「●労働法・就業規則」の インデックッスへ Prev|NEXT ⇒「●年金・社会保険」【726】 久野 万太郎 『年金の常識』
「●水町 勇一郎」の インデックッスへ
時代に合わせてかなりリニューアルしてきた。「詳解」と交互に改訂か。

『労働法〔第10版〕』['24年]『詳解 労働法 第3版』['23年]
所謂「水町労働法」の第10版。2007年の初版、2008年の第2版以降2年ごとに改版していて、2022年の第9版からそれまで紺一色だった表紙がデザイン化され、今回の第10版でさらにオシャレになった! まあ、それはいいいとして、今回は内容もかなりリニューアルしています。
「はしがき」によれば、事例を重要判例・裁判例との連結を意識して大幅に見直し、構成や項目も時代に遭った変更を加えたとのこと、例えば、LGBTQ、テレワーク、兼業・副業、フリーランスといった項目が新たに設けられています。
また、これまでの改訂と同様、この2年間の法改正(2022年の職業安定法改正、2023年の労働基準法施行規則改正、フリーランス保護制度制定、LGBT理解増進法制定など)や判例・裁判例の動き(山形県・県労委(国立大学法人山形大学)事件判決、国・人事院(経産省職員)事件判決、名古屋自動車学校(再雇用)事件判決など)が反映されています。
全体を通して、判例の立場を重視し、条件や背景の違いによって判決が違ってくる場合があることを、重要判例や最新の裁判例を理論的に分析しながら解説しています。さらには、時代の動向を踏まえつつ、著者なりの見解も述べられています。そうした著者なりの見解は、「考察」といった形で述べられていることもありますが、文中にある「コラム」欄においてもかなり言及されていて、できれば「コラム」欄は読み飛ばさない方がよいかと思います。
教科書であり、ただし、内容レベル的には専門書でもありますが、一人の著者によって書かれたものであることもあり、全体の統一感があって、内容の硬さのわりには読みやすいです。少しずつ読み進めば、初学者であっても最後まで読み通せるものであり、多忙な企業内実務者についても同じことが言えるかと思います。
本書が改訂された前年、同著者の『詳解 労働法』(東京大学出版会)も、2019年の初版、2021年の第2版に続いて第3版が刊行されていて、こちらもお薦めです(『労働法』が偶数年改訂であるのに対し、こちらは奇数年改訂で、今後も交互に改訂していくのか)。
こちらもお薦めです、と他人に薦めておきながら、実は自分自身は買い替えが追いついていない状況ですが、著者自身はインタビューで、「初学者の学生用の入門書というよりも、実務を広く射程に入れた体系書ってとこかな」と述べています。初版でページ数1429ぺ―ジ、それが第2版で1520ページになって、第3版で1568ページ。価格だけは8,580円(本体価格7,800円)に据え置いているのは良心的ですが、置く場所の問題とか(笑)。
著者が東京都社労士会の法学研修の講師を始めたのが2016年からで(2023年度以降はコーディネーター的な位置づけ)、初年度のテキストが『労働法 第6版』でした。個人的には毎年参加していたのですが、2019年11月から2020年2月にかけて、この『詳解 労働法』の当時出たばかりの初版をテキストとした全14回の研修が組まれました。コレ、なかなか良かったですが、1巡しただけでは駆け足すぎて...という印象も。でも、それがコロナ前の最後の「リアル研修」で、翌年からリモートになってしまったのが個人的には残念でした(重い本を持ち運ばずに済んだ、という人もいるかもしれないが)。
なお、著者による『詳解 労働法〔第3版〕』をテキストとした全16回のセミナーが2023年11月から2024年3月に日本法令にて開催されており、毎回参加者から提起された質問にその場で答えたものを原稿化し、Q&Aにまとめた『水町詳解労働法 第3版』(日本法令)が来月['23年6月]に刊行予定となっています。『水町詳解労働法 第3版 公式読本』['24年]
因みに、著者の水町勇一郎教授は、2023年度(今年['24年]3月)をもって東京大学を早期退職し、早稲田大学に正式移籍しましたが(もともと早稲田の講義を永らく持っていた)、東京大学出版会から刊行されている『詳解 労働法』の方は、出版社はそのままなのでしょうか。


なぜ組織の上層部ほど無能だらけになるのか? 張り紙が増えると事故も増える理由とは? 飲み残しを置き忘れる夫は経営が下手? 貧乏から家庭、恋愛、勉強、虚栄、心労、就活、仕事、憤怒、健康、孤独、老後、さらに、芸術、科学、歴史まで15のテーマについて、東大初の経営学博士(今まで一人もいなかったのか!)であるという著者が、「経営」というキーワードで人生の課題や世界の事象を解き明かした本です。
個人的にいいなあと思ったのは、著書のこれまでの人生に関する記述がある箇所で、父親の会社が倒産し、中卒自衛官になって、日中働きながら高卒認定試験(旧・大検)を受け、東大に入って、父の借金の整理をしながら学生起業もした(ただし、失敗した)という凄まじい人生ですが、その話は半ページ足らずでとどめ、自身は日本社会に恩義があるとし、「(社会への)感謝を忘れ、苦労を商売道具とする、飽食の時代に卑劣を売り歩く偽物たちと一緒になりたくない」ときっぱり言っている点でした(最近著者が亡くなったが、家族との苦労話が本のすべてを占める、佐々木常夫『ビッグツリー その後―母、娘、そして家族』('23年/光文社)などとは対極にあるスタンスである)。
同著者の前著では、『日本企業はなぜ「強み」を捨てるのか』('23年/光文社新書)を読みましたが(本書もかなり注目された)、こちらは、かつて日本企業が描いていた「お金より人が大事」という考えは、決して理想主義ではなく実利に沿ったもので、ビジネス繁栄の基盤だったのが、日本企業はその考え方を捨て、アメリカ式経営を表層的に模倣し、今や、それを実践しようとしているのは海外企業の方だと訴えています。
両利きの経営、オープン・イノベーション、ユーザー・イノベーション、リーン・スタートアップ、アジャイル開発、ティール組織―これらは海外企業による日本企業研究の結果生まれた概念で、それらが言わば"逆輸入"されているのが現状であると。「カイゼン」研究はインド、スウェーデン、中国で進んでいるとか。

日テレ(2024.6.3)
本エントリーをアップして5日後、トヨタなど自動車メーカー5社の認証不正問題が明らかになったが、トヨタのトップの記者会見を見ると、今回の不正が「立件型不正」であり、社内では「不正」と認識していなかったということがよく窺え、本書の内容に符合するものであった。そうしたことから、「(「正しさ」の認識の違いによる)不正の撲滅は無理」との発言もつい出てしまったのだろうが、本音であるにしても、トップ会見での発言としてはマズかったように思う。聞いている人は「不正」という言葉から、意図的になされる不正しか思い浮かべないのではないか。



本書(原題:Helping People Change: Coaching with Compassion for Lifelong Learning and Growth,2019)は、従来のコーチングに対し、相手と深いつながりを築き、「ありたい姿」から変化を生む新たなコーチングの原則を提唱したもので、成長を願う相手の情熱やビジョンを呼び起こし、本気で相手を支援するための理論と実践方法を示したものです。著者の一人、リチャード・ボヤツィスは、ケース・ウェスタン・リザーブ大学の組織行動、心理学、認知科学部門の著名な大学教授であり、ダニエル・ゴールマンの『
マリー・マッキンタイヤー(ワークプレイス心理学者・キャリアコーチ)






『
善と悪の心理学などを研究テーマとしてきた心理学者が、悪事に直面すると人間は沈黙する、という人間の生来の性向の根底にある心理的要因を解説し、沈黙が悪事の継続にどれほど重要な役割を果たしているかを明らかにするとともに、道徳的な勇気を持つにはどうすればよいかを説いた本です。


高い自殺率、縮む給与差、育たぬ後任、辞めていく女性と若手―日本の管理職の異常な「罰ゲーム化」をデータで示し、解決策を提案した本です(著者はパーソル総合研究所の研究員。前著に『

マーシャル・ゴールドスミ
米アマゾンによれば、本書『コーチングの神様』と、同じく今回文庫化された『トリガー』は、「リーダーシップ本と成功本のトップ100リスト」(古典から現代までの経営本、自己啓発本で構成)に入っており、著者は、そのトップ100リストに2冊もランク入りしている、唯一の存命の作家(2024年時点)であるとのことです。


『
シモーヌ・ストルゾフ(ジャーナリスト、デザイナー兼働き方研究者)






因みに、本書に特効薬の研究開発者としてその名が出てくるウィリアム・キャンベルとともに、共同開発者として'15年にノーベル生理学・医学賞が授与されたのが(残念ながら本書にその名前が出てこないが)大村智・北里大特別栄誉教授です。本書では、4万種のバクテリアの抗寄生虫性を確かめたところ、効果があったものは1種類だったとありますが、それが、大村博士が伊東市の川奈ホテルゴルフ場近隣の土から採取した新種の放線菌でした。
第2章では、1949年にモンタナ州マン渓谷で起きたで起きた大規模な森林火災に立ち向かった森林消防隊長ワグナー・ドッジの話です。彼は、15人の部下とともに火の海に取り囲まれますが、"向かい火"というあえて足元に火を放つ手法で2人の部下と窮地を脱します。ただし、無口な性格から部下に自分の考えを説明しておらず、離反した残り13人の部下が焼死しました。リーダーには「己(の考え)を語る」ことが求められるということです。
第3章では、1970年のアポロ13号の宇宙飛行で、故障した宇宙船を無事地球に帰還させるために全権を与えられた管制官ユージン・クランツの話です。ここでは、困難だが失敗が許されない状況で、解決策が見つかるという揺るぎない信念で危機を耐え抜いた例を引いて、あらゆる状況で最善をつくすことがリーダーの要件であることを伝えています。
この話はアポロ13号の船長だったジム・ラヴェルらが『失われた月』(未訳)という本に著しており、ロン・ハワード監督により「アポロ13」('95年)というタイトルで映画化され、ラヴェル船長はトム・ハンクス、飛行主任ユージン・クランツはエド・ハリスが演じています。
第6章では、危機に瀕した米国最大の年金基金(教職員退職年金)を再建したクリフトン・ウォートンが、旧態依然とした巨大組織でのリストラをどのように進めたのか、第7章では、ソロモン社(ソロモン・ブラザーズ)のトップ(会長兼CE0)として部下の不正の報告を受けたジョン・グッドフレンドが、迅速な行動を怠ったためにその経営権を失い、ウォーレン・バフェットCEOに経営再建をゆだねることになった経緯が、第8章では、第三世界の女性のための銀行を設立したナンシー・バリーが、いかにして「自分の人生はこの仕事をするためにあった」との己れの天分を知るに至ったか、第9章では、エルサルバドルの大統領に選ばれたアルフレッド・クリスティアニが、内戦続きで荒廃した国を、交渉による同意を得ることで内戦を終結させた経緯が描かれています。

「アポロ13」●原題:APOLLO 13●制作年:1995年●制作国:アメリカ●監督:ロン・ハワード●製作:ブライアン・グレイザー●脚本:ウィリアム・ブロイルス・Jr./アル・レイナート●撮影: ディーン・カンディ●音楽:ジェームズ・ホーナー●原作:ジム・ラヴェル/ジェフリー・クルーガー●時間:140分●出演:トム・ハンクス/ケヴィン・ベーコン/ビ
ル・パクストン/ビル・パクストン/ゲイリー・シニーズ/エド・ハリス/キャスリーン・クインラン/ローレン・ディーン/ミコ・ヒューズ/ジーン・スピーグル・ハワード/トレイシー・ライナー/メアリー・ケイト・シェルハート/クリス・エリス/ザンダー・バークレー/クリント・ハワード/ベン・マーリー●日本公開:1995/07●配給:ユニヴァーサル映画=UIP(評価:★★★★)

![影響力の武器[新版].jpg](http://hurec.bz/book-movie/%E5%BD%B1%E9%9F%BF%E5%8A%9B%E3%81%AE%E6%AD%A6%E5%99%A8%EF%BC%BB%E6%96%B0%E7%89%88%EF%BC%BD.jpg)
『





1994年原著刊行(原題:The Oz Principle: Getting Results through Individual and Organizational Accountability)の本。本書で言う〈アカウンタビリティ〉とは「当事者意識を持って主体的に行動する力」という意味です。著者らは、アメリカで最もポピュラーな童話『オズの魔法使い』のテーマは、「登場人物たちが被害者意識から脱し、自分の持っている能力に気づく」ことであるとし、『オズ』の物語や登場人物になぞらえながら、個人と組織がアカウンタビリティを高めていく方法を解説しています。
映画化作品「オズの魔法使」('39年)が有名です(最近のソフト化作品は「魔法使い」と"い"を送ったりしている)。ヴィクター・フレミングが監督していますが、彼は同じ年に「風と共に去りぬ」も撮っています。初めて観た時は、教訓めいたものはあまり意識しなかったように思います(笑)。ただ、「風と共に去りぬ」と同じく戦後の公開で、当時これを観た日本人は、「風と共に去りぬ」同様に、こんな映画を作っていた国と戦争してしまったのかあ、これは勝てるわけがないと思ったのではないでしょうか。
MGMは当初、主人公ドロシーの役にシャーリー・テンプルを予定していましたが、20世紀FOXが彼女を貸さなかったため、当時無名のジュディ・ガーランドが起用されました。彼女が歌った主題歌「虹の彼方に」は、2001年に全米レコード協会等の主催で投票により選定された「20世紀の名曲」(Songs of the Century)で第1位に選ばれ、さらに2004年のAFIの「アメリカ映画主題歌ベスト100」でも第1位を獲得しています。
「オズの魔法使」●原題:THE WIZARD OF OZ●制作年:1939年●制作国:アメリカ●監督:ヴィクター・フレミング●製作:マーヴィン・ルロイ●脚本:ノエル・ラングレー/フローレンス・ライアソン/エドガー・アラン・ウルフ●撮影:ハロルド・ロッソン●音楽:ハーバート・ストサート●原作:ライマン・フランク・ボーム「オズの魔法使い」●時間:101分●出演:ジュディ・ガーランド/レイ・ボルジャー/ジャック・ヘイリー/バート・ラー/ビリー・バーク/マーガレット・ハミルトン/フランク・モーガンイ●日本公開:1954/12●配給:MGM●最初に観た場所:高田馬場・ACTミニシアター(84-06-05)(評価:★★★☆) 

個人的には、幸福感の50%は「遺伝」によって決まり、「環境」は10%で、あとの40%は「意図した活動」である、というソニア・リュボミアスキーの研究が興味深かったです。また、「コントロール感」は、ストレス耐性を高め、攻撃性を弱める、というのも、大いに得心が行きました。

リファラル採用とは、自社の社員から友人や知人などを紹介してもらう手法を指します。リファラル(referral)は、「推薦」や「紹介」という意味があり、人材市場が完全に売り手市場となっており、業界を問わず人手不足が叫ばれる中、注目を浴びつつある手法です。株式会社マイナビの、1年間(2020年1月~12月)に中途採用活動実績のある企業の人事担当者1,333件を対象にした「中途採用状況調査2021年版」によれば、リファラル採用を導入している企業は全体の56.1%でしたが、これはコロナ禍での調査であり、現時点ではさらなる普及が見込まれます。本書は、そうしたリファラル採用についてそのメリット・デメリットや導入の手順を解説したものです。