「●TV-M (バーナビー警部)」の インデックッスへ Prev|NEXT ⇒ 【2043】 「バーナビー警部(第14話)/庭園の悲劇」
「○外国映画 【制作年順】」の インデックッスへ
幽霊譚風の味付け。雰囲気が出ていたが、話の複雑さが面白さに繋がっていないような気もした。
Eleanor and Troy
「バーナビー警部 ~裂かれた肖像画~ [DVD]」"Midsomer Murders" Beyond the Grave(裂かれた肖像画)
アスペンホール博物館の館長のアラン(マルコム・シンクレア)が、旅行者を連れて、土地の伝説的人物、ジョナサン・ローリーの生涯を案内していたところ、ローリーの肖像画が無残にも切り裂かれているのを見つけた。器物破損事件として、バーナビー警部(ジョン・ネトルズ)とトロイ巡査部長(ダニエル・ケーシー)がやってくる。アランは旧知の修復画家サンドラ(シェリル・キャンベル)に修理を依頼するが、夫を亡くして精神的に不安定な彼女を、不可解な心霊現象が襲い、遂に、ローリーの子孫を名乗るマーカス(チャールズ・サイモン)が真夜中の博物館で撲殺される事件が起きる―。
トム・バーナビー警部のシリーズの第13話「裂かれた肖像画」(原題:Beyond the Grave)の本国放映は2000年2月5日、日本では2002年7月にNHK‐BS2にて前後編に分けて初放映され、その時のタイトルは「古城の鐘が亡霊を呼ぶ」でした。
コナン・ドイルやクリスティを持ち出すまでもなく、英国人ってミステリにゴースト・ホラー(幽霊譚)風の味付けをしたものが好きそうだなあと。博物館に調査に赴いたバーナビーは付近の墓地でサバの燻製が落ちているのを見つけ、不審に思う―。う~ん、わけありの人物は、サバの燻製ばかり食べていたのか?

ロケに使われた古城に雰囲気があり、田舎町の風景も美しく、いつもながらに楽しめましたが、話が複雑な割には、その複雑さが面白さに繋がっていないような気もしました。真犯人はいかにも最初から怪しげだし、連続殺人に至る動機がやや弱い感じも。
Barnaby talks to Sandra by the lake in 'Beyond the Grave'
個人的にはよく分からない部分もありました。いかにも田舎町にいそうな胡散臭い霊媒師エレノア(プルネラ・スケイルズ)のキャラが面白かったけれど、彼女がこれから新たに埋葬をしようとしている墓穴の底に、行方不明になっている人物の死体が埋まっていることを言い当てることが出来たのは何故?(バーナビーは、意外と彼女の言っていることは正しいと前から言っていたが、2人で仕組んだ? この霊媒師、サンドラが何かを盛られていることにも気づいていたみたいだが)
The views seen during 'Beyond the Grave'
怪奇現象も、胸像が倒れるトリックはあっさりバーナビーに見抜かれてしまうし、「3つのDから始まるフレーズ」を映し出したところで、主犯格の顔は見えなくとも共犯者はほぼ判ってしまう。ミステリとしてはちょっと弱かったのではないかなあ。
ユーモアという面では、バーナビーの娘カリー(ローラ・ハワード)のボーイフレンド(エド・ウォーターズ)が役者志望で、今度「警部」役をやるからといって、バーナビーに実地で刑事の仕事を見せてもらうという設定が、こんなのありかなと思わせなくもないですが、バーナビーが「刑事の心得」を言って聞かせるところなどは、わざとトロイに聞こえるように言っていたりして面白かったです。彼は社会人なんだなあ、見るからに青二才だけど、トロイがあれで自分より年収が高いとぼやいていたのが可笑しかったです(基本的にトロイの使い走りに終始したが、変に博識だったり鋭いところがあったりもした)。
このシリーズは、この第13話までが第1~第3シーズンで(パイロット版1話を含む)、2002年4月から10月にかけてNHK-BS2でそれぞれ前後編に分けて26回一挙放映されたわけですが(本国と放送順が若干異なる)、その際にNHKが付けた(?)各エピソードのタイトルが、下の一覧のカッコ内です。全体的にやや長たらしいけれど、内容を想起させる上では分かり易いように思います。
【放映年月日(英/NHK‐BS】
・第1話/謎のアナベラ(森の蘭は死の香り)1 Pilot ・The Killings at Badger's Drift (英)1997/03/23/(NHK‐BS2)2002/04/02、04/09
・第2話/血ぬられた秀作(小説は血のささやき)2 1-1 ・Written in Blood(英)1998/03/22/(NHK‐BS2)2002/04/16、04/23
・第3話/劇的なる死(開演ベルは死の予告)3 1-2 ・Death of a Hollow Man (英)1998/03/29/(NHK‐BS2)2002/05/14、05/21
・第4話/誠実すぎた殺人(愛する人のためならば)4 1-3 ・Faithful Unto Death (英)1998/04/22/(NHK‐BS2)2002/05/28、06/04
・第5話/沈黙の少年(祈りの館に死が宿る)5 1-4 ・Death in Disguise (英)1998/05/06 2/(NHK‐BS2)2002/04/30、05/07
・第6話/秘めたる誓い(少年時代は秘密のベール)6 2-1 ・Death's Shadow (英)1999/01/20/(NHK‐BS2)2002/06/25、07/02
・第7話/首締めの森(カラスの森が死を招く)7 2-2 ・Stranger's Wood(英)1999/02/03/(NHK‐BS2)2002/06/11、06/18
・第8話/不実の王(採石場にのろいの叫び)8 2-3 ・Dead Man's Eleven (英)1999/09/12/(NHK‐BS2)2002/08/06、08/20
・第9話/報いの一撃(流浪の馬車がやって来る)9 2-4 ・Blood Will Out (英)1999/09/19/(NHK‐BS2)2002/07/23、07/30
・第10話/絶望の最果て(狩りの角笛が死を誘う)10 3-1 ・Death of a Stranger (英)1999/12/31/(NHK‐BS2)2002/10/01、10/08
・第11話/美しすぎる動機(ラストダンスは天国で)11 3-2 ・Blue Herrings (英)2000/01/22 /(NHK‐BS2)2002/08/27、09/03
・第12話/審判の日(人形の手に血のナイフ)12 3-3 ・Judgement Day (英)2000/01/29 /(NHK‐BS2)2002/09/17、09/24
・第13話/裂かれた肖像画(古城の鐘が亡霊を呼ぶ)13 3-4 ・Beyond the Grave (英)2000/02/05 /(NHK‐BS2)2002/07/09、07/16

「バーナビー警部(第13話)/裂かれた肖像画(古城の鐘が亡霊を呼ぶ))」●原題:MIDSOMER MURDERS:BEYOND THE GRAVE●制作年:2000年●制作国:イギリス●本国上映:2000/02/05●監督:モイラ・アームストロング●脚本:ダグラス・ワトキンソン●時間:102分●出演:ジョン・ネトルズ/ダニエル・ケーシー/ジェーン・ワイマーク/ローラ・ハワード/バリー・ジャクソン/シェリル・キャンベル/デビッド・ロブ/シルヴェストラ・トウゼル/パトリシア・ブレイク/ジェームズ・ローレンソン/プルネラ・スケイルズ/チャールズ・サイモン/マルコム・シンクレア/エド・ウォーターズ/オルウェン・テイラー/クリス・スタントン●日本放映:2002/07●放映局:NHK‐BS2(評価:★★★)



「理想の村コンテスト」の最終候補になったミッドサマーマロウの村の周辺では、しばしば窃盗事件が起こっていた。犯人は村の不良青年ピーター(オーランド・ブルーム)と肉屋の息子ジャック(トビアス・メンジス)だった。バーナビー(ジョン・ネトルズ)の捜査の手がもう少しで届くところで、ピーターは干し草鋤で串刺しにされ殺される。ピーターはデビア夫妻(ティモシー・ウェスト、ハンナ・ゴードン)の娘キャロライン(クロエ・タッカー)と付き合いながら、獣医ゴードン(リチャード・ホープ)の妻ローラ(マーシャ・フィッツェラン)とも不倫していた。更に、息子を悪の道に引き込まれた肉屋のレイ(ビル・トーマス)や、ピーターの素行の悪さに頭を悩ませていた叔母のバーバラ(バーバラ・ジェフォード)、、ピーターに空き巣に入られ、大切な肖像画を傷つけられた元俳優エドワード・アラダイス(マーレイ・ワトソン)にも殺人の動機があった。 そんな中、今度は「理想の村コンテスト」開催中に、ロンドンからきた審査員がワインに入れられた青酸カリによって毒殺される―。
トム・バーナビー警部のシリーズの第12話「審判の日」(原題:Judgement Day)の本国放映は2000年1月29日、日本では2002年9月にNHK‐BS2にて前後編に分けて初放映され、その時のタイトルは「人形の手に血のナイフ」でした。
推理ドラマとして純粋に楽しめるし、「理想の村コンテスト」の3人の審査員の変なキャラクターの描き分けなどもしっかりしているし(4人目の審査員であるバーナビーの妻ジョイス(ジェーン・ワイマール)が戸惑うのも無理ない)、謎解きからラストにかけては人間ドラマとしても
重厚。「理想の村コンテスト」が背景になっているだけに、ロケーションもまた一段と美しく、また、「ロード・オブ・ザ・リング」('01年~'03年)シリーズのオーランド・ブルーム(Orlando Bloom)が人妻と不倫している不良青年役で出ているという見所もあります(バーナビーとトロイ(ダニエル・ケーシー)が「指輪物語」の話をする場面があるのは、撮影の時点でオーランド・ブルームの「ロード・オブ・ザ・リング」への出演が内定していたため? それとも偶然の一致?)。
Chenies Manor, Used as the actor Edward Aladice's house
題:MIDSOMER MURDERS:JUDGEMENT DAY●制作年:2000年●制作国:イギリス●本国上映:2000/01/29●監督:ジェレミー・シルバーストン●脚本:アンソニー・ホロヴィッツ●時間:102分●出演:ジョン・ネトルズ/ダニエル・ケーシー/ジェーン・ワイマーク/ローラ・ハワード/オーランド・ブルーム/バーバラ・ジェフォード/ティモシー・ウェスト/ハンナ・ゴードン/クロエ・タッカー/リチャード・ホープ/マーシャ・フィッツェラン/ビル・トーマス/トビアス・メンジス/マーレイ・ワトソン/シェラ・フラスター/マギー・スティード/ニコラス・グレース/ジョゼフィーン・トゥーソン●日本放映:2002/09●放映局:NHK‐BS2(評価:★★★★)

貧しいフィリピン青年の「僕」キドラット(キドラット・タヒミック)はジムニー(小型乗合バス)の運転手であるが、将来は宇宙飛行士を夢みている。僕のジプ
ニーがアメリカ人のビジネスマン(ハルムート・レルヒ、この作品の共同撮影カメラマン)の気に入り、ひとまずパリに赴くことになって、村をあげての大騒ぎの中、憧れの地へ発つが、日夜チューインガム自販機を詰め替える単純作業に追われ、夢は遠のく。巨大なスーパーの煙突の中に身を隠し、故郷を想う僕は、進歩という観念そのものに疑問を抱くようになる―。
1977年にフィリピンの映像作家キドラット・タヒミック監督(Kidlat Tahimik 、1942年生まれ)が発表した彼のデビュー作で、スペイン人が造った橋、アメリカの軍用車を改造したジプニー、月ロケットなどをモチーフに、フィリピン社会に染みついた植民地主義を、とぼけたユーモアや温かい詩情、ファンタジックで時にナンセンスな展開、ドキュメンタリー風の映像などを通して炙り出した作品です。
フィリピンの田舎町で行われる熱狂的な大祭を背景とした物語を描いて国際映画賞を受賞しています(マンハイム・ハイデルベルグ国際映画祭映画「新興国のための審査員賞」)。'87年に第2回東京国際映画祭(アジア秀作映画週間部門)にて上映されたのを観ましたが、馬や犬のマスコ
ットを家族で作って祭りで売っていた祖母と少年が、ある日ドイツのデパートの女性バイヤー(カタリーナ・ミューラー)がたまたま通りかかって、大量注文をしたために家族は大騒動となるという、ちょっと「悪夢の香り」と似た展開。但し、"日記映画作家"と呼ばれるだけあって、祭りの準備をする人々や本番の祭りの模様を記録映画風に描いていて、ドキュメンタリータッチがより色濃く出ています。また、単に反商業主義・反植民地主義というだけでなく、土着的、アジア文化的なものへの回帰指向もより鮮明になっています。この辺りは、「悪夢の香り」の主人公である「僕」が、最後に文明批判に目覚め、先住民の友達の教えを思い出して帰国するという結末からの流れを汲んでるともとれます。
今やその風貌や語り口から仙人のような趣を醸す同監督ですが(50代になってからマニラを離れ、山間部に移り住んでいる)、元々は富裕知識階層の出身で、ペンシルバニア大学ウォ―トンスクール(米国でもトップクラスとされるMBA)で経営学の修士号を取得し、パリで経済協力開発機構(OECD)の研究員をしていたという、かつては自他共に認めるバリバリのエコノミストでした。その彼が、帰国してから経済人への道をではなく、自主制作映画作家としての道を歩み(MBAの卒業証書を破り捨たというから相当の覚悟だったのか)、反商業主義を貫いて、国際的に高く評価される映像作家になったというのが興味深いです(相変わらず祭り好きの、剽軽なオッサンである点は変わらないみたいだけど)。
福岡アジア文化賞受賞スピーチ(2012)
「悪夢の香り」●原題:KIDLAT WORLD MABABANGONG BANGUNGOT(Perfumed Nightmare)●制作年:1977年●制作国:フィリピン●監督・製作・脚本・撮影:キドラット・タヒミック●共同撮影:ハルトムート・レルヒ●音楽:エフゲニー・グレボフ●時間:95分●出演:キドラット・タヒミック/ジェジェット・ボードリィ/マン・フェリィ/ハルムート・レルヒ/カタリーナ・ミューラー/ドロレ

ネセゾン●最初に観た場所:シネセゾン渋谷(87-09-26)(評価:★★★☆) シネセゾン渋谷 1985年11月6日、渋谷道玄坂「ザ・プライム渋谷」6Fにオープン。2011年2月27日閉館。




1899年、ベロルシアのポレーシエ村に、ペテルスブルグートニコフの大学生アンドレイ・ベロレツキー(ボリス・プロ)が、民俗学研究として民話の取材にやって来た。彼が雨やどりをした古い館には、美しい女性ナジェージタ(エレン・ディミートロワ)が住んでいた。17世紀始めのポレーシエには、「スタフ王」と呼ばれる農奴制の改革を訴えて決起した農民らにとっての英雄がいたが、反目する金持の貴族ロマン・ヤノフスキーによってスタフは狩猟中に殺害され、今際の際(いまわのきわ)に、ヤノフスキー家の一族を呪い殺すことを誓ったという。その最初の儀牲者となったのがロマン・ヤノフスキーで、ナジェージタはヤノフスキーの最後の血縁者だった―。
アンドレイはこの家で、ナジェージダが全裸で羽毛に包まれ召使いの老婆が呪文を唱えていたり、執事が怪しげな行動をとったりするなど、不思議なことを目撃する。ナジェージタの誕生パーティが開かれ、彼女の伯父ドゥボトフク(ロマン・フィリッポフ)が、高価な贈り物をする。やがて執事が殺され、彼の弟の小人の存在が明らかになる。そのころ村では、スタフ王の亡霊が出没し、人々を恐怖の底に陥れていた。アンドレイは村人たちを励ましてスタフ王と騎士たちに挑み、その正体を明らかにする―。
ロシアン・ゴチック・ミステリーいう感じでしょうか。「ベロルシア」は「ベラルーシ」のことで(従って今のロシアには含れない)、ポレーシエは湿地帯の多い地方のようです(コナン・ドイルの『バスカヴィル家の犬』の舞台になった英国のダートムアみたいな感じか)。ベラルーシの作家ウラジミール・コロトケヴィチの作品を基に映画化されたそうで、この作家がどういう作品を書いているのかよく分からないのですが、スタフ王伝説というのは実際にあるそうです。
「スタフ王の野蛮な狩り」●原題:ДИКАЯ ОХОТА КОРОЛЯ СТАХА(THE SAVAGE HUNT OF KING STACH)●制作年:1979年●制作国:ベロルシア共和国(ベラルーシ共和国)●監督:ワレーリー・ルビンチク●脚本:ウラジミール・コロトケヴィチ
/ワレーリー・ルビンチク●撮影:タチャーナ・ロギーノワ●音楽:エフゲニー・グレボフ●原作:ウラジミール・コロトケヴィチ"King Stakh's Wild Hunt"(Belarusian: Дзікае паляванне караля Стаха)●時間:109分●出演:

1971年・第24回カンヌ国際映画祭で新人監督賞を受賞したニーノ・マンフレディ(1921‐2004)が監督・主演した、ヴェネチアのカーニヴァルを背景としたミステリ風コメディ映画で、日本では'84年の「イタリア映画祭」で上映された作品であり、その後、一般ロードでも公開されました。ニーノ・マンフレディは元々俳優であり、この作品の当初の監督アルベルト・ラットゥアーダ(「
老舗の古書店の娘と結婚して十数年経つ夫(マンフレディ)は、自らもローマからヴェネチアに移り住んで古書店を営もうとするがうまくいかず、芸術家の間で顔が広い妻(エレオノーラ・ジョルジ)に対するコンプレックもあって2人の関係はやや冷え切り気味だが、そんなある日、芸術家達の集いの場となっている知人の屋敷で、妻にそっくりの女の大判ヌード写真を見つける―。
カーニヴァルの翌朝、男はリリーと並んで焼きカボチャか何かを食べていますが、もう男にとってリリーが妻と同一人物であろうとなかろうとどうでもよく、目の前に愛する人がいるだけで満ち足りた気分になっているという、ミステリ的要素がありながら謎は最後まで明かされないという終わり方ですが(その方が却って洒落ていていい)、ある意味、女性に妻と娼婦の2役を求める男の願望を表した作品であるともいえます。

●脚本:ニーノ・マンフレデ/アージェ・スカルペッリ/ルッジェロ・マッカリ●撮影:ダニロ・デシデリ●音楽:ロベルト・ガットー/マウリッツィオ・ジアマルコ●時間:103分●出演:ニーノ・マンフレディ/エレオノーラ・ジョルジ/ジョルジュ・ウィルソン/ジャン=ピエール・カッセル/カルロ・バーノ●日本公開:1984/10●配給:イタリア会館●最初に観た場所:銀座文化1(84-10-04)(評価★★★☆)「


銀座文化1 1955年11月21日オープン「銀座文化劇場(地階466席)・銀座ニュー文化(3階411席)」、1978年11月2日~「銀座文化1(地階353席)・銀座文化2(3階210席)」、1987年12月19日〜「シネスイッチ銀座(前・銀座文化1)・銀座文化劇場(前・銀座文化2)」、1997年2月12日〜休館してリニューアル「シネスイッチ銀座1(前・シネスイッチ銀座)・シネスイッチ銀座2(前・銀座文化劇場)」






トム・バーナビー警部(ジョン・ネトルズ)の叔母アリス・ブライ(フィリス・カルバート)は一時的にローンサイド老人ホームに入所することになるが、そこでは入
所者の死が相次ぎ、入所者のひとりマージョリーは老人達の遺産を目当てに殺人が行われていると疑っていた。それを聞いたアリスは、甥のバーナビーに相談を持ちかける。しかし、聞き込みを始めると、マージョリーは認知症が進行していて、言動があまり信用できないらしいとのこと。それでも、看護師を脅す元入所者の息子や、何かを隠していそうな理事、警官を見て動揺する入所者と、ホームには不審な人物ばかり。だが、殺人に繋がる明確な手がかりは無いまま、入所している老人達は次々亡くなっていく―。
不審な人物は多いですが、圧倒的に怪しいのはホームの嘱託医と女性看護師。マージョリーも言うように、親族と共謀して認知症の進んだ入所者の遺書を書き換えさせたうえで殺害しているのではないかと思いました。
振り返ってみれば事件の部分は意外と少なく、あとは事故のようなものだったり自然死だったりで、プロット的にはやや拍子抜けの感もありました(英国の老人ホームって、インテリアも格調高いね。登場人物のセリフにもあるが、入所料も高いようだけれど)。
Interior shots of the Lawnside Nursing home were filmed here in Blue Herrings
その他にも、「老い」というものについて考えさせられる場面が幾つかあり、推理プロット重視で見れば星3つですが、ドラマ的な要素(初めて明かされたバーナビーの個人的な思い出)、ジョン・ネトルズの演技の幅を見せてくれたエピソードであることを加味して星4つ―といったところでしょうか(老優たちの演技も良かった)。
「バーナビー警部(第11話)/美しすぎる動機(ラストダンスは天国で)」●原題:MIDSOMER MURDERS:BLUE HERRINGS●制作年:2000年●制作国:イギリス●本国上映:2000/01/22●監督:ピーター・クレギーン●時間:102分●出演:ジョン・ネトルズ/ダニエル・ケイシー/ジェーン・ワイマーク/ローラ・ハワード/フィリス・カルバート/Mary Wimbush/Geoffrey Bayldon/Nigel Davenport/Gudrun Ure/Angela Down/Georgine Anderson/Matyelok Gibbs/Sam Beazley/Colin Tierney/Deborah Findlay/Clive Wood●日本放映:2002/08●放映局:NHK‐BS2(評価:★★★★)

マーシュウッドの上流階級の面々が、キツネ狩りをしている最中に、一人の浮浪者が撲殺された。休暇中のバーナビー警部(ジョン・ネトルズ)に代わって捜査の指揮をとったのはロン・プリングル警部(ジェームズ・ボーラム)。上流階級に憧れるプリングルは、すぐに地元の不良、ビリー・ガーディ(トム・スミス)を逮捕する。その後、帰ってきたバーナビー警部は、プリングルの狭量な捜査が間違いでなければと危惧するが、またしても事件が起こる。息子の無実を信じ、森を調べていた父親のベン・ガーディー(フレッド・リッジウェイ)が、射殺体で発見されたのだった。そして、上流階級のトランター家やフィッツロイ家の主人にとりいり、キツネ狩りに参加したプリングルにも、パーティの夜に庭の東屋であるものを見てしまったがために―。
森で殺害された浮浪者と上流階級の一族との間にどのような繋がりがあるのか―というのがミソですが、いやあ、大ありでした。フィッツロイ家当主ジェームズ・フィッツロイ(リチャード・ジョンソン)、その妻サラ・フィッツロイ(ジェニファー・ヒラリー)、トランター家の若き当主グレアム・トランター(ドミニク・マッファン)、その母マーシア・トランター(ダイアン・フレッチャー)、グレアムの妻ケイト・トランター(サラ・ウィンマン)らの関係が錯綜していて、それに森に住む女リンダ・ワグスタッフ(ジャンヌ・ヘップル)や剥製屋のヘンリー・カーステアズ(サイモン・マクバーニー)のような全く上流階級に関係ないような人たちもが実は何らかの関係があって事件に関与しているらしく、更に最後に、浮浪者と上流階級一族や森に住む女との関係が明らかになる―。
複雑な人物関係はこのシリーズの特色であり、このエピソードもバーナビー警部ならでは謎解きですが、視聴者目線では推理不可能な要素も。暗い結末の中(この暗さもこのシリーズの持ち味だが)、バーナビーが休暇先で奮発してフレンチのコース料理を食べて腹具合が悪くなったり、トロイ巡査部長(ダニエル・ケイシー)がグレアムの母ケイト・トランターを指して、「100万ポンドもらってもお断りな女」と言ったりと、ユーモラスな場面やセリフもちゃんと用意されていました。
しかし、今でも貴族って、毎週キツネ狩りばかりやっているのだろうか。英国の田舎町を舞台にしたこのシリーズの視聴者への訴求要素の1つとして「郷愁」のようなものがあって、キツネ狩りというのも、イギリス人にとっては、自分がやったことがある・無しに関わらず、ある種の懐かしさを呼び起こす慣行なのかもしれません。
「バーナビー警部(第10話)/絶望の最果て(狩りの角笛が死を誘う)」●原題:MIDSOMER MURDERS:DEATH OF A STRANGER●制作年:1999年●制作国:イギリス●本国上映:1999/12/31●監督:ピーター・クレギーン●脚本:ダグラス・リビングストン●撮影: ナイジェル・ウォルターズ●原作:キャロライン・グレアム●時間:102分●出演:ジョン・ネトルズ/ダニエル・ケイシー/ジェーン・ワイマーク/ローラ・ハワード/リチャード・ジョンソン/ジェニファー・ヒラリー/ドミニク・マッファン/ダイアン・フレッチャー/サラ・ウィンマン/ジェームズ・ボーラム/ジャネット・デイル/ジャンヌ・ヘップル/ピーター・ベイリス/トビー・ジョーンズ/サイモン・マクバーニー/フレッド・リッジウェイ/ジェーン・ウッド/トム・スミス/ジョニー・ブルーム●日本放映:2002/10●放映局:NHK‐BS2(評価:★★★☆)
The French restaurant where the Barnaby family eat a meal whilst on holiday in France

1940年、独軍戦闘機が英国で墜落し、操縦士は英国女性ベリティ(ローラ・ミシェル・ケリー)に助けられた。11年後の1951年、大富豪ラフィールの訃報を新聞で知ったミス・マープル(ジェラルディン・マクイーワン)のもとへ彼の秘書が現れ、ミス・マープルを「ネメシス(復讐の女神)」と呼んでいたラフィールの、事件の解決を依頼する遺言と、「ミステリー・ツァー」のチケットが2枚届き、ミス・マープルは甥で作家レイモンド・ウェスト(リチャード・E・グラント)とツアーに参加す
ることに。ツァーのコンダクター兼バス運転手はジョージア(ルース・ウィルソン)で、ツアー参加者はマーガレット(ローラ・ミシェル・ケリー、ベリティと二役)とシドニー(ジョニー・ブリッグズ)の夫婦、元執事レイバン(ジョージ・コール)、派手な赤コートの女アマンダ
(ロニー・アンコーナ)とその弁護士ターンブル(エイドリアン・ローリンズ)、足が不自由で顔中に縫い傷の痕があるワッディ(ウィル・メラー)とその妻ロウィーナ(エミリィ・ウーフ)、アグネス修道院長(アン・リード)とクロチルド修道女(アマンダ・バートン)、ドイツ人のマイケル(ダン・スティーブンズ)らで、全員ラフィール氏に招待されていた―。
ツアーで訪れたフォレスター卿の邸で、邸の相続続人であるアマンダが癇癪を起こし、そこにあったベリティの写真を踏みつける。宿泊先でコリン・ハーズ(リー・イングルビー)という若者が作家志望だとレイモンドに話しかけてくる。ミス・マープルは孤立しているマイケルに話し掛け、彼がラフィールの息子であることを掴む。夜中に宿の階段から落ちたレイバンは、マーガレットに「ベリティ?」と問いかけるが、彼女は否定する。翌朝、レイバンはベッドで亡くなっており、実は警官だったコリンに、ミス・マープルは毒殺の可能性を示唆する。朝食の席で修道尼らは、ベリティは
男に追われて修道院に逃げ込んできたと言い、その男とはシドニーのようだ。また、ベリティはフォレスター卿の隠し子だったようで、アマンダがメイドをしていた彼女を邸から追い出し、行方不明のまま死亡宣告されため、相続権は無いと彼女は言う。ボナヴェンチュア・ロックッス見物で、ミス・マープルと同じ川縁コースを選んだ修道女らは、マイケル(=ラフィールの息子)がベリティを殺したに違いないと話す。一方、山道コースを選んだロウィーナが何者かに突き落とされ、翌日死体で発見される。コリンとレイモンド、マープルの3人はツアー客らから聞き込みを行う―。
原作ではミス・マープルが単独で「ミステリー・ツァー」に参加するのに対し、BBC版もこのグラナダ版も、甥で作家のレイモンド・ウェストを伴っての参加となっていますが、このグラナダ版の方がBBC版よりもレイモンドの事件解決へ向けてへの関与度はすっと大きくなっています(でも、事件を実質的に解決するのはやはりミス・マープルなのだが)。
真犯人は、原作では「魔女の館」っぽい邸にいた3姉妹の1人であり、BBC版ではこれを踏襲していましたが、この映像化作品では、ツアー客の中の独自のキャラクターに置き換えています(犯行動機などから見て、犯人まで変えているとは必ずしも言えないが)。また、原作では、ラフィールの息子マイケルは事件が解決するまで収監されていたのを、BBC版では貧民屈でボランティア活動をしている(自らも浮浪者?)風に置き換えていましたが、この映像化作品では、これもまたツアー客の1人になっています。
「アガサ・クリスティー ミス・マープル(第12話)/復讐の女神」●原題:NEMESIS, AGATHA CHRISTIE`S MARPLE SEASON 3●制作年:2007年●制作国:イギリス●演出:ニコラス・ウィンディング・レフン●脚本:スティーヴン・チャーチェット●原作:アガサ・クリスティ「バートラム・ホテルにて」●時間:93分●出演:ジェラルディン・マクイーワン/ローラ・ミッシェル
・ケリー/ダン・スティーブンズ/グレイム・ガーデン/リチャード・E・グラント/ルース・ウィルソン/ジョニー・ブリッグズ/ジョージ・コール/ロニ・アンコーナ/エイドリアン・ローリンズ/ エミリー・ウーフ/ウィル・メラー/アン・リード/アマンダ・バートン/リー・イングルビー●日本放送:2010/03/26●放送局:NHK‐BS2(評価:★★★☆)

物語のプロローグで、ホームパーティの席上、犯罪学に関心を持つ高名な弁護士(元判事)トリーブス(トム・ベイカー)がミス・マープル(ジェラルディン・マクイーワン)に、殺人が起きたところから始まるというのは誤りであって、殺人は結果であり、物語はそのはるか以前から始まっていると語る。スケッチ旅行でソルトクリークを訪れ、当地のバル
モラルコート・ホテルに滞在していたミス・マープルは、古い学友でソルトクリークにある大邸宅の女主人カミーラ(アイリーン・アトキンス)に、邸でのパーティに招待されていた。パーティには、カミーラの甥で有名プロ
テニスプレーヤーのネヴィル・ストレンジ(グレッグ・ワイズ)とその現在の妻ケイ(ゾーイ・タッパー)、ケイの男友達でマープルと同じホテルに泊まっているテディ・ラティマー(ポール・ニコルズ)、ネヴィルの元妻
オードリー(サフラン・バローズ)と彼女が誘ったマラヤ帰りの従兄トーマス・ロイド(ジュリアン・サン
ズ)、カミーラの亡夫の友人だったトリーブス元判事らが招待されていた。ケイは、パーティの招待客の中に夫の元妻オードリーがいるのが不満で、わざとテディと親密げに振る舞い、そのオードリーに好意を寄せるトーマス・ロイドはオードリーを気遣っていた。ホームパーティの場で、トリーブス元判事は、かつて子供が成した事故を装った計画殺人の話をし、形質学的な特徴は一生変わらないので、大人になったその人物に
会えば今でも分かると話すが、その晩彼は、宿のエレベータが故障して階段を使おうとして心臓発作で亡くなる。ミス・マープルは彼の死が、事故ではなく計画殺人であると確信し、地元警察の
警視に元判事が話した昔の犯罪話の人物を探すよう依頼するが、警視はミス・マープルの話にまともに取り合わない。そんな中、女主人カミーラが寝室で、ゴルフクラブで頭を強打された死体姿で発見され、明白な状況証拠から、テニス選手の甥ネヴィルが第一容疑者として浮かび上がる―。
プロテニス選手の甥とその新妻及び前妻、更にその2人の女性にそれぞれ恋心を抱く2人の男たちという嫉妬や恨みが渦巻く一触即発の雰囲気の中で事件は起きますが、原作の犯人は、意外だったと言うか、秘められた異常性を持つある種サイコパスでした。それに比べると、原作を読んで犯人の見当がついてしまっているのもありますが、やや最初から当該人物は怪しげだったかな。
実は原作で本当に事件解明に繋がる鋭い閃きを見せたのは、冒頭と最後の方にしか登場しない、たまたま当地に滞在していた自殺未遂の心の傷を克服しつつある男だったのですが、この人物はこの映像化作品には登場しません。代わりに、マープルと同じホテルに泊まっている犬を連れた少女が登場して、彼女の「ビリヤード場で腐った魚の匂いがした」との証言からマープルは犯人の確証を得ます。
このシリーズ、結構、原作には無いポワロ風の「一同集めての」謎解きが見られますが、まあ、この方が映像的に見栄えがするのでしょうか。ただ、船縁に乗っかって脚をぶらぶらさせているテディ・ラティマーをいきなり海に突き落としたのは、ちょっとやり過ぎの印象も受けました。全体を通してミス・マープルの「割り込み感」が気になる映像化作品でしたが、原作がよく出来ていて、基本的なプロット改変は思ったほど多くなかったこともあり、楽しめました。




ミス・マープル(ジェラルディン・マクイーワン)は、昔マープル家で奉公していたグェンダ(ジュリエット・スティーヴンソン)が、自分が秘書を勤める歴史家リオ・アーガイル(デニス・ローソン)と婚約したため、その結婚祝に招待される。リオの妻レイ
チェル(ジェーン・シーモア)は2年前に書斎で殺害されていて、犯人とされた養子のジャッコ(バーン・ゴーマン)は日頃から問題児で、その日もグェンダに金の無心をしに来てと口論になり、彼女に掴
みかかっていた。彼は殺害時刻には他人の車に乗っていたとアリバイを主張するも、証人が現れず死刑になっていた。ケンブリッジ大学の動物学者アーサー・キャルガリ(ジュリアン・リンド・タット)は、南極探検で英国を離れていて帰国してから古い新聞記事で、自分が処刑されたジャッコの証言にある人物であることに思い当り、ジャッコの無実を告げにアーガイルの邸サニー・ポイントに駆けつける―。
邸にはリオ家族である、長女メアリ(リサ・スタンスフィールド)、長男ミッキー(ブライアン・ディック)、次女ヘスター(ステファニー・レオニダス)、ジャッコの双生児ボビー(トム・ライリー)、末女で混血児のティナ(グーグー・ムバサ・ロー)がいて、ジャッコと同様、皆レイチ
ェルの養子だった。リオ、グェンダ、養子の兄弟姉妹の外には、メアリの夫で車椅子生活のフィリップ・デュラント(リチャード・アーミテージ)と、家政婦のカーステン・リ
ンツトロム(アリソン・ステッドマン)がいた。キャルガリがもたらしたジャッコ冤罪の知らせは皆を喜ばせることはなく、むしろ家族の間で疑心暗鬼が深まる。ミス・マープルが家政婦カーステンから家族の事情を聞くと、レイチェルの葬儀の日に、ジャッコが密かに結婚していた妻モーリーン(アンドリア・ロウ)が家を訪ねて来たと言う。翌日、ヒュイッシ警部補(リース・シェアスミス)が到着して捜査を始めると、家族間の疑心暗鬼は更に深まり、カーステンは、リオの妻の座を狙った秘書のグェンダが犯人だと糾弾する。そのグェンダが、何者かによってレター・オープナーで刺殺される―。
2007年に本国イギリスで放映されたジェラルディン・マクイーワン主演の英国グラナダ版で、この年から翌年にかけて作られたシーズン3全4話の内の第2話(通算第10話)であり、日本ではNHK‐BS2で2010年3月24日に初放映。
前半部分は、ほぼそれ以外は原作通りに進行しますが、原作では、キャルガリが真相究明に燃えるほか、フィリップも真実の解明に乗り出しますが、この映像化作品では、キャルガリの推理は冴えず、フィリップは推理することすらしないし、原作のヒュイッシ警視は、原作より年齢が下の"警部補"になっていて、あまり冴えないメガネ男に変えられている―要するに、オイシイ箇所は全てミス・マープルが持って行ってしまった感じです。
原作では、事件解決後に、キャルガリとヘスターとの間に恋が芽生えるのですが、これも無し(それ以前に、ヘスターの恋人で医師のドナルドというのが登場するが、これも出てこない)。まあ、ラストのヘスターの新たな恋の目覚めは、原作においても唐突感があるため端折ってもいいかなという気はするし、さすがに真犯人までは変えていなかったけれど、様々な改変によって原作より面白くなるならばともかく、そうもなっていないため、自分としてはイマイチでした。
グェンダ役のジェーン・シーモアは、"007シリーズ"第8作、ガイ・ハミルトン監督、ロジャー・ムーア主演「007死ぬのは奴らだ」('73年/英)のボンドガールであり、自分が初めて映画館で見た007作品であるため懐かしかったです。この作品も、"007シリーズ"の中で評価が割れている作品ですが、個人的にはそう嫌いではないです(懐かしさもあって)。
この"ミス・マープル"シリーズの
「アガサ・クリスティー ミス・マープル(第10話)/無実はさいなむ」●原題:ORDEAL BY INNOCENCE, AGATHA CHRISTIE`S MARPLE SEASON 3●制作年:2007年●制作国:イギリス●演出:モイラ・アームストロング●脚本:スチュアート・ハーコート●原作:アガサ・クリスティ「バートラム・ホテルにて」●時間:93分●出演:ジェラルディン・マクイーワン/ジュリエット・スティーヴンソン/デニス・ローソン/アリソン・ステッドマン/リチャード・アーミテージ/ステファニー・レオニダス/リサ・スタンスフィールド/バーン・ゴーマン/ジェーン・シーモア/トム・ライリー/リース・シェアスミス/ジュリアン・リンド・タット/ブライアン・ディック/グーグー・ムバサ・ロー/マイケル・フィースト/ピッパ・ヘイウッド/カミーユ・コドゥリ●日本放送:2010/03/23●放送局:NHK‐BS2(評価:★★★)

「007 死ぬのは奴らだ」●原題:LIVE AND LET DIE●制



少女時代の訪れたことがある憧れのバートラム・ホテルを60年ぶりに訪れ宿泊することになったミス・マープル(ジェラルディン・マクイーワン)は、伯父リチャード卿の遺言状読み上げに来た友人セリーナ・ヘイジー(フランチェスカ・アニス、"
エルヴィラ(エミリー・ビーチャム)とその友人ブリジット(メアリー・ナイ)も泊りに来ていた。その他にも、ペニフェザー神父(チャールズ・ケイ)、ドイツの帽子屋ムッティ(ダニー・ウェッブ)、双子のジャックとジュール(ニコラス・バーンズ)、レーサーのマリノフスキー(エド・ストッパード)らが客としていた。そんな中、ホテル屋上でメイドのティリー(ハンナ・スペアリット)が絞殺され、バード警部補(スティーブン・マンガ
ン)が捜査に乗り出す。ティリーの同僚メイド、ジェーン・クーパー(マルティン・マッカッチャオン)とミス・マープルは、同じファーストネームということで意気投合し、バード警部補も頭が良くて行動力のあるジェーンに惹かれるとともに、鋭い観察眼を持ったミス・マープルも頼りにするようになる―。
メイド絞殺事件の翌日、ホテルの123号室で湯船から溢れた湯が下の階に洩れてレストランが停電し、客がラウンジに移動すると外で銃声がして、ベスを庇ったとみられるドアマンのミッキー・ゴーマン(ヴィンセント・リーガン)が撃たれて死ぬ。ミッキー・ゴーマンはベスの前の夫であり、彼が庇ったと思われたのはベスではなくエルヴィラだった。彼女はすぐにピストルを狙撃犯がいる2階の部屋に向けて撃つが、バード警部補が部屋に駆けつけると、部屋は無人でライフルが窓辺に置かれ、しかも内側から鍵が掛かっていた。ミス・マープルは、ベスが血の色で書かれた脅迫状を受け取っていたことを、偶然掴んでいた―。
ストーリーの方は、BBC版がほぼ原作に忠実であったのに対し、こちらは、原型をとどめないほどに改変されていて、もうここまで変えてしまうとこれはこれで楽しむしかないかと思いつつ(「えーっ」と何度も声を上げながら)観てましたが、観終えてみれば、十分楽しめてしまったようにも思います。逆に感心してしまいました。
原作で捜査に当たるのはベテランのフレッド・デイビー主任警部でしたが、この映像化作品では、若いバード警部補が、ミス・マープル、メイドのジェーン・クーパーの協力を得て3人で事件の謎を解こうとし、結局、マープル以外の2人は自力では真犯人に辿り着かないのですが、その間、バードとジェーンの距離がぐんぐん狭まってきて(これも原作には無い話なので「えーっ」だったが)、ラストはハッピーエンドに(「あなたが私に何を頼もうとも私の答えはイエスよ」なんてセリフは上手い)。これはこれで爽やかな終わり方だったのではないでしょうか。ミス・マープルは"復讐の女神"ならぬ"縁結びの女神"か。
「アガサ・クリスティー ミス・マープル(第9話)/バートラム・ホテルにて」●原題:AT BERTRAM`S HOTEL, AGATHA CHRISTIE`S MARPLE SEASON 3●制作年:2007年●制作国:イギリス●演出:ダン・ゼフ●脚本:トム・マクレイ●原作:アガサ・クリスティ「バートラム・ホテルにて」●時間:93分●出演:ジェラルディン・マクイーワン/ビンセント・レーガン/マーク・ヒープ/ エミリー・ビーチャム/メアリー・ナイ/マルティーヌ・マカッチャン/チャールズ・ケイ/エド・ストッパード/ニコラス・バーンズ/ミーシャ・パリス/フランチェスカ・アニス/ピーター・デーヴィソン/スティーブン・マンガン/ハンナ・スピアリット/ポリー・ウォーカー/●日本放送:2010/03/23●放送局:NHK‐BS2(評価:★★★★)

プロローグで、エジプトの秘宝発掘現場で2人の男が王の墓から財宝を見つける。その25年後、「シタフォード荘」に住むトレヴェリアン大佐(ティモシー・ダルトン)は、現首相チャーチルの後継と目されている。彼が後見人となっているジム・ピアソン(ローレンス・フォックス)は、素
行不良のため遺産相続人から外す旨の手紙を大佐から受け取ったとして怒っているが、大佐は、自分がその手紙を書いたことを否定する。酔い潰れたジムを、その婚約者エミリー(ゾーイ・テルフォード)は、パーティーで偶然知り合った新聞記者チャールズ・バーナビー(ジェームズ・マリー)とともに家に送り届けるが、翌日ジムは大佐に会うと言って、降りしきる雪の中、シタフォード荘に向かう。ミス・マープル(
ジェラルディン・マクイーワン)は甥で作家のレイモンドの別荘を訪ねてシタフォードに来たが、レイモンドは戻れず、彼女は、近くの「シタフォード荘」に泊めてもらうことになる。大佐の親友エンダービー(メル・スミス)は、大佐の政務官であり「シタフォード荘」を管理している。大佐は、そのエンダービーにも行先を告げずに山荘を出るが、ミス・マープルは彼が、ホテル「スリークラウン館」に偽名で予約を入れるのを聞いていた。エンダービーは、山荘に送り届けられたゼリーを食べた飼い鷹が死んだのを見て、大佐の身を案じて吹雪の中「スリークラウン館」に向
かうが、歩いて2時間はかかる。更にそれを案じたチャールズが後を追う。「スリークラウン館」は、カークウッド(ジェームズ・ウィルビー)が昨年ここを買い取ったもの
で、ミセス・ウィレット(パトリシア・ホッジ)と娘のヴァイオレット(キャリー・マリガン)、ミス・パークハウス(リタ・トゥシンハム)ら何人かの客がいて、ウィレット夫人の提案で、ホテルの客たちを集めての心霊占いが始まるが、占いの結果「今夜トレヴェリアン大佐が死ぬ」という言葉が現れる。エンダービーが到着し、途中で彼に追いついたチャールズと共に大佐の部屋に行くと、彼は胸を刺されて死んでいた。大雪で警察が来られないため、エンダービーが捜査に当たる―。
2006年に本国イギリスで放映されたジェラルディン・マクイーワン主演のグラナダ版で、シーズン2の第4話(通算第8話)。日本ではNHK‐BS2で2008年6月26日に初放映。
降霊会の行われるのが原作の「シタフォード荘」でではなく、「スリークラウン館」に改変されていて、「シタフォード荘」の降霊会で「大佐が死ぬ」というお告げがあったちょうどその頃、「スリークラウン館」で大佐は殺害されたらしい、というのが原作のミソであるのに対し、「スリークラウン館」で行われた降霊会に大佐自身が加わっていて、その後で殺害されるので、その分、ミステリアスな雰囲気は削がれてしまっています。
原作では、事件を解決したエミリーが、頼りない男である婚約者ジムと、事件を通して距離の狭まった新聞記者チャールズのどちらを選ぶかが1つの見所で、最終的にはやはり婚約者の方を選んで、出来る女性というのは意外と頼りない男の方を選んだりするものだなあと思わせる面がありましたが、この映像化作品に登場するジム・ピアソンは最初からどうしようもない男で、そもそもなぜエミリーはこんな男と婚約したのかと思わざるをえません(そのエミリーも、やや高慢ちきで、原作ほど魅力的な女性にはなっていないのだが)。 エミリー(ゾーイ・テルフォード)
「この線でいくと、こっちは最後、チャールズの方を選ぶだろうなあ」と思わせるのが1つの引っ掛けだったわけかと。原作の真犯人バーナビー少佐がエンダービーに改名され、新聞記者のチャールズ・"エンダビー"の名前がチャールズ・"バーナビー" に改名されていることが「伏線」だったわけですが、凝り過ぎていて分かんないよ、そんな細かいところは...(因みに、ミセス・ウィレットの娘で原作のヴァイリットも"ヴァイオレット"に改変され、トレヴェリアン大佐がエジプト時代に愛した娘と同名という設定になっているが、こんな話は原作には元々は無い)。 トレヴェリアン(ティモシー・ダルトン)/ヴァイオレット(キャリー・マリガン)
ティモシー・ダルトンは007シリーズの4代目ジェームズ・ボンド役で、シリーズ第15作、第16作に主演(原作は共にイアン・フレミングの短編、監督は共にジョン・グレン)。第15作「007 リビング・デイライツ」('87年)は、高齢
続く第16作「007 消されたライセンス」('89年)は、'89年11月にベルリンの壁が崩壊したこともあり、冷戦下で作られた最後の007シリーズ作品です。ストーリー的も冷戦の要素が組み込まれた最後の作品とされていますが、ボンドの実質的な敵役は既に、前作のKGBから麻薬王へと変わっています。「古い時代の名残を感じられる最後のボンド映画」との見方もありますが、個人的には、ティモシー・ダルトンになってアメリカのアクション映画とあまり変わらなくなってきた印象を受けました。麻薬王の役は前年に「ダイ・ハード」('88年)でFBI特別捜査官を演
じたロバート・デヴィ、ボンド・ガールはキャリー・ローウェル(味方側)とタリサ・ソト(敵側)でこちらも共に米国出身、ティモシー・ダルトン"ボンド"は、この敵味方二人の女性に助けられてばかりだったなあ。
ティモシー・ダルトンは、'71年にショーン・コネリーの後任としてボンド役を依頼されていますが、ボンドを演じるには若すぎるという理由で辞退し、'79年にロジャー・ムーアが降板を考えていたために来た依頼も断っており、3度目の依頼でようやく引き受けたとのことです。但し、この2作でボンド役を降ろされてしまい、次回作からボンド役は
「アガサ・クリスティー ミス・マープル(第8話)/シタフォードの謎」●原題:THE SITTAFORD MYSTERY, AGATHA CHRISTIE`S MARPLE SEASON 2●制作年:2006年●制作国:イギリス●演出:ポール・アンウィン●脚本:スティーヴン・チャーチェット●原作:アガサ・クリスティ●時間:93分●出演:ジェラルディン・マクイーワン/ティモシー・ダルトン/マイケル・ブランドン/ローレンス・フォックス/ロバート・ハーディ/パトリシア・ホッジ/ポ

●監督:ジョン・グレン●製作:マイケル・G・ウィルソン/アルバート・R・ブロッコリ●脚本:リチャード・メイボーム/マイケル・G・ウィルソン●撮影:アレック・ミルズ●音楽:ジョン・バリー●原作:イアン・フレミング●時間:130分●出演:ティモシー・ダルトン/マリアム・ダボ/ジェローン・クラッベ/ジョー・ドン・ベイカー/ジョン・リス=デイヴィス/アート・マリック/ジョン・テリー/アンドレアス・ウィズニュースキー/デスモンド・リュウェリン/ロバート・ブラウン/キャロライン・ブリス●日本公開:1987/12●配給:MGM=ユナイテッド・アーティスツ(評価:★★★) 「
消されたライセンス」●原題:JAMES BOND 007 LICENCE TO KILL●制作年:1989年●制作国:イギリス・アメリカ●監督:ジョン・グレン●製作:マイケル・G・ウィルソン/アルバート・R・ブロッコリ●脚本:リチャード・メイボーム/マイケル・G・ウィルソン●撮影:アレック・マイルズ●音楽:マイケル・ケイメン●原作:イアン・フレミング●時間:133分●出演:ティモシー・ダルトン/キャリー・ローウェル/ロバート・ダヴィ/タリサ・ソトアンソニー・ザーブ/フランク・マクレイ/エヴェレット・マッギル/ウェイン・ニュートン/デスモンド・リュウェリン●日本公開:1989/09●配給:MGM=ユナイテッド・アーティスツ(評価:★★★) 「

登場人物のお互いの腹の探り合いは、『そして誰もいなくなった』にも通じる面白さがありますが、それでもやはりミステリとして読むと、全般を通してその部分がやや弱いのと、キャルガリの「冤罪を晴らす」という当初の意気込みからするとある種アンチ・カタルシスの結末ため、読後感がイマイチすっきりしなかったというのもあります。





1931年、アガサ・クリスティ(1890‐1976)が41歳の時に刊行された作品で(原題:The Sittaford Mystery (米 Murder at Hazelmoor))で、ポアロもミス・マープルも登場しないノン・シリーズもの。オカルトっぽい雰囲気は、後の同じくノン・シリーズ物の
捜査責任者のナラコット警部は、事件当日近くの旅館に現れて金の無心をしに大佐を訪ねた後、翌朝の列車で去った大佐の甥ジェイムズ・ピアソンを逮捕しますが、この逮捕を不服としたジェイムズの婚約者エミリー・トレファシスが、記者のチャールズ・エンダビーとともに独自の捜査を開始するとともに、ナラコット警部もジェイムズの犯行であるとの見方に疑念を抱き、捜査を続ける―。
すが(「江戸川乱歩が選んだクリスティ作品ベスト8」 に入っている)、動機がやや弱いし、連続殺人事件でもないし、クリスティ作品の中では比較的軽めの方でしょうか。その分、ややもの足りなさの残るものでした。


西川美和 氏(映画監督、脚本家)
物語は、「ぼく」が故郷・広島に辿りついて、玉音放送の日、原爆で破壊され焼き尽くされた街を目の前に立ちつくす場面へと続いていきます(この少し前に初めて「ぼく」の故郷が広島であることが読者に明かされる。但し、本の帯に「終戦当日、ぼくは故郷広島に向かった。この国が負けたことなんて、とっくに知っていた」と書かれてしまっていたが
)。変わり果てた故郷の街で「ぼく」は一体何を見てどう感じたか―。



大手総合電機会社ソニックの子会社である中堅電機メーカー東京建電で住宅関連商品を扱う営業4課の課長・原島万二(45)は、名前通りの万年二番手でたいした実績がない平凡なサラリーマンだったが、一方、原島と対照的に花形部署の営業1課に38歳という最年少で昇進しメキメキと業績を上げていた坂戸宣彦が、万年係長と揶揄される八角民夫(50)(通称ハカック)からパワハラを訴えられて突然更迭される。やる気のない八角に対し、10歳以上年下である坂戸は課員の面前で罵倒し続けたのだった。営業部のエースは失脚で、代わりに一課長に就任したのが原島だったが、坂戸がパワハラで訴えられたことには"裏"があったのだ。それは、東京建電にとって会社存続をかけた死活問題であり、親会社のソニックにしても子会社の不祥事と連結決算で受けるダメージは底知れない重大事件だった―。
ドラマでは、原作の最後にある調査委員会の聴取を冒頭に持ってきて、常にそこからの振り返りという形でストーリー展開しているせいもあって、このこと
がかなり全体のトーンを重苦しく暗いものにしている感じがしました。しかし、役者陣は、東山紀之(原島)の周りを、同時期にスタートしたTBS日曜劇場「
われます。「半沢直樹」のような派手さはないけれど、こちらの方を評価する人もいたみたいです(個人的には「半沢直樹」の方が面白かったが、反面、「半沢」には引っ掛かる部分もあった)。「半沢直樹」は個人に起因する不正融資を描いていますが、こちらは企業ぐるみのリコール隠しなわけで、民放でやってもスポンサーが嫌うかも。その意味ではNHKらしいと言えばNHKらしいドラマ。2つの内部告発が出てきますが、最初のカスタマー室長・佐野の社内での内部告発は、グループ企業内で秘密にされ、原島もその方針に従う―こうなるともう、八角(ハカック)のようなマスコミを使ったやり方しかないのか(「半沢」も同じ手を使っていたが)。

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(●2019年映画化。監督は「半沢直樹」「下町ロケット」などの演出を務めた福澤克雄であり、主演の八角役の野村萬斎は目新しいが、あとは香川照之、及川光博、片岡愛之助といった「半沢直樹」の顔ぶれが並ぶ。トーンも完全に娯楽性とテンポを重視した「半沢直樹」の作りと同じで、「半沢直樹」の再現みたいだ。NHKドラマのシリアスな作りもいいが、このような劇画調も、映画になっても愉しめることがわかった。野村萬斎の「八角」は、テレビで吉田鋼太郎が演じた「八角」とは違った味があった(映画「
における極端に狂言調の彼とも違う)。原作は「原島」から始まって「八角」で終わっている印象だが、ドラマは東山紀之演じる「原島」から始まって「原島」で終わっている印象を受けた。それに対し、映画は、野村萬斎演じる「八角」で始まって「八角」で終わっている印象で、及川光博演じる「原島」はやや後退している感じ。狂言師 vs.歌舞伎役者の"顔芸"対決になったが、なぜか立川談春、春風亭昇太といった落語家も参戦(笑)、オリラジの藤森慎吾まで出ていたなあ。
「七つの会議」●制作年:2019年●監督:福澤克雄●脚本:丑尾健太郎/李正美●音楽:服部隆之(主題歌:ボブ・ディラン「メイク・ユー・フィール・マイ・ラヴ」●原作:池井戸潤●時間:119分●出演:野村萬斎/香川照之/及川光博/片岡愛之助/音尾琢真/藤森慎吾/朝倉あき/岡田浩暉/木下ほうか/土屋太鳳/小泉孝太郎/溝端淳平/
春風亭昇太/立川談春/勝村政信/世良公則/鹿賀丈史/橋爪功/役所広司/北大路欣也●公開:20219/02●配給:東宝(評価:★★★★)



バブル期に入行し、大阪西支店の融資課長を勤める半沢直樹は、支店長の浅野の強引な指示で無担保でへの5億円の新規融資を実行したが、7ヵ月後に当の相手企業が不渡りを出し倒産、半沢は支店長から融資の責任を一手に負わされ、窮地に立たされる。雲隠れした倒産会社社長の東田を捕まえることはできるのか、果たして5億円を回収できるのか―。(『オレたちバブル入行組』)
ビデオリサーチ速報値での「最終回」の平均視聴率42.2%、瞬間最高視聴率 46.7%(何れも関東)を記録したTBS日曜劇場「半沢直樹」(関西は平均45.5%、瞬間最高50.4%)の原作で、ドラマの第1部の「西大阪スチール」の話が『オレたちバブル入行組』、第2部の「伊勢島ホテル」の話が『オレたち花のバブル組』に対応していますが、原作もドラマも面白かったように思います。
原作では主要な登場人物のそれぞれの出自などに踏み込んで描かれていて、但し、ネジ製造工場経営の半沢の父親が自殺したという話は原作にはありません(彼が学生時代に剣道をやっていて今も時々道場に足を運ぶ、という話も)。片岡愛之助(この人、実生活では歌舞伎とは無縁のスクリュー製造工場を営む家庭に生まれ、両親は20代の頃に相次いで他界している)が演じて、そのオネエキャラで話題となった国税庁の黒崎は、原作でもオネエキャラです。但し、本格的に登場するのは、大阪国税局就航中の『オレたちバブル入行組』よりも、金融庁に戻って主任検査官となった『オレたち花のバブル組』に入ってからで、しかもそう頻繁に登場するキャラクターでもなく、人気が出て、ドラマの方での出番が原作より多くなっているようです。
浅野支店長(石丸幹二)に株取引の失敗で重ねた5千万もの借金があり(原作では3千万円)、大和田常務(香川照之)の妻の会社は1億円以上の借金を抱えているという―2人とも不正を働く動機としては分かり易いけれど、銀行のお偉いさんってこういう人ばかりなのかなあ。バブルの夢よ、もう一度、か。



剛士/宮川一朗太/森田順平/緋田康人/石丸幹二/中島
裕翔/壇蜜/福田真夕/松本さやか/モロ師岡
/石丸雅理/大谷みつほ/相築あきこ/志垣太郎//三浦浩一/長谷川公彦/牧田哲也/岡山天音/小須田康人/吉永秀平/井上肇/加藤虎ノ介/松永博史/西沢仁太/山田純大/髙橋洋/倍賞美津子●放映:2013/07/07~09(全10回)●放送局:TBS


本書は昨年('12年)1月20日に刊行され12月10日に発行部数100万部を突破したベストセラー本で、昨年は12月に入った時点でミリオンセラーがなく、「20年ぶりのミリオンゼロ」(出版科学研究所)になる可能性があったのが回避されたのこと。今年に入ってもその部数を伸ばし、5月には135万部を、9月13日には150万部を突破したとのことで、村上春樹氏の『







2016年映画化「何者」(東宝)




2012年映画化「ふがいない僕は空を見た」
「
トミー(アンソニー・アンドルー)とその妻タペンス(グレタ・スカッキ)は、トミーの叔母エイダ(クレア・ブルーム)に会いに養護ホーム「サニー・リッジ」に行く。養老院には、タペンスのブローチを誉める老ランカスター夫人(ジェーン・ウィットフィールド)や時間にこだわるマジョリー(ミリアム・カーリー)がいた。エイダ叔母から邪険にされたタペンスは、ランカスター夫人の部屋で、彼女から突然、「暖炉の奥の子供はあなたのお子さん?」と聞かれ驚く。数週間後、エイダ叔母が心臓病で急死し、遺品の引き取りに来たタペンスは、その中に、以前には彼女の部屋には無かった風景画と、1通の手紙を発見、手紙には「ランカスター夫人は安全ではない。なにかあったらこの絵を見て」とあった。 タペンスは、エイダの死んだ日にランカスター夫人が身内に引き取られたと聞き、マージョリーに面会に来ていたミス・マープル(ジェラルディン・マクイーワン)から、ランカスター夫人は無理やり連れ去られたらしいと聞かされる。タペンスとマープルは、絵に描かれていた家から、その家のある村を探し出す。村で酒場の女主人ハンナ(ジョシー・ローレンス)や司祭(チャールズ・ダンス)とその妻ネリー(リア・ウィリアムズ)、ジョンソン夫妻と娘ノラ、フィリップ卿(レスリー・フィリップス)などに会うが、皆、何かを隠している雰囲気がある―。
を演じたアンソニー・アンドリュース。この時、実年齢58歳)、仕事上はまだ現役、一方のタペンスは彼より随分と若い感じで(「
パスカル・トマ監督の映画化作品『アガサ・クリスティーの奥様は名探偵』('05年/仏)の原作が同じくこの『親指のうずき』ですが、話がちょっと分かりづらかった印象があり、このTV版にも背後関係においてそのキライはあったかも(村全体が、ある種"犯罪装置"みたいになっているのだが、元々原作が、その部分の説明的要素が少ない)。

ミス・マープルは、クリスの無実を晴らして彼のローズへの想いをバックアップし、更に、最後にはタペンスに「あなた一人で事件を解決したのよ」と言って、トミーも改めて彼女のことを評価し直し愛おしく思うという、夫婦の倦怠期の脱却にも彼女が一役果たした終わり方ですが、どうみても、ミス・マープルがしゃしゃり出て、何から何まで全てを解決してしまったように見えてしまうなあ。
「アガサ・クリスティー ミス・マープル(第7話)/親指のうずき/●原題:BY THE PRICKING OF MY THUMBS, AGATHA CHRISTIE`S MARPLE SEASON 2●制作年:2006年●制作国:イギリス●演出:ピーター・メダック●脚本:スチュワート・ハーコート●原作:アガサ・クリスティ「親指のうずき」●時間:93分●出演:ジェラルディン・マクイーワン/アンソニー・アンドルーズ/グレタ・スカッキ/パトリック・バーロウ/マイケル・ベグリー/スティーブン・バーコフ/クレア・ブルーム/ブライアン・コンリー/チャールズ・ダンス/ミシェル・ライアン/O・T・ファグベンル/クレア・ホルマン/ミリアム・カーリン/ボニー・ラングフォード/ジョシー・ローレンス●日本放送:2008/06/24●放送局:NHK‐BS2(評価:★★★)





