【1935】 △ ポール・マクギガン 「SHERLOCK(シャーロック)(第5話)/バスカヴィルの犬(ハウンド)」 (11年/英) (2012/07 NHK-BSプレミアム) ★★★

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前作「ベルグレービアの醜聞」の"エロス趣向"と今回の"サイエンス趣向"では、前作に軍配。

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SHERLOCK/シャーロック シーズン2 [DVD]

sherlock バスカヴィルの犬 04.jpg シャーロック・ホームズ(ベネディクト・カンバーバッチ)のもとに、ダートムアから依頼人ヘンリー(ラッセル・トヴェイ)がやってくる。ダートムアの荒野には政府の科学生物兵器研究施設「バスカヴィル」があり、極秘の実験が行われているという噂があった。ヘンリーは20年前、7歳のときに父親が悪魔のような巨大な犬「ハウンド」に殺されるのを目撃。ショックが生み出した妄想かと思ったが、昨夜、再びその現場で巨大な「ハウンド」の足跡を発見したという。ホームズらは怪物の正体探るためダートムアに向かう―。
            
sherlock バスカヴィルの犬 00.jpgsherlock バスカヴィルの犬 03.jpg 「バスカヴィルの犬(ハウンド)("The Hounds of Baskerville")」は、「ベルグレービアの醜聞」に続く「SHERLOCK(シャーロック)」第2シーズン第2話(通算第5話)で、原作は当然のことながら「バスカヴィル家の犬("The Hound of the Baskervilles")」ですが、「バスカヴィル」というのが、家名から軍の秘密実験基地みたいなものの名前に置き換わっています。

SHERLOCK:THE HOUNDS OF BASKERVILLE.jpg この作品、ダートムアの荒涼としたイメージをどう描くかがポイントかと思って観ましたが、ダートムアが既に"魔犬が出る地"として心霊スポット的な観光地になっていて、ホームズとワトスンは、幼少期に自分の父親がダートムアの窪地で魔物に襲われて殺されるところを見たという青年に導かれて夜のダートムアを走り回るけれども、偽造IDカードで基地内にも潜入して実験施設内も探索するということで、原作のおどろおどろしさは半減しています。

sherlock バスカヴィルの犬 05.jpg 一方で、基地内では怪しげな動物実験が行われていて、先にあった「発光ウサギ」が逃げ出したという、ホームズが一旦は調査の依頼を袖にした"珍事件"もこうした実験と関係があるらしい(下村脩氏が発見したオワンクラゲの緑色蛍光タンパク質を注入した発光ネズミというのは写真で見たなあ)―となると、いよいよ近未来型の「バスカヴィルの犬」の登場かと思ったら、結局は意外としょぼい仕掛けだったと言うか(まあ、怪獣映画になってもマズイわけだけれど)、結末だって怪しげな人物はやっぱり怪しかったし...。

SHERLOCK(シャーロック)/バスカヴィルの犬.jpg 前作「ベルグレービアの醜聞」が"エロス趣向"だとすれば、こちらは"サイエンス趣向"と言え、毎回趣向を変えてくる努力は買いますが、これは今一つノレなかった...。

SHESHERLOCK(シャーロック)/バスカヴィルの犬2.jpg この原作の映像化作品は、「犬」の登場の場面で90年代からCGが使われていますが、この作品でCGであれだけハッキリ見せる必要はなかったのではないかな。前半部分でモンタージュ的な手法を使って「犬」を見せないでいたのに、あそこで登場人物の主観に合わせて見せてしまったら、前後の整合が取れないのでは。

バスカヴィル dvd.jpg「SHERLOCK(シャーロック)(第5話)/バスカヴィルの犬(ハウンド)」●原題:SHERLOCK:THE HOUNDS OF BASKERVILLE●制作年:2011年●制作国:イギリス●本国放映:2012年1月8日●演出:ポール・マクギガン●脚本:マーク・ゲイティス●出演:ベネディクト・カンバーバッチ/マーティン・フリーマン/ルパート・グレイヴス/ユナ・スタッブス/マーク・ゲイティス/ラッセル・トヴェイ●日本放映:2012/07●放映局:NHK-BSプレミアム(評価:★★★)

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