【1448】 ○ ジョン・スタージェス 「荒野の七人」 (60年/米) (1961/05 ユナイテッド・アーティスツ) ★★★★

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チャールズ・ブロンソンやジェームズ・コバーンの演じたバイプレーヤー的な役柄も良かった。

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「荒野の七人」チラシ・パンフレット(1976年版)/「荒野の七人 [DVD]

 ジョン・スタージェス監督の1960年作品で、黒澤明監督の「七人の侍」('54年/東宝)を翻案した作品であることは知られていますが、「七人の侍」がなかなかロードにかからず、名画座にも降りてこないIMG_1889.JPG時期があったので、個人的には、まだ見ぬ「七人の侍」への期待を高める契機となった作品です(エルマー・バーンスタインのテーマ曲も良かった)。

 ユル・ブリンナーが黒澤監督の「七人の侍」にすっかり惚れこみ、翻訳映画化権を買い取ったのが事の始まりだそうですが、「七人の侍」を観た後で再見すると、大まかなあらすじや登場人物の設定・台詞などを「七人の侍」へのオマージュを込めて再現しているのが窺荒野の七人 輸入版ポスター.jpgえ(黒澤監督はこの作品を観て、スタージェス監督に日本刀を贈ったとの逸話がある)、一方で、「七人の侍」の「七人」と、「荒野の七人」の「七人」を無理に重ねることはしていないのが分かりました。例えば、クリス(ユル・ブリンナー)は勘兵衛(志村喬)がモデルであるにしても多少キャラクターは異なるし、ビン(スティーブ・マックイーン)は五郎兵衛(稲葉義男)と七郎次(加東大介)の、チコ(ホルスト・ブッフホルツ)は勝四郎(木村功)と菊千代(三船敏郎)の、オレイリー(チャールズ・ブロンソンは平八(千秋実)と菊千代の、それぞれ"混合型"のキャラクターになっているそうですが、そう言われてもピンとこないようなキャラクターもいます(ビンには"菊千代"も入っているのではないか)。リー(ロバート・ヴォーン)やハリ―(ブラッド・デクスター)のようにオリジナルに無いキャラクターが造られている一方で、ナイフの名手ブリット(ジェームズ・コバーン)のように、久蔵(宮口精二)がモデルであることが比較的わかり易いものもあります(因みに、久蔵のモデルは宮本武蔵だそうな)。

『荒野の七人』(1960).jpg『荒野の七人』(1960)0.jpg 映画公開時の出演俳優らの知名度は、ユル・ブリンナーが断トツで、ホルスト・ブッフホルツがそれに続くものだったそうですが、同じくジョン・スタージェスが監督し、スティーブ・マックイーン、チャールズ・ブロンソン、ジェームズ・コバーンが共演した「大脱走」('63年)でスティーブ・マックイーンがIMG_1895.JPG先ず一気に抜け出て、チャールズ・ブロンソンが「さらば友よ」('68年)などで、ジェームズ・コバーンが「電撃フリント」シリーズなどで、それぞれ後に続いたという感じでしょうか(「荒野の七人」のパンフレットやチラシは、途中からスティーブ・マックィーンがメインまたは筆頭格のレイアウトになった)。

1「荒野の七人」b.png この作品でチャールズ・ブロンソンやジェームズ・コバーンの演じたバイプレーヤーチャールズ・ブロンソン .jpg的な役柄も良かったように思い、チャールズ・ブロンソンは村の子供に慕われる優しいオジさんという感じで(オレイリーの最期はややコミカルに描かれている。この人、日本では「マンダム」のコマーシャルでおコバーン「ラーク」 .jpg馴染みになった)、一方のジェームズ・コバーンは撃たれた後もナイフを投げて...こちらは渋い死に方でした(「ラーク」のコマーシャル においてもナイフ投げたりしていたなあ)。「電撃フリント」シリーズのほか、ダシール・ハメット原作のTVドラマ「The Dain Curse」(CBS 1978)に出たり、ロバート・アルトマン監督の「ザ・プレイヤー」('92年/米)にも本人役でカメオ出演していました。

荒野の七人」.jpg スティーブ・マックイーンが'80年に癌で50歳で亡くなり(アスベスト吸引による中皮腫説がある)、ユル・ブリンナーも'85年に肺癌で65歳で亡くなった後、'02年から'03年にかけての僅か1年の間に、ジェームズ・コバーン(心筋梗塞)、ブラッド・デクスター(肺ロバート・ボーン    .jpg気腫)、ホルスト・ブッフホルツ(肺炎)、チャールズ・ブロンソン(肺炎)と「七人」のうち4人が相次いで亡くなったのが寂しかったです。現時点[2011年2月時点]で存命しているのはロバート・ヴォーンのみになってしまっています(ロバート・ヴォーンは2016年11月11日急性白血病のため逝去。これで「荒野の七人」にガンマン役で出演した7人の男優全員がこの世を去ったことになった)

荒野の七人」ps.jpg「荒野の七人」002.jpg「荒野の七人」●原題:THE MAGNIFICENT SEVEN●制作年:1960年●制作国:アメリカ●監督・製作:ジョン・スタージェス●脚本:ウイリアム・ロバーツ●撮影:チャールズ・ラング●音楽:エルマー・バーンスタイン●原作:黒澤明/橋本忍/小国英雄(映画「七人の侍」)●時間:128分●出演:ユル・ブリンナー/スティーブ・マックイーン/チャールズ・ブロンソン/ロバート・ヴォーン/ジェームズ・コバーン/ホルスト・ブッフホルツ/ブラッド・デクスター/イーライ・ウォラック/ウラジミール・ソコロフ/ジョン・アロンゾ/ロゼンダ・モンテロス/ヨルグ・マルティネス・デ・ホヨス/リコ・アラニス●日本ジョン・スタージェス(John Sturges).jpg中野武蔵野ホール.jpg公開:1961/05●配給:ユナイテッド・アーティスツ●最初に観た場所:中野武蔵野館(78-01-19)(評価:★★★★)●併映「ビッグ・アメリカン」(ジョン・スタージェス)  中野武蔵野ホール
ジョン・スタージェス(John Sturges)
新宿ミラノ座 荒野の七人.jpg「荒野の七人」(1961年)公開中の新宿ミラノ座

「荒野の七人」(1961年).jpg

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