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「ER」の記念すべき第1話。単なる人物紹介でなく、エピソードとの絡め方が見事。



「ER 緊急救命室 I 〈ファースト・シーズン〉 セット1 [DVD]」
アンソニー・エドワーズ(マーク・グリーン)
マーク・グリーン(アンソニー・エドワーズ)は、シカゴ近郊クック郡のカウンティ総合病院のER(緊急救命室)チーフレジデントで腕利き内科医。病気やケガ、事故により昼夜問わず患者が搬送され、仮眠もろくに取れず、今日も看護師が目覚まし時計のように夜勤の彼を起こしに来る。その彼は今、私立病院から好条件で誘いを受け、ERを続けるかどうか迷っていた。そんな折、帰宅したばかりのER看護師長のキャロル・ハザウェイ(ジュリアナ・マルグリース)が自殺未遂を起こしてERに担ぎこまれてくる―。
ノア・ワイリー(ジョン・カーター)

"カーター君"が初赴任する「ER」の記念すべき第1話はパイロット版として作られたもので(原題は"24 HOURS") 、本国放映が1994年9月19日、日本初放映が1996
年4月1日(NHK‐BS2)。決して広くはない診療室で撮影しなくてはならず、ステディカムが威力を発揮しています(第1話の撮影は廃院となった病院をスタジオ代わりに撮影しており、それ以降はスタジオにセットを再現して撮影した)。このパイロット版を含む最初の3話は、製作総指揮を務めたマイケル・クライトン(1942-2008/66歳没)自身が脚本を書いています。マイケル・クライトンはハーバード・メディカルスクール(ハーバード大学医学大学院)の出身です。
朝から工事現場の事故の多くの負傷者が担ぎ込まれ、遺族への死亡宣告、研修に来た女子学生の対応、色仕掛けをしてくる患者、小指のさかむけだけを治療にくる老婦人、車の中で突然産気づいた女性...etc.グリーン先生をはじめ皆がそれらの対応で超多忙です(ステディカムでの撮影が効いていて、ERの日常の慌ただしさが伝わってくる)。
ジュリアナ・マルグリース(キャロル・ハザウェイ)
そして、極めつけは、スタッフからの信頼が厚い看護師長(翻訳は婦長)のキャロル・ハザウェイの何の前触れもない自殺未遂。かつてERの小児科医のダグラス・ロス(ジョージ・クルーニー)と付き合っていたが破局し、今は整形外科医と婚約中だったはずだが...。心配そうにキャロルを見守るダグ。この二人の関係はシーズン1の幾つかある重要なストーリーの1つになっていきます。因みに、ダグ・ロスはハンサムなモテ男でプレイボーイ。この第1話ではロス先生は二日酔いでヨレヨレ状態での初登場となるのですが、児童虐待していると疑われる母親に対して心底怒りをぶつける熱血漢でもあります。
一方、医学部3年の研修生ジョン・カーター(ノア・ワイリー)は今日がER勤務の初日。外科レジデント2年目のピーター・ベントン(エリク・ラ・サル)のもとで、これからさまざまな指導を受けることになりますが、まず、点滴をやるのが初めてということにベントンも呆れ、さらに、ナイフで刺された患者の血を見て気分が悪くなる始末です。
エリク・ラ・サル(ピーター・ベントン)
自らの不甲斐なさすっかりしょげているところを(このシーンはOPで
使われることになる)、優しく励ますグリーン先生。ただ励ますだけなく、「医者には2種類ある。自分の感情を切り捨てるタイプと感情を切り捨てれないタイプだ」「何かあると後者は、治療する側の自分が病気になってしまいそうになる」と、医者の心得まで説いてます。しかしながら、そのグリーン先生もその後、離婚問題で悩まされることになります(司法試験の勉強中の妻との行き違いは、すでにこの第1話で示唆されている)。
そのカーターを指導する立場のベントン先生は、動脈瘤の患者が危険な状態になり、担当医が誰も手が空かず、レ
ジデントの自分には資格がないのに手術を強行
、患者の危機を救い、駆けつけたモーゲンスタン部長(ウィリアム・H・メイシー)から最初は「下手な獣医並み」と貶されるも、最後にはその臨機応変の判断を褒められガッツポーズ(このシーンもOPで使われることになる)。患者の命を救うことを第一信条とするとともに、自信家で上昇志向が強いその性格がすでに表されています。
シェリー・ストリングフィールド(スーザン・ルイス)/シリ・アップルビー(ダリア・ウェイド)
内科・外科レジデント二年目のスーザン・ルイス(シェリー・ストリングフィールド)は、仕事が忙しく最近、恋人と別れたが、グリーン先生とは相性が良く何でも話せる間柄。性格はサバサバしており、ハッキリものを言うタイプですが、今日
はガンの疑いが濃厚な患者(ミゲル・フェラー)から逆に告知を求められるような状況に直面し、これはさすがにキツイ、患者も医者も(その後、米国でも日本でも、告知は医師の「裁量の範囲」から「義務」へという流れになっている)。ルイス先生はその後、問題ある姉に悩まされることになります。
120分枠とは言え、CMを除くと100分くらいでしょうか。その中に多くのエピソードを並行的に盛り込み(気がつけばすべて24時間のうちに起きたことなのだが)、主要登場人物のキャラクター、置かれている状況、互いの関係を見事に描き出していると思います(単なる人物紹介でなく、ちゃんとエピソードと絡めているのがスゴイ)。
シリーズ展開では、プロデューサーとして「ザ・ホワイトハウス」と同じジョン・ウェルズが参加していることもあり、アフリカのコンゴにおける貧困や紛争などを描いたり、米国における麻薬や銃問題などを提起していたりします。緊迫した場面の合間にコミカルなエピソードを挿むのも「ザ・ホワイトハウス「と共通しているし、シーズン1の第1話で主要な登場人物のアウトラインを描き切ってしまうのも同じです。因みに「ザ・ホワイトハウス」はシーズン1の第1話が最も面白かったですが、「ER」は、面白さがずっと続くところがすごかったと思います。
ジョージ・クルーニー(ダグラス・ロス)

ER緊急救命室(第1話)/甘い誘い(120分枠)」●原題:ER:24 HOURS (a.k.a. THE LONGEST DAY (1))(Season 1、Episode 1)●制作年:1994年●制作国:アメリカ●本国上映:1994/09/19●監督:ロッド・ホルコム●脚本:マイケル・クライトン●出演:アンソニー・エドワーズ/ジョージ・クルーニー/シェリー・ストリングフィールド/ノア・ワイリー/ジュリアナ・マルグリース/エリク・ラ・サル/クリスティーン・ハーノス/ウィリアム・H・メイシー/(ゲスト出演)シリ・アップルビー/ミゲル・フェラー●日本放映:1996/04●放映局:NHK‐BS2(評価:★★★★☆)

「ER 緊急救命室」ER (NBC 1994~2009) ○日本での放映チャネル:NHK-BS2(1996~2011)/スーパー!ドラマTV



ハリウッド映画のアクション系で、「ダイ・ハード」('88年)、「氷の微笑」('92年)のカメラマンだったヤン・デ・ボン(「トータル・リコール」「氷の微笑」のポール・バーホーベン監督と同じくオランダ人)の初監督作品「スピード」('94年)が気を吐きました。
時速を80キロ以下に落とすと爆発する爆弾を仕掛けたバスの疾走が迫力満点のノンストップアクションで、バスが街中を車をはじき飛ばしながら爆走したり、キアヌ・リーブスが爆弾を解除するために高速で走るバスの下にもぐりこむシーン、或いは、地下鉄の車両が工事現場を破壊しながら地上に突き抜けるシーンなどは実写中心であるため見応えはありました。
脚本を書いたグレアム・ヨストは、 アンドレイ・コンチャロフスキー監督の「暴走機関車」('86年/米)の原
案である黒澤明のオリジナル脚本を読んで着想を得たと述懐していますが、その脚本もまずまずではないでしょうか。但し、脚本を含めてよく出来ていた「ダイ・ハード」と比べるのと、トータルではやや落ちるか。キアヌ・リーブス、サンドラ・ブロック共に頑張っているけれど、爆弾魔のデニス・ホッパー(1936-2010)は、クイズ好きのオタクみたいで、それほど凄味がないような....。デニス・ホッパーということで、期待し過ぎてしまったのかもしれませんが(結局、大掛かりなアクションで見せる映画だった。元々の狙いも概ねそうだとは思うが)。
ということで、個人的にはヤン・デ・ボン監督には次に期待、というところだったのですが、その続編「スピード2」('97年/米)であっさりコケてしまった感じでした(既に同年の「ツイスター」('97年/米)を観れば、この監督の力量の限度は窺い知れたのだが。因みに、竜巻パニック
「スピード」の「四つ星」評価に対し、本書で星3つの評価となっている「ターミネーター」シリーズのジェームズ・キャメロンが監督した「トゥルーライズ」('94年)の方が、ユーモアの要素があって個人的な評価はやや上になります。
アガサ・クリスティの「おしどり探偵」シリーズの現代アクション版みたいで、アーノルド・シュワルツェネッガーはコメディも充分にこなすし、スタント無しのジェイミー・リー・カーティスも良かったです(アクションでもそれ以外でも身体を張った演技をしていたなあ)。
カーチェイスの場面で実際に橋を爆破したというのもスゴいですが、一方で、シュワちゃんがゴールデン・ゲート・ブリッジにしがみつくシーンやハリヤー・ジェット機上でのテロリストとの"生身"のバトルシーンなど、デジタル合成のSFXをふんだんに使っています。
「トゥルーライズ」ではそのほかに、ハリヤー・ジェット機の熱で空気が揺らぐシーンなどにもデジタル・ドメイン社が開発したCGが初めて使われていて、この技術は「アポロ13」('95年)のロケット発射シーンなどにも使われました(ジェームズ・キャメロンはデジタル・ドメイン社の初代共同経営者)。
「スピード」●原題:SPEED●制作年:1994年●制作国:アメリカ●監督:
ヤン・デ・ボン●製作:マーク・ゴードン●脚本:ランダル・マコーミック/ジェフ・ナサンソン●撮影:アンジェイ・バートコウィアク●音楽:マーク・マンシーナ/ビリー・アイドル●時間:115分●出演:キアヌ・リーブス/デニス・ホッパー/サンドラ・ブロック/ジョー・モートン/ジェフ・ダニエルズ/アラン・ラック●日本公開:1994/12●配給:20世紀フォックス映画●最初に観た場所:有楽町・日本劇場(94-12-17)(評価:★★★☆)
「スピード2」●原題:SPEED:CRUISE CONTROL●制作年:1997年●制作国:アメリカ●監督:ヤン・デ・ボン●製作:マーク・ゴードン●脚本:グレアム・ヨスト●撮影:ジャック・N・グリーン●音楽:マーク・マンシーナ●時間:121分●出演:サンドラ・ブロック/ジェイソン・パトリック/ウィレム・デフォー/テムエラ・モリソン/ブライアン・マッカーディー/グレン・プラマー/コリーン・キャンプ/ロイス・チャイルズ/マイケル・G・ハガーティー/ボー・スヴェンソン/フランシス・ギナン/ジェレミー・ホッツ●日本公開:1997/08●配給:20世紀フォックス映画(評価:★★☆)
「ツイスター」●原題:TWISTER●制作年:1996年●制作国:アメリカ●監督:ヤン・デ・ボン●製作:キャスリーン・ケネディ/イアン・ブライス/
「トゥルーライズ」●原題:TRUE LIES●制作年:1994年●制作国:アメリカ●監督・脚本:ジェームズ・キャメロン●製作:ジェームズ・キャメロン/ステファニー・オースティン●オリジナル脚本:クロード・ジディ/シモン・ミシェル/ディディエ・カミンカ●撮影:ラッセル・カーペンター●音楽:ブラッド・フィーデル●時間:144分●出演:アーノルド・シュワルツェネッガー/ジェイミー・リー・カーティス/トム・アーノルド/ビル・パクストン/ティア・カレル/アート・マリック
/エリザ・ドゥシュク/グラント・ヘスロヴ/チャールトン・ヘストン●日本公開:1994/09●配給:日本ヘラルド映画●最初に観た場所:有楽町・日本劇場(94-09-25)(評価:★★★★)
「ラスト・アクション・ヒーロー」●原題:LAST ACTION HERO●制作年:1993年●制作国:アメリカ●監督:ジョン・マクティアナン●製作:スティーヴ・ロス/ジョン・マクティアナン●脚本:デヴィッド・アーノット/シェーン・ブラック●撮影ディーン・セムラー●音楽:マイケル・ケイメン●時間:131分●出演:アーノルド・シュワルツェネッガー/オースティン・オブライエン/チャールズ・ダンス/ロバート・プロスキー/トム・ヌーナン/フランク・マクレー/
アンソニー・クイン/ブリジット・ウィルソン/F・マーリー・エイブラハム/マーセデス・ルール/アート・カーニー/イアン・マッケラン/プロフェッサー・トオル・タナカ/ジョーン・プロウライト/ノア・エメリッヒ/(カメオ出演)M.C.ハマー/リトル・リチャード/マリア・シュライヴァー/ティナ・ターナー/ジェームズ・ベルーシ/チェビー・チェイス/ジャン=クロード・ヴァン・ダム/ロバート・パトリック/シャロン・ストーン/シルヴェスター・スタローン/ハンフリー・ボガート/ローレンス・オリヴィエ●日本公開:1993/08●配給:コロンビア映画(評価:★★★)
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ハイテク企業に勤めるトム・サンダース(マイケル・ダグラス)は、自分に内定していた副社長ポストに、社の創設者ボブ・ガーヴィン(ドナルド・サザーランド)が目をかけてきた野心溢れる女性メレディス(デミ・ムーア)が就任したことを知らされ唖然とする。彼女はかつてのトムの恋人だったのだ。そしてトムは就任したばかりの彼女に部屋に呼び出されて誘惑され、その誘いに負けそうになるも、かろうじて踏み止まり部屋を出る。しかし今度は、彼女から部屋でレイプをされそうになったと訴えられる―。
「
イケル・クライトン
たのが『アンドロメダ病原体』('69年)であり、『ジュラシック・パーク』('90年)などのバイオ・サスペンスや、ハーバード・メディカルスクールの出身でもあるだけに、TVドラマ「ER」のようなメディカル系に強かった印象があります(1994年にはテレビ(「ER」)、映画(「
映画としては凡作になってしまったと思いますが、マイケル・クライトンへの追悼と、「ライジング・サン」よりはまだ映画らしい映画になっているということで本作品を取り上げました。
上司デミ・ムーアの誘いを断った主人公に対する上司の仕打ちの1つに、会社のサーバーへのアクセス権を奪ってしまうというのがあって、そのことで主人公は仕事が完全にストップしてしまいパニックに陥るというのが当時としてはすごく"現代風"の恐怖だなあと思われ、印象的に残りました。

マイケル・クライトン原作のその他の映画化作品では、マイケル・クライトン自身の脚本・監督で、ショーン・コネリーが主演した
「大列車強盗」('78年/米)が面白かったです。ヴィクトリア朝時代のイギリスで実際に起きた事件を基に、怪盗とその仲間たちが厳重管理で列車輸送している莫大な金塊の強奪に挑むさまを描いた犯罪サスペンスで、ストーリーはいいし(1975年に出版された原作『大列車強
盗』('76年/早川書房、'81年/早川書房)は、今回取り上げた『ディスクロージャー』よりはっきり言って面白い)、怪盗ピアースを演じるショーン・コネリーをはじめ役者もいいです。ショーン・コネリー(当時48歳)は、桁の低い陸橋が何本も接近してくる中、それをよけながら疾走する列車の屋根を這い進んで行くというアクションをスタントなしでこなしています。
「大列車強盗」と同じショーン・コネリー主演でフィリップ・カウフマンが監督した「ライジング・サン」('93年/米)は、ロサンゼルスに進出した日本企業のビルで殺人事件が発生し、ショーン・コネリー演じる刑事ジョン・コナーが捜査を進めるうち、文化の違いという壁にぶち当たるという、コネリーが製作総指揮と主演を兼ねたサスペンス・アクション。ネタバレになりますが、偽造ディスクを解明した女性がコナー刑事の愛人だったというオチは、裏ストーリーを暗示させるものの、あまりに説明不足。日本人の社員が黒服にサングラスだったり、日本語の使い方がヘンテコリンで笑わせます(もっと以前よりは良くはなっているが、この時点でまだ日本文化の認識の違いが窺えるのは仕方のないことか)。因みに、武満徹が劇中音楽を担当し、そのキャリアの中で唯一の外国映画音楽作品となりました。
あともう1本、フランク・マーシャル監督の「コンゴ」('95年)というのもありました。映画的展開の狭い「ライジング・サン」や「ディスクロージャー」の失敗を反省材料にしたのか、今度は旧作('80年発表)ながら派手な見せ場のある『失われた黄金都市』を映画化したもので、アフリカ奥地で、レーザー通信の核となるダイヤモンドの鉱脈を調べていたトラヴィコム社の先発隊が全滅し、手掛かりは通信画面に映し出された"灰色の猿人"らしきものだけだった...というもの。この監督はあまり上手くない(本業は映画プロデューサー。妻のキャスリーン・ケネディと共に、多くのスピルバーグ作品を手がけている)。観終わって時間が無駄だったと思いましたが(一緒に観た人間と「もう今後(こんご)は観ない」と冗談を言い合った)、amazonのレビューでは高い評価を得ているみたいで、自分たちだけ違う映画を観たのかなあ(笑)。
「ディスクロージャー」●原題:DISCLOSURE●制作年:1994年●制作国:アメリカ●監督:バリー・レヴィンソン●製作:バリー・レヴィンソン/マイケル・クライトン●脚本:ポール・アタナシオ●音楽:エンニオ・モリコーネ●撮影:アンソニー・ピアース=ロバーツ●原作:マイケル・クライトン●時間:128分●出演:マイケル・ダグラス/デミ・ムーア/ドナルド・サザーランド/キャロライン・グッドオール/デニス・ミラー/ロマ・マフィア/
ニコラス・サドラー/ローズマリー・フォーサイス/ディラン・ベイカー/ジャクリーン・キム/ドナル・ローグ/アラン・リッチ/ スージー・プラクソン●日本公開:1995/02●配給:ワーナー・ブラザース (評価★★★)
「大列車強盗」●原題:THE GREAT TRAIN ROBBERY/THE FIRST GREAT TRAIN ROBBER●制作年:1979年●制作国:アメリカ●監督・脚本:マイケル・クライトン●製作:ジョン・フォアマン●撮影:ジェフリー・アンスワース●音楽:ジェリー・ゴールドスミス●原作:マイケル・クライトン●時間:111分●出演:ショーン・コネリー/ドナルド・サザーランド/レスリー=アン・ダウン/アラン・ウェッブ/ロバート・ラング/マイケル・エルフィック/パメラ・セイラム/ガブリエル・ロイド/ジェームズ・コシンズ/ブライアン・グローヴァー/マルコム・テリス/ウェイン・スリープ●日本公開:1979/11●配給: ユナイト映画(評価★★★★)
「ライジング・サン」●原題:RISING SUN●制作年:1993年●制作国:アメリカ●監督:フィリップ・カウフマン●製作:ピーター・カウフマン●脚本:マイケル・クライトン/フィリップ・カウフマン/マイケル・バックス●撮影:マイケル・チャップマン●音楽:武満徹●原作:マイケル・クライトン●時間:125分●出演:ショーン・コネリー/ウェズリー・スナイプス/ハーヴェイ・カイテル/ケイリー=ヒロユキ・タガワ/ケヴィン・アンダーソン/マコ/レイ・ワイズ/スタン・イーギー/ティア・カレル/タジャナ・パティッツ/ヴィング・レイムス/スティーヴ・ブシェミ/サム・ロイド●日本公開:1993/11●配給:20世紀フォックス(評価★★★)
「コンゴ」●原題:CONGO●制作年:1995年●制作国:アメリカ●監督:フランク・マーシャル●製作:キャスリーン・ケネディ/サム・マーサー●脚本:ジョン・パト
リック・シャンリー●撮影:アレン・ダヴィオー●音楽:ジェリー・ゴールドスミス●原作:マイケル・クライトン●時間:109分●出演:ショーン・コネリー/ウェズリー・スナイプス/ハーヴェイ・カイテル/ケイリー=ヒロユキ・タガワ/ケヴィン・アンダーソン/マコ/レイ・ワイズ/スタン・イーギー/ティア・カレル/タジャナ・パティッツ/ヴィング・レイムス/スティーヴ・ブシェミ/サム・ロイド●日本公開:1995/10●配給:UIP(評価★★)







1990年に発表されたマイクル・クライトン(Michael Crichton、1942-2008)の『ジュラシック・パーク』(Jurassic Park)は、映画('93年)で見るより先に原作を読みましたが、原作の方が面白かったと思います。

スティーヴン・スピルバーグが監督するということで、大いに期待していたのですが...。
スピルバーグ監督には、TV版の「
「激突!」は、デニス・ウィーヴァー(TVシリーズ「警部マクロード」(1970-77、日本放映1974(テレビ朝日)、1975-77(NHK)に主演)が演じる一般ドラーバーが、ハイウェイで前方の大型トラックに対してパッシングをしただけで、その大型トラックにずっと追い回されるという極めて単純なストーリーにも関わらず、追ってくる運転手の顔が最後まで見えないため、トッラクが人格を持っているように見えるのが非常に怖かったのです。

「激突!」における対象がなかなか見えてこない恐怖(不安)は、「JAWS/ジョーズ」('75年)でも効果的に生かされていたように思います。
「ジョーズ」は人間ドラマとしてもよく出来ているように思いました。但し、ピーター・ベンチュリー(1946-2006)の原作自体はたいしたことはないと思われ、この作家の映画「ザ・ディープ」('77年)の原作『ザ・ディープ』も読みましたが、通俗作家であるという印象を受けました(英語原著で読んだのだが多分にポルノグラフィ調。だから英語で読めたかもしれないが)。
その『ザ・ディープ』はピーター・イェーツ監督(「
さらに、ピーター・ベンチュリー原作の映像化作品では、「ビースト」('96年/米)という4時間(実質180分)のTVムービーがあり、それを113分にした短縮版が1996年に「ビースト/巨大イカの大逆襲」というタイトルで日曜洋画劇場で放映され、さらに1999年に「ザ・ビースト/巨大イカの逆襲」というタイトルでビデオ化されましたが、タイトルから分かるようにイカが人間を襲う生き物パニック映画です(淀川長治は「タコのギャング映画(タコが襲ってくる映画)はあったんですねぇ(「テンタクルズ」('77年/伊・米)のことか)、でもイカは初めてなんですね」と言っていたが、セシル・B・デミルが製作・監督、日本でも公開された「絶海の嵐」('42年/米)には全長18mの大イカが登場したりするなどしている(因み
に、北欧に伝わる「海の怪物」クラーケンの基になった生き物は大ダコ説とダイオウイカ説が有力なようだ)。おそらくメインにイカを据えたのは初めてということだろう。淀川長治も「イカが主役になったのは初めて」と言い換えている)。「ジョーズ」におけるサメをイカに置き換えたような感じですが、短縮版を観てもかったるい印象でした。そもそも、「母イカ」が人間に捕らえられた「子イカ」を助けに来る(死骸を取り返しに来る)という、頭足類であるイカに人間並みの母性愛を設定したところに無理がありました。
更に、"小出し感"ということで言えば、「未知との遭遇」('77年)などはその最たるもので、最後フタを開けてみれば、大掛かりな割には他愛も無い結末という気もしなくもありませんが、やはり、途中の"引っ張り方"は巧みだなあと(因みに、この映画でUFOとコンタクト出来る人を"選民"のように描いているが、それがスピルバーグがユダヤ系であることと結びつくのかどうかは自分には分からない)。
「未知との遭遇」の"小出し感"は「E.T.」('82年)にも引き継がれていたように思います。E.T.がまず兄妹の妹に認知され、次に兄に、そして友人達に、更に家族にその存在を認知され、最後は国家が出向いて...と段階を踏んでいました。脚本のメリッサ・マティソンはハリソン・フォードの恋人で、「レイダース」のロケで知り合ったスピルバーグ監督から原案を話され、感動して脚本を引き受けたそうです。本作品のテーマはスピルバーグ自らが経験した「両親の離婚」であり、SFは表面的な要素に過ぎないと監督自身が述べています(こうなってくると、「未知との遭遇」もユダヤ系としての彼の出自と関係してくるのか?)。
このマイケル・クライトンの『ジュラシック・パーク』の原作を読んで、この"小出し感"は、スピルバーグが映画化するのに相応しい作品だと思いました。ところが、実際に映画化された「ジュラシック・パーク」('93年)を観てみると、原作と違ってあまりにもあっさりと恐竜たちにお目にかかれたため拍子抜けしました。
CG(コンピュータ・グラフィックス)の魅力に抗しきれなかったスピルバーグ、監督の意向を受け容れざるを得なかったマイケル・クライトンといったところでしょうか(マイケル・クライトンも脚本に参加しているのだが)。これではサスペンス気分も何もあったものではないと...。「E.T.」の方がまだ、着ぐるみなどを使って"手作り感"があって、それが良かったのではないかなあ。
(●2025年、「ジュラシック・パーク」のシリーズ全体の7作目、「ジュラシック・ワールド」シリーズの4作目となる「ジュラシック・ワールド/復活の大地」('25年)が公開された。前作「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」('22年)から5年後を舞台に、主演のスカーレット・ヨハンソンを筆頭に、新たなアンサンブル・キャストが出演。人類を救う新薬開発のために陸、海、空
の3大恐竜のDNAを採取する極秘任務を任された秘密工作の専門家ゾーラ・ベネット(スカーレット・ヨハンソン)。彼女は探査チームと共に、いまだ危険な恐竜が数多く生息する禁断の島へと足を踏み入れる―。「週刊文春」の映画評で女優
の洞口依子氏が、「楽しかったけど何に乗ったか忘れてしまうアトラクションみたい」と書いていたが、まさにそんな感じ。スリルはあるけれど、次に何が起こるか分かってしまうので、サスペンスはない。意図的に原点回帰していることが窺え、「お約束」感があるのはそのことも影響しているのだろう。スカーレット・ヨハンソンはまずまず頑張っていた。「

マイクル・クライトン自身は、小説だけでなく、直接映画などの脚本や監督も手掛けていて、映画では「大列車強盗」('79年/米)などの監督・脚本作品があり、また、テレビドラマシリーズ「ER緊急救命室」の脚本、製作総指揮に携わったことでも知られています(彼自身ハーバード・メディカルスクールの出身)。
「ジュラシック・パーク」●原題:JURASSIC PARK●制作年:1993年●制
作国:アメリカ●監督:スティーヴン・スピルバーグ●脚本:マイケル・クライトンほか●音楽:ジョン・ウィリアムズ●原作:マイケル・クライトン●時間:127分●出演:サム・ニール/ローラ・ダーン/ジェフ・ゴールドブラム/リチャー





「ジュラシック・ワールド/復活の大地」●原題:JURASSIC WORLD: REBIRTH●制作年:2025 年●制作国:アメリカ●監督:ギャレス・エドワーズ●製作:フランク・マーシャル/パトリック・ク
ローリー●脚本:デヴィッド・コープ●撮影:ジョン・マシソン●音楽:アレクサンドル・デスプラ●時間:134分●出演:スカーレット・ヨハンソン/マハーシャラ・アリ/ジョナサン・ベイリー/ルパート・フレンド/マヌエル・ガルシア=ルルフォ/ルナ・ブレイズ/デヴィッド・アイアコノ/エド・スクライン●日本公開:2025/08●配給:東宝東和●最初に観た場所:TOHOシネマズ西新井(25-08-13)(評価:★★★) font>
「激突!」●原題:DUEL●制作年:1971年●制作国:アメリカ●監督:ス
ティーヴン・スピルバーグ●製作:ジョージ・エクスタイン●脚本:リチャード マシスン●撮影:ジャック・A・マータ ●音楽:ビリー・ゴールデンバーグ/●原作:リチャード マシスン●時間:90分●出演:デニス・ウィーヴァー/


「JAWS/ジョーズ」●原題:JAWS●制作年:1975年●制作国:アメリカ●監督:スティーヴン・スピルバーグ●製作:デイヴィッド・ブラウン/リチャード・D・ザナック●脚本:
ピーター・ベンチュリー/カール・ゴッドリーブ●撮影:ビル・バトラー●音楽:ジョン・ウィリアムズ●原作:ピーター・ベンチュリー●時間:124分●出演:ロイ・シャイダー/ロバート・ショウ/リチャード・ドレイファス/カール・ゴットリーブ/マーレイ・ハミルトン/ジェフリー・クレイマー/スーザン・バックリーニ/ジョナサン・フィレイ/クリス・レベロ/ジェイ・メロ●日本公開:1975/12●配給:CIC●最初に観た場


![ザ・ディープ [DVD].jpg](http://hurec.bz/book-movie/%E3%82%B6%E3%83%BB%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%97%20%5BDVD%5D.jpg)

●製作:ピーター・グーバー●脚本:ピーター・ベンチリー/トレイシー・キーナン・ウィン●撮影:クリストファー・チャリス●音楽:ジョン・バリー(主題歌:ドナ・サマー「Down Deep Inside」)●原作:ピーター・ベンチュリー●時間:123分●出演:ロバート・ショウ/ジャクリーン・ビセット/ニック・ノルティ/ルイス・ゴセット・ジュニアイーライ・ウォラック/ロバート・テシア/ディック・アンソニー・ウィリアムズ●日本公開:1977/07●配給: コロムビア映画(評価★★☆)![ザ・ビースト 完全版 [DVD].jpg](http://hurec.bz/book-movie/%E3%82%B6%E3%83%BB%E3%83%93%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%88%20%E5%AE%8C%E5%85%A8%E7%89%88%20%5BDVD%5D.jpg)
ワイト/クレイグ・D・リード●撮影:ジェフ・バートン●音楽:ドン・デイヴィス●原作:ピーター・ベンチュリー「ビースト」●時間:133分●出演:ウィリアム・ピーターセン/ラリー・ドレイク/カレン・サイラス/チャールズ・マーティン・スミス/ロナルド・ガットマン/ミッシー・クライダー/スターリング・メイサー・Jr/デニス・アーント/ブルース・アレキサンダー/アンジー・ミリケン/マーレイ・バートレット●テレビ映画:1996/12 テレビ朝日(評価★★☆)

「未知との遭遇 〈特別編〉」●原題:THE SPECIAL EDITION CLOSE ENCOUNTERS OF THE THIRD KIND●制作年:1980年 (オリジナル1977年)
●制作国:アメリカ●監督・脚本:スティーヴン・スピルバーグ●製作:ジュリア・フィリップス/マイケル・フィリップス●撮影:ヴィルモス・ジグモンド●音楽:ジョン・ウィリアムズ●時間:133分●出演:リチャード・ドレイファス/










●ピーター・ベンチュリー(1940-2006/65歳没)『ジョーズ』『ザ・ディープ』『アイランド 』『ビースト』
●リチャード マシスン(1926-2013/87歳没)『吸血鬼(アイ・アム・レジェンド)』『激突!』