という長さの軽く楽しめる作品ですが、'64年という制作年で、しかも、「アニメーション三人の会」からの依頼で作った自主制作映画であったにしては、質的レベルはかなり高いように思います。『倫敦巴里』('77年/話の特集)に見去年マリエンバートで dvd 2016_.jpgられるパロディ精神が、この頃から横溢していたことを物語っていると共に、作者の"映画愛"が密度濃く詰まっている感じがし、'64年5月に日本で公開されたアラン・レネ監督の「去年マリエンバートで」('61年/仏)などがパロディ素材として使われていることに作者の慧眼を感じます(既にヴェネチア映画祭で金獅子賞を受賞してはいたが、後に映画史上もっとも難解な作品の一つと評されることになった)。
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去年マリエンバートで 03.jpg去年マリエンバートで   es.jpg 「去年マリエンバートで」は、脚本のアラン・ロブ=グリエ(1922-2008)自身の言によれば、黒澤明監督の「羅生門」('50年/大映)に触発れて作られた作品であり、つまりは芥川龍之介の「藪の中」を下敷きにした作品の一つと言えますが、"誰もあらすじを説明することができない映画"としても有名(?)でしょうか。何回観ても理解不能であり(そこが良くてまた観てしまう人もいると思うが)、この「殺人 MURDER!」の中での使われ方は、ややその辺りのアイロニーが込められているように思いました(和田誠は山田宏一との共著『たかが映画じゃないか』('78年/文藝春秋)で、フランス映画通の山田宏一へのコンプレックスをユーモラスに吐露している)。

殺人 MURDER図1.jpg 「殺人 MURDER!」の1人目と2人目の探偵はシャーロック・ホームズとエルキュール・ポアロがモデルであるのがすぐに分かるけれど、3殺人 MURDER②2.jpg人目は、前のエントリーで取り上げた『マルタの鷹』の探偵か。だとすれば、彼が飲むカクテルはマンハッタンということになるかもしれませんが、あの探偵、船や飛行機に乗ったりしたっけ。一方の捕まる犯人の方は、常に"久里洋二"風の男であるのが可笑しいです(そこだけ日本風)。フェスティバルでの上映では、最後の「去年マリエンバートで」篇が最も好評だったそうです(みんな「あの映画は(高踏的で?)無理に解らなくてもよい」と何となく安心した?)。

真鍋博「潜水艦カシオペア」('64年)(原画)/手塚治虫「人魚」('64年)
真鍋博「潜水艦カシオペア」1.jpg手塚治虫「人魚」.jpg なお、この第1回「アニメーション・フェスティバル」には、先に述べたように、主催者である久里洋二、柳原良平、真鍋博の作品のほかに横尾忠則や宇野亜喜良、さらには手塚治虫の作品なども出品されていますが、この和田誠の「殺人 MURDER!」以外では、真鍋博の「潜水艦カシオペア」、手塚治虫の「人魚」、横尾忠則の「アンソロジーNo.1」「KISS KISS KISS」などを観ました。真鍋博「潜水艦カシオペア」は、SF作家の都筑道夫が原作の"戦争が嫌いな潜水艦"を主人公に据えた寓話的短編で、米ソ冷戦の影響を受けつつも真鍋博らしいなあという印象(但し、ラストはアンハッピーエンド)。手塚治虫「人魚」は、空想を禁じられている架空の国が舞台で、ひとりの少年が助けた魚が人魚に変身してしまい、これはよからぬ空想の産物だとして少年は逮捕され、強制的に空想する力を奪い取られてゆくという管理社会の怖さとそこからの脱出を描いた作品。8分の短編にテリー・ギリアム監督のSF映画「未来世紀ブラジル」('85年/英)張りのテーマを込めてしまうところはさすがに手塚治虫といった横尾忠則「アンソロジーNo.1」1.jpg感じ。横尾忠則「アンソロジーNo.1」は、実験映画というよりは画像コラージュに近い作品。星、古城、太陽、木、鳥、女の顔、演奏、涙、指差す形、ピストル、決闘、死(死神、霊柩車、十字架)という風に、いくつかのイメージを集め、ポスターや本の表紙、自らが描いたイラストなどから切り取った静止画がほとんどで(一部動画もあり)、60年代という時代における"横尾忠則"を感じる作品とでもいうべきでした。これらの中ではやはり、和田誠の「殺人 MURDER!」と手塚治虫の「人魚」が頭一つ抜きん出ているでしょうか。更に言えば、和田誠が一番でした(何度観ても飽きない)。

和田 誠 「<殺人 MURDER!>」('64年)

横尾忠則「アンソロジーNo.1」('64年)

「殺人 MURDER!」●制作年:1964年●監督・製作:和田誠●撮影:古川肇郁/林政道●音楽:八木正生●時間:9分●公開:1964/09●配給:草月アートセンター(自主制作)(評価:★★★★☆)

去年マリエンバートで  チラシ.jpg去年マリエンバートでes.jpg「去年マリエンバートで」●原題:L'ANNEE DERNIERE A MARIENBAT●制作年:1961年●制作国:フランス・イタリア●監督:アラン・レネ●製作:ピエール・クーロー/レイモン・フロマン●脚本:アラン・ロブ=グリエ●撮影:サッシャ・ヴィエルニ●音楽:フランシス・セイリグ●時間:94分●出演:デルフィー去年マリエンバートで ce.jpgヌ・セイリグ/ ジョルジュ・アルベルタッツィ(ジョルジョ・アルベルタッツィ)/ サッシャ・ピトエフ/(淑女たち)フランソワーズ・ベルタン/ルーチェ・ガルシア=ヴィレ/エレナ・コルネル/フランソワーズ・スピラ/カ去年マリエンバートで 記事をクリップする_3.jpgリン・トゥーシュ=ミトラー/(紳士たち)ピエール・バルボー/ヴィルヘルム・フォン・デーク/ジャン・ラニエ/ジェラール・ロラン/ダビデ・モンテムーリ/ジル・ケアン/ガブリエル・ヴェルナー/アルフレッド・ヒッチコック●日本公開:1964/05●配給:東和●最初に観た場所:カトル・ド・シネマ上映会(81-05-23)(評価★★★?)●併映:「アンダルシアの犬」(ルイス・ブニュエル)

真鍋博「潜水艦カシオペア」title.png真鍋博「潜水艦カシオペア」2.jpg「潜水艦カシオペア」●制作年:1964年●監督・製作:真鍋博●協力:都築道夫/杉山正美/富澤幸男/岡田三八雄/染谷博/村瀬信夫/大野松雄/植田俊郎/池田亜都敦夫/片岡邦男/矢野譲/山内雅人●原作:都築道夫●時間:5分●公開:1964/09●配給:草月アートセンター(自主制作)(評価:★★★☆)

手塚治虫「人魚」title.jpg手塚治虫「人魚」2.jpg「人魚」●制作年:1964年●原案・構成・演出・作画:手塚治虫●製作:富岡厚司(虫プロのプロデューサー)●原画:山本繁●動画:沼本清海●撮影:佐倉紀行●音楽:冨田勲(ドビュッシー「牧神の午後の前奏曲」より)●時間:8分●公開:1964/09●配給:草月アートセンター(自主制作)(評価:★★★★)
           
アンソロジーNo.1 横尾忠則ド.jpg横尾忠則「アンソロジーNo.1 title.png横尾忠則「アンソロジーNo.1」2.jpg「アンソロジーNo.1」●制作年:1964年●監督・製作:横尾忠則●時間:7分●公開:1964/09●配給:草月アートセンター(自主制作)(評価:★★★☆)   
        

第1回「アニメーション・フェスティバル」('64年)チラシ
第1回「アニメーション・フェスティバル」2.jpg
《読書MEMO》
森卓也.jpg森卓也(映画評論家)の推すアニメーションベスト10(『大アンケートによる日本映画ベスト150』('89年/文春文庫ビジュアル版))
○難破ス物語第一篇・猿ヶ島('30年、正岡憲三)
くもとちゅうりっぷ('43年、正岡憲三)
○上の空博士('44年、原案・横山隆一、演出:前田一・浅野恵)
○ある街角の物語('62年、製作構成:手塚治虫、演出:山本暎一・坂本雄作)
殺人 MURDER('64年、和田誠)
○長靴をはいた猫('69年、矢吹公郎)
ルパン三世・カリオストロの城('79年、宮崎駿)
うる星やつら2/ビューティフル・ドリーマー('84年、押井守)
○天空の城ラピュタ('86年、宮崎駿)
となりのトトロ('88年、宮崎駿)

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