【3710】 ○ アンソニー・ホロヴィッツ (山田 蘭:訳) 『ナイフをひねれば (2023/09 創元推理文庫) ★★★★

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ホーソーン・シリーズ第4弾。ホロヴィッツが殺人容疑で逮捕!今回も愉しめた。

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ナイフをひねれば (創元推理文庫)』['23年]
The Twist of a Knife: A gripping locked-room mystery from the bestselling crime writer (Hawthorne, 4) 』['22年]
ナイフをひねれば』 原著.jpg 「われわれの契約は、これで終わりだ」探偵ホーソーンに、彼が主人公のミステリを書くのに耐えかねて、私、作家のホロヴィッツはこう告げた。その翌週、ロンドンで脚本を手がけた戯曲の公演が始まる。いきなり酷評する劇評を目にして意気消沈するわたし。ところがその劇評家が殺害されてしまう。凶器はあろうことか私の短剣。逮捕された私には分かっていた。自分を救えるのは、あの男だけだと―。

 『メインテーマは殺人』(2017)、『その裁きは死』(2018)、『殺しへのライン』(2021)に続くホーソーン・シリーズの第4弾であり、2022年8月刊行の原著タイトルは"The Twist of a Knife"。「週刊文春ミステリーベスト10(2023年)」海外部門・第2位、「このミステリーがすごい!(2024年版)」海外編・第2位、「本格ミステリ・ベスト10(2024年)」海外篇・第3位、「ミステリが読みたい!(2024年)」海外篇・第2位でした。

 元刑事の探偵ダニエル・ホーソーンが言わばホームズ役で、私ことアンソニー・ホロヴィッツがワトソン役のシリーズ作。タイミング的には、『ヨルガオ殺人事件』を書き始めたころで、「オルダニー島の事件」の本はまだ手付かずとのことで、これが『殺しへのライン』を指すことは、作者の本を読み継いできた読者には明らかなところです。

 このように、作者が登場人物となって起きた事件を小説にする入れ子構造がシリーズの特徴ですが、今回はその作者ホロヴィッツが殺人容疑で逮捕されてしまうという意外な展開に引き込まれます。いったんは釈放されますが、ホロヴィッツが犯人であることを裏付けるような状況証拠が続々出てきて、最重要容疑者として追われることになります。

 今回も、前作に続いてアガサ・クリスティ作品の現代版といった感じでしょうか。途中で犯人が判った気になりましたが違っており、結局、ホーソーンによる最後の謎解きまで判りませんでした(これは判らないのが普通だろうなあ)。ホーソーンが容疑者・関係者を集めて事件の全容を明かす様は、「名探偵ポワロ」を髣髴させます(実際アンソニー・ホロヴィッツは、1989年から2013年にかけて製作されたTVシリーズ「名探偵ポワロ」のうち「白昼の悪魔」など11エピソードの脚本を書いている)。

 今回も愉しめました。意外な展開が、『殺しへのライン』以上だったかもしれません。5つ星評価にしても良かったのですが、『殺しへのライン』と同様、聞かされてみないと読者は知るよしも無い背後事情というのもあって、『殺しへのライン』と同じく星4つとしました。

 アンソニー・ホロヴィッツ作品はどれも並みのミステリのレベルを超えていて、ある程度厳しめに評価しないと、どれも皆5つ星評価になりそう(笑)。でも、全部5つ星評価にしてしまうと、その中でもどれが特に良かったのか後で自分でも分からなくなるので、ホロヴィッツ作品同士の中で相対評価して差をつけているという感じでしょうか。

ホ。

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This page contains a single entry by wada published on 2026年3月10日 04:54.

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