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ジョン・ネトルズが主役を演じた最後のエピソード。長らくの間お疲れ様でした。

"Midsomer Murders" Fit for Murder(安らぎのスパ殺人)
ルーク・アーチボルド(ジェイソン・デュール)の経営するスパ&ホテルに、ジョイスとバーナビーは休みを利用して滞在することにする。バーナビーは、性に合わないので、文句を言い続けるばかりだった。やがて来るバーナビーの誕生日も何やら気掛かりな様子だった―。
シーズン13の第8話(最終話)で、これまで通算81話に渡ってトム・バーナビー警部をを演じてきたジョン・ネトルズの最後の主演作ということで、本筋のミステリと併せて、バーナビーが引退を決意するという図太いサイドストーリーがあります。
でも、ミステリの方も、いつもながらにジョイスの行くところに事件ありで、スパの客の女性キティが殺害され、スパの経営者ルーク・アーチボルドが殺害され、更に、先に殺された女性客の夫ケニーは行方不明で...と、相変わらずの複数殺人やら行方不明者やらで、一応は手を抜かず展開されていたように思います。
並行して、バーナビーの気掛かりの元が少しずつ明かされてきて、それは誕生日と同じ日に亡くなった父親に対する思いと(その日に限って、いつもの父親の誕生日と同じように一緒に釣りに行くことをしなかった自分に対する悔恨)、自分も父親と同じ年齢の誕生日、つまり間近に迫っている次の誕生日に死ぬのではないかという不安であったようです(既に誕生日が近づくつれて体調に変調をきたしていた)。
ミステリの方は、サイドストーリーに圧迫されて、スパ経営者の妻と小説を書いているという女性の2人とそれを取り巻く男達の確執の経緯や、犯人の犯行動機とかが分かりにくかったかな。一応、このシリーズではここのところ、犯人が捕まった後、自らの殺人を丁寧に振り返ってくれる傾向にはあるのだけれど。
突然、瞑想用の庭の噴水が噴き出して、びっくりして逃げ帰るトレーナーと、そこから行方不明者を突き止めるバーナビー(重傷を負ったままバルブに寄り掛かっていたわけか)、バーナビーが瞑想トレーナーの娘の透視術のインチキを見破ったかと思ったら、誰にも話していない自分の不安の源を言い当てられ、彼女の透視能力はホンモノだったとか、細部に見所はありました。
事件解決後のエピローグに多い目に時間を割き、無事に誕生日を迎えたバーナビーが誕生パーティの席で突然の引退発表、唖然とするジョーンズも、事件現場からの呼び出し電話に当地に転任してきた従兄弟のジョン・バーナビー警部(ニール・ダジョン Neil Dudgeon)を電話口に出させる彼の姿を見て上司の引退を既定の事実として受け入れたのか、事件現場へ向かうために辞去する前に思わずバーナビーにハグ(いい場面!)、残されたジョイスのほっとしたような表情から、バーナビーの引退決意の理由はここにあったのだなあと。
引退はちょっと勿体ない気もしましたが(ジョーンズは今回も思い込みから誤認逮捕
しそうな感じでやや頼りなかったし)、あちらでは自分で引退をする時期を決め、後はリタイア後の人生を楽しむというのがむしろ普通なのかも。バーナビー警部を演じるジョン・ネトルズは1943年生まれで、1997年(54歳)から13年間主役張っており、67歳と言えばかなりいい歳ではありますが。
ジョン・ネトルズ自身は「(引退するのは)とても悲しいが、(バーナビーは)約200件もの事件を解決した。目標は達成したと思う」と話しているそうです。正確には15シーズンで208件の殺人事件があったそうで、1話当たり概ね2.5人殺害されているわけか)。バーナビーもジョン・ネトルズも長らくの間お疲れ様でした。

因みに、このエピソードの中でジョイスがスパで試そうとしたしたフローティングタンクは「アイソレーションタンク」と呼ばれるもので、都内にも利用可能なエステや「癒しのスペース」のようなものがあるみたいですが、装置は外国製のものを使っているようです。海外では、複数人数で浸かれるような大きなタンクもあるようです。
一度利用してみたい気もするけれど、このタンク見ると、ケン・ラッセル監督の「アルタード・ステーツ 未知への挑戦」('79年/米)を思い出して、ちょっと怖い気もしないでもない(少なくとも閉所恐怖症の気がある人は無理だろうなあ)。パディ・チャイエフスキーのSFが原案の映画では、感覚遮断実験のための装置として使われていましたが、タンクそのものの原理はほぼ同じだろうなあ(当時アメリカで、「タンキング」と呼ばれるこの種の瞑想法が流行っていた)。ウィリアム・ハート演じる科学者が、タンクを使って自らを実験台にし、人類進化の過程を意識面で遡っていくが、それが身体にまで影響を及ぼすというものでした(まあ、映画を観ていても、いくら何でもこれはあり得ないとは思いましたが)。
「バーナビー警部(第81話)/安らぎのスパ殺人」●原題:MIDSOMER MURDERS:FIT FOR MURDER●制作年:2011年●制作国:イギリス●本国上映:2011/11/15●監督:レニー・ライ●製作:ブライアン・トゥルー=メイ●脚本:アンドリュー・ペイン●時間:102分●出演:ジョン・ネトルズ/ジェイソン・ヒューズ/ジェーン・ワイマーク/バリー・ジャクソン/カースティ•ディロン/ローラ・ハワード/ニール・ダジョン/ジェイソン・デュール●日本放映:2013/10/25●放映局:AXNミステリー(評価:★★★☆)
Church End seen in 'Fit for Murder'

「アルタード・ステーツ 未知への挑戦」●原題:ALTERD STATES●制作年:1979年(米国公開1980年)●制作国:アメリカ●
監督:ケン・ラッセル●製作:ハワード・ゴットフリード●脚本:シドニー・アーロン●撮影:ジョーダン・クローネンウェス●音楽:ジョン・コリリアーノ
●原作:パディ・チャイエフスキー●時間:101分●出演:ウィリアム・ハート/ドリュー・バリモア/ブレア・ブラウン/ボブ・バラバン/チャールズ・ヘイド●日本公開:1981/04●配給:ワーナー・ブラザーズ●最初に観た場所:新宿・京王地下(81-05-17)(評価:★★★)「アルタード・ステーツ 未知への挑戦 [DVD]」





マイケル・フィールディング卿(ジェームズ・フォックス)と2人の娘は、ピアノの英才教育を行うプライベート・スクールを運営していた。生徒の中でも優れた才能を持つ一人ゾーイが、ある日、白いドレスの若い娘が川で溺れるのを目撃する。早速、捜索が行われるが何も発見されなかった―(「第78話/選ばれし者の遺伝子」)。
最初にゾーイが川で見たものがあまりにクリアで、そこからミスリードされてしまいましたが、犯人もまた個人的には想定外の人物でした。このシリーズ、「
犯人としては自分は絶対に「天才」なわけで、あとは天賦の才を持った女性と交わり、今度はその娘と―といった具合に"再生産"していくわけかあ。それにしても「父親でもあり祖父でもある」というのがスゴかったなあ。その前の代からそれを繰り返しているのか。
しかし、音楽学校の生徒も変なのが多かったなあ。特にマスタークラスの最終選抜に漏れてストーカーみたいになってしまった男子。それと、子供ながらに、ゾーイとそのライバル(性格悪そうな娘だなあ)の二股かけて、結局、殺害されてしまった男子。その子の母親はその時、フィールディング卿に対する色仕掛け攻勢の真っ最中だったわけで、卿自身にはアリバイがあるわけだけど、まさか、学校全体でやっていたとはねえ。「魔女の館」みたいで、卿よりも娘(オバサン)達の方が怖かった(若干「ローズマリーの赤ちゃん」風)。見方によっては卿の方が彼女らに利用されていたのかも。
ミッドサマー・モーチャード出身のジョン・キンセラ対ガルシア・ラ・トサのボクシング試合が行われ、キンセラが勝利する。キンセラの祝賀会が催されるが、飛行機の遅れで本人やトレーナー、プロモーターは参加できなかった―(「第79話/ボクシングに沸く村」)。
最初、登場人物が皆あまり乱脈で、誰と誰が不倫していて誰が二股かけているのか、本筋の人物相関はどうなっているのか、把握するのが難しかったです。仕舞には、ゲイ関係まで出て来るし...領主ジェラルド(ケビン・R・マクナリー、「ミス・マープル(第19話)/青いゼラニウム」('10年)にサマーセット警部役で出演)の息子セバスチャンが何を嘆いているのか最初は解らなかったけれど、実は殺害された弁護士とそういう関係だったのか...)。
でも、バーナビーが領主ジェラルドに対し、やけに友人としての信頼を置いているところで、ああ、これ、彼が往年のロックスターに再会した歓びでその目が曇った「
しかし、今度は、自分が意識的に彼を容疑者から外していることを充分に自覚していたなあ。ジョイスに自分が情に流され易いタイプか訊いているところで、観ている側としてはほぼ犯人は判ったという感じでしょうか。但し、それもかなり後半の方で、そ
れまでは自分もミスリードされ続けたわけですが(ジョーンズとのアクション付きボクシング談義で、一応、容疑者候補の一人ではあったけれど)。
「バーナビー警部(第78話)/選ばれし者の遺伝子」●原題:MIDSOMER MURDERS:MASTER CLASS●制作年:2010年●制作国:イギリス●本国上映:2010/10/06●監督:レニー・ライ●製作:ブライアン・トゥルー=メイ●脚本:ニコラス・マーティン●時間:102分●出演:ジョン・ネトルズ/ジェイソン・ヒューズ/ジェーン・ワイマーク/バリー・ジャクソン/カースティ・ディロン/ジェームズ・フォックス●日本放映:2013/10/25●放映局:AXNミステリー(評価:★★★☆)
「バーナビー警部(第79話)/ボクシングに沸く村」●原題:MIDSOMER MURDERS:THE NOBLE ART●制作年:2010年●制作国:イギリス●本国上映:2010/10/13●監督:リチャード・ホルトハウス●製作:ブライアン・トゥルー=メイ●脚本:Barry Purchese●時間:102分●出演:ジョン・ネトルズ/ジェイソン・ヒューズ/ジェーン・ワイマーク/バリー・ジャクソン/カースティ・ディロン/ケビン・R・マクナリー●日本放映:2013/11/02●放映局:AXNミステリー(評価:★★★)



長年関係が途絶えていた2つの町、コーストンとブライトン。コーストンがブライトンの土地の購入を検討中ということもあって、2つの町の友好関係を築く目的の旅行が計画されるが、裏には個人利益を狙う人々がいた。そして、ツアーの最中、参加者の一人ダルグリーシュがお化け屋敷列車で首を切り落とされた姿で見つかる―。
バス旅行ツアーにバーナビーが参加するという設定は、アガサ・クリスティの『
シーズン13の第1話にあたりますが、トム・バーナビー警部の従兄弟のジョン・バーナビー警部(ニール・ダジョン Neil Dudgeon)がブライトン署の刑事として登場。シーズン14、第82話から主役交代することになるわけですが、その前フリでしょうか(ということは従兄弟ジョン・バーナビーはコーストンからブライトンへ転勤してくるのか)。「バーナビー警部」と呼ばれて2人とも同時に反応するところが可笑しいです(一番笑ったのは、牧師が神の存在に疑念を抱いて悩んでいる時に"奇跡"が起きた場面だったのだが。蝋燭の上に偶々物が落ちて火がついただけなのだが、当の牧師は思わずひれ伏していた)。
しかし、女当主マチルダ、子孫を残すためにそこまでやるのかあ。事件解決後は「可哀そうな○○○○」の一言で済ませてしまって(まあ、自分の計画を潰した一方で、自分の代わりに復讐してくれたのも○○○○だったとも言えるが)、そそくさとバーナビーを追い返した感じ。そんな中、当主の息子である被介護人リチャードのバーナビーに向けた目線が気になります。
それにしても、バーナビーの部下ジョーンズ巡査部長とスティーブンス巡査の若い2人の職場恋愛はなかなか進展しないなあ。バーナビーの居ぬ間に携帯電話持っているから大丈夫と水辺でのランチを洒落込んだら、上司バーナビーからその携帯に殺人事件発生の急報が入り、「何故アヒルの声が聞こえるんだ」と言われて冷や汗をかく始末。
コーストンが架空の町であるのに対し、ブライトンは実在の観光地で、実業家や有名芸能人などが引退後に暮らす地としても人気の場所。いつもの長閑な田園風景とはまた一味違った、風光明媚な海沿いの光景や垢抜けた街並みがちょっとした観光気分で楽しめるエピソードでもありました。
「バーナビー警部(第75話)/ギヨームの剣」●原題:MIDSOMER MURDERS:SWORD OF GUILLAUME●制作年:2010年●制作国:イギリス●本国上映:2010/02/10●監督:レニー・ライ●製作:ブライアン・トゥルー=メイ●脚本:マイケル・エイトケンス●時間:102分●出演:ジョン・ネトルズ/ジェイソン・ヒューズ/ジェーン・ワイマーク/バリー・ジャクソン/カースティ・ディロン/ニール・ダジョン●日本放映:2013/10/04●放映局:AXNミステリー(評価:★★★☆)

アレンビー・ハウスの当主フレーザー卿は、かつてMI6に所属し、ベルリンの壁崩壊以前に東ベルリンから西側へ逃亡者を送る作戦を指揮していた。そのチームには彼の息子ニッキーと妻ジェニーも入っていた。しかしフレーザー卿は現在は、自分の棺を用意したり、葬儀のリハーサルをするなどして家族に持て余されていた。フレーザー卿は、生活維持費のために、アレンビー・ハウス
をMI6のセイフ・ハウスとして提供することに了承する。そこへやってきた
ラーキンは、フレイザー卿とも息子ニッキーとも反りの合わなかったが、その彼が、クリケットの試合の直後に死体で発見される。死体には、獣に噛まれたような痕があり、羊番のセスは「ミッドサマーの伝説」の復活をマスコミに吹聴する―。
クリケットの試合が出てくるのは、このシリーズでは「
クリケットの試合って、合間に「お茶とお菓子の時間」があるのが普通なのか。バーナビーがその際に妻ジョイスに、クリケットの審判は「神になれる」から楽しいと漏らした背景には、事件の方が情報機関の管轄になって捜査権を奪われてしまったことへの不満があったのでし
ょう。そのバーナビーもかつてMI6に所属していたことをジョイスは初めてバーナビーから知らされますが、その彼女が読んでいる本が、John Le Carréのスパイ小説の古典"Tinker Tailor Soldier Spy"(邦題も『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』)で、2011年に「裏切りのサーカス」(英・独・仏合作)として映画化されており、ジョイスは映画化に合わせて原作を読んでいたのかも。
ジョーンズは同僚の女性警官ゲイル・スティーブンス(カースティ・ディロン)が念願叶ってDC(DC DITECTIV Constable=巡査)になったことを自らも喜んでいるけれど(因みにジョーンズ自身は第51話「呼ばれた殺人者」でDCからDS(DS DITECTIV Sergeant=巡査部長)に昇進しており、前々任のトロイはそのDS(番組表記はSgt.)からDI(DI DITECTIV Inspector=警部補)に昇進した。バーナビーは更にその1つ上のDCI(DCI DITECTIV Chief Inspector=警部))、いざ仕事となるとやりにくいのか、彼女を置いてきぼり気味。事件関係者の聞き込みの際に女性学芸員の甘い誘惑に乗らないところ(上)は彼らしいけれど、制服警官から私服刑事になってどんな服を着ればよいか迷っているスティーブンスの相談に対してもつれないです。
彼女からチームワークで仕事すべきだと言われ、防犯カメラの映像分析の仕事をさせると、彼女の方がそこから犯人の絞り込みに繋がるヒントを見つけ出し、逆に一歩遅れをとる(スティーブンスはその前には容疑者の情事が映っている場面を見て、男女の付き合いの長いことを断言し、男性らを絶句とさせている(左))―といった具合に、いいコンビと言えばいいコンビだし、お互い頭にくることもあると言えばそうとも言えます。バーナビーの娘カリーの結婚で「娘の恋愛」ネタが無くなった後は、このジョーンズとスティーブンスの「異性の同僚」ネタがしばらく続いており、男女ネタのサイドストーリーで視聴者を惹きつけるのが上手いなあと思いました(スティーブンスは制服姿の印象が強くて、彼女の私服姿を見慣れるのに時間がかかりそう)。
「バーナビー警部(第69話)/スパイたちの秘密」●原題:MIDSOMER MURDERS:SECRETS AND SPIES●制作年:2009年●制作国:イギリス●本国上映:2009/06/29●監督:レニー・ライ●製作:ブライアン・トゥルー=メイ●脚本:マイケル・エイトケンス●時間:102分●出演:ジョン・ネトルズ/ジェイソン・ヒューズ/ジェーン・ワイマーク/バリー・ジャクソン/カースティ・ディロン/アリス・クリーグ●日本放映:2013/01/18●放映局:AXNミステリー(評価:★★★☆)

ミッドサマーで野外ロックフェスティバルが開かれることになった。30年ぶりの再結成で注目を集める「ハイヤード・ガン」というバンドも出演予定だったが、このバンドは、メンバーの1人が30年前に事故に遭ったま
ま失踪していた。ロック・コンサートが始まり、ボーカルのミミ(スージー・クワトロ)が歌い出しマイクを握った途端、高圧電流が流れ彼女は感電死する。バンドリーダーのゲイリーは警察に、切り裂かれた豚や鳥の死骸を送り付けられる脅迫を受けていたことを明かす。やがて、バンドメンバーのアックスマンのバイクが爆破され、もう一人のメンバーのニッキーは車ごとプールに沈められた死体で見つかる―。
て。これまでそんなこと、おくびにも出さなかったのに、今回はやけにはしゃぎ気味。アックスマンへの崇拝ぶりに、ジョーンズ巡査部長も、捜査に偏見が入るのではないかと心配するぐらいで、いつものバーナビーとかなり雰囲気が異なりました(個人的には、久しぶりに見るスージー・クワトロが懐かしかったが、歌い始めたと思ったらいきなり殺されてしまった...)。
カリーがバンドのマネージャーのサイモンにたまたまイベント会場で足を踏んづけられて、お詫びに楽屋裏に出入りできるチケットを貰ったことから、二人の交際が始まります(サイモン君、ボートハウス暮らしかあ。カリーは誘われて中に入ったところで"OK"ということか)―これが、第60話「結婚狂想曲」で二人は結婚式を挙げることになるわけだから、男女の付き合いとは偶然によって始まるのものだなあと(足を踏んづけなければ二人の結婚は無かった?)。
ストーリーは、随分と手の込んだ復讐劇だったなあという印象です。何のための復讐なのかは最後にならないと明かされませんが、アックスマン愛用のバイクが爆破されたというのは、ミスリードをさせるものでした(疑いを呈したジョーンズ巡査部長、いつもミスリードさせられる役回りなのに、今回は彼の方が侮れなかった。むしろ彼が正鵠を射ていたことの方が決定的なミスリード要因か?)。
車ごとプールに沈められたメンバーの殺人も、アリバイの作り方が大胆でした("映像の欺瞞"スレスレのところでやっているなあ)。フツー、人妻とベッドにいたことを娘に証言させるかねえ。まあ、それはたまたまそうなったわけだけど。それに、動物の死骸の送り付けによる脅迫も入り混じってややこしい。復讐劇がダブルで進行していたわけか。これはもう、犯人を当てるのは不可能という印象でした(スティーブン・セガール似の執事は禿だったのかあ)。
ラストは、犯人の動機としては説得力がありましたが、バーナビーはどこで犯人が判ったのか(写真がヒントになったことは間違いないが)それがよく解りませんでした。バーナビーに疑惑を進言しながらも、結局はちんぷんかんぷんのジョーンズ巡査部長に対して、「ここで見ていれば解る」と最後は余裕綽々でしたが。
「バーナビー警部(第55話)/悲憤の刃」●原題:MIDSOMER MURDERS:THE AXEMAN COMETH●制作年:2009年●制作国:イギリス●本国上映:2007/02/02●監督:レニー・ライ●製作:ブライアン・トゥルー=メイ●脚本:マイケル・エイトケンス●時間:102分●出演:ジョン・ネトルズ/ジェイソン・ヒューズ/ジェーン・ワイマーク/ローラ・ハワード/バリー・ジャクソン/スージー・クワトロ●日本放映:2011/02/25●放映局:AXNミステリー(評価:★★★☆)

ジョイスやジョージも参加するミッドサマー・ワーシー聖歌隊が大会に向け猛練習の最中、メンバーの一人コナーが突然心臓発作で倒れ、軽症だったためにそもまま帰宅するが、自分の忘れ物を取りに来たステファンが、偶然コナーの携帯電話を見つけ届けに行くと、コナーは何者かに頭を殴られ
死んでいた。キッチンのゴミ箱からは「お前の嘘つきな心臓」と書かれた紙とともに、豚の心臓が見つかる―。(第50話「壊れかけた聖歌隊」)
そうこうしている内に、教会の周辺でメンフクロウを観察をしていたサムという男が、墓地で遺体で発見され、実際に殺害された場所は彼が以前不動産管理を任されていたハーツメイドというジャイルズの屋敷の納屋だったようだ―。結局、ギャンブルで大損こいたコナーとレオという男とジャイルズが、ジャイルズの妻キャロラインが相続したバッハの肖像画の贋作を売って儲けようとしたところ(コナーはかつて贋作画家だった!)、本物を手にしたコナーがそれを売ってエレンと駆け落ち資金にしようとしたということからの仲間割れが原因だったのか。
妻キャロラインに薬を飲ませて入水自殺に見せかけ殺そうとしたジャイルズが一番のワルか。男たちの喧嘩を仲裁しようとして池にドボンしたジョーンズ巡査に続いて、キャロラインを助けようとしたバーナビーもびしょ濡れに。スティーブンという男性も最初はやや怪しかったけれど、キャロラインに対する純愛のみの男だったわけで、事件解決後暫くしたら彼女と結ばれる? エレンの方は、妻と縒りを戻すのを諦めたローレンスが家をおん出て、彼女はバーナビーからコナーが自分のために描いてくれた絵を返してもらい、コナーの想い出に生きるのでしょう。
だんだん刑事らしくなってきたジョーンズは(次回「第51話「呼ばれた殺人者」で巡査部長に昇進する)、バーナビー宅でシャワーを浴びていた際の歌声を見込まれてコナーの代わりに聖歌隊のテノール担当になっていましたが、指揮者ローレンスはヤケクソになったのか聖歌大会の場にも現れず、前から聖歌隊の一員だった検視官ブラード博士が熱弁を振るって皆を鼓舞し、ローレンスの代わりに指揮棒を振ってミッドサマー・ワーシー聖歌隊が優勝!と、やや出来過ぎた作りですが、事件のプロセスが暗めであるだけに、"お口直し"的エンディングということでいいのではないでしょうか。
田舎町エルバートンで、大手スーパー「グッドフェア」の進出を巡り、議会と一部住民が対立していた。ある晩、村の集会で、グッドフェア側は、スーパーを誘致すれば、世帯向け物件を提供するほか、建設予定地の汚染土壌浄化を行うと住民に説明したが、賛成
派と反対派の間で小競り合いが起きて収拾がつかなくなる。その頃、集会を抜け出した子供達が製材工場で男性の刺殺体を発見、被害者の名はフランク・ホップカークと判明し、現場にあった凶器と思われる高級ナイフは、地元で料理教室を経営している女性ローズのものと判るが、警察の問いに彼女は、ホップカークが偽名で料理を習いに来ていたが、ナイフが何時なくなったのかは覚えがないと言う―。(第49話「ビジネスの総決算」)
スーパー反対派のオーランドは馬の調教師をしている妻ジニー差し置いてローズに執心、ジニーは当てつけにパブ店主を愛人にするものの、その愛人もジニーに入れ込むという、この料理教室のオバさんのモテぶりは不思議。ホップカークも彼女目当てに料理教室に通っていた? 躰を許さないというのが却って男が惹かれる要因なのでしょうか、それとも、調教師ジニーの"調教"(SM強要)に男達は付き合い切れなかったということだったのかも。
狩猟場では「コスプレ人間罠」ごっこみたいな変てこなビジネスをやっているし(ちゃんとお客がいるわけだ)、村の女性司祭は雑貨屋店主と不倫しているし、こんな誰もが乱脈な環境だと、子供達も製材所で隠れて酒と煙草に耽るようになってしまうということなのでしょうか。死体を見つけてショックを受けるどころか、「学校に行って友達に話さなくっちゃ」と、むしろ新たな刺激を見つけて張り切っている様子です。


「バーナビー警部(第49話)/ビジネスの総決算」●原題:MIDSOMER MURDERS:COUNTRY MATTERS●制作年:2006年●制作国:イギリス●本国上映:2006/09/10●監督:リチャード・ホルトハウス●製作:ブライアン・トゥルー=メイ●脚本:アンドリュー・ペイン●時間:102分●出演:ジョン・ネトルズ/ジェイソン・ヒューズ/ジェーン・ワイマーク/バリー・ジャクソン/クレア・ホルマン/ティム・ハーディ●日本放映:2010/05●放映局:AXNミステリー(評価:★★★)


役所の給与係バレットが散弾銃で殺される。バーナビーは、彼の部屋にあったオークションの切り抜きの絵の持ち主であるパブ店主ジャックに事情を聞きに行く。店主はバレットを「誰にでも好かれる男」と話すが、パブで働き、バレットの家で掃除の仕事もしていたルビーは「最低の男」だと言う。店主は、父親のものだった絵を、相続税を逃れるため売却しようとしたのを、それを知ったバレットに脅迫されていたのだった。バレットはその他にも、問題児を9人引き取って育てた地元の名士ウェーバリーを、その内の一人と密通していたというデマを流すとして脅し、石油採掘をしているというフロリアン夫妻についても脅迫ネタを探していたらしい。また、彼ら全員の家の掃除の仕事をしていたルビーも盗癖を知られて脅され、フロリアン夫妻についての情報を取るようバレットに指示されていた。バレットは夫妻が別荘を持つフェナコム湾にある魚屋のレシートを持っていたが、バーナビーが魚屋を訪ねると、店主ピーターは以前に香港で警官をしていた人物で、捜査にも協力的だった。フロリアン夫妻はよく沖の岩礁付近に出かけたが、そこには沈没船があるという噂があった―。
面白かったです。今回も登場人物は皆怪しげ。見るからに怪しげな人物は犯人ではないというのがパターンになっているようで、そのことを念頭に置きつつも(つまり、まともに見える人が犯人に違いないと思って観つつつも)、やはり騙されてしまいます。と言っても、今回のケースなどは、犯行動機が最後の最後にならないと分からないから無理もないかも。海外での昔の出来事を巡る復讐劇でした。
お宝探しの夫婦は夫婦で、殺人事件解決後はお宝の隠し場所を追及されてシラを切り通すも、ジョーンズが誤ってペットボトルを倒したことから井戸の存在が明らかになり...と、ジョーンズは推理ではバーナビーの足元にも及ばないものの、"本人の能力以外"のところで意図せず事件の解決に貢献しているなあ(スコットから交替して才気煥発ぶりが目立ったため、ここらでほどほどに調整している?)。
ルビーを演じたジュリア・マッケンジーは、2009年からグラナダ版「アガサ・クリスティー ミス・マープル」でミス・マープルを演じることになりますが、ここではパブの手伝いと掃除人の仕事の掛け持ちと忙しく、その上、パブの店主の内縁の妻みたいになっていて、家から鉄砲が出てきて、互いに相手が犯人ではないかと疑心暗鬼になり、"夫婦喧嘩"の末に鉄砲が暴発、自ら警察を招き入れることになって、窃盗癖も白状するという、ミス・マープルとは全く異なる役どころを演じているのが興味深かったです(でも、どことなく品のある感じ)。

ニュートンの森にひっそりと佇むウィンヤード屋敷は、近頃幽霊が出ると噂になり、地元の子供たちの肝試しスポットとなっていた。ある日、物件探しでこの屋敷に惹かれた夫婦が、屋敷から車に戻ったところで何者かに絞殺されてしまう―。(第44話「真相の眠る屋敷」)
う~ん、双子の兄弟で自分が知能も人格も全ていいところばかり取ってしまって、弟には悪いところばかりいったからと言って、そのことに後ろめたさを感じて弟の罪を被るかなあというのはありますが、実際ジャックは子供にも好かれるいい人という感じで、自分を愛してくれた女性とも会えて、まあ最後は犯人に殺されなくて良かったという感じでしょうか。
チャーリーも充分に怪しいのですが、それまでに怪しい人物が目一杯出てくるので、初登場の時は相対的にまともに見えてしまうという、いつもながらの巧みなミスリードのさせ方でした。ある程度まで混迷を深めた段階で、少年がチャーリーをジャックだと思って「ジャック」と呼びかけて反応が無かったという、視聴者から見れば分かり易い謎解きの手立て示したのは親切か。
本作から第9シーズン。バーナビーは、スコット巡査部長の病欠で、代わりに巡査ジョーンズ(ジェイソン・ヒューズ)を警官の制服からスーツに着替えさせて巡査部長代理として共に捜査に当たらせますが(「キミ、やってみるか?」って感じだったね)、もしかしてこの人、スコットより優秀? 一方のスコットは、結局、前シーズンを最後に、このシリーズに復帰することは無かったようです(やや気の毒)。
ミッドサマー・バートンで年一度開催されるオークアップル祭。お祭り気分の中、マリオン・スレードの水死体が発見される。彼女は精神安定剤のダイラシンを多量に服用しており自殺かと思われたが、肩には押さえつけられたような痕があったバーナビーとジョンは捜査を開始、聞き込みを続けるうちに、マリオンに8年前に食中毒で死亡した娘がいたことを知らされる。その後ベラのかつての同級生マークが、自分の犬を祭りのドッグショーに出すと言っていたが現れず、森で首を切られて死んでいるのが見つかる。彼もマリオンと同様にダイラシンを飲まされて殺されたのだった―(第45話「カーニバルの傷痕」)
今回も怪しげな人物が目一杯出てきますが、極めつけは「
お祭り男の旦那はプロのコメディアンを目指していて実入りのある仕事はしておらず、その旦那にあなたコメディアンにはなれない、なぜならば「あなたの人生そのものがコメディなのよ」と言い放つ妻。その妻も医師と浮気していて、この医師(医者なのにヘビースモーカー)も好色...といった具合に、犯人を除く残りの人たちの方が問題ありではないかと思わせるような村の人々でした。
「バーナビー警部(第44話)/真相の眠る屋敷」●原題:MIDSOMER MURDERS:THE HOUSE IN THE WOODS●制作年:2005年●制作国:イギリス●本国上映:2005/10/09●監督:ピーター・スミス●製作:ブライアン・トゥルー=メイ●脚本:バリー・シンナー●時間:102分●出演:ジョン・ネトルズ/ジェイソン・ヒューズ/ジェーン・ワイマーク/バリー・ジャクソン/ジョージ・ベイカー●日本放映:2010/04●放映局:AXNミステリー(評価:★★★☆)
「バーナビー警部(第45話)/カーニバルの傷痕」●原題:MIDSOMER MURDERS:DEAD LETTERS●制作年:2006年●制作国:イギリス●本国上映:2006/02/26●監督:レニー・ライ●製作:ブライアン・トゥルー=メイ●脚本:ピーター・ハモンド●時間:102分●出演:ジョン・ネトルズ/ジェイソン・ヒューズ/ジェーン・ワイマーク/バリー・ジャクソン/エリザベス・スプリッグス/リチャード・キャント●日本放映:2010/04●放映局:AXNミステリー(評価:★★★☆)

1851年創業のソース工場プラマー社のピリ辛ソースは、英国内外で愛され、売れ続けていたが、いつしか経営難に陥り、フィールドウェイ社から買収話がもちかけられていた。今年の年次総会でプラマー社の一族が集まった時、工場見学に来ていた男が殺される―。
被害者の死体が全裸で高熱消毒のベルトコンベアから出てきたというのが凄いね。検視官ブラード博士が、今回の死体は"見もの"だと言ってるぐらいですから、確かに充分にユニーク且つグロテスク。バーナビーらの調べで、
殺害された男はフィールドウェイの社員デクスター・ロックウッドで、消毒される前にフォークリフトでソース瓶の壁に挟まれて圧死していたことが判り、彼は買収会社の社員であるだけでなく、祖父がプラマー社の創業メンバーの一人でありながら、解雇され自殺したという過去経緯もありました。
プラマー社の経営権は、母親と3人の兄弟・妹にあるものの、長男レイフは社長でありながらも会社経営よりバードウォッチングに執心しており、実質的にはその妻ヘレンが経営を仕切っていて、残るアンセルム、キャロラインの弟妹は遊び人みたいな感じで、工場を売却することで金を得たいと考えていますが、大株主の母親と長男がそれを拒んでいるという状況です。
一族の中でも最も意外な線が犯人だったというのはこのシリーズらしいですが、夫が妻を庇って全ての罪を被ろうとしていたのに、妻の方は夫が所有し大事にしている森を売って(そっか、自分の森だったのか)経営を立て直そうとしていて、その齟齬が哀しいなあ。こうなると、純粋な人ではあるが、社長なのにあまりにも経営から逃げ続けてきた夫も問題ありでしょう。
「バーナビー警部(第42話)/斜陽の喧騒」●原題:MIDSOMER MURDERS:SAUCE FOR THE GOOSE●制作年:2005年●制作国:イギリス●本国上映:2005/04/03●監督:レニー・ライ●製作:ブライアン・トゥルー=メイ●脚本:アンドリュー・ペイン●時間:102分●出演:ジョン・ネトルズ/ジョン・ホプキンズ/ジェーン・ワイマーク/バリー・ジャクソン/ジェームズ・フリート/ジェラルディン・アレクサンダー●日本放映:2010/04●放映局:AXNミステリー(評価:★★★☆)

息子ジョンが亡くなっても、科学者一家ランサム家の父親グレゴリーはあまり悲しんでいないところから、バーナビーが一家の家系に疑問を抱き始めるのは比較的分かり易い展開でした。科学者一家と対立する「千里眼」一家カーヴィ家(千里眼って遺伝するのか)のジミーの奥さんエマは、赤ん坊の千里眼に怯えている感じで、その赤ちゃんと奥さんを牧師が無理矢理赤ちゃんに洗礼を受けさせるために連れ去ります。
超能力ブームみたいなものがずっと続いている村というのも変わっているいるけれど、村人の中で超能力者を自認するのは胡散臭そうな人ばかり。そうした風潮を改め、村人を教化するという牧師の意気込みは一見真っ当なように見えましたが、な~んだ、自分の布教成績を上げて栄転を果たしたい(これ以上の僻地(?)へ飛ばされたくない)ということだったのかあ。そもそも、エマへの接し方が最初から怪しかった...(赤ん坊が洗礼を受ければ千里眼の呪縛から解き放たれると強引に説得したわけか)。
村の超能力ブームの背景には、マル(カーヴィ家の父親)が昔、ブレーキがかかってない状態で坂の上に停められた無人トラックが暴走して小学校に突っ込むのを予知して、大勢の生徒達を救ったという出来事があったためでした。そのマルは、今は世捨て人のような生活を送っています。
マルが、事件解決後、旅立つカーリーを心配そうに見送るバーナビー夫妻に対して「彼女は大丈夫」と言ったかと思うといつの間にか消えてしまったのはカッコ良過ぎ。でも、マルが大丈夫といったからにはカーリー大丈夫なのでしょう。前エピソード(「第39話/闇に下る鉄槌」)の、子供が犯人で、しかも、頭の弱い叔父を実行犯として操っていた...といった話などと比べて、後味は悪くありませんでした(と言うか、こっちの方が断然いい)。
「バーナビー警部(第40話)/千里眼の系譜」●原題:MIDSOMER MURDERS:SECOND SIGHT●制作年:2005年●制作国:イギリス●本国上映:2005/01/23●監督:リチャード・ホルトハウス●製作:ブライアン・トゥルー=メイ●脚本:トニー・エッチェルズ●時間:102分●出演:ジョン・ネトルズ/ジョン・ホプキンズ/ジェーン・ワイマーク/ローラ・ハワード/バリー・ジャクソン/オーウェン・ティール●日本放映:2010/03●放映局:AXNミステリー(評価:★★★★)


ミッドサマーでレガッタ大会が開催され、レースが盛り上がる中、川でボートクラブの会長ガイ・スイートマンの水死体が発見された。同じボートクラブのトレントやパークウェイは、事件にショックを受けた様子もなくレース続行を主張、一方バーナビーらは、クラブのバーテンから「彼らは、金に困ってて揉めていた」との証言を得ると共に、トレントら数名が毎週トレントのボートで極秘の打ち合わせをしている事実を掴む―。
レガッタ大会をやってもらわないことには、保険金詐欺計画がおじゃんになるということだったのかあ。モテ男のガイは、仲間内のイザコザで仲間らに殺されたのかと思ったら、この連中には黒幕がいて、その黒幕が直接手を下したということだでした。保険金詐欺計画も全部、この黒幕の発案です。但し、金蔓となる女性サンドラを見つけたことで仲間を抜けたガイの口から計画の秘密が漏れるのを恐れて殺したと言うよりも、ガイが若くて実家が金持ちの娘サンドラに走ったという愛情の裏切り行為に対し、かっとなって殺したと言った方が正解でしょう。
犯人はサンドラの口をも封じるために殺害を試みるが、これはバーナビーに先を越されて失敗、そこで御用となり、黒ヘルメットを外す前に、大方の視聴者には犯人が誰だか判ったのではないでしょうか。ちゃんと素人を推理の正解に導いてくれる作りもたまにはいいです。
と言うことで、被害者も少ないし、意外とシンプルだった? むしろ、地方のレガッタ大会風物を愉しめる?(レガッタって、別にテムズ川だけでなく、英国のあちこちでやっているわけか)。ジョイスが「またよ、一緒に出かけると10分で事件に出くわすわ」とボヤいているけれど、前作では被害者と別れた直後の殺人事件だったし、ちょっと異常なまでの"事件居合わせ率"?
ボート選手ヘンリー役のオウェイン・イオマン(Owain Yeoman)は、米国のコメディ・ドラマ「キッチン・コンフィデンシャル」で副料理長役で出ていたけれど、最近では同じく米国のクライム・サスペンスドラマ「THE MENTALIST メンタリストの捜査ファイル」の恋愛に不器用なCBI捜査官の印象が強く、ガタイはいいけれど、やや三枚目っぽい役が似合う印象です(そのつもりで観てしまうから、生意気娘ヘティとボートクラブの会計係兼コーチのクレアとの二股を掛けた女好きというこのエピソードの役柄においても、あまり女性の気持ちを理解していなさそうな...)。


ソン●時間:102分●出演:ジョン・ネトルズ/ジョン・ホプキンズ/ジェーン・ワイマーク/ローラ・ハワード/バリー・ジャクソン●日本放映:2010/02●放映局:AXNミステリー(評価:★★★☆)

ミッドサマーの小村フレッチャーズ・クロスでは、霊媒師ロゼッタによる降霊会が大人気で、愛する人に先立たれた人々が、死者のメッセージを聞くために集まっていた。最近引っ越してきたエリザベスと親しくなったジョイスが、彼女に誘われてその降霊会に行った晩、ロゼッタは「誰かに不幸なことが起こる」と警告、その晩に葬儀屋パトリック・ペニマンが霊安室で殺され、次にはエリザベスが自宅前でジョイスとの別れ際に、更に降霊会を手伝う男ジョンがフレッチャーズ・クロス駅付近の線路上で殺される―。
犯人が全然読めなかったなあ。葬儀屋の妻ジャネットが両手首を切られた夫の死体を発見して驚いて助けを求めに外に飛び出すシーンは、推理小説でいうところの"叙述トリック"に当たるのではないかな。これに完全に騙されてしまったけれど、やや"掟破り"の印象も受けました("演技"がプロの役者並みに上手過ぎ。若干の不自然さが欲しかった―と言うか、誰も見てはいないところでどうして演技する必要がある?)。
クリスティ作品などにも出てくる降霊会と、ロゼッタに馮衣したヴィクトリア朝時代の少女の霊(サラ・ウォーターズの『
フレッチャーズ・クロス駅の再開に携わる人々といった英国ならではの味付け。霊媒師の他にも「天然石屋」とか、いろいろ出てきます(これも半分占い師みたいなものだなあ)。ロゼッタが亡くなった人の家族しか知らないような身体的特徴を言い当てることが出来たのは、"葬儀屋情報"だったわけかあ、ナルホド(土葬だとエンバーミングするわけか。火葬でも湯灌するけれど)。
殺害されたエリザベスは、冷やかしで降霊会に出ていたわけではなく、ロゼッタのインチキを暴くためだった(それと盗品の謎も追及しようとしていた)―ロゼッタが宣託した「復讐の天使」は、ジョイスが警部を妻に持つ自分のことかと勘違いしたようですが、実はエリザベスのことだったと考えると、ヴィクトリア朝時代の少女の霊は本物だった? 常識的に考えれば偶然だとは思いますが、この辺りの虚実皮膜は上手いと思いました。
ミッドサマーでは村ごとにブラスバンドがあって、「バーナビーのテーマ」が定番曲なのか?

クリスマスの日、バーナビーは妻のジョイスの両親を家に招待していたが、妻の父親が苦手なバーナビーは、スコットが彼を事件で呼び出す事を願っていた。時を同じくして、由緒あるヴィリアーズ家の人間たちも、クリスマスを祝っていたが、そうした中、大叔母のリィディアがガレージで車の排ガスによって殺害されそうになり、次は階段から突き落とされて―。
ヴィリアーズ家では、プロの手品師を目指していた長兄のファーディが、唯一心を通わせた女性クレアの悪行を聞かされて9年前のクリスマスに自殺したという暗い過去があり、実はそのクレアも、その時には既に更生していたにも関わらず、信頼していたリィディアの裏切りに遭ったことを知って自殺していた...。
でも、これ、一番悪いのは、どう見ても長姉ジェニファーでしょう。長兄に彼の生きがいである手品師になる夢を諦めるように言い、クレアにヌレギヌを着せるようリィディアに警察に電話させた彼女は鬼のような女性であり、殺されてもあまり同情できず、むしろリィディアの方は、犯人の復讐に巻き込まれた感じでしょうか。9年前からこの家の家族と友人になったというドミニクが、実は...。
息子のガールフレンドで家族にとってはよそ者となるエミリーがヒロインっぽくって(情緒不安定の頼りない青年と、彼のことを気遣うしっかり者の若い女性という、よくある組み合わせパターン)、彼女が探偵役を務めるのかと思ったら、ハワードという次女の息子がこれまた「名探偵コナン」みたいに利発で、この辺りは楽しめます(手品も上手で、トリックに騙されたスコットは本気で不機嫌だったなあ)。
犯人の犯行手口をバーナビーが現場でスコットに解き明かす一方で、ハワード少年は現場から離れた場所で、バーナビーと同じタイミングで犯行トリックを家族の皆に説明していたから、考えてみればこれはスゴイことです。バーナビー自身、ハワード少年の言葉から、犯行の謎を解くヒントを得ています。
バーナビー家のクリスマスの様子が見られるのも興味深く、スコットも招かれますが、この辺りから少しずつ、バーナビーとスコットの上司・部下としての関係が変わってきたかな。スコットも、前回エピソード「炎の惨劇」の悲惨な体験で一皮剥けたのか、クリスマスイブに女性と一緒になっても、待機命令を受けているからと言って、"2次会"は断っていたなあ。住まいは依然"仮住まい"っぽいけれど、犯人の行方については、持ち前の勘を働かすなど、当初は気が乗らなかった地方勤務に、やや本腰になってきた感じです。
屋敷に犯人がいるということで、バーナビーが禁足令を出して一人ずつ尋問に当たるという、名探偵ポアロのようなどことなくクラシカルなパターンでしたが(家族は勝手に狩りに出てしまうが)、最後の犯人逮捕の場面は、犯人も最初から捕まるつもりでいたし、また犯行に至った心情も理解できるだけにしんみりさせられます。いろいろな意味で秀作エピソードであるように思います。
「バーナビー警部(第35話)/錯覚の証明」●原題:MIDSOMER MURDERS:GHOSTS OF CHRISTMAS PAST●制作年:2004年●制作国:イギリス●本国上映:2004/12/25●監督:レニー・ライ●製作:ブライアン・トゥルー=メイ●脚本:デヴィッド・ホスキンス●時間:102分●出演:ジョン・ネトルズ/ジョン・ホプキンズ/ジェーン・ワイマーク/ローラ・ハワード/バリー・ジャクソン●日本放映:2009/03●放映局:ミステリチャンネル(評価:★★★★)


ミッドサマー・パーヴァで「女わら人形祭り」が行なわれ、提案者は教師のフランシスで、昔の女達が偏見により火あぶりになった歴史を通し、無知がもたらす恐怖を子供達に教えるのが目的だった。巨大なわら人形に牧師が火をつけると中から叫び声がし、教会の副牧師が焼死体で見つかる―。
副牧師、牧師、医師と次々に殺害されていきます。
村に屋敷を構え、毎晩のパーティ三昧で教会と対立するアランが最初に疑われますが、一番最初に怪しいと疑われる人物は真犯人ではないというのがもうパターンになってるね。アラン自身、最初の殺人で、「自分が容疑者になる予感がする」と言っているぐらいだから、もうこれは犯人じゃない。そうなると、誰か...。
実はアランは末期患者で、村の民間療法士ケイトと看護師アグネスを頼って治療をしているけれど、この2人の関係に大元があったのだなあ。嫉妬からくる動機としても、ちょっと殺し過ぎ。犯人は、三角関係のライバル本人を殺害しないで、副牧師、牧師、医師と、「師」の字の方を殺していったなあ。

そして最後は教師フランシスが犠牲となり、彼女が殺害される前夜に、携帯を留守電にして仕事そっちのけ状態で彼女と一夜を共にしたスコット巡査部長には、目の前で彼女が焼かれて亡くなるのを見たのはキツかっただろうなあ(この辛い経験で、彼はこの後一皮剥けるか?)。
「バーナビー警部(第34話)/炎の惨劇」●原題:MIDSOMER MURDERS:THE STRAW WOMAN●制作年:2004年●制作国:イギリス●本国上映:2004/02/29●監督:サラ・ヘリングス●製作:ブライアン・トゥルー=メイ●脚本:ジェフ・ドッズ●時間:102分●出演:ジョン・ネトルズ/ジョン・ホプキンズ/ジェーン・ワイマーク/ローラ・ハワード/バリー・ジャクソン●日本放映:2009/02●放映局:ミステリチャンネル(評価:★★★☆)

第12回ミッドサマー文芸祭の前日、作家のリチャードが自宅で殺害されているのを友人のケイが発見する。現場に駆け付けたバーナビー警部は、ケイがリチャードの部屋に飾られていた絵葉書をバッグにしまいこむのを目撃するが―。(第32話「委託の代償」)
例の我儘し放題の女流作家の小説もお婆ちゃんが書いていたわけだけど、色恋でもまだまだ現役であることを匂わせる場面がありましたね。本はジョイスに酷評されていたけれど、わざと通俗風に書いていたのでしょうか。
オーナーだったマイケル・バナーマンが引退し、常連客で賑わうレストランとバーを備えたミッドサマーの人気店「美しい池の娘」は息子のスティーブンと妻ローナにより経営されているが、スティーブンはバーを閉めて、レストランを拡大しようと計画して不動産屋との間で売却話を進めていた―。(第33話「聖女の池」)
オーナーのスティーブンは絶対に殺されると思ったけれど、そこからの展開が判らなかったなあ。尤も、過去から続く結構複雑な人間関係(2世代にわたる不倫関係と三角関係が、爺さんの老いらくの恋のおかげでクロスしてしまっている)が意外とすんなり頭に入ったのは、見せ方の上手さでしょうか。
実行犯は爺さんだったけど、それを仄めかしたのは、かつて不倫関係にあり、今も結婚を迫っているオバさん。爺さんが心臓発作で亡くなって、バーナビーは「委託の代償」とうって変って、今度は厳しい態度で教唆犯に臨んでいました(前回が異例だった?)。
プロット的には面白かったけれど、愛する男に自分の息子を殺すよう仕向けるかなあ。殺されたオーナーの妻ローナも、亭主が殺されたとたんに店を改装して前オーナーの爺さんを追い出すし、オバさんの娘は、見かけの清楚さとは裏腹に意外と金目当ての蓮っ葉だったし、エゴイスティックな女性ばかりで、主要登場人物がろくなのがおらず、後味はイマイチでした。
「バーナビー警部(第32話)/委託の代償」●原題:MIDSOMER MURDERS:SINS OF COMMISSION●制作年:2004年●制作国:イギリス●本国上映:2004/01/18●監督:ピーター・スミス●製作:ブライアン・トゥルー=メイ●脚本:エリザベス・アン・ホイール●時間:96分●出演:ジョン・ネトルズ/ジョン・ホプキンズ/ジェーン・ワイマーク/ローラ・ハワード/バリー・ジャクソン●日本放映:2009/02●放映局:ミステリチャンネル(評価:★★★☆)
「バーナビー警部(第33話)/聖女の池」●原題:MIDSOMER MURDERS:THE MAID IN SPLENDOUR●制作年:2004年●制作国:イギリス●本国上映:2004/01/25●監督:ジリチャード・ホルトハウス●製作:ブライアン・トゥルー=メイ●脚本:アンドリュー・ペイン●時間:95分●出演:ジョン・ネトルズ/ジョン・ホプキンズ/ジェーン・ワイマーク/ローラ・ハワード/バリー・ジャクソン●日本放映:2009/02●放映局:ミステリチャンネル(評価:★★★☆)

産業遺産としての運河の再開に向けて、バーナービー夫人ジョイスや娘のカーリーを含む多くのボランティアが清掃活動に参加する中、トンネル崩落事故が起き、ジョイスらは中に閉じ込められるものの何とか救出される。救出活動中に、トンネル内から18~19世紀頃の工夫ものと思われる複数体の人骨が発見されるが、一体だけ20世紀の歯科技術を施されていた。同じ頃、村の若者たちが運河のある森に住むホームレスの老人トム(デイヴィッド・ブラッドリー)に暴行を加えたという匿名の通報があり、警部補への昇進通知を受け取ったばかりのトロイは、トムに会うため森へ向う。その内に、トムに暴行を働いた若者の一人が猟銃で撃たれて殺される事件が起き、更にまた1人―。
警部補へ昇進したトロイを実質的に独り立ちさせるためか、バーナビーはトンネルの遺体の謎の解明に専念し、ホームレス老人への暴行事件は敢えてトロイに一人で捜査させているといった感じ。しかし、そのトロイは、森の住人トムを捜して会うだけで苦労しているといったところでしょうか。そしたら、連続殺人事件が起きて...いよいよトロイには荷が重そう?
このエピソードは、トロイがレギュラーで登場する最後の回で、ところがいきなり「森の聖者」を誤認逮捕(しかも警察犬にがぶりと噛ませて)、このまま良いとこ無しに終わるのかと思ったら、二転三転して何とか一件落着したように見えた事件に対し、何となく腑に落ちないものを感じたトロイがいきなり閃いて、最後の最後に彼が事件の真相を突き止めるという、トロイの新たな門出に脚本家が花を持たせた感じでした。
「
トロイの新たな赴任地はニューカッスル。トロイは子供の時に北部から引っ越してきたので、いまだに北部訛りがあるという設定ですが、演じているダニエル・ケーシーも、1972年イギリス北部、ストックトンオンティーズの生まれ(ニューカッスルに近い)。父親はジャーナリストでテレビの司会者、姉妹はジャーナリストだったり作曲家だったりし、ダニエル・ケーシー自身も歌とバイオリンを8年間習い、ギターも習っているし、そのうえ乗馬などのスポーツを愛し、結構、お坊ちゃん育ちという感じ(作中のトロイは労働者階級の出身という設定)。トロイは原作にもあるキャラクターですが、ドラマでのトロイ像には、ダニエル・ケーシー自身の役作り観が大いに織り込まれていたとのことです。ダニエル・ケーシーは、10年前のこの頃に比べ今は太ったのが残念。この頃が一番良かった?


ウェブスター家が村の歴史を題材にした小説の映画化のアトラクション施設を作ったが、そのお披露目会場で、映画に主演した領主の甥で俳優のラリーが爆死する。バーナビーとトロイは、二つの村の対立から事件が起きたと考え捜査するが、今度はラリーの叔父である映画プロデューサーのフランクも自宅でトレーニング中に殺害される―。(第27話「領主の資質」)
一族に怨みを持つ者の犯行と思わせておいて、「
事情を知っていながら実行犯を操っていた主犯格は恐ろしいけれど、「背徳の絆」の方が年齢が低い分、より怖かったかも。
車ごと池に突っ込んだと思われる元古本屋ジュリアン・シェパードの遺体が発見される。彼は仕事に失敗し妻にも逃げられているため、家政婦は自殺しても不思議ではないと証言するが、ブラード検視官は、遺体の肺からは微生物が発見されなかったので他所で溺死させられたに違いないと言う。シェパードは、発明家エドモントンへの投資から手を引こうとしていたことが判ったが、そのエドモントンも殺害される―。(第28話「真実の鳥」)
件(くだん)の発明家はアルツハイマーだったのだなあ。無燃料機関がキックスケーターだったとは。キックスケーターを現物配当された出資者側も、さぞビックリするやら、がっくりするやらだったでしょう。
溺死体と思われた遺体の肺に水が入っていなかったので他所で殺害されたという推理はよくありますが、池で死んでいたのに肺から微生物が検出されなかったというのはナルホドね。「刑事コロンボ」に、プールで見つかった溺死体の肺にシャボンの成分が含まれていたことから、コロンボが浴槽に沈められて殺されたと推理するものがあったのを思い出しました(「
検視官ブラード博士役のバリー・ジャクソンは今月[2013年12月]5日に逝去したとのこと。日本では、AXNの番組ホームページ以外はどこも報じていないけれど、ご冥福を祈ります。
「バーナビー警部(第28話)/真実の鳥」●原題:MIDSOMER MURDERS:BIRDS OF PREY●制作年:2003年●制作国:イギリス●本国上映:2003/01/31●監督:ジェレミー・シルバーストン●製作:ブライアン・トゥルー=メイ●脚本:マイケル・ラッセル●撮影:ダグ・ハロウズ●時間:102分●出演:ジョン・ネトルズ/ダニエル・ケーシー/ジェーン・ワイマーク/ローラ・ハワード/バリー・ジャクソン/ケイト・バッファリー/デヴィッド・コールダー/アレクサンドラ・ギルブレス/アントン・レッサー●DVD発売:2004/11●発売元:キングレコード(評価:★★★)


うつ病の治療を受けていたマーティンが射殺死体で発見される。自殺を装っていたが体内から薬物が検出され、バーナビーは他殺の線で捜査を開始、マーティンが通っていた病院の、バーナビーの知り合いの女性院長ジェーンを訪ねるが、その後病院の関係者が次々と殺される―。
のがこのシリーズのパターン。では一体犯人なのかという思いで観ていましたが、結局最後まで判らなかったなあ。犯人が壊れ過ぎていたというのもあるかも。遂にはバーナビーまで狙われ、「犯人は犯行を愉しんでいる」と、バーナビーもご機嫌斜め(犯人にクスリを飲まされたため気分も優れないわけだが)。
犯人は犯行を問い詰められても悪びれた様子もなく、実は過去に父親も殺していたわけで(バーナビーの異常者のモードに合わせた訊き方が興味深い)、特にブラスバンド狂いの薬局店主を殺害する時の様子は、よくこれを再現映像化したものだと(英国のTVコードは緩い?)。それにしても精神科医であるジェーンは、全く気が付かなかったのか。犯人が判ったと伝えられても、誰が犯人か思い当るフシは無かったみただけれど。
ロープ屋などから大量のロープが盗まれたりした謎は、連続殺人にロープが絡んでいたため、女性院長を守ろうとした患者の一人がそれを隠そうとしてやったわけか。病者特有の偏執的な思い込みはともかく、わざわざ推理をややこしくするような場所に隠さんでくれと言いたくなります。
バーナビーの娘カーリーの久しぶりの登場で(移動図書館は地域奉仕活動の一環?)、トロイは彼女の前でいいところを見せようとする一方、バーナビーと女性院長の親密度にも気になって、結局、「僕も刑事だ」と彼女の前で自らの人間観察力をアピールしつつも、余興でスプーン伴奏の妙技を見せたぐらいで、事件推理にはいいところ無しでした。カーリーとのキスシーンはあったものの、カーリー初の死体発見で、そうした雰囲気もぶっ飛んでしまったし、上司であるバーナビーからは、死体発見現場にカーリーと二人でいたことについて、露骨に不愉快だと言われてしまう始末です。
振り返ってみれば、妹が「ママのこと好き?」とバーナビー聞いたりしたのは、カマをかけてきたわけか。怖いね。面白かったけれど、病院の事務長といい薬局店主といい、その殺害は副次的なもので、動機的にはやや弱いか。どちらかというと、バーナビーの指摘するように愉快犯に近く、その意味でも、犯人は壊れ過ぎていたという印象です。
「バーナビー警部(第25話)/背徳の絆」●原題:MIDSOMER MURDERS:DEATH AND DREAMS●制作年:2003年●制作国:イギリス●本国上映:2003/01/10●監督:ピーター・スミス●製作:ブライアン・トゥルー=メイ●脚本:ピーター・J・.ハモンド●撮影:ダグ・ハロウズ●時間:102分●出演:ジョン・ネトルズ/ダニエル・ケイシー/ジェーン・ワイマーク/ローラ・ハワード/バリー・ジャクソン/イズラ・ブレア/スチュアート・バンス/フィリップ・フォックス/ペルディータ・ウィークス●DVD発売:2004/11●発売元:キングレコード(評価:★★★☆)



バーナビーと同じ署に勤めるピーターは、鐘撞き競技大会優勝を目指している6人チームのリーダーだった。レジー中佐らが苦言を呈する中、チームは練習に励むが、メンバーが次々と何者かに襲われ殺されていく―。
そこで、プロローグにある、昔、牧師が殺害され井戸に投げ捨てられたという話が生きてくるわけですが、5世代前の先祖の死に対する復讐劇だったのかあ。ピーターの鐘撞き大会への執着は異常だったけれど(部署は総務らしいけれど、署内では競馬中継を見ているし、仕事しているのかな?)、5世代前の先祖の復讐というのは、それを上回る異常さであり、この犯人もある意味"壊れている"と言えます。
本国では人気エピソードの上位に入っている作品で、叔父であるレジーの思い遣りを理解できない
甥の焦った行動や(最初は甥に意地悪しているのかと思った)、聞き込みに行った先で女地主(カルメン・デュ・ソートイ、「007 黄金銃を持つ男」('74年)に出演))の強烈なモーションに骨抜きにされてしまうトロイなど(急な呼び出しで慌ててネクタイを置いてきてしまった?)、サイドストーリーも豊かですが、やはり「鐘撞き大会」というのが英国人にとってはノスタルジックなのではないかな。日本の寺でもやっているところがあるけれど、制限時間内に何回撞けるかを競うもので、こんな練習を重ね、高度なテクニックを競う"演奏会"的なものは英国ならではないかと思います(ハンドベルのジャンボ版と言えるか)。
コーストン郊外にある寄宿制男子校デヴィントン学院。この学院に向かう途中の道で、学院のOBで外交官のベリンガムが襲われ行方不明になる。数日後、デヴィントン学院の聖マリー・デー・レースを見物していたバーナビー夫妻の眼前で、1等でゴールに現れた、学院の創設者の孫で生徒会長を務めるダニエルが倒れ死亡する。ダニエルは選ばれた学生しか入会することのできない"プディング・クラブ"のメンバーだったが、どうやらクラブを抜けたがっていたらしい。バーナビーは学院の実態を探り始めるのだが―。
第23話「デヴィントン学院の闇」は、厳しい教育と規範で有名な全寮制の伝統校が事件の舞台。今どき、こんな学校があるのかと。殆ど"ハリー・ポッター"の魔法学校の「裏版」みたいな世界でした。
学院の理事長も怪しいし、その他にも怪しい人物がいる中、プディング・クラブのクラブルームに謎が隠されているとバーナビーに示唆していた学院OBのカルーが、頭を殴られ口にプディングを突っ込まれたうえグラウンド整備用ローラーの下敷きされた惨殺死体で見つかり、ベリンガムも、生徒達が水練中の池の中から死体となってバーッと浮き上がってきます(まるでゾンビみたい)。
主演のジョン・ネトルズ自身が自選ベストテンに"Most Dramatic Episode"として入れている作品ですが、主犯と実行犯が別々なので分かりにくかったね。そこが面白さでもあるのでしょうが、実行犯は1人とみていいのかな(水練指導の体育教師がベリンガムを殺害したということはないよ
ね。やはり、○○○が3人を殺害した?)
「バーナビー警部(第22話)/死を告げる鐘」●原題:MIDSOMER MURDERS:RING OUT YOUR DEAD●制作年:2002年●制作国:イギリス●本国上映:2002/06/23●監督:サラ・ヘリングス●製作:ブライアン・トゥルー=メイ●脚本:クリストファー・ラッセル●撮影:スティーヴ・ソーンダーソン●時間:102分●出演:ジョン・ネトルズ/ダニエル・ケイシー/ジェーン・ワイマーク/エイドリアン・スカーボロ/シーマス・ホイッティ/リンゼイ・マーシャル/ヒュー・ボネヴィル/グレアム・クラウデン/カルメン・ドゥ・ソートイ/ジェマ・ジョーンズ●DVD発売:2004/10●発売元:キングレコード(評価:★★★☆)


破産寸前のジェームズ・ハリントンは、自らが所有するセトウェル森を更地にして売却しようとして、森を守ろうとする自治体から訴えられていた。裁判では勝利を収めるが、自治体メンバーと諍いになり、その内の一人サイモン・バートレットと殴り合いになったのを、別裁判に証人として出廷していたバーナビーとトロイが止める。サイモンは、裁判に自治体側として関与している女性弁護士と不倫関係にあった。翌朝、セトウェル森の池で、サイモンの妻スーザンの死体が見つかる。スーザンはかつてジェームズの恋人だった。スーザンの死因は溺死で、夫サイモンの元にスーザンのパソコンから「真実からは逃れられない。死んだ方がまし」というメールが送られていたことから、子供ができないことを悩んでの自殺かと思われた。しかしそのメールが送信された時刻の6時間以上前に、森で遊んでいたジュリーとショーンのフィールディング姉弟は、池ではなく茂みの中で倒れているスーザンを発見し、その傍に一匹のジャックラッセルテリアがいたのを目撃していた―。
森で犬を目撃したフィールディング姉弟が、犬とその飼い主が事件に関わっていると考え、「ちびっこ探偵」ぶりを発揮するのが楽しく、村中のジャックラッセルテリアを調べ上げ、飼い主はサイモンの農場で働くブロクサムであることを突き止めて、学校をサボってバーナビー宅にまで押しかけます(実質的に鋭いのは姉ジュリーの方で、弟ショーンの方はバーナビー宅で能天気にケーキのおかわりを貰っていたりしていたが)。
最初は子供の証言に懐疑的だったバーナビーが、ジュリーのテリアの識別能力を目の当たりにして認識を改めるのが愉快(姉弟の父親は猟犬の訓練士)。更に、ジュリーの、被害者は「眠っているようだった」という証言も、事件解決の糸口に。
でも、自分を庇ったサイモンを襲って瀕死の重傷を負わせたのもこの犯人だとすれば、目的のためには手段を選ばずと言う感じで、ラストで報復により殺されてしまうのはやむを得ない感じでしょうか。「ちびっこ探偵」の活躍は、シャーロック・ホームズの「ベーカー街イレギュラーズ」ならばいざらず、このシリーズでは珍しいですが、「暗~い話」と「微笑ましい話」が隣り合わせ的に併存するという意味では、シリーズの特徴が出ていたように思います(これが、このシリーズの独特かつ定番的な"バランス感覚"?)。
「バーナビー警部(第21話)/セトウェル森の魔」●原題:MIDSOMER MURDERS:A WORM IN THE BUD●制作年:2002年●制作国:イギリス●本国上映:2002/06/23●監督:デヴィッド・タッカー●製作:ブライアン・トゥルー=メイ●脚本:マイケル・ラッセル●撮影:スティーヴ・ソーンダーソン●時間:102分●出演:ジョン・ネトルズ/ダニエル・ケイシー/ジェーン・ワイマーク/バリー・ジャクソン/ジリアン・バージ/ウェンディ・クレイグ/ジャニー・ディー/イアン・ホッグ/エミリー・ジョイス●DVD発売:2004/10●発売元:キングレコード(評価:★★★☆)
Here are some favorite episodes (or characters or scenes or...):



コーストン郊外の高級住宅地で、株式仲買人の車が炎上する事件が起きる。この地に住む「読者会」メンバーの5人の女性、マージョリー(会の主宰者で未亡人)、ジニー(ちょっと美人でナイスボディ?)、タムジン(仲買人の妻。過去に秘密を持つ)、ラビニア(年老いた夫を介護中。自身は邸の屋根の修理に執心)、サンドラ(医師の妻)らは


今日もマージョリーの家に集っていたが、実は「読書の会」とは表向きの名で、家族に秘密で株式投資をしているサークルだった。投資を始めたのは5人に各事情があったからで、今現在でか
なりの利益を上げており、運用が順調な今のうちに株を売却するか投資を続けるかで意見が分かれていた。会の主宰者マージョリーは仕切り屋で、メンバーからはあまり良く思われていなかった。その彼女が自宅で撲殺死体で発見される。室内が荒らされ銀食器が持ち去られているところから強盗による犯行の疑いもあった。そして彼女の家のどこからも、会で保有している株の証券が見つからなかった―。
高級住宅地にプール清掃員として出入りする男ハリーや、サンドラの夫でセレブ達の秘密に触れる機会の多い医師ルパートなど、何となく怪しい人物はいますが、その後、メンバーのジニーが自宅のプールで殺され(自宅プールって、一晩中灯りをつけているのかあ。贅沢!)、ラビニアも屋根から転落して死亡。そうなると、この事件の犯行動機は、サークルで運用していた資産を独占することしか考えられず、そうなると、サークルの秘密が外部にもれていない限りはサークル内の誰かが犯人であり、そうなるとタムジンとサンドラしか残っていないわけで、ここで犯人が判った感じも。
このシリーズで自分がここまで犯人を絞り込めたのは珍しい方で、実際の展開としても、いつものように最後ぎりぎりまで犯人が判らないようなものではなく、その
少し前に誰が犯人か示唆していました。たまにはこういうのもありかな。この犯人も、第18話「時代遅れの殺意」の犯人と同じく、最初は普通の人に見えていたけれど、実は精神的に壊れていました(こんな女性に言い寄られた老人男性の方も災難)。犯人が捕まってから、自分がどうやって殺したのか一人一人について解説してくれるのも同じ
。分かり易さもあって、個人的には充分楽しめました。
高級住宅地が舞台ということで、風景や建物がキレイな上に、ラストも爽やか。第19話「腐熟の愛情」と同じく、女性が最後に決断をして新たな人生を歩む、という終わり方だけど、鼻持ちならない大金持ちと結婚した後で離婚して、相手の鼻をへし折ってやろうという「腐熟の愛情」の看護婦サリーよりは、こちらのヒロインの方が好感が持てました。
プール清掃人の男は実はいい奴だったね。マッチョで意外と男前だし。以前の仕事は○○○だったのかあ。その道のプロでした。さくさくパソコンを操作し、パスワードの前で立ち往生したところでは、今度はバーナビーが刑事の勘を発揮します。
バーナビーが年金対策で投資したばかりの保険会社が、加入企業のタイかどこかの工場が水害で大損害を被って保険金の高額支払が見込まれ株価が暴落、所持しているコミック誌に高値がつくことが分かったトロイとは対照的に、彼だけが最後にムスッとしているのが可笑しいです。「腐熟の愛情」のラストに比べるとクセの無い、爽やか過ぎる終わり方に対する、ある種"照れ隠し"的味付けでしょうか。こうしたエピソード間のバランス感覚は絶妙。

グッドマンズ・ランド村の郵便配達員デイヴ・カトラーが配達中に喉を掻き切られて殺される。彼は村で"人妻キラー"と呼ばれていて、彼に妻を寝取られた男は数多くいた。バーナビー(ジョン・ネトルズ)は村のかつてダンスホールだった建物内に本部を設置して捜査を開始するが、その後も次々と残虐な犯行が繰り返され、村の男女それぞれに犠牲者が出る―。
子供時代に亡くなった母親に対する愛情と悔恨の念から、気に入った女性に母親像を重ねて一方的に崇拝し、但し、その女性が実際にはさほど清純でも貞淑でもないことが分かると殺害してしまうという―。犯人は見かけ上は普通のパブ従業員か何かだったけれど、後で振り返れば、架空の相手に電話をかけていたりしたわけで、そうしたことも含め、ヒチコックの「サイコ」と重なる部分もありました。
村の女性巡査ジェイに対するトロイ巡査部長(ダニエル・ケーシー)の恋愛感情がサイドストーリーになっていて、最後は予想通りトロイはフラれてしまうのですが、彼女の断りの理由は、「破れた恋愛からまだ立ち直っていないから」とのこと。ジェイとトロイが夜中に元ダンスホールだった場所で踊るのを偶然垣間見て、事件捜査中にトロイを"グッドダンサー"と呼んで冷やかしていたバーナビーですが、彼女の手に渡ることのなかったトロイのプレゼントであるバイロン(ジェイの好きな詩人)の詩集を見て、カトラーの葬儀の際に、赤いバラの花束の無記名の献花にバイロンの詩の一節が添えてあったのを思い出すものの、そのことをトロイには話さないところが部下への気遣いです。![Midsomer Murders - John Nettles:My Top Ten [DVD].jpg](http://hurec.bz/book-movie/Midsomer%20Murders%20-%20John%20Nettles%EF%BC%9AMy%20Top%20Ten%20%5BDVD%5D.jpg)
因みに、このエピソードは、主演のジョン・ネトルズ自身が選んだ「ベストテン」に、「Best Location」(最高の撮影場所)作品として入っており、それだけに風景にも素晴らしいものがありました(署から遠い場所にあるため、捜査本部を現地に置いたということなのか)。


「バーナビー警部(第18話)/時代遅れの殺意」●原題:MIDSOMER MURDERS:DARK AUTUMN●制作年:2001年●制作国:イギリス●本国上映:2001/09/16●監督:ジェレミー・シルバーストン●製作:ブライアン・トゥルー=メイ●脚本:ピーター・J・ハモンド●撮影:グラハム・フレーク●時間:102分●出演:ジョン・ネトルズ/ダニエル・ケイシー/ジェーン・ワイマーク/バリー・ジャクソン/ニッキー・ヘンソン/アラン・ハワード/ジリアン・カーニー/セリア・イムリー●DVD発売:2004/09●発売元:キングレコード(評価:★★★★)
プロローグは40年前。2人の男が1人の女性(イザベラ)を巡ってフェンシングで決闘し決着をつける。そして現在のミッドサマー・パーヴァ。小麦畑のミステリーサークルで男の全裸死体が発見される事件が起きる。殺害されたのは前科者のロニーで、死因は感電死と判明、地元のUFO研究家ロイド・カービー(ケネス・コリー)はこれは宇宙人の仕業だと言う。バーナビー(ジョン・ネトルズ)がロイドに参考人として署で話を聴くと、ロイドの友人でサー・クリスチャン・オーバリー(アレック・マッコーエン)という貴族が、彼の釈放を求めてくる。そしてまた、ミステリーサークルで男の全裸死体が発見され、これも被害者は前科者であることが判明する。クリスチャンの妻イザベラ(ウルスラ・ハウェルズ)は不治の病で死期が迫っていた。一方、村に住むサー・ハリー・チャトウィン(ジョン・ウッドヴァイン)の妻ベアトリス(アリソン・フィスク)は、ロイドと幼馴染であり、夫のハリーはロイドを嫌っていた。更にハリーは、自分の娘ルーシー(デイジー・ベイツ)と不仲にある夫スティーブン・ラムジー(パトリック・バラディ)をも嫌っていた。それはスティーブンが、村の看護婦サリー(アマンダ・メアリング)と不倫していたからだが、ハリー自身も、サリーと密会していた。サリーはハリーとスティーブンの両方を手玉に取りつつ、別の愛人と盗品の銀器の売買を図っていた。そのスティーブンが、車の中で感電死して死体となって発見され、更にはロイドも、ミステリーサークルで全裸死体となって発見される―。
トム・バーナビー警部のシリーズの第16話「UFOの殺人」(原題:The Electric Vendetta)の本国放映は2001年9月2日で、シーズン4の第3話になります。主演のジョン・ネトルズ自身の「ベストエピソード10選」の中に"Most Difficult to Film"として入っているのは、"UFO"の登場シーンを指してのことなのでしょうか。車で夜道を運転中にいきなりのスピルバーグ映画「未知との遭遇」みたいな光景が現れ、トロイ巡査部長(ダニエル・ケイシー)の仰天ぶりが可笑しかったです。
このように、これでもか、これでもかと言うくらい複雑に愛憎入り乱れていて、よくここまで込み入った脚本を考えるなあと思わされますが、まあこの辺りが、日本の推理ドラマなどではまず見られない、このシリーズの特徴なのでしょう。UFOという奇抜なモチーフではありますが、シリーズの特色がよく出ていました。
「バーナビー警部(第16話)/UFOの殺人

バーナビー夫妻(ジョン・ネトルズ、ジェーン・ワイマーク)が参列したイースタングランジホテルの所有者カール(エドワード・ジョーズベリー)の葬儀に、ホテルの相続人の一人グレゴリー・
チェンバース(フィリップ・ボー)が現れない。同じく相続人であるグレゴリーの妻スザンナ(サマンサ・ボンド)は、普段通りホテル業務を続け、気に留めようとしていないようだ。ケネス・グッダーズ(ジョナサン・コイ)も相続人の一人で、妻はジュリア(アビゲイル・マッケーン)は情緒不安定気味。スザンナは、ホテルの料理人トリスタン(トム・ウォード)を愛人にしていて、グレゴリーの方も、森の狩猟番マシュー・タイソン(トニー・ヘイガース)の娘アニー(アディ・アレン)と愛人関係にあったらしい。人形劇の主催者で、その役割をグレゴリーに譲っていたエブリン・ポープ(ローズマリー・リーチ)は彼の行方を心配するが、やがて森の中でグレゴリーのものと思われる片手が見つかる―。 
弓矢を駆使したランボー風の殺害方法及び死体隠滅方法から、心理的に追い込んで同士討ちさせるなどの凝った殺害方法まで色々出てきて、食器棚に圧殺されたというのもさることながら、ドクツルタケを食べてしまったイケメン料理人トリスタン(トム・ウォード)の、もう死を待つしかないという状況が一番悲惨だったかな。どちらかと言うと、スザンナが一番悪女という感じなんだけど(夫を枕で窒息死させていたとは)、こちらはあっという間の射殺(一番シンプル)。
因みに、ドクツルタケは欧米では「死の天使」(Destroying Angel) という異名を持ち、それがそのままこのエピソードの原題となっているわけですが、このキノコ、日本でも死亡率の高さから、タマゴテングタケ、シロタマゴテングタケとともに「猛毒キノコ御三家」とされているそうです。
「バーナビー警部(第15話)/人形劇の謎」●原題:MIDSOMER MURDERS:DESTROYING ANGEL●制作年:2000年●制作国:イギリス●本国上映:2001/08/26●監督:デヴィッド・タッカー●製作:ブライアン・トゥルー=メイ●脚本:デヴィッド・ホスキンス●撮影:グラハム・フレーク●時間:102分●出演:ジョン・ネトルズ/ダニエル・ケイシー/ジェーン・ワイマーク/バリー・ジャクソン/エドワード・ジョーズベリー/フィリップ・ボー/サマンサ・ボンド/ジョナサン・コイ/アビゲイル・マッケーン/トム・ウォー/ロバート・ラング/ローズマリー・リーチ/マドレーヌ・ウォラル/アディ・アレン/トニー・ヘイガース/ロジャー・フロスト●DVD発売:2004/08●発売元:キングレコード(評価:★★★☆)

ミッドサマー・デヴェレルの村では、インクペン家所有の記念庭園を巡り、庭園を閉鎖してティールームを作ろうとしている所有者のエルスペス・インクペン(べリンダ・ラング)と、庭園は地域親睦の場であるとして反対する多くの村人との間で対立が起きていた。村人の中でも、ジェーン・ベネット(ケイト・デュシェーヌ)は、その庭園が前所有者である彼女の父ジェラルド(フレデリック・トレーブ)が長年かけて作り上げたものだったため、庭を守ろうとして、再開発に強く反対していた。ジェラルドは、インクペン家から庭園を買って5年前まで管理していたが、体調を崩し庭園をインクペン家に売り戻していた。彼の妻は、5年前に忽然と失踪していた。ある日の夕方、再開発について村民集会が開かれたが、話し合いは平行線のまま物別れに終わった。その直後、問題の庭園でエルスペスの娘フィリス(サラ・アレクサンダー)が撲殺されて発見される―。
エルスペスの娘フィリスは、同じインクペン家のフェリシティとは父親違いの娘ヒラリー(ビクトリア・ハミルトン)をいびまくるなど性格悪すぎで、犯人ではなく被害者の方になるだろうと思ったらやっぱり。真犯人はおそらく最も犯人らしくない人かと思ったけれど、誰かという予想は外れました。複数の事件で異なる犯人がいるというのは前作も含めこれまでにもあり、これだけ回を重ねれば、だんだん似たパターンが出てくるのはやむを得ないでしょうか。但し、犯行の時期を違えているので、それなりにリアリティはありました。
結局、相続目当てと言うよりも(それも一部あったかもしれないが)、親子間の愛憎劇だったなあ。その内の1件は、父親を愛して母親を憎むという典型的なエレクトラ・コンプレックスでした。この母親というのが、「3P浮気」をやったりして、かなり問題ありだったのですが、インクペン家の母親も尻軽で、祖母で当主であるナオミ・インクペン(マーガレット・タイザック)が嘆くのも無理ないことでしょうか。
昔埋めた死体を掘り返されたらマズイから...という設定は、「

「バーナビー警部(第14話)/庭園の悲劇」●原題:MIDSOMER MURDERS:GARDEN OF DEATH●制作年:2000年●制作国:イギリス●本国上映:2000/09/10●監督:ピーター・スミス●製作:ブライアン・トゥルー=メイ●脚本:クリストファー・ラッセル●撮影:グラハム・フレーク●時間:102分●出演:ジョン・ネトルズ/ダニエル・ケーシー/ジェーン・ワイマーク/ローラ・ハワード/バリー・ジャクソン/べリンダ・ラング/ケイト・デュシェーヌ/マーガレット・タイザック/フレデリック・トレーブ/デヴィッド・ロス/サラ・アレクサンダー/ビクトリア・ハミルトン●DVD発売:2004/08●発売元:キングレコード(評価:★★★☆)
Eleanor and Troy
アスペンホール博物館の館長のアラン(マルコム・シンクレア)が、旅行者を連れて、土地の伝説的人物、ジョナサン・ローリーの生涯を案内していたところ、ローリーの肖像画が無残にも切り裂かれているのを見つけた。器物破損事件として、バーナビー警部(ジョン・ネトルズ)とトロイ巡査部長(ダニエル・ケーシー)がやってくる。アランは旧知の修復画家サンドラ(シェリル・キャンベル)に修理を依頼するが、夫を亡くして精神的に不安定な彼女を、不可解な心霊現象が襲い、遂に、ローリーの子孫を名乗るマーカス(チャールズ・サイモン)が真夜中の博物館で撲殺される事件が起きる―。 
ロケに使われた古城に雰囲気があり、田舎町の風景も美しく、いつもながらに楽しめましたが、話が複雑な割には、その複雑さが面白さに繋がっていないような気もしました。真犯人はいかにも最初から怪しげだし、連続殺人に至る動機がやや弱い感じも。
個人的にはよく分からない部分もありました。いかにも田舎町にいそうな胡散臭い霊媒師エレノア(プルネラ・スケイルズ)のキャラが面白かったけれど、彼女がこれから新たに埋葬をしようとしている墓穴の底に、行方不明になっている人物の死体が埋まっていることを言い当てることが出来たのは何故?(バーナビーは、意外と彼女の言っていることは正しいと前から言っていたが、2人で仕組んだ? この霊媒師、サンドラが何かを盛られていることにも気づいていたみたいだが)
ユーモアという面では、バーナビーの娘カリー(ローラ・ハワード)のボーイフレンド(エド・ウォーターズ)が役者志望で、今度「警部」役をやるからといって、バーナビーに実地で刑事の仕事を見せてもらうという設定が、こんなのありかなと思わせなくもないですが、バーナビーが「刑事の心得」を言って聞かせるところなどは、わざとトロイに聞こえるように言っていたりして面白かったです。彼は社会人なんだなあ、見るからに青二才だけど、トロイがあれで自分より年収が高いとぼやいていたのが可笑しかったです(基本的にトロイの使い走りに終始したが、変に博識だったり鋭いところがあったりもした)。
「バーナビー警部(第13話)/裂かれた肖像画(古城の鐘が亡霊を呼ぶ))」●原題:MIDSOMER MURDERS:BEYOND THE GRAVE●制作年:2000年●制作国:イギリス●本国上映:2000/02/05●監督:モイラ・アームストロング●脚本:ダグラス・ワトキンソン●時間:102分●出演:ジョン・ネトルズ/ダニエル・ケーシー/ジェーン・ワイマーク/ローラ・ハワード/バリー・ジャクソン/シェリル・キャンベル/デビッド・ロブ/シルヴェストラ・トウゼル/パトリシア・ブレイク/ジェームズ・ローレンソン/プルネラ・スケイルズ/チャールズ・サイモン/マルコム・シンクレア/エド・ウォーターズ/オルウェン・テイラー/クリス・スタントン●日本放映:2002/07●放映局:NHK‐BS2(評価:★★★)


「理想の村コンテスト」の最終候補になったミッドサマーマロウの村の周辺では、しばしば窃盗事件が起こっていた。犯人は村の不良青年ピーター(オーランド・ブルーム)と肉屋の息子ジャック(トビアス・メンジス)だった。バーナビー(ジョン・ネトルズ)の捜査の手がもう少しで届くところで、ピーターは干し草鋤で串刺しにされ殺される。ピーターはデビア夫妻(ティモシー・ウェスト、ハンナ・ゴードン)の娘キャロライン(クロエ・タッカー)と付き合いながら、獣医ゴードン(リチャード・ホープ)の妻ローラ(マーシャ・フィッツェラン)とも不倫していた。更に、息子を悪の道に引き込まれた肉屋のレイ(ビル・トーマス)や、ピーターの素行の悪さに頭を悩ませていた叔母のバーバラ(バーバラ・ジェフォード)、、ピーターに空き巣に入られ、大切な肖像画を傷つけられた元俳優エドワード・アラダイス(マーレイ・ワトソン)にも殺人の動機があった。 そんな中、今度は「理想の村コンテスト」開催中に、ロンドンからきた審査員がワインに入れられた青酸カリによって毒殺される―。
トム・バーナビー警部のシリーズの第12話「審判の日」(原題:Judgement Day)の本国放映は2000年1月29日、日本では2002年9月にNHK‐BS2にて前後編に分けて初放映され、その時のタイトルは「人形の手に血のナイフ」でした。
推理ドラマとして純粋に楽しめるし、「理想の村コンテスト」の3人の審査員の変なキャラクターの描き分けなどもしっかりしているし(4人目の審査員であるバーナビーの妻ジョイス(ジェーン・ワイマール)が戸惑うのも無理ない)、謎解きからラストにかけては人間ドラマとしても
重厚。「理想の村コンテスト」が背景になっているだけに、ロケーションもまた一段と美しく、また、「ロード・オブ・ザ・リング」('01年~'03年)シリーズのオーランド・ブルーム(Orlando Bloom)が人妻と不倫している不良青年役で出ているという見所もあります(バーナビーとトロイ(ダニエル・ケーシー)が「指輪物語」の話をする場面があるのは、撮影の時点でオーランド・ブルームの「ロード・オブ・ザ・リング」への出演が内定していたため? それとも偶然の一致?)。
Chenies Manor, Used as the actor Edward Aladice's house
題:MIDSOMER MURDERS:JUDGEMENT DAY●制作年:2000年●制作国:イギリス●本国上映:2000/01/29●監督:ジェレミー・シルバーストン●脚本:アンソニー・ホロヴィッツ●時間:102分●出演:ジョン・ネトルズ/ダニエル・ケーシー/ジェーン・ワイマーク/ローラ・ハワード/オーランド・ブルーム/バーバラ・ジェフォード/ティモシー・ウェスト/ハンナ・ゴードン/クロエ・タッカー/リチャード・ホープ/マーシャ・フィッツェラン/ビル・トーマス/トビアス・メンジス/マーレイ・ワトソン/シェラ・フラスター/マギー・スティード/ニコラス・グレース/ジョゼフィーン・トゥーソン●日本放映:2002/09●放映局:NHK‐BS2(評価:★★★★)



トム・バーナビー警部(ジョン・ネトルズ)の叔母アリス・ブライ(フィリス・カルバート)は一時的にローンサイド老人ホームに入所することになるが、そこでは入
所者の死が相次ぎ、入所者のひとりマージョリーは老人達の遺産を目当てに殺人が行われていると疑っていた。それを聞いたアリスは、甥のバーナビーに相談を持ちかける。しかし、聞き込みを始めると、マージョリーは認知症が進行していて、言動があまり信用できないらしいとのこと。それでも、看護師を脅す元入所者の息子や、何かを隠していそうな理事、警官を見て動揺する入所者と、ホームには不審な人物ばかり。だが、殺人に繋がる明確な手がかりは無いまま、入所している老人達は次々亡くなっていく―。
不審な人物は多いですが、圧倒的に怪しいのはホームの嘱託医と女性看護師。マージョリーも言うように、親族と共謀して認知症の進んだ入所者の遺書を書き換えさせたうえで殺害しているのではないかと思いました。
振り返ってみれば事件の部分は意外と少なく、あとは事故のようなものだったり自然死だったりで、プロット的にはやや拍子抜けの感もありました(英国の老人ホームって、インテリアも格調高いね。登場人物のセリフにもあるが、入所料も高いようだけれど)。
Interior shots of the Lawnside Nursing home were filmed here in Blue Herrings
その他にも、「老い」というものについて考えさせられる場面が幾つかあり、推理プロット重視で見れば星3つですが、ドラマ的な要素(初めて明かされたバーナビーの個人的な思い出)、ジョン・ネトルズの演技の幅を見せてくれたエピソードであることを加味して星4つ―といったところでしょうか(老優たちの演技も良かった)。
「バーナビー警部(第11話)/美しすぎる動機(ラストダンスは天国で)」●原題:MIDSOMER MURDERS:BLUE HERRINGS●制作年:2000年●制作国:イギリス●本国上映:2000/01/22●監督:ピーター・クレギーン●時間:102分●出演:ジョン・ネトルズ/ダニエル・ケイシー/ジェーン・ワイマーク/ローラ・ハワード/フィリス・カルバート/Mary Wimbush/Geoffrey Bayldon/Nigel Davenport/Gudrun Ure/Angela Down/Georgine Anderson/Matyelok Gibbs/Sam Beazley/Colin Tierney/Deborah Findlay/Clive Wood●日本放映:2002/08●放映局:NHK‐BS2(評価:★★★★)

マーシュウッドの上流階級の面々が、キツネ狩りをしている最中に、一人の浮浪者が撲殺された。休暇中のバーナビー警部(ジョン・ネトルズ)に代わって捜査の指揮をとったのはロン・プリングル警部(ジェームズ・ボーラム)。上流階級に憧れるプリングルは、すぐに地元の不良、ビリー・ガーディ(トム・スミス)を逮捕する。その後、帰ってきたバーナビー警部は、プリングルの狭量な捜査が間違いでなければと危惧するが、またしても事件が起こる。息子の無実を信じ、森を調べていた父親のベン・ガーディー(フレッド・リッジウェイ)が、射殺体で発見されたのだった。そして、上流階級のトランター家やフィッツロイ家の主人にとりいり、キツネ狩りに参加したプリングルにも、パーティの夜に庭の東屋であるものを見てしまったがために―。
森で殺害された浮浪者と上流階級の一族との間にどのような繋がりがあるのか―というのがミソですが、いやあ、大ありでした。フィッツロイ家当主ジェームズ・フィッツロイ(リチャード・ジョンソン)、その妻サラ・フィッツロイ(ジェニファー・ヒラリー)、トランター家の若き当主グレアム・トランター(ドミニク・マッファン)、その母マーシア・トランター(ダイアン・フレッチャー)、グレアムの妻ケイト・トランター(サラ・ウィンマン)らの関係が錯綜していて、それに森に住む女リンダ・ワグスタッフ(ジャンヌ・ヘップル)や剥製屋のヘンリー・カーステアズ(サイモン・マクバーニー)のような全く上流階級に関係ないような人たちもが実は何らかの関係があって事件に関与しているらしく、更に最後に、浮浪者と上流階級一族や森に住む女との関係が明らかになる―。
複雑な人物関係はこのシリーズの特色であり、このエピソードもバーナビー警部ならでは謎解きですが、視聴者目線では推理不可能な要素も。暗い結末の中(この暗さもこのシリーズの持ち味だが)、バーナビーが休暇先で奮発してフレンチのコース料理を食べて腹具合が悪くなったり、トロイ巡査部長(ダニエル・ケイシー)がグレアムの母ケイト・トランターを指して、「100万ポンドもらってもお断りな女」と言ったりと、ユーモラスな場面やセリフもちゃんと用意されていました。
しかし、今でも貴族って、毎週キツネ狩りばかりやっているのだろうか。英国の田舎町を舞台にしたこのシリーズの視聴者への訴求要素の1つとして「郷愁」のようなものがあって、キツネ狩りというのも、イギリス人にとっては、自分がやったことがある・無しに関わらず、ある種の懐かしさを呼び起こす慣行なのかもしれません。
「バーナビー警部(第10話)/絶望の最果て(狩りの角笛が死を誘う)」●原題:MIDSOMER MURDERS:DEATH OF A STRANGER●制作年:1999年●制作国:イギリス●本国上映:1999/12/31●監督:ピーター・クレギーン●脚本:ダグラス・リビングストン●撮影: ナイジェル・ウォルターズ●原作:キャロライン・グレアム●時間:102分●出演:ジョン・ネトルズ/ダニエル・ケイシー/ジェーン・ワイマーク/ローラ・ハワード/リチャード・ジョンソン/ジェニファー・ヒラリー/ドミニク・マッファン/ダイアン・フレッチャー/サラ・ウィンマン/ジェームズ・ボーラム/ジャネット・デイル/ジャンヌ・ヘップル/ピーター・ベイリス/トビー・ジョーンズ/サイモン・マクバーニー/フレッド・リッジウェイ/ジェーン・ウッド/トム・スミス/ジョニー・ブルーム●日本放映:2002/10●放映局:NHK‐BS2(評価:★★★☆)
The French restaurant where the Barnaby family eat a meal whilst on holiday in France


意地の悪い判事へクター(ポール・ジェッソン)は、 村にやって来たオーヴィル(ケビン・マクナリー)をリーダーとするロマ達(ジプシー)を追い出そうと、知り合いの軍人まで呼んでしまうような陰険な男だった。一旦はバーナビー警部が仲裁に入り収まるが、その後、ロマ達が開催した祭りの最中に、へクターが猟銃で撃たれて死亡する―。
トム・バーナビー警部のシリーズの第9話「報いの一撃」(原題:Blood Will Out)の本国放映は1999年9月、日本では2002年7月にNHK‐BS2にて前後編(第17話・第18話)に分けて初放映され、その時のタイトルは「流浪の馬車がやって来る」でした。
馬車とトレーラーで移動する現代版ジプシーの描写が興味深かった作品ですが、ダグラス・ワトキンソンの脚本はかなり複雑なストーリーとなっています。元将校で今は判事のへクターと、元軍人で今はジプシーを率いるオーヴィルがかつて因縁事があった戦争というのは、フォークランド紛争(1982年)だったのだなあと。オーヴィルを見ただけで、彼に"想いの人"がいると分かってしまうバーナビーは、ややスゴ過ぎ。
次から次へと意外な事実が明らかになり、ラストも意外でした(もう、これは推理不能)。そんな中、ジプシー兄妹の兄が最後に妹にみせる思いやりが泣け、家族からフルーツ・ダイエットを強いられ、家族の依頼を受けた部下のトロ
イに間食しないか監視されているバーナビーがユーモラスです。
「○外国映画 【制作年順】」の 
「
田舎地主カベンディッシュ家の若き後妻タラ(フェリシティ・ディーン)が、何者かによってクリケットのバットで撲殺される。凶器は仲の悪い義理の息子のものであり、しかも事件現場の当家所有の採石場は、かつてカベンディッシュ家の家政婦が崖から転落死した場所でもあった。偶然にもクリケットチームの一員となったトロイ巡査部長を使い捜査を進めていたバーナビー警部は、暴君であるタラの夫ロバート・カベンディッシュ(ロバート・ハーディ)が、息子のスティーブン(アンソニー・カーフ)をはじめ様々な人といがみ合っていたことを突き止める―。
トム・バーナビー警部のシリーズの第8話「不実の王」(原題:Dead Man's Eleven)の本国放映は1999年9月、日本では2002年8月に
NHK‐BS2にて前後編(第19話・第20話)に分けて初放映され、その時のタイトルは「採石場にのろいの叫び」でした。



ミッドサマーワーシー近付近レイヴンズウッド(カラスの森)で女性の全裸死体が子供により発見された。死因はネクタイによる絞殺、身元は大手タバコ会社モナクのヒット商品「カーラ」のテレビCMに出ているブラジル人女優カーラ(左上)だった。現場は9年前に3人の女性が同様にネクタイで絞殺され未だ解決を見ず、マスコミに「首締めの森」と名付けられた場所だった。バーナビーの捜査で、現場で見つかった高級時計は、カーラのCM起用を決めたタバコ会社のマーケティング部長ジョン・メリル(右上)のものと分かる。
地元紙の身の上相談蘭を担当し、タバコ会社の社長(左下)と不倫関係にあるジョン・メリルの妻(右下)も、夫が犯人でないかと疑い始める。バーナビーは、9年前に一連の事件を担当していた元警察官ジョージ・ミーカムから、満月の夜に次の犠牲者が出るとの警告を受けていたが、果たしてその予告通り、第2、第3の事件が起きる―。
トム・バーナビー警部のシリーズの第7話となる本作「首絞めの森」(原題:Strangler's Wood)の本国放映は1999年2月、日本では2002年6月から7月にかけてNHK‐BS2にて前後編(第11話・第12話)に分けて初放映され、その時のタイトルは「カラスの森が死を招く」でした。原作はキャロライン・グレアムということになっていますが、脚本家アンソニー・ホロヴィッツのオリジナル色が強いように思われます。
ジョン・メリルが犯人であることを示す状況証拠が続出し、これが却って不自然なわけで、誰かが彼に罪をなすりつけようとしていることはバーナビーならずとも分かることであり、高齢の母親と一緒に暮らし、のらりくらりとバーナビーの質問をかわす旅館経営の男がどう見ても雰囲気的に怪しい...。これは殆ど「刑事コロンボ」風の倒叙法に近いのではないかと思わされましたが、その男が何者かに風呂場で「サイコ」風に刺殺されてから、全く犯人の見当がつかなくなりました。
トロイって、ポルトガル語(正しくはスペイン語か)がかなり上手に話せるくせに、サンパウロがどこにあるのかとかは知らなかったね。イタリアですかね、なんてね。バーナビーをあきれさせたり、はたまた驚かせる能力を発揮したりと、なかなか面白い。
いつもながら、複雑な事件の展開と併せて、家族サービスしようと思ってなかなか出来ないでいるバーナビーやそのバーナービーと部下トロイとの遣り取りなどのコミカルなシーンが楽しめ、加えて、イギリスの片田舎の田園風景が美しい作品です。


結婚25周年目のバーナビー夫妻は、妻のたっての望みで12世紀建造の教会で結婚式をやり直すことに。その教会は牧師のスティーブン・ウェントワース(ジュディ・パーフィット)が中心となって補修基金を集めているのだが、修繕委員の一人で脳腫瘍のため余命幾許も無いと診断された不動産開発業者リチャード・ベイリー(ドミニク・ジェフコット)が、深夜に何者かにインド刀で惨殺される。リチャードはタイ・ハウス地域の開発を進めていたが、立ち退きを拒み続けていたタイ・ハウスの不動産管理人デビッド・ホワイトリー(クリストファー・ビラーズ)も深夜に自分のトレーラーハウスに閉じ込められて焼き殺され、村で子供時代を過ごし、たまたま村に帰ってきていた演劇監督のサイモン・フレッチャー(ジュリアン・ワダム)も教会修繕基金を集うバザーの最中に弓矢で殺される。当初、事件はタイ・ハウスの開発を巡るトラブルに起因しているとバーナビー(ジョン・ネトルズ)は考えていたが、村の元小学校教師で村の開発反対派アグネス・サンプソン(ヴィヴィアン・ピクルス)から聞いた10歳の子供の話を思い出し、次に狙われるのは、殺された3人と小学校の同級生だった村の不動産屋イアン・イーストマン(ニック・ダニング)だと推測、また事件が教会を中心に起こっていることに気づく―。
トム・バーナビー警部のシリーズの第6話「秘めたる誓い」(原題:Death's Shadow)の本国放映は1999年1月、日本では2002年6月から7月にかけてNHK‐BS2にて前後編(第13話・第14話)に分けて初放映され、その時のタイトルは「少年時代は秘密のベール」でした。一応、シリーズの原作はキャロライン・グレアム(Caroline Graham)ということになっていますが、この辺りから原作の洋書版が見当たらず、原作者名のクレジットもされていないため、脚本家アンソニー・ホロヴィッツ(Anthony Horowitz)のオリジナルであるように思われます。但し、この作品に関しては、それまでのキャロライン・グレアムの原作に沿ったエピソードより面白かった面もありました。
結局、個人的には、完全にプロットの罠にハマったのですが、バーナビーも途中まで現在起きている問題に引っ張られてミスリード されていたわけだなあ―それが、事件が教会を中心に起こっていることに気づいて...。前作「沈黙の少年」同様、"隠された係累"ということで、最後は後出しジャンケンみたいな印象もありましたが、真犯人の意外性はインパクトがありました。
凄惨で猟奇性を帯びた連続殺人事件と、その捜査に当たるバーナビーとトロイのユーモラスな遣り取り、或いはバーナビーを支える暖かい家庭―このギャップのある2つの要素の取り合わせに加えて、ストーリーの出来不出来に関わらず、ロケ地にこだわった美しい田舎町の風景が楽しめるシリーズです。



村人が資金を出しあった工場の経営が行き詰まり、責任者のアラン・ホリングスワース(ロジャー・アラム)を糾弾する声が高まっていた。批判者の急先鋒グレイ(マーク・ベズレイ)はチャリティーバザーで「殺す」とアランに脅しをかける。最悪の事態を回避するため捜査を始めたバーナビー(ジョン・ネトルズ)は、アランの妻シモーヌ(レズリー・バイカレッジ)が実家に帰ったのではなく何者かに誘拐され、出資金は身代金に使われたものと推定する。トロイがホリングスワース家
を見張っていたが、ブレンダ(ミシェル・ドゥートリス)の手引きでアランはトロイをまいて何処かへ行ってしまい、アランを追っていたブレンダが何者かに殺されてしまう。更にブレンダに続きアランが睡眠薬で何者に殺され、前夜訪れていたパブの主人ナイジェル(ポール・ブルック)の指紋がそこら中から検出される。だがナイジェルは犯人ではなかった。バーナビーは捜査の末、シモーヌの元恋人ビンス・ペリー(アンドリュー・ポール)を逮捕する。バーナビーは犯人一味を逮捕し追及するが、主犯を有罪にもちこむ決定的証拠に欠けていた―。
トム・バーナビー警部のシリーズの第4話「誠実すぎた殺人」(原題:Faithful unto Death)の本国放映は1998年4月、日本では2002年5月から6月にかけてNHK‐BS2にて前後編(第9話・第10話)に分けて初放映され、その時のタイトルは「愛する人のためならば」でした。原作はキャロライン・グレアムのシリーズ第5作"Faithful unto Death"(1996年発表)ですが、2013年現在邦訳はされていません。
新興宗教団体ゴールデンウィンドホースロッジのメイ・カトル(ジュディ・コーンウェル)から、教団設立時の出資者の一人ウィリアム・カーター(ロバート・ピッカバンス)が階段から落ちて死んだとの知らせがバーナビーに入る。事故ということで片付いたものの、嵐の夜、屋根飾りの砲弾が落ちて危うく信者に当たりそうになる不審事が起きる。新参の若い
信者クリストファー・ウェンライト(ステファン・モイヤー)は、信者の一人スハミことシルビー・ガムラン(アンナ・ボルト)と仲良くなる。スミハの父で俗物の金持ちガイ・ガムラン(マイルズ・アンダーソン)は、娘スハミの誕生日祝いに団体を訪ねて娘に贈った大金を、彼女が全て教祖イアン・クレイギー(マイケル・フィースト)に寄付したため激怒する。そのスハミの誕生日の祝いの席で、教祖は何者かに刺殺される。事件の鍵を握るのは自閉症の物言えぬ少年だった―。
教祖の殺害が、部屋の灯りが消えた一瞬の隙に行われるのは、クリスティの『予告殺人』を想起させるし、言葉を発することがなかった少年が、何者が教祖を刺したのかというバーナビーの問いに初めて発した言葉が「マジック」であるというのもクリスティの『魔術の殺人』を意識してか。憑依による儀式が行われるところは『蒼ざめた馬』もそうであるし、クリスティへのオマージュが感じられるととるのは、穿ち過ぎた見方でしょうか。
「バーナビー警部(第4話)/誠実すぎた殺人(愛する人のためならば)」●原題:MIDSOMER MURDERS:FAITHFUL UNTO DEATH●制作年:1998年●制作国:イギリス●本国上映:1998/04/22●監督:ジェレミー・シルバーストン●脚本:アンソニー・ホロウィッツ●撮影: ナイジェル・ウォルターズ●原作:キャロライン・グレアム●時間:102分●出演:ジョン・ネトルズ/ダニエル・ケーシー/ジェーン・ワイマーク/ローラ・ハワード/バリー・ジャクソン/ロジャー・アラム/レズリー・バイカレッジ/ポール・ブルック/ロザリンド・アイレス/エレオノーラ・サマーフィールド/ピーター・ジョーンズ/ポール・チャプマン/ミシェル・ドゥートリス/ソフィー・スタントン/マーク・ベイズレィ/テッサ・ピーク-ジョーンズ●日本放映:2002/05●放映局:NHK‐BS2(評価:★★★)
「バーナビー警部(第5話)/沈黙の少年(祈りの館に死が宿る)」」●原題:MIDSOMER MURDERS:DEATH IN DISGUISE●制作年:1998年●制作国:イギリス●本国上映:1998/05/06●監督:バズ・テイラー●脚本:ダグラス・ワトキンソン●撮影: ナイジェル・ウォルターズ●音楽 : ジム・パーカー●原作:キャロライン・グレアム●時間:102分●出演:ジョン・ネトルズ/ダニエル・ケーシー/ジェーン・ワイマーク/ローラ・ハワード/バリー・ジャクソン/ロバート・ピッカバンス/マイケル・フィースト/ダニエル・ハート/アンナ・ボルト/マイルズ・アンダーソン/スーザン・トレーシー/コリン・ファレル/ダイアン・ビル/ジュディ・コーンウェル/チャールズ・ケイ/ステファン・モイヤー●日本放映:2002/04●放映局:NHK‐BS2(評価:★★★)



ミッドサマー地区で中年女性アグネス・グレイ(デニーズ・アレクサンダー)が何者かに殺された。アグネスは不治の病に冒されており、「とてつもない過ちを犯したのでそれを正したい」と漏らし、意外なほどの大金を動物保護団体に寄付していた。一方、ハロルド・ウィンスタンリー(バーナード・ヘプトン)が舞台監督を務めるコーストン・アマチュア劇団による舞台劇「アマデウス」の初日が近づいていたが、バーナビー(ジョン・ネトルズ)の妻ジョイス(ジェーン・ワイマーク)も端役で出演する、サリエリ役で主演する会計士のエスリン(ニコラス・ラ・ブレボスト)はアグネスのいとこで唯一の親族だった。
キティ(Debra Stephenson)/ローザ(Sarah Badel)
エスリンの妻キティ(デブラ・スティーブンソン)は(舞台ではモーツァルトの恋人役)は不倫をしており、そのことを同じ劇団員のエスリンの元妻のローザ(サラ・バデル)がエスリンに示唆したことで、エスリンはローザに離婚話を切り出す。人々の愛憎が錯綜する中で初日の幕は上がるが、クライマックスでエスリンは、何者かによってテープが剥がされた剃刀で喉を切ってしまい死亡。バーナビーの調べで劇団員兼大道具係デービッド(イアン・フィッツギボン)の父で大道具係のコリン(ジェフリー・ハッチングス)が「自分が殺した」と自供するが、それは息子を庇ってのことで息子も無実が明らかになり、となると、アグネスとエスリンを殺した真犯人は別にいることになる―。
アマチュア劇団を舞台にした演出家と俳優の確執をモチーフにした作品ですが、ちゃんと原作者の著作がある作品で、しかも、今回は珍しく原作者本人が脚本を担当しているにしては、第1話「謎のアナベラ」、第2話「血ぬられた秀作」と比べると、人間関係の入り組み具合もさほどではなく、プロットも単純で、分かりやすけれど物足りないと言うか、ミステリとしてはややランク落ちの印象を受けます。
プロットは物足りないけれども、今回も怪しい人物、奇妙な人々には事欠きません。エスリンの妻の不倫相手は、ゲイの書店主アベリーの本屋で働いていた"ゲイ友"の書店員ティムだったんだなあ(舞台では2人は舞台美術係と照明係)。ハロルドのお手伝い(舞台では進行係兼小道具係)デアドレ・ティブス(ジャニーン・ダヴィツキー)が、ハロルドが劇の評判を聞くよう彼女に頼んだのに、彼女は事件のことを記者たちに話したくて仕方がない様子がおかしいです(でも、これが"マトモな感覚"なんだろなあ)。
トロイ巡査部長(ダニエル・ケイシー)が初めて警部の娘カリー(ローラ・ハワード)に出会って一目惚れするのはこの回だったんだなあと。彼女は、役者の卵ニコラス(エド・ウォーターズ)の方と仲良くなってしまいましたが、このプロの役者を目指している青年も書店員。バーナビーも、舞台美術の手伝いで書割の絵をかいているし、今回は、関係者ほぼ全員が劇団員であるか何らかの形で舞台に関係しているという中で事件が起きるというのが、最大のミソと言えるのでしょう。
しかし、「アマデウス」とはねえ。田舎のアマチュア劇団にしては随分難しそうな演目を選んだものだと思いますが、わざとそうした設定にしたのでしょう。原作は、サリエリが喉を搔き切る場面で"血糊"を見せるかどうかを演出家らが議論している場面から始まり、シェークスピア劇をはじめ演劇に関する薀蓄がてんこ盛りです。
映画の方は、アカデミー賞の作品賞、監督賞、主演男優賞など8部門を獲得した作品で、双葉十三郎(1910-2009/享年99)の『
個人的にも大作であるとは思いましたが、モーツァルト像がややデフォルメされ過ぎている印象もありました。アカデミー賞の「主演男優賞」には、"ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト"を演じたトム・ハルスと、"サリエリ"を演じたF・マーリー・エイブラハムの両方がノミネートされましたが、F・マーリー・エイブラハムが受賞したのは順当と言えるかと思います(F・マーリー・エイブラハムはゴールデングローブ賞「主演男優賞」(ドラマ部門)、
「アマデウス」●原



アマチュア作家サークルを主宰するジェラルド・ハドリー(ロバート・スワン)の家で、主人の死体が発見される。サークルでは前夜、プロの作家マックス・ジェニングス(ジョン・シャープネル)を招いて講演会を開いていたが、ジェラルドとマックスの間には緊張感が漂っていた。
マックスを招くことを提案したエイミー(ジョアンナ・デビッド)は、講演会の前にハドリーから「マックスと二人きりにしないでくれ」と懇願されていたが、義姉オノーリア(アンナ・マッセイ)の命令で、やむなく二人だけを残して先に帰っってしまったことを後悔していた。
バーナビー警部(ジョン・ネトルズ)は、トロイ巡査部長(ダニエル・ケイシー)と共にサークルの面々に聞き込みに廻るが、ハドリーの素性を訊いいても誰も知らない。サークルのメンバーで中学校で演劇を指導しているブライアン(ディビッド・トロートン)も、事件当時不審な行動をとった一人だが、教え子イーディー(ナンシー・ロデル)に性的行為をしている現場の写真を生徒に撮られてしまって、事件どころではない。
そうした中、ハドリーに続いて、マックス・ジェニングスも海辺のコテージで遺体となって発見される。マックスの妻のセリーナ(ウナ・スチュブス)や秘書バーバラ(アノーシュカ・ルガロア)の話によれば、彼は海外へ講演旅行に行っていたはずとのことだったが、バーナビーの調べで、彼は出張を装い、愛人であるバーバラとそこで落ち合うことになっていたことが判る。二人を殺した犯人は一体誰なのか―。
ジェラルド・ハドリーはプロ作家マックス・ジェニングスと会うのを嫌がり、それでもサークルのメンバーの総意で彼を呼ぶことになって渋々それに従い、一方、マックス・ジェニングスもジェラルド・ハドリーと会うことを恐れていた―そして、その両方が殺される、という展開にぐぐっと引き込まれます。
バーナビーが捜査の最中に首筋を掻いてばかりいるのは、後の方で、娘から預かったペルシアン・ブルーのお蔭で猫アレルギーを発症していたことが判明します。重厚でゴシック調の暗っぽさも感じられる事件周辺の雰囲気と、バーナビーのこうした家族との暖かいふれあいやユーモラスな様との取り合わせがこのシリーズの妙なのでしょう(娘の猫を預かる話は原作通りだが、猫アレルギーの話は原作には無い)。田園風景の美しさも楽しめました。
ン・グレアム●時間:102分●出演:ジョン・ネトルズ/ダニエル・ケイシー/ジェーン・ワイマーク/ローラ・ハワード/バリー・ジャクソン/ロバート・スワン/ジェーン・ブッカー/ローラ・ハットン/ジョアンナ・デビッド/アンナ・マッセイ/ディビッド・トロートン/ジュディス・スコット/ジョン・シャープネル/アノーシュカ・ルガロア/マレーネ・サイダウェイ/ナンシー・ロダー/ティモシー・ベーテソン/ウナ・スチュブス●日本放映:2002/04●放映局:NHK‐BS2(評価:★★★☆)


高齢の元教師エミリー・シンプソン(ルネ・アッシャーソン)が自宅で不審死を遂げる。捜査を開始したトム・バーナビー警部(ジョン・ネトルズ)は、年の離れたキャサリン・レイシー(エミリー・モーティマー)との結婚を控えた富豪ヘンリー・トレース(ジュリアン・グローバー)の最初の妻ベラの「事故死」が今回の事件に関係しているのではないかと考える。エミリーの葬儀から幾日もしない内に、今度はレインバード親子(エリザベス・スプリッグス/リチャード・キャント)が何者かに殺され、二人が町のゴシップを収集して金を脅し取っていたことが判明する。
殺された時刻に二人の家を訪れていたキャサリンは、ショックを受け結婚式の延期を懇願する。
バーナビーは新たな証拠にもとづき、ヘンリーの義妹フィリスを1995年のベラ殺害容疑で逮捕、フィリスは自白し、拘留中に自殺を遂げる。更に新たな証言を得て、バーナビーはキャサリンの兄で画家のマイケル・レイシー(ジョナサン・ファース)をレインバード親子殺害容疑で逮捕、マイケル宅からは凶器の刃物も発見される。事件はこれで解決したかに思われたが、新たな証言でマイケルのアリバイが成立し、彼は釈放される。エミリー及びレインバード親子を殺した真犯人は誰なのか―。

連続殺人事件とそれに纏わる村の奇妙な人々、そして謎めいた兄妹―と、おどろおどろしい雰囲気満載でありながらも、バーナビー警部と部下のトロイ巡査部長(ダニエル・ケイシー)とのユーモラスな会話や、警部と妻ジョイス(ジェーン・ワイマーク)や一人娘カリー(ローラ・ハワード)とのホームドラマ的な遣り取りなどのバランスが絶妙で、この一話でもってバーナビー警部が好きになった視聴者も多いのではないでしょうか。海外でも当シリーズ作品の人気投票で、この第1話「The Killings at Badgers Drift」が1位にくることが圧倒的に多いようです。
原作は7作ぐらいしかないようですが(しかも、邦訳されているのは2013年現在3作のみ)、トム・バーナービーを主人公としたTVシリーズの方は2011年まで13シーズン81作作られ、実質的には早い段階で脚本家アンソニー・ホロヴィッツによるシリーズになったと言えます。
「バーナビー警部(第1話)/謎のアナベラ(森の蘭は死の香り)」●原題:MIDSOMER MURDERS:THE KILLINGS AT BADGER`S DRIFT●制作年:1997年●制作国:イギリス●本国上映:1997/03/23●監督:ジェレミー・シルバーストン●脚本:アンソニー・ホロヴィッツ●撮影: ナイジェル・ウォルターズ●原作:キャロライン・グレアム「蘭の告発」(バジャーズドリフトの殺人)●時間:120分●出演:ジョン・ネトルズ/

ジョナサン・ファース/エミリー・モーティマーダニエル・ケイシー/ジェーン・ワイマーク/ローラ・ハワード/バリー・ジャクソン/ルネ・アッシャーソン/ロザリー・カーチレイ//ジュリアン・グローバー/セリーナ・カデル/クリストファー・ヴィリエ/リチャード・キャント/エリザベス・スプリッグス/ビル・ウォリス/ダイアナ・ハードキャッスル/ジェシカ・スティーブンソン/バーバラ・ヤング/アブリル・エルガー●日本放映:2002/04●放映局:NHK‐BS2(評価:★★★★) Emily Mortimer 

