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マネジメントの観点からの「活用方法」に力点を置いた入門参考書。
『カラーでわかるキャッシュフロー戦略入門』 (2000/02 エクスメディア)
本書は、「キャッシュフロー入門」というより、まさにタイトル通り、キャッシュフローを絡めた「会計戦略入門」という内容の本で、書かれたのが金融ビックバンから会計ビッグバンにかけての時期なので、特にそれらのこととの関連で、大競争時代のトータル・キャッシュフロー・マネジメントはどうあるべきか、という方向へ論旨が帰結するように構成されています。
キャッシュフローの入門書は数多くあり、経理・財務部門でキャッシュフロー算定などを実務として行う人はそちらの方をとりあえず参照した方が良いと思いますが、経理・財務部門以外の人などで(経理・財務部門の人でもいいのですが)、キャッシュフローの背景や構造、それが何を表すか、なぜ重要なのかを知りたい人にとっては、最初の1冊としてお薦めできる入門参考書ではないかと思います。
「作成方法」よりも、マネジメントの観点からの「活用方法」が書かれているとでも言うべきでしょうか。最終章などはほとんど、例の〈スター〉〈問題児〉〈負け犬〉〈金のなる木〉の4つのセルから成る「PPM分析」との関係で述べられています。
「キャッシュフロー入門」の本に比べ「キャッシュフロー戦略」の本は、いきなり難解になるものが多いような気がしますが、この「超図解」シリーズは、もともと、エクセルやワードのマニュアル本を出しているシリーズです。
本書の体裁もそれらに沿ったものであり、ふんだんに図表を用い、かつオールカラーで見開きごとに1テーマであるため、読みやすいものとなっています。少なくとも、入り込みやすい。これは入門書として大事なことではないでしょうか。