【2064】 ○ レニー・ライ 「バーナビー警部(第35話)/錯覚の証明」 (04年/英) (2009/03 ミステリチャンネル) ★★★★

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シリーズの中でも秀作エピソードだと思う。鬼のような長姉と「名探偵コナン」みたいな少年。

バーナビー警部 「錯覚の証明」dvd 輸入盤2.jpgバーナビー警部 「錯覚の証明」 dvd輸入盤.jpg  バーナビー警部 「錯覚の証明」2.jpg
"Midsomer Murders" Ghosts of Christmas Past(錯覚の証明)

バーナビー警部 「錯覚の証明」1.jpg クリスマスの日、バーナビーは妻のジョイスの両親を家に招待していたが、妻の父親が苦手なバーナビーは、スコットが彼を事件で呼び出す事を願っていた。時を同じくして、由緒あるヴィリアーズ家の人間たちも、クリスマスを祝っていたが、そうした中、大叔母のリィディアがガレージで車の排ガスによって殺害されそうになり、次は階段から突き落とされて―。

バーナビー警部 「錯覚の証明」犯人.jpg ヴィリアーズ家では、プロの手品師を目指していた長兄のファーディが、唯一心を通わせた女性クレアの悪行を聞かされて9年前のクリスマスに自殺したという暗い過去があり、実はそのクレアも、その時には既に更生していたにも関わらず、信頼していたリィディアの裏切りに遭ったことを知って自殺していた...。

バーナビー警部 「錯覚の証明」3.jpg でも、これ、一番悪いのは、どう見ても長姉ジェニファーでしょう。長兄に彼の生きがいである手品師になる夢を諦めるように言い、クレアにヌレギヌを着せるようリィディアに警察に電話させた彼女は鬼のような女性であり、殺されてもあまり同情できず、むしろリィディアの方は、犯人の復讐に巻き込まれた感じでしょうか。9年前からこの家の家族と友人になったというドミニクが、実は...。

バーナビー警部 「錯覚の証明」 3.jpgバーナビー警部 「錯覚の証明」少年.jpg 息子のガールフレンドで家族にとってはよそ者となるエミリーがヒロインっぽくって(情緒不安定の頼りない青年と、彼のことを気遣うしっかり者の若い女性という、よくある組み合わせパターン)、彼女が探偵役を務めるのかと思ったら、ハワードという次女の息子がこれまた「名探偵コナン」みたいに利発で、この辺りは楽しめます(手品も上手で、トリックに騙されたスコットは本気で不機嫌だったなあ)。

錯覚の照明 3.jpg 犯人の犯行手口をバーナビーが現場でスコットに解き明かす一方で、ハワード少年は現場から離れた場所で、バーナビーと同じタイミングで犯行トリックを家族の皆に説明していたから、考えてみればこれはスゴイことです。バーナビー自身、ハワード少年の言葉から、犯行の謎を解くヒントを得ています。

錯覚の証明 スコット.jpg バーナビー家のクリスマスの様子が見られるのも興味深く、スコットも招かれますが、この辺りから少しずつ、バーナビーとスコットの上司・部下としての関係が変わってきたかな。スコットも、前回エピソード「炎の惨劇」の悲惨な体験で一皮剥けたのか、クリスマスイブに女性と一緒になっても、待機命令を受けているからと言って、"2次会"は断っていたなあ。住まいは依然"仮住まい"っぽいけれど、犯人の行方については、持ち前の勘を働かすなど、当初は気が乗らなかった地方勤務に、やや本腰になってきた感じです。

バーナビー警部 「錯覚の証明」 ロケ.jpg 屋敷に犯人がいるということで、バーナビーが禁足令を出して一人ずつ尋問に当たるという、名探偵ポアロのようなどことなくクラシカルなパターンでしたが(家族は勝手に狩りに出てしまうが)、最後の犯人逮捕の場面は、犯人も最初から捕まるつもりでいたし、また犯行に至った心情も理解できるだけにしんみりさせられます。いろいろな意味で秀作エピソードであるように思います。

'Draycott Hall' used as Villiers family's house

 「じゃじゃーん」は英語でも「ジャジャーン」でした。ファーディという名は、「脱出王」の異名を取った希代の魔術師ハリー・フーディーニに懸けたものなのかなあ(但し、姓ではなく名だし、しかも本名のようだが)。

錯覚の照明 4.jpg「バーナビー警部(第35話)/錯覚の証明」●原題:MIDSOMER MURDERS:GHOSTS OF CHRISTMAS PAST●制作年:2004年●制作国:イギリス●本国上映:2004/12/25●監督:レニー・ライ●製作:ブライアン・トゥルー=メイ●脚本:デヴィッド・ホスキンス●時間:102分●出演:ジョン・ネトルズ/ジョン・ホプキンズ/ジェーン・ワイマーク/ローラ・ハワード/バリー・ジャクソン●日本放映:2009/03●放映局:ミステリチャンネル(評価:★★★★)

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