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入門書としてならば「図解雑学M&A」クラスで充分だったかも。
『M & A の戦略と法務 (新版)(2005年版)』 『図解雑学M&A』(05年/ナツメ社)
M&Aの実務を中心に解説したもので、自分のレベルが『図解雑学M&A』('00年/ナツメ社)という入門書と併読という感じで選んだぐらいのレベルだったので、本書はやや難しかったし、「戦略」といっても、経営戦略としては抽象的なもので、具体的に詳しく述べられているのは「法務の戦略」ではないかと思ったりして...。
もちろん"法務の専門家ではない経営層や戦略部門にもわかりやすく"書いてあると言うように、M&Aの種類など丁寧に記されていますが、その先のノウハウについては、実際にM&Aの作業に入ると、法律や会計の専門家が担う部分がかなり含まれています。
新聞・ニュースなどで対等合併と言われているものも、法的には吸収合併がほとんどだそうですが、M&Aの実態は百社百様で、名称で括り切れない部分も多々あるかと思います(その意味では本書はむしろ、参考書として自らが対峙しているケースに当てはまる部分だけをを読むという使い方になるのでは)。
『M&Aの戦略と法務』も『図解雑学M&A』も共に、会社法改正に合わせて'05年に新版が出ていますが、企業内での法務の専門職ならばともかく、一般読者はまず「図解雑学シリーズ」クラスからのスタートでいいかも。
《読書MEMO》
●友好的M&Aの種類...①株式譲渡 ②新株引受 ③営業譲渡 ④合併
①〜③は原則として取締役会決議、④は加えて総会の特別決議(2/3以上)要
●新株引受の種類...①第三者割当増資 ②転換社債・ワラント債引き受け
●合併の種類...①新設合併 ②吸収合併