【058】 ○ 安田 佳生 『採用の超プロが教えるできる人できない人 (2003/02 サンマーク出版) ★★★☆

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実践に裏打ちされた言葉。経営者にとっては一読の価値あり?

採用の超プロが教えるできる人できない人.jpg 『採用の超プロが教えるできる人できない人』 サンマーク文庫 〔'03年〕 p0201.gif 安田佳生 氏

 「一人の採用に200万円かけろ」、「できる人から辞めていくというのはウソ」、「社員の満足なしに顧客の満足なんてない」など、見出し自体は、他の誰かでも言いそうなことばかりですが、本文に説得力があります。
 評論家の意見ではなく、採用コンサルティング会社のトップとして顧客に対し言い続け、自らの社内でも実践し、それによって会社を伸ばしてきた著者の考え方そのものだからでしょう。 

 中にはかなり、著者の会社の主たる顧客である「ベンチャー企業」寄りの提言もあり、「ストレス耐性」の不可欠性を強調するなど、これもある意味ベンチャー寄りの考え。ベンチャーって意外と体育会系のノリのところが多いのですが、「ストレス耐性」を一般論として強調しすぎるなど、やや時代にそぐわないのではと思わせる点もあります。 
 (この本自体が人生論のような色合いを帯びていることとも関係しているのでしょうが。)  

 しかし全体としてはベンチャーに限らず、企業のこれからの採用活動のあり方を、経営者のマインドセット(思い込み)を取り除くというやり方で、わかりやすく示唆していますので、経営者の方には一読の価値があるかも知れません。
 (繰り返しになりますが、人生論っぽい要素もあるので、読者との相性で受け入れられないということもあるかも知れませんが。)

 著者の会社の会社案内を何度か目にしましたが、既成概念にとらわれずグッと人を惹きつけるものです(まあ、会社案内を作っている会社の会社案内がショボくてはしょうがないけれど)。
 また、著者の会社には社長室がありませんでした。社長である著者は、社員のデスクの真ん中で仕事しています。

  ひとつケチをつければ、本書の前書きは一般のビジネスパーソン向けに書かれているのに、本文はおおかた経営者向けであること。
 続編『仕事の選び方人生の選び方』('06年/サンマーク出版)の前書きで初めて、前著は「経営者の方を対象としたつもり」と出てくるのは少しマズイのではないかと思いました。

 【2006年文庫化】

《読書MEMO》
『採用の超プロが教えるできる人できない人』
●世界でいちばん人件費の高い会社にしたい!
●八割の社長が間違った社員教育をしている(公文式でいくべき(100に対し120の仕事を))(18p)
●経験者=仕事ができるは間違い(特別な事情がない限り辞めない)

『採用の超プロが教える仕事の選び方人生の選び方』
●「話すのが好き」=接客業は間違い
●やりたいことを見つけるには「何をやるか」ではなく「誰とやるか」(顧客を含め)
●仕事ができる人ほど「サボっている」感覚を持つ(95点とっても残り5点が気になる)
●結果オーライからプロセスオーライへ(結果を自己評価してはいけない)

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