【3537】 ○ 東京人編集室 (編) 『東京人2022年12月号―特集「東京映画館クロニクル」なつかしの名画座から令和のミニシアターまで』 (2022/11 都市出版) ★★★★

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「東京人」としては約30年ぶりの「映画館」特集。手元に置いておきたい。

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東京人2022年12月号 特集「東京映画館クロニクル」なつかしの名画座から令和のミニシアターまで』['22年]

東京映画館クロニクル04.jpg 月刊「東京人」は1986年に〈都市を味わい、都市を批評し、都市 を創る〉をキャッチフレーズに創刊された雑誌です。東京の歴史・文化・風俗・建築物・文学・風景など「東京」という舞台が生み出すさまざまな事象を、毎号の特集で探っていきましたが、この号の特集「東京映画館クロニクル」では、並木坐、日比谷映画劇場、大井武蔵野館、岩波ホールなど懐かしの映画館を貴重な写真とともに振り返るとともに、ラピュタ阿佐ヶ谷、シネマ・チュプキ・タバタ、ポレポレ東中野など現代の特色あるミニシアターの最前線を紹介しています。「東京人」における「映画館」の大特集はおよそ30年ぶりだそうです。

 図版では、銀座・新宿・渋谷・池袋といった4大エリア別「思い出の映画館イラストマップ」が良かったです。東京映画館クロニクル03.jpg今は無い映画館の写真も貴重です。また、川本三郎氏(過去に編集委員としてこの雑誌に係わっている)、青木圭一郎氏(『昭和の東京 映画は名画座』)をはじめ、"映画観愛"に溢れる人たちが文章を寄せています。川本氏が中学生の時いちばんよく行ったのが、家から歩いて5分ぐらいのところにあった阿佐ヶ谷オデヲン座だそうです。神保町シアターが好きで、近年では何と言っても「芦川いずみ特集」が大ヒットだとも述べています(芦川いずみは'23年にも再特集された)。

 この特集が組まれたきっかけは、2022年7月29日の岩波ホール閉館がひとつあるのではないかと思われます。閉館する月の中旬に映画館の写真集で知られる中馬聡氏が撮った写真と文が掲載されています。これまでの上映作品のフライヤー(チラシ)が壁面に並び、閉館が近いことを感じさせます。
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 その次に、正木香子氏の文と尾田信氏の写真で、ギンレイホールの手描き看板を描いていた菅原克也さんという職人さんが紹介されていますが、ギンレイホールもこの特集雑誌の刊行に合わせるかのように、11月27日に閉館することが決まっていました(記事では"一時閉館"となっており、ホームページでは"閉館"としながらも移転再開については交渉継続中となっていた)。最終上映日にここで「マリー・ミ―」「君を想い、バスに乗る」の二本立てを観ました。
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 大井武蔵野館、中野武蔵野ホールにそれぞれ関係が深い人の取材記事も良かったです。以前、大井町に久しぶりに行きましたが、どこが映画跡地かよくわかりませんでした(今は、消えた映画館をマップで位置表示するサービスがあるので、それで分かるかも)。

 ムックではないため、保存版とまで言えるかどうかはともかく、手元に置いておきたい特集でした。

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This page contains a single entry by wada published on 2024年10月 7日 00:15.

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