【3411】 ○ トム・ラス/バリー・コンチー (田口俊樹/加藤万里子:訳) 『ストレングス・リーダーシップ―さあ、リーダーの才能に目覚めよう』 (2013/03 日本経済新聞出版) ★★★★

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○経営思想家トップ50 ランクイン(バーバラ・ケラーマン)

すぐれたリーダーの34の資質。自ら「強み」に沿った「人の動かし方」を伝授。

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『ストレングス・リーダーシップ さあ、リーダーの才能に目覚めよう』['13年] ギャラップ著『ストレングス・リーダーシップ<新装版> さあ、リーダーの才能に目覚めよう』['22年]

 本書は、すぐれたリーダーの条件とは何か、それを34の資質に分類し、その強みを活かした「人の動かし方」を伝授しています('22年に著者らが所属した調査会社ギャラップの著作として新装版が刊行されている)。

 本文は4つの章に分かれ、それぞれ、「強みに集中する大切さ」「強みを活かしたチーム力の発揮」「人がついてくる理由」「強みを活かして人を率いる方法」を説いています。

 第1章「自分の強みに投資する」では、リーダーにとっての自らの強みに集中することの大切さを説いています。あらゆることに秀でようとすると傑出した存在にはなれず、他の素晴らしいリーダーを真似ても人はついてこないとし、取り組むべきことは「自分ならでは強みを知り、発揮すること」であるとしています。

 第2章「チームの力を最大限に活かす」では、すぐれたチームが備える4つの条件を挙げています。すぐれたチームには「実行力」「影響力」「人間関係構築力」「戦略的思考力」の4つの条件が揃っているとし、さらにそれらを34の資質に分類しています。また、強固なチームの特徴として、「結果を重視する」、「組織にとって最善のことを優先し、行動を起こす」、「チームのメンバーは、仕事と同じように私生活にも真剣にかかわる」、「多様性を受け入れる」、「才能を引きつける」の5つを挙げています。

 第3章「『なぜ人がついてくるか』を理解する」では、人がついてくる4つの理由として、「信頼」(正直さ、誠実さ、尊敬により育まれる人間関係)、「思いやり」(親密でいたわりのある、ポジティブなコミュニケーション)、「安定」(必要なときにいつでも頼れる人であること)、「希望」(組織に成長をもたらす新たな取り組みに着手していること)を挙げています。

 第4章「実践編・強みを活かして人の率いる」では、ウェブ上のテストである「ストレングス・ファインダー」の質問を受けて、先に挙げた人を率いるための34の資質のどれが自分の強みになるかを理解することを推奨するとともに、この34のリーダーの強みについて、それぞれに即した「信頼」「思いやり」「安定」「希望」の発揮の仕方はどのようなものになるかを解説してします。

 たとえば、自身が〈最上志向〉を持っているなら、それを活かしてどうリーダーシップを発揮するか、具体的には、どう信頼を築くか、どう思いやりを示すか、どう安定をもたらすか、どう希望を生み出すかを伝授しています。さらには、その強みを持つ部下やメンバーに対して、リーダーとしてどうふるまえばよいかについてもアドバイスしています。

 すぐれたリーダーは、常に自身の「強み」に投資をし、また、周囲に適切な人材を配置して、メンバーごとの強みにあわせて仕事を任せることで、チームの力を最大限に引き出しているということを説いた本です。マネジャーが自分自身の強みとは何か、メンバーの強みは何か、それらをどう活かすかを考えるのにお薦めの1冊です。

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