「●映画館」の インデックッスへ Prev|NEXT ⇒ 「●まんが・アニメ」【270】 夏目 房之介 『夏目房之介の漫画学』
「●フランソワ・トリュフォー監督作品」の インデックッスへ「●ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督作品」の インデックッスへ「●ルキノ・ヴィスコンティ監督作品」の インデックッスへ「●アンドレイ・タルコフスキー監督作品」の インデックッスへ「●フェデリコ・フェリーニ監督作品」の インデックッスへ「●あ行外国映画の監督」の インデックッスへ「●か行外国映画の監督」の インデックッスへ「●さ行の外国映画の監督②」の インデックッスへ「●た‐な行の外国映画の監督」の インデックッスへ「●は行の外国映画の監督①」の インデックッスへ「●は行の外国映画の監督②」の インデックッスへ「●ま行の外国映画の監督」の インデックッスへ「●や‐わ行の外国映画の監督①」の インデックッスへ「●や‐わ行の外国映画の監督②」の インデックッスへ「●や‐わ行の日本映画の監督」の インデックッスへ「●「フランス映画批評家協会賞(ジョルジュ・メリエス賞)」受賞作」の インデックッスへ(「アメリカの夜」「アデルの恋の物語」)「●「アカデミー国際長編映画賞」受賞作」の インデックッスへ(「アメリカの夜」)「●「全米映画批評家協会賞 作品賞」受賞作」の インデックッスへ(「アメリカの夜」)「●「ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞 外国語映画賞」受賞作」の インデックッスへ(「アデルの恋の物語」)「●「ロサンゼルス映画批評家協会賞 作品賞」受賞作」の インデックッスへ(「カッコーの巣の上で」)「●「カンヌ国際映画祭 パルム・ドール」受賞作」の インデックッスへ(「木靴の樹」)「●ジョルジュ・ドルリュー音楽作品」の インデックッスへ(「隣の女」「アメリカの夜」「終電車」「暗殺の森」)「●モーリス・ジャール音楽作品」の インデックッスへ(「地獄に堕ちた勇者ども」)「●ヘンリー・マンシーニ音楽作品」の インデックッスへ(「酒とバラの日々」)「●ニーノ・ロータ音楽作品」の インデックッスへ(「フェリーニの道化師」) 「●ジャクリーン・ビセット 出演作品」の インデックッスへ(「アメリカの夜」)「●ショーン・コネリー 出演作品」の インデックッスへ(「薔薇の名前」)「●ドナルド・サザーランド 出演作品」の インデックッスへ(「赤い影」)「●ジュリー・クリスティ出演作品」の インデックッスへ(「赤い影」)「●ジャンヌ・モロー 出演作品」のインデックッスへ(「ケレル」)「●カトリーヌ・ドヌーヴ 出演作品」のインデックッスへ(「終電車」)「●ヘルムート・バーガー 出演作品」の インデックッスへ(「地獄に堕ちた勇者ども」) 「●シャーロット・ランプリング 出演作品」の インデックッスへ(「地獄に堕ちた勇者ども」)「●ジャック・ニコルソン 出演作品」の インデックッスへ(「カッコーの巣の上で」)「●ケーリー・グラント 出演作品」の インデックッスへ(「シャレード」)「●オードリー・ヘプバーン 出演作品」の インデックッスへ(「シャレード」)「●ジェームズ・コバーン 出演作品」の インデックッスへ(「シャレード」)「●ハーヴェイ・カイテル 出演作品」の インデックッスへ(「レザボア・ドッグス」)「○外国映画 【制作年順】」の インデックッスへ 「○日本映画 【制作年順】」の インデックッスへ「●音楽・ミュージシャン」の インデックッスへ(「マーラー」)
個人的な思い出の記録でありながらも、記録・資料データが充実していた(貴重!)。



『ミニシアター再訪〈リヴィジテッド〉: 都市と映画の物語 1980-2023 』['24年]
1980年代初頭に大きく花開いた「ミニシアター」を、同時代を並走してきた映画評論家が、劇場や配給会社など当時の関係者たちの証言を集め、彼らの情熱と映画への愛、数々の名画の記憶とともに、都市と映画の「物語」を辿ったもので、取材がしっかりしいて(映画買い付け時のエピソードなどがあり興味深い)、情報面でも充実していました。
第1章のミニシアターというものが未知数だった「80年代」のトップは新宿「シネマスクエアとうきゅう」(81年12月、歌舞伎町「東急ミラノビル」3Fにオープン)。企業系ミニシアターの第1号で、1席7万円の椅子が売り物でした。柳町光男のインディペンデント作品「さらば愛しき大地」(82)が成功を収め10週上映、自分もここで観ました。さらにフランソワ・トリュフォー監督の隣家同士に住む男女の情愛を描いた、彼が敬愛したヒッチコックの影響が強い作品「隣の女」(81)が82年に12週上映(個人的には「五反田TOEIシネマ」のフランソワ・トリュフォー監督特集で、映画撮影の裏側を製作の進行と作製中の映画のストーリーをシンクロさせて描き、さらにその映画の監督役をトリュフォーが自ら演じるという3重構造映画「アメリカの夜」(73)(「アカデミー外国語映画賞」受賞作)、「隣の女」の前年作で、同じくジェラール・ドパルデューが出ていて、こちらはカトリーヌ・ドヌーヴと共演した「終電車」(80)と併せて観た)、ショーン。コネリー主演の「薔薇の名前」(87)
が16週上映(コピーは"中世は壮大なミステリー"。教養映画風だが実はエンタメ映画)、今で言うストーカーが主人公で、買い手がつかなかったのを買い取ったというパトリス・ルコントの「仕立て屋の恋」(89)が92年に16週上映、「青いパパイヤの香り」(93)が94年に14週上映だったと。個人的には、初期の頃にここで観た作品としては、本書にもある、カメラマン出身で「ベニスに死す」の監督ニコラス・ローグが、またもベニスを舞台に撮ったオカルト風サスペンの"幻の傑作"(本書。おそらく製作から本邦公開まで10年かかったからだろう)「赤い影」(74)(原作は「鳥」「レベッカ」などで知られるダフネ・デュ・モーリア)や、ケン・ラッセルの作曲家グスタフ・マーラーを題材にした「マーラー」(74)(この作品も製作から本邦公開まで10年以上の間がある。伝記映画だが内容はかなり恣意的解釈?)、ライナー・ヴェルナー・ファスビンダーのゲイ・ムービー「ファスビンダーのケレル」(82)(男色作家ジャン・ジュネの長編小説「ブレストの乱暴者」を、30歳代で他界したドイツの若手監督ファスビンダーが映画化した遺作。ヴェルナー・シュレーターやベルナルド・ベルトリッチもこの作品の映画化を企画したが実現しなかったという難解作で、個人的にも評価不能な面があった)などがあります。
六本木「俳優座シネマテン」(81年3月、「俳優座劇場」内にオープン)の「テン」は夜10時から映画上映するためだけでなく、ブレイク・エドワーズのコメディ「テン」(79)から
とったとのこと。トリュフォーの、フランスの文豪ヴィクトル・ユーゴーの次女アデルの狂気的な恋の情念を描いた「アデルの恋の物語」(75)はここでした。ルキノ・ヴィスコンティが看板監督で、「地獄に堕ちた勇者ども」(69)や「ベニスに死す」(79)のリバイバルもここでやり、ビデオが普及していない時代だったために成功、さらに「カッコーの巣の上で」(75)のリバイバルも。精神異常を装って刑務所での強制労働を逃れた男が、患者の人間性までを統制しようとする病院から自由を勝ちとろうと試みる物語でした(ニコルソンが初めてオスカーを手にした作品。冷酷な婦長を演じたルイーズ・フレッチャーも主演女優賞を受賞)。同じ六本木で2年遅れて開館したシネ・ヴィヴァンがダニエル・シュミットの「ラ・パロマ」をかけたのに対し、こちらはファッショナブルで官能的な「ヘカテ」(82)を上映、そして、この劇場の最大のヒットとなったのが、ジェームズ・アイヴォリーの「眺めのいい部屋」(86)で、87年に10週間のロングランになったとのことです。個人的には、ニキータ・ミハルコフのソ連版西部劇(?)「光と影のバラード」(74)やゴンザロ・スアレスの「幻の城/バイロンとシェリー」(88)などもここで観ました。
81年オープンのもう1館は、渋谷「パルコ・スペース・パート3」。ヴィスコンティの「郵便配達は二度ベルを鳴らす」(43)(ヴィスコンティの処女作。原作はアメリカのハードボイルド作家ジェームズ・M・ケイン。映画での舞台は北イタリア、ポー河沿いのドライブイン・レストランに。ファシスト政権下でオールロケ撮影を敢行した作品)、「若者のすべて」(60)、「イノセント」(76)などの上映で人気を博し、「若者のすべて」は九州から飛
行機でやってきて、ホテルに泊まり1週間通い詰めた人もいたとのこと。カルトムービーとインディーズのメッカでもあり、日本では長年オクラだった「ピンク・フラミンゴ」(72)は、86年に初めてここで正式上映されたとのこと、個人的には84年に「アートシアター新宿」で観ていましたが、その内容は正直、個人的理解を超えていました。99年に映画常設館「CINE QUINTO(シネクイント)」となり、これは第2章で「シネクイント」として取り上げられています。個人的には、初期の頃観た作品では、フランスの女流監督コリーヌ・セローの「彼女と彼たち-なぜ、いけないの-」(77)、チェコスロバキアのカレル・スミーチェクの「少女・少女たち」(79)、台湾の侯孝賢(ホウ・シャオシェン)の「坊やの人形」(83)、スイスのブルーノ・モールの「わが人生」(83)、韓国の李長鍋(イー・チャンホー)の「寡婦の舞」(84)、ニュージーランドのビンセント・ウォードの「ビジル」(84)などがあります(これだけでも国が多彩)。「彼女と彼たち」は、男2人女1人の3人組で、女が唯一の稼ぎ手で、男が家事を担当し、3人で一つのベッドに眠るというややアブノーマルな生活を、繊細な演出でごく自然に描いてみせた、パルコらしい上映作品であり佳作、「寡婦の舞」は、東京国際映画祭の一環としてパルコで上映された韓国映画で、生活苦など諸々の不幸から"踊る宗教"へ傾倒する未亡人を中心に、韓国の日常をユーモラスに描いた作品、「ビジル」は、ニュージーランドの辺境に両親・祖父と暮らす少女の無垢な感受性をナイーブな映像表現で伝えた作品でした(佳作だが、やや地味か)。
「シネヴィヴァン六本木」(83年11月「WAVEビル」地下1階にオープン)は、オープン2本目でゴッドフリー・レジオ監督の「コヤニスカッティ」(82)を上映、アメリカの大都市やモニュメントバレーなどを映したイメージビデオ風ドキュメンタリー。コヤニスカッティとはホピ族の言葉で「平衡を失った世界」。延々と続いた早回しシーンがスローモーションに転じた途端に眠気に襲われました。アンドレイ・タルコフスキー監督の「ノスタルジア」(83)が84年に7週間上映、ビクトル・エリセ監督の「ミツバチのささやき」(73)が製作から12年遅れの上映で、12週間上映のヒットに。フレディ・M・ムーラー
監督の「山の焚火」(85)も86年に7週間上映されたとのことで、個人的にもここで観ました。さらに、エリック・ロメール監督の「満月の夜」(84)(ユーロスペース配給)や「緑の光線」(86)(シネセゾン配給)など一連の作品の上映も注目を集めたとのことです。個人的には、侯孝賢(ホウ・シャオシェン)の「童年往時-時の流れ-」(89)、ベルナルド・ベルトリッチの「暗殺の森」(70)、ピーター・グリーナウェイの「数に溺れて 悦楽の夫殺しゲーム」(88)などもここで観ました。ベルトリッチの「暗殺の森」は、「暗殺のオペラ」とほぼ同時期に作られましたが、日本での公開はこちらの方が先で、六本木シネヴィヴァンでの上映は「リバイバル上映」です。
「ユーロスペース」(82年、渋谷駅南口桜丘町「東武富士ビル」2Fにオープン)は、85年6月のデヴィッド・クローネンバーグ監督の「ヴィデオドローム」(82)の上映から映画だけ上映する常設館になったとのこと(その前から、キートンの映画などをよくここで観た。欧日協会の旅行代理店が入っていた)、並行してレイトショー公開されたルネ・ラルー監督の「ファンタスティック・プラネット」(73)もヒットし、クローネンバーグ監督が続いて撮ったが行き場を失っていたスティ
ーヴン・キング原作の「デッドゾーン」(83)もここで上映され、1か月強の限定公開にもかかわらず8000人を動員、個人的にも85年の6月と7月に、ここでそれぞれ「ヴィデオドローム」と「デッドゾーン」を観ました。でも何と言ってもこの劇場の名を世間に知らしめたのは、原一男の「ゆきゆきて、神軍」(87)で、26週間の記録的なロングランに。張藝謀(チャン・イーモウ)監督のデビュー作「紅いコーリャン」(87)を観たのもここでした。山口百恵の「赤い疑惑」が中国で大ヒットし、コン・リーが中国の"山口百恵"と呼ばれていた頃です。ここではそのほかに、本書でも紹介されている山本政志監督の「闇のカーニバル」(81)(「ロビンソンの庭」(87)の山本政志監督が高い評価を受けるきっかけとなったモノクロ16ミリの意欲作。子どもを男友達に預けて、夜の新宿をトリップする女性ロック歌手を演じた太田久美子は、本業もロック歌手。「ロビンソンの庭」の原点的なパアフル作品で、個人的にはユーロスペースでの5年後の再上映の際も観に行った)や「バグダッド・カフェ」(87)、奴隷狩りから逃れ、地球に不時着した異星人"ブラザー"がNYに辿り着くというところから話が始まる、ジョン・セイルズの「ブラザー・フロム・アナザー・プラネット」(84)などもここでした(ジョン・セイルズ監督自身が異星人を追う賞金稼ぎの異星人(白人に化けている)の1人の役で出演している)。
「シャンテ・シネ」(87年、日比谷映画跡地にオープン)は、今の
「TOHOシネマズ シャンテ」。ここの大ヒット作は何と言っても88年公開の「ベルリン・天使の詩」(87)で、30週のロングランという単館ロード全体の記録を打ち立てたとのこと(動員数は16.6万人)。侯孝賢(ホウ・シャオシェン)の「悲情城市」(89)は90年に17週間上映され、シャンテの歴代興行第11位、ジム・ジャームッシュの「ナイト・オン・ザ・プラネット」(91)は92年に21週のロングランで歴代興行第4位、ジェーン・カンピオン監督の「ピアノ・レッスン」(93)は、公開30周年記念の4K版を今年[24年]ここで観ました。「ドゥ・ザ・ライト・シング」(89)も興行的に成功し、「日の名残り」(93)は94年に17週間上映で歴代興行第6位と、これもまた人気を呼んだとのことです。でも、2018年に東京ミッドタウン日比谷がオープンしてからここって「TOHOシネマズ日比谷」の付帯映画施設みたいなイメージになってるなあ、名称も「TOHOシネマズシャンテ」であるし。
「シネスイッチ銀座」(87年にオープン)は、個人的には前身の「銀座文化劇場・銀座ニュー文化」さらに「銀座文化1・2」の頃から利用していましたが、"シネスイッチ"は、洋画と邦画の2チャンネルを持つという意味でのネーミングだそうで、ジェームズ・アイヴォリーの「モーリス」(87)や滝田洋二郎の「木村家の人々」(88)はここでした。「モーリス」は88年に15週のロングランを記録したそうですが、シネスイッチ銀座の歴代興行の金字塔は「ニュー・シネマ・パラダイス」(88)で、都内では1館だけ(東京に限って言えば"単館")で40週上映(観客動員26万人)、この記録はミニシアターの歴史上で破られていないとのことです。個人的には「運動靴と赤い金魚」(97)などもここで見ました。実は、地下1階の「銀座文化」が「シネスイッチ銀座」になったとき、3階の「銀座文化2」は「銀座文化劇場」の名に戻っていて(97年4月に「シネスイッチ銀座1・2」としてリニューアルするまで)、主に古い洋画のリバイバル上映をしていました。個人的には、例えば88年だけでも「サンセット大通り」(50)、「ヘッドライト」(56)、「避暑地の出来事」(59)、「酒とバラの日々」(62)、「シャレード」(63)をここで観ていますが、当時の館名に沿えば、「シネスイッチ」ではなく「銀座文化劇場」で観たことになります。「避暑地の出来事」は、マックス・スタイナー作曲のテーマ音楽をパーシー・フェイスがカバーし発売された「夏の日の恋(Theme from A Summer Place)」が有名、「酒とバラの日々」と「シャレード」はヘンリー・マンシーニの音楽で知られています。
第2章のブームの到来の「90年代」のトップは渋谷「シネマライズ」(86年6月、渋谷 スペイン坂上「ライズビル」地下1階にオープン)。劇場の認知度を上げたのは86年7月公開のトニー・リチャードソンの「ホテル・ニューハンプシャー」(84)で、89年には「バグダッド・カフェ」(87)、93年には「レザボア・ドッグス」(92)がかっています。「レザボア・ドッグス」は公開当時は大コケだったそうです。「バグダッド・カフェ」は地下1階で観ましたが、「レザボア・ドッグス」はビデオで観て(ミニシアターブームの到来とビデオの普及時期が重なる)、最近、映画館(早稲田松竹)で観直しました。96年に、2階の劇場(元渋谷ピカデリー)もオープンし、オープニング作品は、エミール・クストリッツァ監督がカンヌ国際映画祭パルム・ドールを受賞した快作(怪作?)「アンダーグラウンド」(95)。その後、ウォン・カーウァイの「ブエノスアイレス」(97)が26週上映、ジャン=ピエール・ジュネの「アメリ」(01)は35週上映で、シネマライズの歴代ナンバーワン興行収入作品となりました。さらには、ソフィア・コッポラ「ロスト・イン・トランスレーション」(03)(17週上映)、アン・リー「ブロークバック・マウンテン」(05)(15週上映)なども。第3章の方で出てきますが、「ロッキー・ホラー・ショー」(75)を80年代に本来の「観客体験型」ムービーとしてリバイバル上映したのもシネマライズでした(地下1階で、上映中結婚式の場面でライスシャワー、雨の場面で水シャワーがかけられた。あれ、あとの掃除が大変だったろうなあ)。

2011年に閉館した「シネセゾン渋谷」 (85年11月、渋谷道玄坂「ザ・プライム渋谷」6Fにオープン)はリバイバル上映に個性があり、市川崑の「黒い十人の女」(61)をレイトショーで97年11月から13週上映、その前、92年には、リュック・ベッソンの「グラン・ブルー」(88)(88年に英語版で上映された「グレート・ブルー」に48分の未公開シーン(変な日本人ダイビング・チームとかも出てくる)を加えて再編集した168分のフランス語版)が独占公開され、ヒットしています。
「ル・シネマ」(89年9月、渋谷道玄坂・Bunkamura6階にオープン)の方は東急系で、92年にかけられたジャック・リヴェット監督(原作はバルザック)のフランス映画「美しき諍い女」(91)に代表されるヨーロッパ系の映画が強い劇場ですが、アジア系も強く、陳凱歌(チェン・カイコー)の「さらば、わが愛/覇王別姫」(93)を94年に26週上映、陳凱歌(チェン・カイコー)監督、レスリー・チャン、コン・リー
主演の「花の影」(96)も17週上映、今世紀に入ってからは、張藝謀(チャン・イーモウ)監督、チャン・ツィイー主演の「初恋のきた道」(99)を00年末から24週上映(歴代5位)していますが、個人的いちばんは、ウォン・カーウァイ監督の「花様年華」(00)です。ウォン・カーウァイ監督作は「ブエノスアイレス」などがシネマライズで上映されていましたが、「花様年華」は女性層狙いだったので、シネマライズから回ってきたそうです。近年では、休館前に濱口竜介監督の一連の作品を観ました。
「恵比寿ガーデンシネマ」(94年10月、恵比寿ガーデンテラス弐番館内にオープン)は、ポール・オースター原作、ウェイン・ワン監督の、ニューヨークのタバコ屋の人間模様を描いた「スモーク」(95)のような渋い作品をやっていました。個人的には、ロイ・アンダーソンの「散歩する惑星」(00年)などをここで見観ました。本書にもある通り、11年1月28日をもって休館し、15年3月、今度はサッポロビールとユナイテッドシネマの共同経営で「YEBISU GARDEN CINEMA」として再オープンしています。
第2章の最後は、「岩波ホール」(68年オープン、74年から映画常設館に)。サタジット・レイ「大樹のうた」(59)が本格オープン作で、ATGの「大河のうた」の興行成績が厳しく、次作上映ができなかったところへ、高野悦子総支配人が手をさしのべ、7
4年2月にロードショー。4週間後にホールは満席になったといいます(因みに、サタジット・レイの「大地のうた三部作」のうち「大河のうた」は結末がハッピーエンドでないため、インドでも興行上は振るわなかった)。その後も、75年にルネ・クレールの「そして誰もいなくなった」(45)、衣笠貞之助の「狂った一頁」(26)、76年に「フェリーニの道化師」(70)、77年にアンドレイ・タルコフスキーの「惑星ソラリス」(72)、78年にゲオルギー・シェンゲラーヤの「ピロスマニ」(69)などの上映がありましたが、78年から79年にかけてルキノ・ヴィスコンティの「家族の肖像」 (74)を上映したら10週間超満員が続く盛況ぶりだったとのこと(岩波ホールといえばコレという感じか)。79年にエルマンノ・オルミの「木靴の樹」(78)(北イタリアの貧しい農村の生活をエピソードを重ねながら丹念に描く、ネオレアリズモの継承者と呼ばれるにふさわしい佳作。カンヌ映画祭パルムドール受賞作)や、テオ・アンゲロプロスの「旅芸人の記録」(75)が上映され、80年にはヴィスコンティ の「ルートヴィヒ/神々の黄昏」(72)が。歴代興行第1位は、98年に封切られたメイベル・チャンの「宋家の三姉妹」(97)(高野悦子も三姉妹でこの作品にひかれたのではとのこと)、岩波ホール創立30周年記念作品でもあり、31週上映だったそうです(アンコール上映も併せると45週、18.7万人を動員)。アンジェイ・ワイダの「大理石の男」(77)(ワイダは初期作品の方がインパクトがあった)など、社会的テーマの作人も多く上映されました。個人的には、カール・テオドア・ドライヤー監督の「奇跡」(56)やジュールス・ダッシン監督の「女の叫び」(78)(「日曜日はダメよ」のメリナ・メルクーリと「アリスの恋」のエレン・バースティンの演技派女優の競演はバーンスティンに軍配を上げたい)、アンドレイ・タルコフスキーの「鏡」(80)をここで観ましたが、ルキノ・ヴィスコンティ監督(アルベール・カミュ原作)の「異邦人」は、「岩波シネサロン」(岩波ホール9F)で観ました。
2022年2月7日朝日新聞デジタル「ミニシアターの道、開いた岩波ホール 54年の歴史、7月に幕 コロナ影響」

第3章は変化する「2000年代」で、このあたりから映画観ごとより全体の流れを追っていく感じで、その中で「ミニシアター最後の日」として、13年の銀座テアトルシネマ、14年の吉祥寺バウスシアター、16年のシネマライズの最後の日を取材したものを載せています。銀座テアトルシネマは伝説的な映画館テアトル東京の跡地に87年オープン、吉祥寺バウスシアターは84年に前身の武蔵野映画劇場(吉祥寺ムサシノ)がアート系映画館に生まれ変わったものでした。86年オープンのシネマライズもそうですが、いずれも30年前後の歴史があり、その閉館は寂しいものです。ただし、今後のミニシアターの展望も含め、著者の12年間もの長期に及ぶ取材がしっかり纏められており、懐かしさを掻き立てられるだけでなく、資料としても第一級のものになっていると思います。

「隣の女」●原題:LA FEMME DA'COTE(英:THE WOMAN NEXT DOOR)●制作年:1981年●制作国:フランス●監督:フランソワ・トリュフォー●製作:フランソワ・トリュフォー/シュザンヌ・シフマン●脚本:フランソワ・トリュフォー/シュザンヌ・シフマン/ジャン・オーレル●撮影:ウィリアム・ルプシャンスキー●音楽:ジョルジュ・ドルリュー●時間:107分●出演:ジェラール・ドパルデュー/ファニー・アルダン/アンリ・ガルサン/ミシェル・ボートガルトネル/ヴェロニク・シルヴェール/ロジェ・ファン・ホール/オリヴィエ・ベッカール●日本公開:1982/12●配給:東映ユニバースフィルム●最初に観た場所:五反田TOEIシネマ(83-10-01)(評価:★★★)●併映:「アメリカの夜」(フランソワ・トリュフォー)/「終電車」(フランソワ・トリュフォー)

「アメリカの夜(映画に愛をこめて アメリカの夜)」●原題:LA NUIT AMERICAINE(英:DAY FOR NIGHT)●制作年:1973年●制作国:フランス●監督・脚本:フランソワ・トリュフォー●製作:マルセル・ベルベール●撮影:ピエール=ウィリアム・グレン●音楽:ジョルジュ・ドルリュー●時間:115分●出演:ジャクリーン・ビセット/ヴァレンティナ・コルテーゼ/ジャン=ピエール・オーモン/ジャン=ピエール・レオ/アレクサンドラ・スチュワルト/フランソワ・トリュフォー/ジャン・シャンピオン/ナタリー・バイ/ダニ/ベルナール・メネズ●日本公開:1974/09●配給:ワーナー・ブラザース●最初に観た場所:五反田TOEIシネマ(83-10-01)(評価:★★★☆)●併映:「隣の女」(フランソワ・トリュフォー)/「終電車」(フランソワ・トリュフォー)

「終電車」●原題:LE DERNIER METRO(英:THE LAST METRO)●制作年:1980年●制作国:フランス●監督:フランソワ・トリュフォー●製作:マルセル・ベルベール●脚本:フランソワ・トリュフォー/シュザンヌ・シフマン●撮影:ネストール・アルメンドロス●音楽:ジョルジュ・ドルリュー●時間:134分●出演:カトリーヌ・ドヌーヴ/ジェラール・ドパルデュー/ジャン・ポワレ/ハインツ・ベネント/サビーヌ・オードパン/ジャン=ルイ・リシャール/アンドレア・フェレオル/モーリス・リッシュ/ポーレット・デュボスト/マルセル・ベルベール●日本公開:1982/04●配給:東宝東和●最初に観た場所:五反田TOEIシネマ(83-10-01)(評価:★★★)●併映:「アメリカの夜」(フランソワ・トリュフォー)/「終電車」(フランソワ・トリュフォー)

「薔薇の名前」●原題:LE NOM DE LA ROSE●制作年:1986年●制作国:フランス・イタリア・西ドイツ●監督:ジャン=ジャック・アノー●製作:ベルント・アイヒンガー●脚本:アンドリュー・バーキン●撮影:トニーノ・デリ・コリ●音楽:ジェームズ・ホーナー●原作:ウンベルト・エーコ●時間:132分●出演:ショーン・コネリー/クリスチャン・スレーター/F・マーリー・エイブラハム/ロン・パールマン/フェオドール・シャリアピン・ジュニア/エリヤ・バスキン/ヴォルカー・プレクテル/ミシェル・ロンスダール/ヴァレンティナ・ヴァルガス●日本公開:1987/12●配給:ヘラルド・エース●最初に観た場所(再見):新宿武蔵野館(23-04-18)(評価:★★★)

「赤い影」●原題:DON'T LOOK NOW●制作年:1973年●制作国:イギリス・イタリア●監督: ニコラス・ローグ●製作:ピーター・カーツ●脚本:アラン・スコット/クリス・ブライアント●撮影:アンソニー・B・リッチモンド●音楽:ピノ・ドナッジオ●原作:ダフニ・デュ・モーリエ「いまは見てはだめ」●時間:110分●出演:ドナルド・サザーランド/ジュリー・クリスティ
/ヒラリー・メイソン/クレリア・マタニア/マッシモ・セラート/レナート・スカルパ/ジョルジョ・トレスティーニ/レオポルド・トリエステ●日本公開:1983/08●配給:ヘラルド・エース●最初に観た場所:新宿・シネマスクエアとうきゅう(83-09-11)(評価:★★★)

「マーラー」●原題:MAHLER●制作年:1974年●制作国:イギリス●監督・脚本:ケン・ラッセル●製作:ロイ・ベアード●撮影:ディック・ブッシュ●音楽:グスタフ・マーラー/リヒャルト・ワーグナー/ダナ・ブラッドセル●時間:115分●出演:ロバート・パウエル/ジョージナ・ヘイル/リー・モンタギュー/ロザリー・クラチェリー●日本公開:1987/06●配給:俳優座シネマテン=フジテレビ●最初に観た場所:新宿・シネマスクエアとうきゅう(87-06-21)(評価:★★★)

「ケレル(ファスビンダーのケレル)」●原題:QUERELLE●制作年:1982年●制作国:西ドイツ/フランス●監督:ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー●脚本:
ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー/ブルクハルト・ドリースト●撮影: クサファー・シュヴァルツェンベルガー/ヨーゼフ・バブラ●音楽:ペール・ラーベン●原作:ジャン・ジュネ『ブレストの乱暴者』●時間:108分●出演:ブラッド・デイヴィス/ジャンヌ・モロー/フランコ・ネロ/ギュンター・カウフマン/ハンノ・ポーシェル●日本公開:1985/05●配給:人力飛行機舎=デラ●最初に観た場所:新宿・シネマスクエアとうきゅう(88-05-28)(評価:★★★?)

「アデルの恋の物語」●原題:L'HISTOIRE D'ADELE H.(英:THE STORY OF ADELE H.)●制作年:1975年●制作国:フランス●監督・製作:フランソワ・トリュフォー●脚本:フランソワ・トリュフォー/ジャン・グリュオー/シュザンヌ・シフマン●撮影:ネストール・アルメンドロス●音楽:モーリス・ジョベール●原作:フランセス・ヴァーノア・ギール『アデル・ユーゴーの日記』●時間:96分●出演:イザベル・アジャーニ/ブルース・ロビンソン/シルヴィア・マリオット/ジョゼフ・ブラッチリー/イヴリー・ギトリス●日本公開:1976/04●配給:ユナイテッド・アーティスツ●最初に観た場所:大塚名画座(78-12-08)(評価:★★★★)●併映:「二十歳の恋」(フランソワ・トリュフォー/ロベルト・ロッセリーニ/石原慎太郎/マックス・オフュルス/アンジェイ・ワイダ)

「地獄に堕ちた勇者ども」●原題:THE DAMNED(独:Götterdämmerung)●制作年:1969年●制作国:イタリア・西ドイツ・スイス●監督:ルキノ・ヴィスコンティ●製作:アルフレッド・レヴィ/エヴェール・アギャッグ●脚本:ルキノ・ヴィスコンティ/ニコラ・バダルッコ/エンリコ・メディオーリ●撮影:アルマンド・ナンヌッツィ/パスクァリーノ・デ・サンティス●
音楽:モーリス・ジャール●時間:96分●出演:ダーク・ボガード/イングリッド・チューリン/ヘルムート・バーガー/ラインハルト・コルデホフ/ルノー・ヴェルレー/アルブレヒト・シェーンハルス/ウンベルト・オルシーニ/シャーロット・ランプリング/ヘルムート・グリーム/フロリンダ・ボルカン●日本公開:1970/04●配給:ワーナー・ブラザース●最初に観た場所:大塚名画座(79-02-07)(評価:★★★★)●併映:「ベニスに死す」(ルキノ・ヴィスコンティ)
「カッコーの巣の上で」●原題:ONE FLEW OVER THE CUCKOO'S NEST●制作年:1975年●制作国:アメリカ●監督:ミロス・フォアマン●製作:ソウル・ゼインツ/マイケル・ダグラス●脚本:ローレンス・ホーベン/ボー・ゴールドマン●撮影:ハスケル・ウェクスラー●音楽:ジャック・ニッチェ●原作:ケン・キージー『カッコウの巣の上で』●時間:133分●出演:
ジャック・ニコルソン/ルイーズ・フレッチャー/マイケル・ベリーマン/ウィリアム・レッドフィールド/ブラッド・ドゥーリフ/クリストファー・ロイド/ダニー・デヴィート/ウィル・サンプソン●日本公開:1976/04●配給:ユナイテッド・アーティスツ●最初に観た場所:テアトル吉祥寺(82-03-13)(評価:★★★★)●併映:「ビッグ・ウェンズデー」(ジョン・ミリアス)

「光と影のバラード」●原題:Свой среди чужих, чужой среди своих(英題:AT HOME AMONG STRANGERS)●制作年:1974年●制作国:ソ連●監督:ニキータ・ミハルコフ●脚本:エドゥアルド・ボロダルスキー/ニキータ・ミハルコフ●撮影:パーベル・レベシェフ●音楽:エドゥアルド・アルテミエフ●時間:95分●出演:ユーリー・ボガトィリョフ/アナトリー・ソロニーツィン/セルゲイ・シャクーロフ/アレクサンドル・ポロホフシコフ/ニコライ・パストゥーホフ/アレクサンドル・カイダノフスキー/ニキータ・ミハルコフ●日本公開:1982/10●配給:日本海映画●最初に観た場所:六本木・俳優座シネマテン(82-11-21)(評価:★★★☆)

「郵便配達は二度ベルを鳴らす」●原題:OSSESSIONE●制作年:1943年●制作国:イタリア●監督:ルキノ・ヴィスコンティ●製作:カミッロ・パガーニ●脚本:ルキノ・ヴィスコンティ/マリオ・アリカータ/ジュゼッペ・デ・サンティス/ジャンニ・プッチーニ●撮影:アルド・トンティ/ドメニコ・スカーラ●音楽:ジュゼッペ・ロゼーティ●原作:ジェームズ・M・ケイン●時間:140分●出演:マッシモ・ジロッティ/クララ・カラマイ/ファン・デ・ランダ/ディーア・クリスティアーニ/エリオ・マルクッツォ/ヴィットリオ・ドゥーゼ●日本公開:1979/05●配給:インターナショナル・プロモーション●最初に観た場所:池袋・文芸坐(79-09-24)(評価:★★★★)●併映:「家族の肖像」(ルキノ・ヴィスコンティ)

「ピンク・フラミンゴ」●原題:PINK FLAMINGOS●制作年:1972年●制作国:アメリカ●監督・製作・脚本・撮影:ジョン・ウォーターズ●時間:93分●出演:ディヴァイン/ディビッド・ロチャリー/メアリ・ヴィヴィアン・ピアス●日本公開:1986/06●配給:東映=ケイブルホーグ●最初に観た場所:渋谷・アートシアター新宿(84-08-01)(評価:★★★?)●併映:「フリークス・神の子ら(怪物団)」(トッド・ブラウニング)

「彼女と彼たち-なぜ、いけないの-」●原題:POURQUOI PAS!●制作年:1977年●制作国:フランス●監督・脚本:コリーヌ・セロー●製作:ミシェル・ディミトリー●撮影:ジャン=フランソワ・ロバン●音楽:ジャン=ピエール・マス●時間:97分●出演:サミー・フレイ/クリスチーヌ・ミュリロ/マリオ・ゴンザレス/ニコル・ジャメ●日本公開:1980/11●配給:フランス映画社●最初に観た場所:渋谷・パルコスペース3(84-06-17)(評価:★★★★)

「寡婦(やもめ)の舞」●原題:과부춤(英:WIDOW DANCING)●制作年:1984年●制作国:韓国●監督:李長鍋(イー・チャンホ)●脚本:李長鍋(イー・チャンホ)/李東哲(イ・ドンチョル)/イム・ジンテク●撮影:ソ・ジョンミン●原作:李東哲(イ・ドンチョル)『五人の寡婦』●時間:114 分●出演:イ・ボイ(李甫姫)/パク・ウォンスク(朴元淑)/パク・チョンジャ(朴正子)/キム・ミョンコン(金明坤)/パク・ソンヒ/チョン・ジヒ/ヒョン・ソク/クォン・ソンドク/ソ・ヨンファン/イ・ヒソン●日本公開:1985/09●配給:発見の会●最初に観た場所:渋谷・パルコスペース3(「東京国際映画祭」)(85-06-02)(評価:★★★☆)

「ビジル」●原題:VIGIL●制作年:1984年●制作国:ニュージーランド●監督:ヴィンセント・ウォード●製作:ジョン・メイナード●脚本:ヴィンセント・ウォード/グレーム・テットリー●撮影:アルン・ボリンガー●音楽:ジャック・ボディ●時間:114 分●出演:ビル・カー/フィオナ・ケイ/ペネロープ・スチュアート/ゴードン・シールズ●日本公開:1988/02●配給:ギャガ・コミュニケーションズ●最初に観た場所:渋谷・パルコスペース3(85-06-02)(評価:★★★☆)

「コヤニスカッティ(コヤニスカッツィ)」●原題:KOYANISQATSI●制作年:1982年●制作国:アメリカ●監督:ゴッドフリー・レッジョ●製作:フランシス・フォード・コッポラ/ゴッドフリー・レッジョ●脚本:ロン・フリック/ゴッドフリー・レッジョ●撮影:ロン・フリッケ●音楽:フィリップ・グラス●時間:87分●日本公開:1984/01●配給:ヘラルド・エース●最初に観た場所:大森・キネカ大森(84-06-02)(評価:★★☆)

「ノスタルジア」●原題:NOSTALGHIA●制作年:1983年●制作国:イタリア・ソ連●監督:アンドレイ・タルコフスキー●製作:レンツォ・ロッセリーニ/マノロ・ポロニーニ●脚本: アンドレイ・タルコフスキー/トニーノ・グエッラ●撮影:ジュゼッペ・ランチ●時間:126分●出演:オレーグ・ヤンコフスキー/エルランド・ヨセフソン/ドミツィアナ・ジョルダーノ/パトリツィア・テレーノ/ラウラ・デ・マルキ/デリア・ボッカルド/ミレナ・ヴコティッチ●日本公開:1984/03●配給:ザジフィルムズ●最初に観た場所:Bunkamura ル・シネマ渋谷宮下(24-02-13)(4K修復版)(23-02-08)(評価:★★★★)

「暗殺の森」●原題:CONFORMISTA●制作年:1970年●制作国:イタリア・フランス・西ドイツ●監督・脚本:ベルナルド・ベルトリッチ●撮影:ヴィットリオ・ストラーロ●音楽:ジョルジュ・ドルリュー●原作:アルベルト・モラヴィア『孤独な青年』●時間:115分●出演:ジャン=ルイ・トランティニャン/ステファニア・サンドレッリ/ドミニク・サンダ/エンツォ・タラシオ●日本公開:1972/09●配給:パラマウント映画=CIC●最初に観た場所:シネヴィヴァン六本木(84-06-21)(評価:★★★☆)

「闇のカーニバル」●制作年:1981年●●監督・脚本・撮影:山本政志●製作:伊地知徹生/山本政志●時間:118分●出演:太田久美子/桑原延亮/中島稔/太田行生/じゃがたら/遠藤ミチロウ/伊藤耕/中島稔/前田修/山口千枝●公開:1981/12●配給:CBC=斜眼帯●最初に観た場所:渋谷・ユーロスペース(83-07-16)●2回目:渋谷・ユーロスペース(88-07-09)(評価:★★★★)

「ブラザー・フロム・アナザー・プラネット」●原題:THE BROTHER FROM ANOTHER PLANET●制作年:1984年●制作国:アメリカ●監督・脚本:ジョン・セイルズ●製作:ペギー・ラジェスキー/マギー・レンジー●撮影:アーネスト・ディッカーソン●音楽:メイソン・ダーリング●時間:110分●出演:ジョー・モートン/ダリル・エドワーズ/スティーヴ・ジェームズ/レナード・ジャクソン/ジョン・セイルズ/キャロライン・アーロン/デヴィッド・ストラザーン●日本公開:1986/05●配給:ユーロスペース●最初に観た場所:ユーロスペース(86-06-14)(評価:★★★★)
「ナイト・オン・ザ・プラネット」●原題:NIGHT ON EARTH●制作年:1991年●制作国:アメリカ●監督・製作・脚本:ジム・ジャームッシュ●撮影:フレデリック・エルムス●音楽:トム・ウェイツ●時間:129分●出演:(ロサンゼルス)ウィノナ・ライダー/ジーナ・ローランズ/(ニューヨーク)アーミン・ミューラー=スタール/ジャンカルロ・エスポジート/アンジェラ - ロージー・ペレス/(パリ) イザック・ド・バンコレ/ベアトリス・ダル/(ローマ)ロベルト・ベニーニ/パオロ・ボナチェリ/(ヘルシンキ) マッティ・ペロンパー/カリ・ヴァーナネン/サカリ・クオスマネン/トミ・サルミラ●日本公開:1992/04●配給:フランス映画社(評価:★★★★)●最初に観た場所(再見):シネマート新宿(スクリーン2)(24-03-08)

「ピアノ・レッスン」●原題:OPPENHEIMER●制作年:1993年●制作国:オーストラリア/ニュージーランド/仏●監督・脚本:ジェーン・カンピオン●製作:ジェーン・チャップマン●撮影:スチュアート・ドライバーグ●音楽:マイケル・ナイマン●時間:121分●出演:ホリー・ハンター/ハーヴェイ・カイテル/サム・ニール/アンナ・パキン/ケリー・ウォーカー/ジュヌヴィエーヴ・レモン/トゥンギア・ベイカー/イアン・ミューン●日本公開:1994/02●配給:フランス映画社●最初に観た場所(再見):TOHOシネマズシャンテ(24-04-08)(評価:★★★★)

「避暑地の出来事」●原題:A SUMMER PLACE●制作年:1959年●制作国:アメリカ●監督・製作・脚本:デルマー・デイヴィス●撮影:ハリー・ストラドリング●音楽:マックス・
スタイナー●原作:スローン・ウィルソン『避暑地の出来事』●時間:131分●出演:リチャード・イーガン/ドロシー・マクガイア/トロイ・ドナヒュー/ サンドラ・ディー/アーサー・ケネディ●日本公開:1960/04●配給:ワーナー・ブラザース●最初に観た場所:銀座文化劇場(84-06-21)(評価:★★★☆)

「酒とバラの日々」●原題:DAYS OF WINE AND ROSES●制作年:1962年●制作国:アメリカ●監督:ブレイク・エドワーズ●製作:マーティン・マヌリス●脚本:J・P・ミラー●撮影:フィル・ラスロップ●音楽:ヘンリー・マンシーニ●時間:117分●出演:ジャック・レモン/リー・レミック/チャールズ・ビックフォード/ジャック・クラグマン/アラン・ヒューイット●日本公開:1963/05●配給:ワーナー・ブラザース●最初に観た場所:銀座文化劇場(88-07-20)(評価:★★★★)

「シャレード」●原題:CHARADE●制作年:1963年●制作国:アメリカ●監督:スタンリー・ドーネン●製作:マーティン・マヌリス●脚本:J・P・ミラー●撮影:フィル・ラスロップ●音楽:ヘンリー・マンシーニ●時間:117分●出演:ケイリー・グラント/オードリ・ヘップバーン/ジェームズ・コバーン/ウォルタ
ー・マッソー/ジョージ・ケネディ/ネッド・グラス●日本公開:1963/12●配給:ユニバーサル・ピクチャーズ●最初に観た場所:銀座文化劇場(88-04-16)(評価:★★★☆)
ジェームズ・コバーン/ジョージ・ケネディ


「レザボア・ドッグス」●原題:RESERVOIR DOGS●制作年:1992年●制作国:アメリカ●監督・脚本:クエンティン・タランティーノ●製作:ローレンス・ベンダー●撮影:アンジェイ・セクラ●音楽:カリン・ラクトマン●時間:100分●出演:ハーヴェイ・カイテル/ティム・ロス/マイケル・マドセン/クリス・ペン/スティーヴ・ブシェミ/ローレンス・ティアニー/クエンティン・タランティーノ●日本公開:1993/04●配給:日本ヘラルド映画●最初に観た場所(再見):早稲田松竹(24-05-20)(評価:★★★★)●併映:「バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト」(アベル・フェラーラ)


「花の影」●原題:風月(英:TEMPTRESS MOON)●制作年:1996年●制作国:香港・中国●監督:陳凱歌(チェン・カイコー)●製作:湯君年(タン・チュンニェン)/徐楓(シュー・フォン)●脚本:舒琪(シュウ・チー)●撮影: クリストファー・ドイル(杜可風)●音楽: 趙季平(チャオ・チーピン)●原案: 陳凱歌/王安憶(ワン・アンイー)●時間:128分●出演:張國榮(レスリー・チャン)/鞏俐(コン・リー)/林健華(リン・チェンホア)/何賽飛(ホー・サイフェイ)/呉大維(デヴィッド・ウー)/謝添(シェ・ティェン)/周野芒(ジョウ・イェマン)/周潔(ジョウ・ジェ)/葛香亭(コー・シャンホン)/周迅(ジョウ・シュン)●日本公開:1996/12●配給:日本ヘラルド映画(評価:★★★☆)●最初に観た場所[4K版]:池袋・新文芸坐(24-02-26)
「スモーク」●原題:SMOKE●制作年:1995年●制作国:アメリカ・日本・ドイツ●監督:ウェイン・ワン●製作:ピーター・ニューマン/グレッグ・ジョンソン/黒岩久美/堀越謙三●脚本:ポール・オースター●撮影:アダム・ホレン
ダー●音楽:レイチェル・ポートマン●原作:ポール・オースター『オーギー・レンのクリスマス・ストーリー』●時間:113分●出演:ハーヴェイ・カイテル/ウィリアム・ハート/ハロルド・ペリノー・ジュニア/フォレスト・ウィテカー/ストッカード・チャニング/アシュレイ・ジャッド/エリカ・ギンペル/ジャレッド・ハリス/ヴィクター・アルゴ●日本公開:1995/10●配給:日本ヘラルド映画●最初に観た場所:新宿武蔵野館(24-06-05)((評価:★★★★)
「フェリーニの道化師」●原題:FELLINI:I CROWNS●制作年:1970年●制作国:イタリア●監督:フェデリコ・フェリーニ●製作:エリオ・スカルダマーリャ/ウーゴ・グエッラ●脚本:フェデリコ・フェリーニ/ベルナ
ルディーノ・ザッポーニ●撮影:ダリオ・ディ・パルマ●音楽:ニーノ・ロータ●時間:110分●出演:フェデリコ・フェリーニ/アニタ・エクバーグ/ピエール・エテックス/ジョセフィン・チャップリン/グスターブ・フラッテリーニ/バティスト●日本公開:1976/12●配給:東宝東和●最初に観た場所:池袋・文芸坐(78-02-07)(評価:★★★★)●併映:「フェリーニのアマルコルド」(フェデリコ・フェリーニ)


「木靴の樹」●原題:L'ALBERO DEGLI ZOCCOLI(米:THE TREE OF WOODEN CLOGS)●制作年:1978年●制作国:イタリア●監督・脚本・撮影:エルマンノ・オルミ●音楽:J・S・バッハ●時間:186分●出演:ルイジ・オルナーギ/フランチェスカ・モリッジ/オマール・ブリニョッリ/テレーザ・ブレシャニーニ/バティスタ・トレヴァイニ/ルチア・ベシォーリ●日本公開:1979/04●配給:フランス映画社●最初に観た場所:有楽町・スバル座(80-12-02)(評価:★★★★)

「大理石の男」●原題:CZLOWIEK Z MARMURU●制作年:1977年●制作国:ポーランド●監督:アンジェイ・ワイダ●製作:バルバラ・ペツ・シレシツカ●脚本:アレクサンドル・シチボ
ル・リルスキ●撮影:エドワルド・クウォシンスキ●音楽:アンジェイ・コジンスキ●時間:165分●出演:イエジー・ラジヴィオヴィッチ/クリスティナ・ヤンダ/タデウシ・ウォムニツキ/ヤツェク・ウォムニツキ/ミハウ・タルコフスキ/ピョートル・チェシラク/ヴィエスワフ・ヴィチク/クリスティナ・ザフヴァトヴィッチ/マグダ・テレサ・ヴイチク/ボグスワフ・ソプチュク/レオナルド・ザヨンチコフスキ/イレナ・ラスコフスカ/スジスワフ・ラスコフスカ●日本公開:1980/09●配給:日本ヘラルド映画●最初に観た場所:飯田橋・佳作座(81-05-24)(評価:★★★☆)●併映:「水の中のナイフ」(ロマン・ポランスキー)


「女の叫び」●原題:A DREAM OF PASSION●制作年:1978年●制作国:アメリカ・ギリシャ●監督・脚本:ジュールス・ダッシン●撮影:ヨルゴス・アルヴァニティズ●音楽:ヤアニス・マルコプロス●時間:110分●出演:メリナ・メルクーリ/エレン・バースティン/アンドレアス・ウツィーナス/デスポ・ディアマンティドゥ/ディミトリス・パパミカエル/ヤニス・ヴォグリス/フェドン・ヨルギツィス/ベティ・ヴァラッシ●日本公開:1979/12●配給:東宝東和●最初に観た場所:岩波ホール(80-02-04)(評価:★★★★)





「ブーム」とはパーティーのこと。ブームに誘われることを夢見る13歳のヴィック(ソフィー・マルソー)が、自分の14歳の誕生日ブームを開くまでの物語。リセの新学期(夏のバカンス明け)に始まり、歯科医の父親(クロード・ブラッスール)とイラストレーターである母親(ブリジッド・フォッセー)の別居騒動、ハープ奏者の曾祖母プペット(ドゥニーズ・グレイ)の折々の助言を背景に、ブームで出会ったマチュー(アレクサンドル・スターリング)との恋模様、春休み明けに自身が開く誕生日ブームまでを描く。
「ラ・ブーム」('80年/仏)はクロード・ピノトー(1925-2012/87歳没)監督によるフランス映画で、個人的にはこの映画で「
(1966年生まれ)のデビュー作であり(日本で言えば"中一"だが高校生くらいに見えたりもする)、ブリジッド・フォッセーはソフィー・マルソー演じる思春期の娘をも持つ母親役。個人的にはどうってことない映画でしたが、ヨーロッパ各国や日本を含むアジアでヒット作となりました。
娘の恋愛だけでなく、親夫婦の倦怠期とそこからの脱脚を
も描いているところがフランス映画らしく、改めて観ると、フランス的文化・恋愛価値観が垣間見られた作品だったように思います。映画パーソナリティの襟川クロ(1950年生まれ)氏が「おもちゃ箱的青春ムービー。(中略)ごく普通の少女達が、普通の恋をして、またひとつ大人になるのでありました、とりまく大人は大人でイロイロあり、ひとつ年をとりましたとさ。といった、よくあるパターンではありますが、しかし、その味つけがなかなかのもの」と評価したほか、映画評論
家の
この映画は高田馬場パール座で観て、併映がフィービー・ケイツ(1963年生まれ)の19歳の時の
デビュー作である「パラダイス」('82年/米)(公開時のタイトルは「フィービー・ケイツのパラダイス」)でしたが、こちらは当時のメモを見ると「フィービー・ケイツのアイドル映画。中身がない」(評価★☆)とだけありました(笑)。フィービー・ケイツとソフィー・マルソーは当時、米仏2大アイドルだったのかもしれません。米国にはあと1人、二人
と同年代のブルック・シールズ(1963年生まれ)がいましたが、ルイ・マル監督の「プリティ・ベイビー」('78年/米)も観ました(これも高田馬場パール座で、併映はダイアン・レイン主演の「リトル・ロマンス」('79年/米))。ニューオリンズの娼館が舞台のこの作品に、ルイ・マル監督が渡米して自ら発掘した彼女を起用したもので、ブルック・シールズは11歳で娼婦(12歳)を演じてセンセーションを巻き起こしましたが、ルイ・マル作品としてはイマイチだったかも(評価★★★)。フィービー・ケイツについては「
結構、アイドル映画を観ていたのだなあと今になって思います。「プリティ・ベイビー」はブルック・シールズのアイドル映画ではありませんが(彼女の出たアイドル映画と言えば17歳の時の「青い珊瑚礁」('80年/米)あたりか)、彼女を一気にアイドルに押し上げた映画でしょう。フィービー・ケイツとソフィー・マルソーを比べると、米国型アイドルとフランス型アイドルとではやはり違うなあと思わされます(映画雑誌「スクリーン」だと、ソフィー・マルソーが表紙向きで、フィービー・ケイツがグラビア向きと言ったところか)。フランス人監督のルイ・マルが見出したブルック・シールズはどちらか。天皇徳仁(今上天皇)が皇太子時代、日本人では柏原芳恵、外国人ではブルック・シールズの熱烈なファンであったとされていましたが、プリンストン大学を首席で卒業するような才女でした。
「ラ・ブーム」で父親と娘の役だったクロード・ブラッスールとソフィー・マルソーが、この作品の6年後、フランシス・ジロー監督の「デサント・オ・ザンファー 地獄に堕ちて」('86年/仏)では年齢の離れた夫と妻を演じましたが、これも夫婦の危機を打開しようとする話で、ただし、結構どろっとした話になっています。滞在先のリゾートホテルで殺人事件が起きる犯罪ミステリ仕様ですが、やや猟奇的側面も(原作は『狼は天使の匂い』『ピアニストを撃て』『華麗なる大泥棒』のデイビッド・グーディス)。さらには、「ラ・ブーム」の父親役と裸で激しいラブシーンを演じたりしていることもあり、そうした映画を企画する側も企画する側だが、「みんな父娘相姦みたいな目で私たちを見たがってるのよね」と自分でも承知していながら、こうした作品に簡単に出演してしまうソフィー・マルソーもソフィー・マルソーだとの批判と言うか苦言もあったようです。やはり、「ラ・ブーム」のソフィー・マルソーのイメージを壊されたくないファンがいるのだろうなあ(タイトルが何のことだかよく分からないのが難。ビデオタイトルは「地獄に墜ちて」)。
さらにその13年後、ソフィー・マルソーはマイケル・アプテッド監督の007シリーズシリーズ第19作「007 ワールド・イズ・ノット・イナフ」('99年/英)(公開時タイトルは「ワールド・イズ・ノット・イナフ」)でボンドガールとなり、当時で32歳ぐらいでしょうか、役どころは、ピアース・ブロスナン演じるジェームズ・ボンドを翻弄する悪役エレクトラ・キングで、結構ボンドと微妙な関係になりながらも、やがて本性を現しサディスティックにボンドを苛め倒していましたが(やや変態性欲気味)、詰まるところ悪役なのでやはり最期は...。彼女は、1996年に、半自伝的小説『うそをつく女』を刊行し、作品は「女性のアイデンティティの探求」と評され、フランスでは大きくとりあげられたとのことですが、こうした有名人女優がボンドガールになるのは当時としては珍しかったのではないでしょうか。その後、2002年に、長編映画監督としてのデビュー作「聞かせてよ、愛の言葉を」('01年)でモントリオール世界映画祭の最優秀監督賞を受賞するなどの活躍を遂げています。
「禁じられた遊び」●原題:JEUX INTERDITS●制作年:1952年●制作国:フランス●監督:ルネ・クレマン●脚本:ジャン・オーランシュ/ピエール・ポスト●撮影:ロバート・ジュリアート●音楽:ナルシソ・イエペス●原作:フランソワ・ボワイエ●時間:86分●出演:ブリジッド・フォッセー/ジョルジュ・プージュリー/スザンヌ・クールタル/リュシアン・ユベール/ロランヌ・バディー/ジャック・マラン●日本公開:1953/09●配給:東和●最初に観た場所:早稲田松竹 (79-03-06)●2回目:高田馬場・ACTミニシアター (83-09-15)(評価:★★★★☆)●併映(1回目):「鉄道員」(ピエトロ・ジェルミ)●併映(2回目):「居酒屋」(ルネ・クレマン)

「ラ・ブーム」●原題:LA BOUM●制作年:1980年●制作国:フランス●監督:クロード・ピノトー●製作:アラン・ポワレ●脚本:ダニエル・トンプソン/クロード・ピノトー●撮影:エドモン・セシャン●音楽:ウラジミール・コスマ(主題歌:「愛のファンタジー」歌:リチャード・サンダーソン)●時間:110分●出演:クロード・ブラッスール/ブリジッド・フォッセー/ソフィー・マルソー/ドゥニーズ・グレイ/ アレクサンドル・スターリング/ ベルナール・ジラルドー/シェイラ・オコナー/アレクサンドラ・ゴナン/ジーン=フィリップ・レオナール/リシャール・ボーランジェ/ウラジミール・コスマ●日本公開:1982/03●配給:松竹=富士映画●最初に観た場所:高田馬場パール座(82-09-15)(評価:★★★☆)●併映:「フィービー・ケイツのパラダイス」(スチュワート・ジラード)
「パラダイス」●原題:PARADISE●制作年:1982年●制作国:カナダ●監督・脚本:スチュアート・ギラード●製作:ロバート・ラントス/スティーブン・J・ロス●撮影:アダム・グリーンバーグ●音楽:ポール・ホファート●時間:95分●出演:フィービー・ケイツ/ウィリー・エイムス/リチャード・カーノック/チュヴィア・タヴィ/ニール・ヴィポンド●日本公開:1982/06●配給:松竹富士(評価:★☆)●併映:「ラ・ブーム」(クロード・ピノトー)
「プリティ・ベビー」●原題:PRETTY BABY●制作年:1978年●制作国:アメリカ●監督・製作:ルイ・マル●脚本:ポリー・プラット●撮影:スヴェン・ニクヴィスト●音楽:ジェリー・ウェクスラー●時間:110分●出演:ブルック・シールズ/E.J.ベロッ/キース・キャラダイン/スーザン・サランドン/アントニオ・ファーガス/マシュー・アントン/ダイアナ・スカーウィッド/バーバラ・スティール/ドン・フッド●日本公開:1978/10●配給:パラマウント●最初に観た場所:高田馬場パール座(80-01-16)(評価:★★★)●併映:「リトル・ロマンス」(ジョージ・ロイ・ヒル)
「デサント・オ・ザンファー 地獄に墜ちて」●原題:DESCENTE AUX ENFERS●制作年:1986年●制作国:フランス●監督:フランシス・ジロー●製作:アリエル・ゼイトゥン●脚本:フランシス・ジロー/ジャン=ルー・ダバディ●撮影:シャルリー・ヴァン・ダム●音楽:ジョルジュ・ドルリュー●原作:デイビッド・グーディス●時間:88分●出演:ソフィー・マルソー/クロード・ブラッスール /ベッツィ・ブ

「007 ワールド・イズ・ノット・イナフ」●原題:THE WORLD IS NOT ENOUGH●制作年:1999年●制作国:イギリス・アメリカ●監督:マイケル・アプテッド●製作:マイケル・G・ウィルソン/バーバラ・ブロッコリ●脚本:ニール・パーヴィス/ロバート・ウェイド●撮影:エイドリアン・ビドル●音楽:デヴィッド・アーノルド(主題歌:「The World is Not Enough」ガービッジ)●原作:イアン・フレミング●時間:127分●出演:ピアース・ブロスナン/ソフィー・マルソー/ロバート・カーライル/デニス・リチャーズ/ロビー・コルトレーン/デスモンド・リュウェリン/マリア・グラツィア・クチノッタ/サマンサ・ボンド/マイケル・キッチン/コリン・サーモン/セレナ・スコット・トーマス/ウルリク・トムセン/ゴールディ/ジョン・セル/クロード=オリビエ・ルドルフ/ジュディ・デンチ●日本公開:2000/02●配給:UIP(評価:★★★☆)
作:エリッ
ク・アルトメイヤー/ニコラス・アルトメイヤー●撮影:イシャーム・アラウィエ●音楽:ニコラス・コンタン●原作:エマニュエル・ベルンエイム●時間:113分●出演:ソフィー・マルソー
/アンドレ・デュソリエ/ジェラルディーヌ・ペラス/シャーロット・ランプリング/エリック・カラヴァカ/ハンナ・シグラ/グレゴリー・ガドゥボワ/ジャック・ノロ/ジュディット・マーレ/ダニエル・メズギッシュ/ナタリー・リシャール●日本公開:2023/02●配給:キノフィルムズ●最初に観た場所:ヒューマントラストシネマ有楽町(シアター2)(23-02-17)(評価:★★★★)


莫大な父の遺産があり、あらゆる快楽に飽き果てて、生きている意義も見出せないという30歳の男アルチュール・ランプルール(ジャン=ポール・ベルモンド)は退屈の余り自殺したがるが、その試みは全て失敗する。そこで、フィアンセのアリス(ヴァレリー・ラグランジュ)とその小姓のレオン(ジャン・ロシュフォール)、アリスの母親スージー(マリア・パコム)とその恋人コルネリウス(ジェス・ハーン)、元後見人でもあった古くからの中国人の友人ミスター・ゴーことゴー氏(ヴァレリー・インキジノフ)と船旅に出る。ランプルールの法定代理人ビスコトン(ダリー・コール)が香港までアルチュールを探しにやってきて、アルチュールの破産を知らせる。これで自殺の名目ができたと喜んだアルチュールは自殺の試みを続け
、フィアンセの母親スージーは婚約解消を要求する。ゴー氏のアイデアで、スージーにアルチュールの生死を委ねることになる。アルチュールは婚約者アリスとゴー氏を受取人に有効期間1か月の生命保険に署名する。ゴー氏は殺し屋を手配し、そうなると自殺志願のアルテュールも生命の危険を感じて懸
命に逃げまわるという奇妙な状況になる。港のバーに逃げこんだ時、ストリッパーのアレキサンドリーヌ(ウルスラ・アンドレス)に匿ってもらった。彼女は考古学者の卵で、アルバイトにストリッパーをしていたのだ。彼は一目で好意を抱くが、恋を語っている余裕はない。ゴー氏ともう一度話し合おうと、彼を追ってネパールへ行く。例によって二人の尾行者がついてくるが、実は彼らは保険会社がつけたボディ・ガードだった。ところが今度は、保険金の一部をもらう約束になっている香港ギャングのボス、フォリンスター(ジョー・セイド)の命を狙われることに―。
「
ジュール・ヴェルヌの1879年刊行の小説『中国での中国人
の苦難』(Les Tribulations d'un chinois en Chine)が原作とのことですが、大幅に翻案されているようです。自殺志願の男(原作では中国系)が自分に生命保険を懸けられたのを機に考え方が変わるというのは同
じようですが、原作では主人公は最後、婚約者と結婚するようです(映画でもアリスは最後、結婚するのだが...)。ウルスラ・アンドレス演じるストリッパーは、映画のオリジナルかと思われます。
と同じで、むしろヒートアップした感じさえあります。なので、ベルモントのアクションは楽しめますが、ストーリーが「リオの男」以上にぶっ飛んでいて、アクションとの両方が相俟って、ややドタバタ喜劇調になったきらいもあります(同じ大金持ちの役でも、ベルモントのアクションが無いフィリップ・ラブロ監督の「
舞台出身のジャン・ロシュフォール(フィリップ・ド・ブロカ監督の「大盗賊」('62年)や「相続人」でもベルモントと共演し
ていた)が「小姓」(御屋敷付きの「執事」というよりは、どこでも主人に付いて行って面倒を見る「フットマン」という感じか)の役で脇を固めていて、いい味出していました(最後まで主人に付いて行くので出演場面が多い)。ただ、それよりも、ゴー氏を
演じたヴァレリー・インキジノフが、フセボロド・プドフキン監督の「アジアの嵐」('28年/ソ連)で、主人公のモンゴル人を演じたあの俳優だったと後で知って少し驚きました。ヴァレリー・インキジノフはロシア・ブリヤート出身のフランス人俳優ですが、血統的にはモンゴル人のようです。「モンパルナスの夜」('33年/仏)に、金持ちに怨念を抱くチェコ人の挫折した元医学生という、まるで「天国と地獄」の山崎努を連想させるような役で出演していますが、60年代のこの「カトマンズの男」では好々爺の役でした。
「アジアの嵐」は、1920年代、イギリス統治のモンゴルを舞台に、〈チンギス・ハーンの後裔〉に祭り上げられたモンゴルの青年(ワレリー・インキジノフ)が,やがて民族の自覚に燃えてイギリス帝国主義に闘いを挑むという、モンゴル解放闘争の黎明期を描いたものですが、その主人公を"覚醒"させ、英国の軛(くびき)からの解放を手助けしたのがソ連であるという、ロシア革命と「共産主義」運動を美化するプロパンガンダ映画でもあります。
それゆえに評価をするのは難しいのですが、エイゼンシテインと並ぶとされるフセヴォロド・プドフキン監督でさえ、ソ連の映画監督である限り、当時はそうした映画を撮らざるを得なかったのでしょう(「戦艦ポチョムキン」('25年/ソ連)にしても共産主義的プロパガンダ映画であり、日本でも終戦から22年が経った1967年にようやく一般公開された)。
出演者でもう一人の注目は、やはり007シリーズ第1作「
前はアーシュラ・アンドレスと表記されていた)でしょうか。スイス出身で両親はドイツ人。「ドクター・ノオ」出演時は英語がおぼつかなく、彼女のセリフはすべて吹き替えでしたが、それでも「ゴールデングローブ賞」の
新人賞を受賞しています。その後は、ドイツ語、イタリア語、フランス語、さらにはマスターした英語の4カ国を操る語学力を活かして、ハリウッド映画にもヨーロッパ映画にも多数出演しています(出演はB級娯楽映画が多いが)。因みに、この映画出演時にはジョン・デレクと結婚していましたが、ジャン=ポール・ベルモンドと恋仲になり、1966年にはジョン・デレクと離婚しています。その後もライアン・オニールらと浮名を流したりしましたが、1980年の「タイタンの戦い」で共演したハリー・ハムリンとの間に男児を生んだものの、再婚はしていません(この手の肉食系女優に結婚は似合わない?)。
ソ連映画「アジアの嵐」に出ていたモンゴル系俳優と、アメリカ映画「007 ドクター・ノオ」に出ていたドイツ系女優が同じフランス映画に出ているというのが何となく面白いです。



「カトマンズの男」●原題:LES TRIBULATIONS D'UN CHINOIS EN CHINE(英:UP TO HIS EARS)●制
作年:1965年●制作国:フランス・イタリア●監督:フィリップ・ド・ブロカ●製作:アレクサンドル・ムヌーシュキン/ジョルジュ・ダンシジェール●脚本:ダニエル・ブーランジェ●撮影:エドモン・セシャン●音楽:ジョルジュ・ドルリュー●原作:ジュール・ヴェルヌ「中国での中国
人の苦難」●時間:110分●出演:ジャン=ポール・ベルモンド/ウルスラ・アンドレス/ヴァレリー・ラグランジュ/マリア・パコム/ジェス・ハーン/ヴァレリー・インキジノフ/マリオ・ダヴィッド/ポール・プレボワ/ダリー・コール/ジョー・セイド●日本公開:1966/05●配給:エデン●最初に観た場所:新宿武蔵野館(21-05-25)(評価:★★★)●併映(同日上映):「相続人」(フィリップ・ラブロ)
「アジアの嵐」●原題:Потомок Чингис-хана(STORM OVER ASIA POTOMOK CHINGIS-KHANA)●制作年:1928年●制作国:ソ連●監督:フセ
ヴォロド・プドフキン●脚本:オシップ・ブリーク/レフ・スラヴィン/ウラジーミル・ゴンチュコフ●撮影アナトーリー・ゴロヴニャ●音楽:セルゲイ・コズロフスキー/ M・アロンソン/(サウンド版音楽)ニコライ・クリューコフ●原作:イワン・ノヴォクショーノフ「ジンギス汗の末喬」●時間:87分●出演:ワレーリー(ヴァレリー)・インキジーノフ/アナトーリー・デジンツェフ/リュドミラ・ベリンスカヤ/アネリ・スダケーヴィチ/ボリス・バルネット●日本公開:1930/10●配給:三映社(評価:★★★☆)

見習航空兵のアドリアン(ジャン・ポール・ベルモンド)は、1週間の休暇で婚約者アニェス(フランソワーズ・ドルレアック)の住むパリに滞在することに。その頃パリでは博物館の守衛が殺害されてアマゾンの小像が盗まれ、考古学者カタラン教授(ジャン・セルヴェ)が呼びだされる。その小像は、カタラン教授、アニェスの父親であるヴィレルモ
ーザ教授、実業家アンドレ・ディ・カストロ(アドルフォ・チェリ)の3人がブラジルの奥地探検から持ち帰った3体セットのうちの1体だった。3人は3体の小像
をそれぞれ一体ずつ所持し、カタラン教授は自分の像を博物館に寄贈したのだった。またヴィレルモーザ教授は探検後に死亡し、現地リオのある場所に自分の像を隠していた。そして、その娘アニェスは、その隠し場所の秘密を知っていた。しかし、そんな折、カタラン教授が何者かに連れ去られ、さらにアニェスまでが誘拐されてしまう。ちょうど、そこに居合わせたアドリアンは、連れ去られるアニェスの姿を見つけ、必死に後を追う。アニェスを連れた男たちは旅客機に乗り、アドリアンも咄嗟の機転
でに乗り込むと、旅客機はブラジルのリオデジャネイロまで来てしまう。リオに着いたアドリアンは、土地の少年の助けを得て、アニェスを取り戻す。小像のありかを知るアニェスの手引でアドリアンは小像を見つけ出すが、それも束の間、例
の男たちが現れ小像を奪われる。残る一つは、カストロが持っているのだ。アニェスとアドリアンは、彼の居るブラジリアに向かう。そして途中2人は、"敵"に囲まれたカタラン教授を見つけ、救出に成功するが、しかし―。
1964年公開のフィリップ・ド・ブロカ監督作で、ジャン・ポール・ベルモンドのコンビによるアクション・コメディ映画作(日本では'64年に初公開。今年['21年]、ベルモンド主演作をHDリマスター版で上映する「ジャン=ポール・ベルモンド傑作選2」(5月14日~、東京・新宿武蔵野館ほか)で公
開)。追いつ追われつのサスペンスをノンストップで描いたもので、公開当時、歴代フランス映画の興行記録を更新する空前のヒットを記録したそうです。そうした娯楽映画であるとともに、1964年の「ニューヨーク映画批評家協会賞 外国語映画賞」を受賞しています(
スティーブン・スピルバーグはこの映画を公開当時劇場で9回観たほどお気に入りで、「
テンポが良くて楽しめます。背景としてのリオの街の異国情緒もいいですが、新首都ブラジリアでの、無機質な建造物をバックにした追走劇もシュールで良かったです。まるで、イタリアの画家ジ
ョルジョ・デ・キリコが描く絵のような背景に感じられました(建物だけ屹立していて人影がほとんど無い)。モダニズムの理念に基づいて建設された計画都市ブラジリアの当時の映像は、結構貴重ではないでしょうか。
「レイダース」のヒントになったとのことですが、終盤、小像の奪い合いになり、洞窟を舞台に三体の小像が悪の手に落ちた、まさにその時、森林をゆさぶる大爆発が起きたので、「レイダース」のように巨岩が転がってくるのかと思いきや、最後はちょっとショボかったですが、それでも★4つはあげていい出来映えでした。
ヒロイン役のフランソワーズ・ドルレアックは、1964年2月5日に封切られたこの「リオの男」と、同年4月20日に封切られた「
この映画とフランソワ・トリュフォー監督の「柔らかい肌」で見せたフランソワーズ・ドルレアックの演技を比べれば、妹のカトリーヌ・ドヌーヴの当時より姉の方が演技力に幅があったことが窺えますが(「柔らかい肌」では男を不倫に引き込むCAを演じた)、1967年に妹と「ロシュフォールの恋人たち」で共演を果たした、まさにその年に、運転中に事故に遭い、25歳で亡くなっているのが惜しまれます。


「リオの男」●原題:L'HOMME DE RIO(英:THAT MAN FROM RIO)●制作年:1964年●制作国:フランス・イタリア●監督:フィリップ・ド・ブロカ●製作:アレクサンドル・ムヌーシュキン/ジョルジュ・ダンシジェール●脚本:ジャン=ポール・ラプノー/アリアンヌ・ムヌーシュキン/フィリップ・ド・ブロカ/ダニエル・ブーラン
ク/ジャン・セルヴェ/ロジェ・デュマ/ダニエル・チェカルディ/ミルトン・リベイロ/ウビラシ・デ・オリヴェイラ/アドル
フォ・チェリ/シモーヌ・ルナン●日本公開:1964/10●配給:東和●最初に観た場所:新宿武蔵野館(21-05-18)(評価:★★★★)



1962年公開のフランソワ・トリュフォー監督の長編第3作(原題はJules et Jim(ジュールとジム))。男2人女1人の関係がベースになっていて、このパターンは後の多くの映画に影響を与えたとされています。代表的なものでは、ロベール・アンリコ監督の「
ただし、映画の公開が、今に比べてまだ女性が抑圧されていて、ちょうど女性解放運動が盛り上がってきた時期と重なったということもあって、英米においてフランス映画としては異例のヒット作となり、監督のトリュフォーの元にも、「カトリーヌは私です」という女性からの手紙が世界中から届いたとのことです。しかしながら、トリュフォー自身はこの映画が「女性映画」と呼ばれることを嫌い、また、主人公を自己と同一視するような女性たちの映画の見方にも否定的だったようです(カトリーヌにポリティカルなメッセージを込めようとしたわけでなく、また、カトリーヌは誰かの代弁者であるわけでもなく、「ただ、ある女性を描いたにすぎない」というスタンスだったようだ)。
後半で、ジュールがジムをカトリーヌや娘と居る山小屋に呼び寄せるのは、自分がカトリーヌとベッドを共にできなくなったからでしょう。そのくせ、カトリーヌの気まぐれで時にカトリーヌとジュールでベッドでじゃれ合ったりするから、今度はジムの方が嫉妬に苦しむことになるのだなあ。ラストも含め、ジムには本当に「お気の毒」と思わざるをえません。傍から見ればどうしてこんな悪女に惹かれてしまうのかと思ってしまいますが、当事者の立場になれば、魅せられている時は冷静な判断ができなくなるのでしょう。男性たちにとってカトリーヌは偶像であり、ゆえにファム・ファタール(運命の女)となるのでしょう。
原作は、アンリ=ピエール・ロシェ(1879-1959)で、日本で発表されている小説は『突然炎のごとく』と『恋のエチュード』のみで、いずれもトリュフォーが映画化していることになります(トリュフォーは21歳の時に古本屋で偶然彼の作品に触れており、ある意味トリュフォーが発掘した作家と言えるかも)。自身の恋愛体験をもとにこの作品を書いており、登場人物的には「ジム」に当たりますが、本人は80歳近くまで生きており、また、カトリーヌのモデルとされた女性も、後に「私は死んでない」と言ったそうです。ジュールにもモデルがいるそうですが、映画においてオスカー・ウェルナーが演じる、文学オタクで女性にはあまりモテそうでないジュール像には、トリュフォー自身が反映されているようです(冒頭でジュールがマリー・デュボア演じる娘にさらっとフラれるエピソードがある)。どちらかと言うとずっとジルの視線で描かれているため、ラストはジュールが亡くなる側に回ってもよさそうな気がしましたが、カトリーヌとジムの死によって、ジュールは誰にも邪魔されずカトリーヌを永遠に自分のものとすることができた―という結末なのでしょう。
➀ カトリーヌがセーヌ川に飛び込むシーンは、スタントの女性がやりたがらなかったので、ジャンヌ・モロー自身が飛び込んだ。その結果、川の水の汚れがひどかったため、ジャンヌ・モローは喉を傷めた。
③ ジャン=リュック・ゴダール監督の「
「突然炎のごとく」●原題:JULES ET JIM(英:JULES AND JIM)●制作年:1962年●制作国:フランス●監督:フランソワ・トリュフォー●製作:ルキノ・ヴィスコンティ●脚本:フランソワ・トリュフォー/ジャン・グリュオー●撮影:ラウール・クタール●音楽:ジョルジュ・ドルリュー●原作:アンリ=ピエール・ロシェ●時間:107分●出演:ジャンヌ・モロー/オスカー・ウェルナー/アンリ・セール/マリー・デュボア/サビーヌ・オードパン/ヴァンナ・ウルビーノ/ボリス・バシアク/アニー・ネルセン●日本公開:1964/02●配給:ワーナー・ブラザース●最初に観た場所(再見):早稲田松竹(19-12-12)(評価:★★★★☆)●併映:「柔らかい肌」(フランソワ・トリュフォー)

"ジタン"の通り名で呼ばれる犯罪者ユーゴ・セナール(アラン・ドロン)は、ロマ族の血を引いているために世間から冷たい仕打ちを受けて生きてきた。3年前、仲間に暴力をふるった村の村長を殺害したために刑務所に収監されていたが、そこで知り合った銀行強盗のジョー(レナート・サルヴァトーリ)と共に脱獄し、その後は彼と共にいくつもの銀行を襲っていた。そんな彼らを追う警察のブロー警視(マルセル・ボズフィ)、暗黒街の大物のヤン(ポール・ムーリス)など、男たちの様々な思惑が交差する―。
「ル・ジタン」('75年)は、アラン・ドロンが「ジタン」と呼ばれるロマ(以前はジプシーと言った)で、強盗で稼いで家族を養っているという設定で、初老の金庫破りのヤン共々警察に追われており、2人は最初無関係だったけれども、警察に追い詰められた状況で対峙して友情を感じ合い、但し、ヤンだけが捕まって、ジタンは逃げおうせるというもの。残されたジタンは...というこのパターンは、ジョゼ・ジョヴァンニの最初の監督作「生き残った者の掟」('66年/仏)以来繰り返されているようで、フランス版仁侠ヤクザ映画という感じでしょうか。
家族を愛しながらも、お尋ね者であるがゆえに家族とは一緒におれないアラン・ドロンが渋いことは渋いですが、"渋い"と言うより"地味"という風に捉えられたのか、公開時は興行成績は振るわなかったようです。ヒゲのドロンについても好き嫌いが割れたのかもしれないし、何よりもストーリー的にやや盛り上がりに欠けるというのもあったかもしれません。しかしながら、長らくソフト化されない期間があり、こうした作品でも久しぶりに観ると悪くないように思えるのは、ある種ノスタルジー効果でしょうか(その効果を含れば星4つだが、それをやっていると昔観た古い映画の評価が皆高くなってしまうので、ここでの評価はそれを含めず星3つ)。
併映で観た「ブーメランのように」('76年)も、監督・脚本ともジョゼ・ジョヴァンニで、アラン・ドロン演じるかつてギャングで今は大会社の社長となっている男が、麻薬のせいで誤って警官を射殺した息子(ルイ・ジュリアン)を奪還するため、"ブーメランのように"侠骨を取り戻し、護送車を襲う―というもの。追い込まれるほどにギャングの猛々しさが剥き出しになる男は、息子を連れイタリアへ逃亡を図るが―。
父性愛をテーマとした作品で、元ギャングというところがジョゼ・ジョヴァンニ自身ともダブりますが、ダブっている分だけベタになった感じで、カルラ・グラヴィーナやシャルル・ヴァネルといった役者が出ているにもかかわらず全体に演出が薄っぺらく見えてしまうのが難でしょうか。まあ、とにかくアラン・ドロンが好きという人にとってはそんなことはどうでもいいのかもしれないけれど、個人的には、主人公の父性愛には今ひとつ感情移入できなかった記憶があります。
今年['17年]1月からスターチャンネルで、アラン・ドロンのデビュー60周年を記念して「53週連続 アラン・ドロンがいっぱい」と題してアラン・ドロンの出演作を放映していますが、そうした中、本人は5月にAFP通信のインタビューで、2018年に公開予定の映画1本に出演してから引退する意向を表明しました。でも、個人的
印象としては、もうとっくに引退したと思っていた...。因みに、「53週連続 アラン・ドロンがいっぱい」では、10月22日に「ル・ジタン」が初登場するようですが、「ブーメランのように」は放映予定が無いようです(人気圏外か。ジョゼ・ジョヴァンニ原作の「冒険者たち」は1月1日に登場している)。(と書いてしばらくしたら、10月22日に放映予定だった「ル・ジタン」が「ブーメランのように」に置き換わった。)
「ル・ジタン」●原題:LE GITAN●制作年:1975年●制作国:フランス●監督:ジョゼ・ジョヴァンニ●製作:レイモン・ダノン/アラン・ドロン●脚本:ジョゼ・ジョヴァンニ●撮影:ジャン=ジャック・タルベ●音楽:クロード・ボリング●原作:ジョゼ・ジョヴァンニ「ル・ジタン」●時間:103分●出演:アラン・ドロン/ポール・ムーリス/マルセル・ボズフィ/アニー・ジラル/レナート・サルヴァトーリ/ベルナール・ジロドー/モーリス・バリエ●日本公開:1976/04●配給:東映洋画●最初に観た場所:三鷹オスカー(79-04-15)(評価:★★★)●併映:「地下室のメロディー」(アンリ・ヴェルヌイユ)/「ブーメランのように」(ジョゼ・ジョヴァンニ)
「ブーメランのように」●原題:COMME UN BOOMERANG●制作年:1976年●制作国:フランス●監督:ジョゼ・ジョヴァンニ●製作:レイモン・ダノン/アラン・ドロン●脚本:ジョゼ・ジョヴァンニ●撮影:ビクトール・ロドリゲ●音楽:ジョルジュ・ドルリュー●時間:103分●出演:アラン・ドロン/カルラ・グラヴィーナ/シャルル・ヴァネル/シュザンヌ・フロン/ルイ・ジュリアン●日本公開:1976/12●配給:東映洋画●最初に観た場所:三鷹オスカー(79-04-15)(評価:★★☆)●併映:「地下室のメロディー」(アンリ・ヴェルヌイユ)/「ル・ジタン」(ジョゼ・ジョヴァンニ)


ピエール・ラシュネー(ジャン・ドサイ)は44歳、文芸雑誌の編集長でバルザックの評論も書いている著名な評論家でもある。彼はリスボンへの講演旅行の途中で、美しい客室乗務員のニコール(フランソワーズ・ドルレアク)と知りあった。リスボンに着いてから、彼はニコールを食事に誘い異郷の町で一晩中語りあった。この日から、平和でなに不自
由ない落ちついた彼の生活が狂い始めた。二人はパリに帰ってからもしばしば会うようになったが、どこにも落ちつける場所はなかった。その頃ピエールに、田舎町での講演の依頼があり、密かにニコールをつれて出発した。講演が終ってからも田舎町の人は彼を放してくれない。深夜、やっとのことで町を脱出した二人は、誰も邪魔する者のいないホテルに着き愛を確かめあった。しかしピエールにとって、単なる浮気ではなかったにしても、やはり家のことが気になり始めた。予定よりまる一日帰宅が遅れているのだ。その頃、講演先に電話をかけた妻のフランカ(ネリー・ベネデッティ)は帰宅した夫を疑い、激しくその行動をなじった。いさかいの果てに離婚のことまで口ばしった。しかしそれはピエールにとっては思うつぼだったのだ。その日から彼は事務所に寝とまりするようになりニコールと新しい生活をするためのアパート探しを始めた。しかしニコールはピエールの求婚を拒絶してしまった。行き場のない孤独が彼をつつみ、友人に相談し、妻に謝罪することにした。だがその頃、夫とニコールのことをすべて知った妻は、古い銃を取り出し、無言のまま家を出た。彼が妻に電話をかけたのはその直後だった。ピエールが行きつけのレストランで新聞を読んでいる頃、そこへ向かう妻の顔には殺意がみなぎっていた―。 
フランソワ・トリュフォー(1932-1984/享年52)監督の1964年公開作で、ストーリーは新聞の三面記事に載った実際の事件に基づいているとのことです。不倫と三角関係がテーマですが、ヒッチコックから学んだと思われる手法を巧みに織り込み(ついでに自らの脚フェチの嗜好も織り込んでいたなあ。女性にジーンズをスカートに履き替えさせたり)、流れるような音楽と映像がリアリスティックなサスペンス・ストーリーと見事に調和しています(音楽は「
かつてルイ・マルが「
にしましたが(ある意味ハーレクインロマンスみたいな話)、この「柔らかい肌」は、トリュフォーにおける「恋人たち」のような位置づけの作品のように思いました(つまり、撮ろうと思えば、どんな通俗的モチーフであっても美しい作品に昇華してみせることが出来るのだという...いわば自らの力量アピール作品?)。
主人公ピエールの不倫相手の客室乗務員つまりスチュワーデスを演じるのは、カトリーヌ・ドヌーヴの姉で自らが運転するクルマの事故で早逝したフランソワーズ・ドルレアック(1942-1967/享年25)。ホントは妹のカトリーヌ・ドヌーヴもコンプレックスを抱いたというくらいの美人なのですが、ここではやや抑え気味に自然な美しさを醸していて、彼女が演じるスチュワーデス相手の不倫で次第に深みに嵌っていく主人公の気持ちは分かります。しかし、ラストで彼はとんでもないしっぺ返しを喰うことに...。
ラストに至るまでのプロセスが自然だっただけに、その分恐かったです。不倫相手と写真を撮るのはやめておいた方がいいとか、実践的に学んじゃった人もいるかも(そう言えば、ルイ・マル監督の「
オールロケで撮影していて、リスボンのトラムとか出てきますが、90年代に現地で走っているのを見ました。今もまだ走っているみたいです。ピエールの友人は藤田嗣治の絵画が好みのようです。日本に出張にいくみたいで、高輪プリンスに泊まるとか言っているなあ。ついでに東京オリンピックも観てくるつもりなのでしょうか。
「柔らかい肌」●原題:LA PEAU DOUCE(英:THE SOFT SKIN)●制作年:1964年●制作国:フランス●監督:フランソワ・トリュフォー●脚本:フランソワ・トリュフォー/ジャン=ルイ・リシャール●撮影:ラウール・クタール●音楽:ジョルジュ・ドルリュー●時間:113分(119分(フランス版ディレクターズ・カット))●出演:ジャン・ドサイ/フランソワーズ・ドルレアック/ネリー・ベネデッティン/ダニエル・セカルデ/ジャン・ラニエ/ポール・エマニュエル/サビーヌ・オードパン/ローランス・バディ/ジェラール・ポワロ●日本公開:1965/05●配給:日本ヘラルド映画●最初に観た場所:北千住・シネマブルースタジオ(16-11-22)(評価:★★★☆)



パリ郊外でカフェを営むテレーズ(アリダ・ヴァリ)はある日、店の前を通る浮浪者に目を止める。その男(ジョルジュ・ウィルソン)は16年前に行方不明になった彼女の夫アルベールにそっくりであった。テレーズはその男とコンタクトをとるが、その男は記憶喪失だった―。
の小説『モデラートカンタービレ』(原題:Moderato Cantabile, 1958年)を原作としジャンヌ・モロー、ジャン=ポール・ベルモンドが主演した「雨のしのび逢い」('60年/仏・伊)の脚本家ジェラール・ジャルロと共同でいきなり脚本から書き起こしていて、それは「ちくま文庫」に所収されています。
アリダ・ヴァリはキャロル・リード監督の「第三の男」('49年/英)が有名ですが、この作品を観ると、ミケランジェロ・アントニオーニ監督の「
この「かくも長き不在」においても、アリダ・ヴァリ演じるテレーズには日常においては暗さは無く、16年前にゲシュタポに捕えられたまま消息を絶った夫の帰りを待ちながらも店を営んで逞しく生活しており、若い恋人までいるような様子であって、そこへ抜け殻のようになって現れた"夫かもしれない男"との対比が、逆に男の心的外傷によるトラウマの闇の深さを際立たせています。テレーズが男とぎこちないダンスをした際に、男の頭部の傷に気づく場面はぞっとさせられますが、一方で、そのことにより"夫かもしれない男"に憐れみと慈しみを覚えるテレーズの表情は、まさにアリダ・ヴァリにしか出来ないような演技であり、この作品の白眉と言えます。
マルグリット・デュラスは多くの作品を残しながら自身も監督業を手掛けていますが、どちらかと言うと原作や脚本を書いたものを別の映画監督が映画化したものの方が知られており、有名なものでは原作・脚本を書き、アラン・レネが監督してカンヌ国際映画祭FIPRESCI(国際映画批評家連盟)賞を受賞した「二十四時間の情事」('59年/仏・日)がありますが、こちらもモチーフとしてナチの収容所体験を持つ女性が出てきます。ヌーヴェル・ヴァーグの色合いを感じる作品で、観念的な原作の文脈でそのまま映像化するとこんな感じかなという作品ですが、これもオリジナルよりは分かり易くなっています。同じアラン・レネ監督の、後にノーベル文学賞を受
賞する作家アラン・ロブ=グリエ(1922-2008/享年85)原作の「去年マリエンバートで」('61年/仏)ほどには前衛的ではなく、デュラスの小説の映画化作品は、小説より分かり易くなる傾向にあるように思います(それでもまだ難解な面もあるが、「去年マリエンバートで」のように観ていて眠くなる(?)ことはない)。デュラスの小説『ジブラルタルから来た水夫』を原作とするトニー・リチャードソン監督の「ジブラルタルの追想」('67年/英)なども、えーっ、原作ってこんなラブロマンスなの、というようなハーレクイン風の仕上がりで、ここまで噛み砕いてしまうとどうかなというのはありますが、さすがにこの作品は自身で脚本までは書いていないようです。
「かくも長き不在」のちくま文庫版の原作脚本を読むと、自身で監督したものに有名な作品は無いけれど、(脚本家の協力・示唆はあったにせよ)小説的効果と映画的効果の違いはわかっていた人ではないかという気がします。特に、この映画のラストの男を呼ぶ声が伝言のように街中を伝わっていく場面は、映画的シチュエーションの極致と言ってよいかと思います。
「かくも長き不在」●原題:UNE AUSSI LONGUE ABSENCE●制作年:1960年●制作国:フランス●監督:アンリ・コルピ●脚本:マルグリット・デュラス/ジェラール・ジャルロ●撮影:マルセル・ウェイス●音楽:ジョルジュ・ドルリュー●時間:98分●出演:アリダ・ヴァリ/ジョルジュ・ウィルソン/シャルル・ブラヴェット/ジャック・アルダン/アナ・レペグリエ●日本公開:1964/08●配給:東和●最初に観た場所:新宿シアターアプル(85-04-21)(評価:★★★★)



「去年マリエンバートで」●原題:L'ANNEE DERNIERE A MARIENBAT●制作年:1961年●制作国:フランス・イタリア●監督:アラン・レネ●製作:ピエール・クーロー/レイモン・フロマン●脚本:アラン・ロブ=グリエ●撮影:サッシャ・ヴィエルニ●音楽:フランシス・セイリグ●時間:94分●出演:デルフィーヌ・セイリグ/ ジョルジュ・アルベルタッツィ(ジョルジョ・アルベルタッツィ)/ サッシャ・
ピトエフ/(淑女たち)フランソワーズ・ベルタン/ルーチェ・ガルシア=ヴィレ/エレナ・コルネル/フランソワーズ・スピラ/カリン・トゥーシュ=ミトラー/(紳士たち)ピエール・バルボー/ヴィルヘルム・フォン・デーク/ジャン・ラニエ/ジェラール・ロラン/ダビデ・モンテムーリ/ジル・ケアン/ガブリエル・ヴェルナー/アルフレッド・ヒッチコック●日本公開:1964/05●配給:東和●最初に観た場所:カトル・ド・シネマ上映会(81-05-23)(評価★★★?)●併映:「アンダルシアの犬」(ルイス・ブニュエル)
「ジブラルタルの追想」●原題:THE SAILOR FROM GIBRALTAR PERFORMER●制作年:1967年●制作国:イギリス●監督:トニー・リチャードソン●製作:オスカー・リュウェンスティン●脚本:クリストファー・イシャーウッド/ドン・マグナー/






英国の富豪が、西アフリカ某国に傭兵部隊を送り込んで独裁政権打倒クーデターを起こし、傀儡政権を樹立しようとするが、その真の目的は鉱物資源の採掘権を得るためである。傭兵隊長のシャロンは、傭兵となる腕ききの男たちを集めるが、シャロンも含め、傭兵となって危険な地に赴く男たちの目的は、多額の報酬だけなのだろうか―。





そして「戦争の犬たち」('80年/米)のクリストファー・ウォーケンも、彼自身は良い、と言うか、頑張ってはいるのですが...。
フォーサイスの原作の映画化作品で、最も成功しているのは、やはりフレッド・ジンネマン監督の「ジャッカルの日」だと思いますが、フランスで'60年代初め、アルジェリア戦争を終結させてしまったシャルル・ド・ゴール大統領の暗殺を企てる戦争推進派のテロリストグループがあったことは事実であり、"ジャッカル"も実在のテロリスト「カルロス」(通称、カルロス・ザ・ジャッカル)がモデルとも言われています。
当時、フランスに特派員として駐在していたフォーサイスの経験がよく反映されている一方、巧みに虚構を織り交ぜていて、こうしたやり方は『戦争の犬たち』に通じるものがありますが、この小説でも、暗殺者はイギリス人"らしい"ということになっていて、エドワード・フォックスは"小説のジャッカル"のイメージにピッタリ(本物のカルロス・ザ・ジャッカルはベネズエラ人)。結局、彼が何者だったのかは、小説でも映画でも明かされませんが、フランス人でなかったことは確かで、フランス式儀礼の仕方を知らなかったがために...。 





「ジャッカルの日」●原題:THE DAY OF THE JACKAL●制作年:1973年●制作国:イギリス/フランス●監督:フレッド・ジンネマン●製作:ジョン・ウォルフ●音楽:ジョルジュ・ドルリュー●原作:フレデリック・フォーサイス●時間:142分●出演:エドワード・フォックス/エリック・ポーター/ミシェル・ロンスダール/デルフィーヌ・セイリグ/シリル・キューザック/オルガ・ジョルジュ・ピコ/アラン・バデル/デレク・ジャコビ/ミシェル・オールレール/バリー・インガム/ロナルド・ピカップ●日本公開:1973/07●配給:CIC ●最初に観た


池袋テアトルダイア 1956(昭和31)年12月26日池袋東口60階通り「池袋ビル」地下にオープン(地上は「テアトル池袋」)、1981(昭和56)年2月29日閉館、1982(昭和57)年12月テアトル池袋跡地「池袋テアトルホテル」地下に再オープン、2009年8月~2スクリーン。2011(平成23)年5月29日閉館。
フレデリック・フォーサイス