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タイトルの疑問に答えるブラック・アンド・ホワイト企業論。「日本企業論」として説得力はあった。

『「優良企業」でなぜ過労死・過労自殺が?:「ブラック・アンド・ホワイト企業」としての日本企業 (シリーズ・現代経済学)』(2018/08 ミネルヴァ書房)「電通事件」産経ニュース
ブラック企業に関する多くの本が出版されていますが、ブラック企業とは、ブラック企業被害対策弁護団の定義によれば、「新興産業において、若者を大量に採用し、過重労働・違法労働によって使い潰し、次々と離職に追い込む成長大企業」であるとのこと。しかし、従業員を過労死・過労自殺まで追い込む企業はこうした企業だけではなく、例えば、世間に大きな衝撃を与えた女性新入社員の過労自殺事件があった大手広告代理店(電通)は、権威ある人気企業であって狭義のブラック企業に当たらず、それ以外にも、過労死・過労自殺が発生する現場は多くの一流企業であるとのこと。こうした状況を捉え、本書では「ブラック・アンド・ホワイト企業」という概念を提起しています。
著者によれば、世間体が良くて高給だけれども労働条件が劣悪であるという、ブラックな部分とホワイトな部分の両面を持つ企業がブラック・アンド・ホワイト企業の範疇に入り、実は日本の多くの企業は白か黒かという二分法で分類できるものではなく、大手企業の大半はこのブラック・アンド・ホワイト企業に当てはまるとのことです。そこで本書は、なぜ世間で一流とされている企業の多くも、こうしたブラック企業的特性を持たざるを得なくなったのかを考察しています。
第1章では、日本企業独特の定期採用について、第2章では入社式と新入社員研修について文献等から考察し、それらが諸外国との比較において極めて特異な性質を帯びたものであることを指摘しています。そして、第3章において、日本企業は共同体(ゲマインシャフト)的上部構造と利益組織(ゲゼルシャフト)的土台から成り、ブラック・アンド・ホワイト企業は共同体的上部構造を利用しながら利益組織という本質を実現しようとしているとしています。
さらに第4章では、日本企業の労働組合の多くは、戦後に始動したときは実は労働組合ではなく、会社の一部としての「従業員組合」あり、それは今も変わらず、組織率と活力が長期低落するのは必然だったと、この従業員組合について歴史的に俯瞰し、経営と相対的に未分化な従業員組合が、共同体的上部構造が支配的なものとなる要因となったとしています。続く第5章では、その結果として、会社が従業員の全時間を掌握することになり、その行きつく先がブラック・アンド・ホワイト企業であると指摘しています。
つまり、ブラック・アンド・ホワイト企業が求めるものは「24時間の企業人」であり、その入り口が定期採用であり、会社への従属感は入社式・新入社員研修で決定的となるとのこと。「24時間の企業人」になれば、その人の主体的行動が自ずから会社の利益組織的土台と共同体的上部構造に寄与することになり、社風を内面化した従業員にとっては会社はいい会社(ホワイト企業)であるが、「24時間の企業人」になってしまえば、不払い残業も含めた労働時間は無限になり、限界の手前で止まれず、過労死・過労自殺が起きる―これが、大半の従業員によってホワイト企業と思われていた会社で過労死・過労自殺が起きる、ブラック・アンド・ホワイト企業の論理であるとことです。
なぜ会社への従属感が形作られ、社風は内面化されてしまうのか。「24時間の企業人」が、会社を責めるのではなく、自らの至らなさを遺書に書いて自殺するような異常な事態の背景には、日本の社会と会社の相互関係から生み出されたブラック・アンド・ホワイト企業が、日本社会の旧来の価値観と慣行を再生産しているということがあり、さらに、会社人間を「企業戦士」と呼ぶような、日本における異常なまでの精神主義にも問題があるとしています。
著者は、過労死の防止では罰則規定の整備などの法改正を進めるべきだとしつつ、一方で、法改正が進んでも現実の改善はゆっくりとしか進まないだろうとしています。それは、本書で詳しく述べられている、日本の会社や社会が有する歴史的体質のためであり、やや悲観的な見方でもありますが、まず、そうした歴史的見地から日本企業の在り方を見直してみるのも必要なことではないかと思いました。「日本企業論」としては説得力はありました。
《読書MEMO》
●目次
序 章 ブラック企業論への疑問
第1章 特異な日本の採用・就職
「定期採用」と「中途採用」
ウソがまかり通る定期採用の世界
採用スケジュール
「初任給」
学歴フィルター
採用差別
過剰な自己PRの強要
1990年代以降のいっそうの苛酷化
身元保証という江戸時代からの悪習
定期採用の本質
第2章 入社式と新入社員研修
入社式
戦前の新入社員
ドーアによる新入社員研修の観察
ローレンによる新入社員研修の観察
「ウエダ銀行」の新入行員研修
伊藤忠商事の新入社員研修
ローレンによる日米比較
新入社員研修の日本的特色
会社の修養主義
第3章 会社の共同体的上部構造
ゲマインシャフトとゲゼルシャフト
共同体的上部構造と利益組織的土台
共同体的上部構造としての「社風」
松下電器産業と本田技研工業の交流研修会
尾高邦雄の日本的経営=共同体論
「経営家族主義」の「実証的」根拠
戦前における「終身雇用制」?
経営家族主義イデオロギーの不存在
高度成長期における「終身雇用制」の成立
戦前の会社身分制
俸給と賃金
身分制下の目に見える差別
第4章 従業員組合----「非常に非常識」な「労働組合」
敗戦後における従業員の急速な組織化
戦後に結成された組合を何と呼ぶべきか
従業員組合の特徴
従業員組合の成立根拠にかんする二村説
従業員組合の原形
末弘厳太郎による観察
藤林敬三による観察
従業員組合の自然な感情
労働組合として「非常に非常識」な行動様式
争議中の賃金の後払い
改正労組法と従業員組合への利益供与・便宜供与
従業員組合の本質
従業員組合による共同体的上部構造の形成
従業員組合の興隆と衰退
「労働組合」の重層的定義
会社による共同体的上部構造の維持・展開
トヨタにおける「労使宣言」
第5章 会社による従業員の全時間掌握
利益組織的土台に奉仕する共同体的上部構造
労働時間とは何か
戦前における工場労働者の労働時間
ILO条約と8時間労働制
トマス・スミスの指摘
官吏の執務時間
社員の執務時間
労働時間をめぐる戦前の負の遺産
社員の執務時間と労働者の労働時間の「統一」
軟式労働時間制
執務時間と労働時間の融合
長時間の不払労働
「自主的な」QCサークル
低い有給休暇の取得率
トヨタ過労死事件
名古屋地裁の判決
会社による共同体的上部構造把握の行きつく先
過労死・過労自殺とジェンダー
終 章 自己変革できないブラック・アンド・ホワイト企業
ブラック企業の指標
ブラック・アンド・ホワイト企業への道




リーダーシップ教育で知られるIMDビジネススクールの教授である著者による本書は、昇進した新任管理職が最初の90日を乗り切るためのロードマップであり、90日という期間でリーダーが何をすべきか、そのことを実践的かつ体系的に学べる本として以前ベストセラーとなった原書('The First 90 Days: Critical Success Strategies for New Leaders at All Levels'(2003)/『ハーバード・ビジネス式 マネジメント―最初の90日で成果を出す技術』('05年/アスペクト))の、刊行10周年記念増補改訂版('The First 90 Days: Proven Strategies For Getting Up to Speed Faster and Smarter'(2013))の邦訳です。
Barbara Kellerman



本書(原題:Hesselbein on Leadership)は、17歳で父が他界、大学進学を断念して就職、22歳で結婚、出産後にガールスカウトのボランティアを始めて頭角を現し、ついには全米ガールスカウト連盟初の現場出身CEOとなり、さらにドラッカー財団の初代プレジデント兼CEOとなり、大統領自由勲章を受勲し、『アメリカ陸軍リーダーシップ』('10年/生産性出版)の共著者でもあるというフランシス・ヘッセルバイン(1915年生まれ、2018年12月現在満103歳)が、リーダーシップについて述べたエッセイをまとめたものです。

『







Linda A. Hill
本書は、ハーバード・ビジネススクールのリーダーシップ部門主任教授リンダ・A・ヒル(Linda A. Hill)と著述家ケント・ラインバック(Kent Lineback)の共著("Being Boss"(ボスになる)(2011))で、ウォールストリート・ジャーナル紙によって、「2011年に読むべきビジネス書5冊」に選ばれています。



本書は、数多くの世界的デザイナーを率いて、ハーマンミラー社を「もっとも働きがいのある企業」「もっとも称賛される企業」と呼ばれる世界的家具メーカー(自分が今使用しているアーロンチェアを作った会社でもあるのだが)に育て上げた伝説のCEOマックス・デプリー(Max De Pree、2017年没)が説くリーダーシップ論です。初版は1987年で(原題:Leadership Is an Art、1989年版の邦訳『リーダーシップの真髄』('99年/経済界))、本書は2004年改訂新版の訳本。裏表紙に、その間に寄せられたドッラカーやビル・クリントンなどによるこの本への賛辞が載っている)。
先ず「はじめに」で、「リーダーシップは『アート』だ。時間をかけて身につけるものであり、たんに本を読んで学ぶものではない。リーダーシップは科学というより伝承であり、情報の蓄積というより関係の構築なので、その意味では、私はそのすべてを明らかにする方法を知らない」としています。
この内、6章「遊軍リーダーを活かせ」では、「遊軍リーダーとは、日常生活のなかで必要とされるときにその場にいる、欠くことのできない人々のことだ。彼らは日々多くの組織で、程度こそさまざまだが、主導権を握っている」とし、リーダーには、ヒエラルキー上のリーダーと遊軍リーダーの2種類があるが、「特別な状況においては、ヒエラルキー上のリーダーが遊軍リーダーを認め、サポートし、その指示にしたがわなければならない。また、潔く遊軍リーダーに主導権を譲らなければならない」としています。「遊軍リーダーシップは『問題』に焦点を当てた考え方だ。遊軍リーダーシップが発揮されるということは、ヒエラルキー上のリーダーに、問題を共有する能力(言い換えれば、他人にある状況をゆだねることができる能力)があるということにほかならない」としています。そして、遊軍リーダーシップが発揮されるには、「深い信頼と、自分たちは依存しあっているという自覚」と「規律」の2つが求められ、重要なのはある目標を達成するかどうかではなく、「個人としても集団としても、潜在能力をフルに発揮する」ことであり、「健全な心、開かれた態度、高い能力、経験に対する信頼―これらが仕事に活力を与え、人生に意味をもたらし、遊軍リーダーシップを可能にする。そして遊軍リーダーシップは、私たちが自由かつ率直な態度で協力し合うとき、潜在能力をフルに発揮するための手段となる」としています。



1 ジョン・P・コッター『企業変革力』





本書は、ハーバード・ケネディスクールの教授らによるものであり(著者の一人ロナルド・ハイフェッツ教授は「NHK白熱教室〕シリーズ「ハーバードリーダーシップ白熱教室」(2016)で知られている)、原著("Leadership on the Line: Staying Alive Through the Dangers of Leading")刊行は2002年です(2017年に改版された)。人はいかにしてリーダーシップ行動を起こすことができるか、また、リーダーシップ行動に伴う危機をどう乗り越えるのか、その方法や技術について説いた本ですが、本書では、そもそも、リーダーシップを発揮するということは、危険な生き方をするということであるというところから始まります。つまり、真のリーダーは、未解決の問題を表面化させ、長きにわたる慣習に挑戦し、人々に新しいやり方を要求せねばならず、脅威にさらされた人々は、変化を要求する人間に狙いを定め、その結果リーダーは、個人的にも職業的にも傷つくことになるのだと。しかし、周囲の人々の生活をよりよくし、人々にとって価値のある「将来の可能性」を提供できるがゆえに、リーダーシップはリスクに見合う価値があるというのが著者らの考えです。
第1部「リーダーシップには危険がいっぱい」では、なぜリーダーシップがそれほど危険なのか、どのようにしてリーダーシップを発揮した人々が表舞台から排除されるかについて取り上げています。
第2部「リーダーシップを発揮しながら生き延びる5つの方法」では、排除されるリスクを減らすためにどのような行動をとるべきかについて取り上げています。
第3部「リーダーシップの原点、心を見つめる」では、人々がどのようにして自ら墓穴を掘るような行動をとってしまうのかについて論じ、これらの状況を見きわめて行動に移る方法に加え、リーダーシップに課されるストレスに持ちこたえるための個人的な挑戦について、考え方と実践の両面から対処法を提示しています。

岡田 康子 氏
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Bill George
第4章では、ミッションは人材をモチベートするが、お金はモチベーとしないとし、第5章では、価値観はうそをつかないとしている。第6章では、カスタマーが最も重要であるとし、第7章では、すぐれたチームが企業を生むのであってCEOだけの貢献ではないとし、第8章では、本物の企業がいかにステークスホルダーに成果をもたらすかを説いている。





グリッド理論とは、リーダーシップの行動スタイルについて、「業績に対する関心」と「人間に対する関心」という2軸に注目し、横軸に「業績に対する関心」、縦軸に「人間に関する関心」をとり、それぞれにどの程度関心を持っているか、それぞれの軸を9段階に分け、ここにできる計81の格子(グリッド)をマネジメント・グリッドと称し、典型的な5つのリーダーシップ類型(9・1型、1・9型、1・1型、5・5型、9・9型)に分類したものでした。

1985年に発表された本書は、リーダーシップのあり方を4類型にまとめ、それぞれ相手の状況、担当する事業の経験等、習熟段階に合わせて適切に使い分けると良いとする「状況対応型リーダーシップ」を提唱したものとして知られています。本の記述スタイルとしては、ある起業家が、熟練したマネジャー(
そのうえで、



「フォーブス」誌の発行人でコラムニストでもあり、これまでに数多くの経営者に取材し、自らもアントレプレナーとして成功している著者による本書(原題:The Soft Edge―Where Great Companies Find Lasting Success、2014)は、成功し続ける企業(「グレートカンパニー」)に共通する原則とは何かを観察を通して探り、「優れた経営者が数字よりも大切にしている5つの条件」を紹介しています。








Robert Kaplan & David Norton


第1部「戦略を現場の言葉に置き換える」の第3章では、戦略マップをどのように構築するか、第4章では、営利企業における戦略マップの構築、第5章では、非営利組織、政府、ヘルスケア機関における戦略マップの構築について、それぞれ、ナショナル・バンク・オンライやシャーロット市、デューク小児科医院などの事例を挙げながら解説しています。




「企業のグローバル化の4類型」の提唱者としても知られる著者らよる本書(原著"The Individualized Corporation"1997年)によれば、1980年代後半ごろから、世界中の企業はリストラ、組織階層の削減や事業の再編といった波にさらされてきたが、これは、グローバル競争の本格化によって市場の形態が変わり、技術革新のペースが速まり、情報化社会が急速に進展したことによるものであるとのことです。そうした情勢の中、本書では、世界の20社以上の企業のマネジャーにインタビュー取材し、これからの新しい企業モデルはどうあるべきかを探っています。


Charles Handy
「イギリスのドラッカー」とも呼ばれ、英国のみならず欧州を代表する経営思想家であるチャールズ・ハンディ(Charles Handy、1932年生まれ)の著作(原題:The Hungry Spirit: Purpose in the Modern World,1997)で、チャールズ・ハンディはオックスフォード大学で哲学を専攻した後シェル石油の幹部となるも早々に辞めてMITのスローンスクールを経て、ロンドン・ビジネススクールの設立に関わった現代経営学の権威です。彼の著作の本邦訳は『ディオニソス型経営―これからの組織タイプとリーダー像』('82年/ダイヤモンド社)、『ビジネスマン価値逆転の時代―組織とライフスタイル創り直せ(The Empty Raincoat)』('94年/阪急コミュニケーションズ)、『パラドックスの時代―大転換期の意識革命(The Age of Paradox)』('95年/ジャパンタイムズ)がありますが、「英国のドラッカー」と称される割には日本ではあまり知られていないかもしれません。本書は1997年の著作ですが、当時から市場至上主義・新自由主義の陥穽を的確に捉え、それに警鐘を鳴らしています。
●小さな白い石





本書(原題:In Search of Excellence、1982)は、マッキンゼーで(出版当時)コンサルタントをしていたトム・ピーターズとロバート・ウォーターマンの2人が、米国の革新的超優良企業(エクセレント・カンパニー)に共通する8つの基本的特性を導きだしたものです。日本企業の躍進と米国企業の衰退が対比的であった1980年代前半に出版され、当時で100万人以上のビジネスパーソンが読んだと言われる世界的ベストセラーとなりました(トム・ピーターズは一時カリスマ的人気を博し、その啓発書は日本でもかなり売れた)。

は『
本書は、マネジメントの要諦を随想風に綴った箴言集とでも言えるものであり、「広告(Advertisement)」から「あいそをつかされるな(Wearing out Your Welcome)」まで、おおよそ100近くの章がタイトルのアルファベット順に並んでいて、目次を見て関心のあるタイトルを選び、どこから読んでも読めるようになっていて、また、何れも含蓄に富んだ内容となっています。


大卒3年以内の離職率が3割であることを表す「3年3割」という言葉がありますが、厚労省の調査結果を見ると、実ははじめの3年間で最も離職率が高いのは1年目であるとのことです。本書は、ゆとり世代と呼ばれる若者たちが歩むキャリアの実態を明らかにし、若者の転職が多くなった社会的背景を考察した本であり、著者は元リクルート社員で、大学院に籍を置く教育社会学者です。本書は、著者が、すでに転職をした20代へのインタビューなどを通して修士論文として書き上げ、担当教官である本田由紀・東京大学教授に提出したものに加筆修正したものです。
Chester I. Barnard



本書の著者マーシャル・ゴールドスミス(Marshall Goldsmith)は、エグゼクティブ・コーチングの第一人者であり、GEのジャック・ウェルチをはじめ、世界的大企業の経営者80人以上をコーチしたことで知られる人で、日本にも2008年、2011年、2013年、2014年と来日して講演やセミナーを行っています。著書の「コーチングの神様が教える」と冠したシリーズでは、本書『後継者の育て方』(原題:Succession: Are You Ready?)の前後に『コーチングの神様が教える「できる人」の法則』(原題:What Got You Here Won't Get You There)('07年/日本経済新聞出版社)と『コーチングの神様が教える「前向き思考」の見つけ方』(原題:Mojo: How to Get it, How to Keep it, How to Get it Back If You Lose it)('11年/日本経済新聞出版社)が訳出されています(共に共著)。
最初の『「出来る人」の法則』では、経営トップになる目前の段階のエグゼクティブに見られる数々の"悪い癖"を指摘し、この癖を直さなければビジネスでも人生でも成功しないとして、そのためにはどうすべきかを説いています。後の『「前向き思考」の見つけ方』では、目標を達成するリーダーに必要なモジョ(アイデンティティ、成果、評判、受容)を手に入れるにはどうすればよいかを説いています。そして、(この真ん中にあたる)本書『後継者の育て方』では、後継者を選び、育て、地位をバトンタッチするという経営者としての最大の仕事を失敗しないようにするにはどうすればよいかを、後進に道を譲ることに備える、後継者を選ぶ、後継者をコーチングする、バトンを渡す、の4つの局面について説いています。

D. Quinn Mills![ハーバード流リーダーシップ[入門].jpg](http://hurec.bz/book-movie/%E3%83%8F%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%89%E6%B5%81%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%80%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%83%E3%83%97%EF%BC%BB%E5%85%A5%E9%96%80%EF%BC%BD.jpg)
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序章においてまず、本書は、ライン・マネジャーと人事部門の協力関係について書かれた本であるとしています(本書は、人的資源管理は、ライン・マネジャーと人事部門の協力関係なしには成立しないとの考えに立っている)。ライン・マネジャーの役割は、人事制度は何を目的に設計されているかを理解したうえで、それを十分に活用し、担当部門の業績を向上させることにあり、一方、人事部門の役割は、ライン・マネジャーを助け、カウンセリングを行い、サポートすることであるとしています。そのうえで、人的資源管理には、1.チームの編成と育成、2.チームへのインセンティブ、3.公正な待遇、4.ワーク・ライフ・バランスの4つの分野があるとし、以下4章にわたり、各分野にどういった基本項目が含まれるか、それらを効果的に実行していくにはどうすればよいか、その際の人事部門とライン・マネジャーのそれぞれの役割は何かを解説しています。



山本寛・青山学院大学経営学部教授








本書の元々のベースは、ディルバートというシステムエンジニアを主人公にしたコミックで、官僚的な職場や無能な上司を皮肉ったユーモアで知られる新聞連載のコマ割り漫画です(最近はどうかよく分からないが、日本でもかつて英字新聞などで読んだ人は結構いるように思う)。本書の原著である1996年の単行本刊行に際し、テーマごと分けられた全26章のそれぞれに、コマ割り漫画と併せて作者がユニークな解説を施し、また章末には、従業員から寄せられたメールなどが紹介されています(作者は単行本を出す直前1995年までパシフィック・ベル社勤務と兼業)。この本は刊行された年の秋までに130万部売れ、ウォールストリート・ジャーナルのベストセラー覧に43週間載り続けました。漫画そのものは、リストラ、ダウンサイジング、ハイテクとローテクの対立などをテーマにしています。日本の企業にはパーティション文化というのはあまり根付いていませんが、それでもSEである主人公のディルバートがパーティションの視点から見たボス、会議、流行の経営理論など"職場の苦痛"の数々とそれを回避しようとする彼の奮闘は、会社勤めの経験がある人ならば誰でも充分理解可能なのでは。翻訳者の山崎理仁氏はあとがきで「オフィスワーカーの知的健康飲料」としていますが、まさにそうと言えます(因みに、解説はデーブ・スペクター氏)。


2025年、われわれはどんなふうに働いているのか? ロンドンビジネススクール教授であり、経営組織論の世界的権威で働くことについて研究し続けてきた著者(英タイムズ紙の選ぶ「世界のトップビジネス思想家15人」のひとりでもある)が、「働き方に大きく影響する『五つの要因(32の要素)』」を基に、2025年を想定した働き方の未来を予測した本です。
リンダ・グラットン 2016年10月来日『LIFE SHIFT』発売記念講演「100年時代の人生戦略」