【3711】 ○ ハーヴェイ・ハート (原作:エラリー・クイーン)「ヒッチコック・サスペンス(第42話)/探索(S 2 E 3 #35)」 (63年/米) (1963/10 米国放映/1965/03 フジテレビ) ★★★★(○ エラリー・クイーン 「動機」―『間違いの悲劇』 (2006/01 創元推理文庫) ★★★★)

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動機の謎を追う〈ミッシング・リンクもの〉である原作の映像化作品として成功している。

探索000.jpg 間違いの悲劇.jpg
The Alfred Hitchcock Hour [Import anglais]」「ヒッチコック・サスペンス(第42話)/探索」ディック・ヨーク『間違いの悲劇』['06年]
探索06.jpg ミネソタ州ノースフィールドで、年老いた農夫ジョン・クーリー(R・G・アームストロング)の息子トミーが図書館から本を借りたまま失踪した。ノースフィールドの町の図書館司書のスーザン(ジャクリーン・スコット)は、幼馴染みのウィル保安官補(ディック・ヨーク)に捜索を依頼、ウィルは町をあげて大捜索を行うが、トミーは見つからない。その後しばらくして、トミーは後頭部を強打された無残な死体となって発見される。地道に事件の捜査を行うウィルだったが、何一つ手掛かりを見つけることができないままだった。その後、不動産のオーナー男性、そして「独裁者」と言われる地元の名士フローラ・スローン女史(キャサリン・スクイール)が相次いで殺される。まったく手掛かりが無くお手上げ状態で、町の人々は犯人を逮捕できないウィルの責任を追及し、集会を開き自警団を結成すると騒ぎだすが、ウィルはふと、トミーの父親がトミーの遺体の発見現場でガラスの破片を拾っていたことを思い出す。それは、自動車のヘッドライトの破片だった。それによってリンクは、トミーが自動車事故により死亡したこと、そして犯人に気づく。だがその時すでに、犯人は「独裁者」が不動産オーナーから買った中古車を、彼女に押しつけられて購入したスーザンを殺そうとしていた―。
  
EQ㎜1958 8,9.jpg 「ヒッチコック・サスペンス」(1963~65)の第43話「探索」です。原作は、本国で1999年に刊行されたエラリー・クイーンの推理小説短編集『間違いの悲劇』('06年/創元推理文庫)の中の1編「動機」(The Motive)で、1956年に「恐怖の町」という題で発表され、その後、EQMMの1958年8、9月号に「動機」と改題・改稿されて掲載された作品です(ストーリーに変更はなかったものの、かなりの加筆があった模様)。

EQMM(ELLERY QUEEN'S MYSTERY MAGAZINE)1958年8、9月号

探索02.jpg この作品は作者のクイーン(合作ペンネームだが)も自賛しており、文庫解説の飯城勇三氏は、動機の謎を扱った〈ミッシング・リンクもの〉としては、本作は5本の指に入る出来であるとしています。ただし一方で、巧妙な伏線が張り巡らされてはいても、手掛かりに基づく論理的推理には乏しいともしています(犯人の犯行も蓋然性に基づくものである)。ただし、飯城勇三氏曰く、この映像化作品は脚本が素晴らしく、原作を見事に映像に移し替えているとし、敢えて不満を言えば、予算のせいか、町のパニックがあまり描かれていないことかと。

 個人的にも、映像化作品として成功しているように思えました(主人公の名がリンク・ピアスからウィル・ピアスに変更されている)。町のパニックがあまり描かれていなことで、「恐怖の町」という当初の原作のタイトルからは遠くなったかもしれませんが(因みに、この映像化作品の原題も「ノースフィールドの恐怖(Terror at Northfield)」)、原作では終盤で犯人が分かるのに対し、この映像化作品は、"第2・第3の殺人"の犯人は早々に観る側に判り、あとは、なぜ犯人がその人物を選んで殺害するのかということが焦点となるという、その意味ではむしろ「動機」という原作のタイトルと整合しているように思いました。

 演出は、「刑事コロンボ/祝砲の挽歌」「刑事コロンボ/5時30分の目撃者」「刑事コロンボ/忘れられたスター」、「刑事コロンボ/魔術師の幻想」('74~'76年)のハーヴェイ・ハート(だから先に犯人を明かしているのか((笑))、脚本は「三つ数えろ」('46年)、「リオ・ブラボー」('59年)、「ロング・グッドバイ」('73年)、「スター・ウォーズ/帝国の逆襲」('80年)の女傑リー・ブラケット、そして出演は「奥様は魔女」(1964~72)の"ダーリン"ことディック・ヨークと、スティーヴン・スピルバーグ監督の「激突!」('71年)でのデニス・ウィーヴァー演じる主人公の妻役のジャクリーン・スコット。

探索03.jpg 保安官補役のディック・ヨークは、観る側に「奥様は魔女」の"ダーリン"のイメージを与えるためか、シリアスな状況でもどこかコミカルな印象がありましたが、事件の真相に迫るにしたがって締まってきました。幼馴染みのスーザンとの付かず離れずの関係も見所です。飯城勇三氏は、原作について、「幼馴染みのカップルの田舎風恋愛は、他のクイーン作品に出てくる洒落た都会風の恋愛とは異なっている」としていましたが、映像化してみるとこれはこれで悪くなく、前半のディック・ヨークのコミカルな演技やジャクリーン・スコットの突っ張った演技も効いていたように思います。
    
ディック・ヨーク

探索05.jpg「ヒッチコック・サスペンス(第42話)/探索(S 2 E 3 #35)」●原題:The Alfred Hitchcock Hour -TERROR AT NORTHFIELD●制作年:1963年●制作国:アメリカ●本国放映:1963/10/11●監督:ハーヴェイ・ハート●脚本:リー・ブラケット●原作:エラリー・クイーン●時間:48分●出演:ディック・ヨーク/ジャクリーン・スコット/R・G・アームストロング/キャサリン・スクイール/ピーター・ウィットニー/デニス・パトリック/カート・コンウェイ/ゲルトルート・フリン/ハリー・ハーヴェイ・シニア/アルフレッド・ヒッチコック(ストーリーテラー)●日本放映:1965/03●放映局:フジテレビ(評価★★★★)
 
ヒットコック・さす.jpg「ヒッチコック・サスペンス」The Alfred Hitchcock Hour(CBS・NBC 1963.9.20~65.5.10)○日本での放映チャネル:関西テレビ(1963・第1シーズン32話を放送)/フジテレビ(1965・第2シーズン32話を放送)
 ●「ヒッチコック・サスペンス」(関西テレビ)
  1963年6月21日〜1964年2月28日 第1シーズン32話を放送(1964年1月31日以降は再放送)
 ●「新・ヒッチコックシリーズ」(フジテレビ)
  1965年1月6日〜1965年9月29日。第2シーズン32話を放送(1965年8月25日以降は再放送)「新・ヒッチコッック劇場」(1985~1989)との混同を避けるため、ここでは「ヒッチコック・サスペンス」で統一した(第3シーン29話は本邦未放映)。
ヒッチコック・サスペンス」.jpg
 
奥様は魔女4.jpg奥様は魔女1.jpg奥様は魔女2.jpg「奥さまは魔女」Bewitched(ABC 1964.9.17~1972.7.1)○日本での放映チャネル:TBS(1966〜1968)ほか

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