「●採用・人材確保」の インデックッスへ Prev|NEXT ⇒ 「●リストラクチャリング」【064】 キングズレー 『上手なクビの切り方』
注目されている「リファラル採用」のメリット・デメリットや導入の手順を解説。


『人材獲得競争時代の 戦わない採用 「リファラル採用」のすべ』['23年]
リファラル採用とは、自社の社員から友人や知人などを紹介してもらう手法を指します。リファラル(referral)は、「推薦」や「紹介」という意味があり、人材市場が完全に売り手市場となっており、業界を問わず人手不足が叫ばれる中、注目を浴びつつある手法です。株式会社マイナビの、1年間(2020年1月~12月)に中途採用活動実績のある企業の人事担当者1,333件を対象にした「中途採用状況調査2021年版」によれば、リファラル採用を導入している企業は全体の56.1%でしたが、これはコロナ禍での調査であり、現時点ではさらなる普及が見込まれます。本書は、そうしたリファラル採用についてそのメリット・デメリットや導入の手順を解説したものです。
第1章では、「戦わない採用」とは何かを解説しており、それを、限られた転職者(288万人)を競合と奪い合うのではなく、転職潜在層(6500万人、労働人口の95%)にアプローチする、競合と戦わない採用であるとしています。
第2章では、リファラルとは何かを解説しており、リファラル採用こそがまさに戦わない採用だとしています。ここでは、
経営陣や一般社員による「縁故採用(コネ採用)」を「リファラル採用1.0」、
社員をリクルーター化する「社員紹介採用」を「リファラル採用2.0」、
社員もしくは関わった者が自発的に会社を薦めたくなるような関係づくりから始まる採用を「リファラル採用3.0」
としています。
リファラル採用のメリットとして、
① 転職潜在層から人材を獲得、
② 定着率が高くなる、
③ 社員エンゲージメントが高くなる、
④ 採用コスト削減
の4つを挙げ、また、リファラル採用が組織にもたらす効果として「組織市民行動」(例えば、「職場に落ちているゴミを拾う」「新入社員が困っていたらさ@ポートしてあげる」など本来の自分の役割を超えた組織行動)という概念を紹介し、リファラル採用は社員の従来の組織行動を組織市民行動にまで拡げ、会社もパフォーマンスを向上させるとしています。
また、デメリットとしては、
① 人間関係と人材配置に配慮が必要なこと、
② 社員の認知と理解が必要なこと、
③ 情報が可視化しにくい点、
④ 販促・活性化するまで一定の工数が必要なこと
を挙げています。
第3章では、リファラル採用3.0を導入するにはどのような準備が必要か、リファラル採用3.0における人事の役割や中長期的なゴール設計、協力社員へのインセンティブルールの設計などについて解説しています。
第4では、社員が協力したくなるフレームワークをどう作るかを実践的に解説し、第5章 では」、リファラル採用の成功事例を8選紹介しています(そう言えば博報堂は昔からリクルーター採用をやっていた)。
第6章では、応用編として、更にリファラル採用を促進するためのKPI分析や「一人当たり声掛け数」を増やすEVPブックなどの手法を紹介し、最終章で、従来のリクルーターの概念を超える「採用マーケター」という"新職種"を紹介しています。
以前にもネットでリファラル採用のメリット・デメリットを調べたことがあり、メリット・デメリットの両面において縁故採用やリクルーター制などと重なる部分もあると思っていましたが、縁故採用をリファラル採用1.0、リクルーター制をリファラル採用2.0と捉えているのが分かりやすかったです。
個人的には、リファラル採用と縁故採用との違いは、リファラル採用はあくまで企業の採用活動における母集団形成手段の一つだということであり、一方、縁故採用は求職者(被紹介者)の入社を前提(または期待)とした、経営陣や一部社員の紹介による裏口入社的な採用手法であるという側面があることだと思います。
リファラル採用の導入が優秀で自社にマッチした人材獲得のための戦略的手法であるのに対し、縁故採用は戦略的人材獲得の手法ではないとも言えるのではないでしょうか。
《読書MEMO》
●目次
第1章 戦わない採用
第2章 新時代の当たり前―リファラル採用とは何か
第3章 リファラル採用3.0の導入―準備編
第4章 社員がおすすめしたくなるフレームワーク―実践編
第5章 リファラル採用の成功事例8選
第6章 更に促進したい方へ―応用編
最終章 採用マーケターのあなたへ

山本寛・青山学院大学経営学部教授







岡崎 仁美 就職みらい研究所所長




第1部で紹介されているのは、「テラモーターズ」(電動バイク、社員数20人)、「Sansan」(名刺管理サービス、社員数100人)、「ネットプロテクションズ」(後払い決済サービス、社員数50人)、「フォルシア」(商品検索エンジン開発、社員数53人)、「クラウドワークス」(クラウドソーシング、社員数20人)の5社で、いずれもベンチャーで従業員数は20人から最大100人までと、一般の人には殆ど知られていない比較的小さな会社ばかりです。

序章で、社員が残る理由も、離れる理由もやはり"人"であるとし、第1章「会社のしくみ」で、会社が社員に対して「安心」を与えているかどうかが、優秀な社員が辞めずにのびのびと働くための条件となるとしているのには納得。結局、社員が辞める理由の大半は、ハーズバーグが言うところの「動機づけ要因」よりも「衛生(環境)要因」によるものでしょう。
がある」―皆すべて確かにそうであり、また、「安心して働ける職場環境」という冒頭のコンセプトとリンクはしているのだが...)。

伊賀 泰代 氏(マッキンゼー) 
巷にある採用本によくありがちな、あれも必要、これも必要とチェック項目ばかり矢鱈に多く並べて、結局は使いきれないし、何も印象に残らないといったパターンと比べると、求められるのはリーダーシップであるとはっきり言い切っている分、明快です(この点において評価★★★★☆)。日本の企業も、採用選考において、応募者のリーダーとしての資質にもっと着眼するようにした方がいいのかもと思わせるものがありました。実際、それを見極めるとなるとなかなか難しいことかと思われますが、そこまで具体的には踏み込んでおらず、人事パーソンの目線で見るとやや物足りなさも残ります(この点においては評価★★★☆)。
●









本書を読むまで「就活エリート」とは何を指すのか分からなかったのですが、本書における「就活エリート」とは、エントリーシートを綿密に作り込み、面接対策をぬかりなく講じて、まるで受験勉強に勤しむような努力をして、超優良企業へと入社していく若者のことを指していました。著者によれば、こうした「就活エリート」が、会社に入社してから、多くの職場で戦力外の烙印を押されているという状況が今あるとのことです。


まず典型的な採用のプロセスを概観したうえで、会社側の意図や重視する部分を説明し、更に、「コミュニケーション力」とは何か、「行動力」とは何かについて掘り下げて解説されています。



『



著者は元リクルートの人事部採用責任者で、その後採用コンサルティング会社を設立し、『面接官の本音』(日経BP社)という"就活本"シリーズを書いている人ですが、本書は企業向けに書かれた、企業が就職戦線を「勝ち抜く」ための本。


梅森 浩一 氏 (略歴下記) 

清水 佑三 氏(日本エス・エイチ・エル社長)

Bill Gates
米国のコンピュータ会社の採用面接において「パズル問題」が用いられることは伝統的なもののようですが、マイクロソフトのそれは、ビル・ゲイツのパズル好き、パズルによって人の思考能力が測れるという信念に負うところ大であるという印象を、本書を読んで受けました。
面接の第一印象は、はじめの数秒で決まり、その印象が変わることはほとんど無いということはよく言われますが、それを実験データーで示しているのには説得力があり、また、面接の指針として「ストレス面接はしない」「面接評価は申し送りしない」など共感できる部分もありましたが、全体には今ひとつまとまりがなく、本書が結構売れたのはタイトルのお陰ではないかと思います。


安田佳生 氏 