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「人事の緑本(入門編)」第3版。「赤本(基礎編)、青本(応用編)と併せてお薦め。
『第3版 はじめて人事担当者になったとき知っておくべき、7の基本。8つの主な役割。(入門編)』['20年] 『人事担当者が知っておきたい、8の実践策。7つのスキル。』(2010/08 労務行政)
企業が継続的に成長していくうえで欠かせない経営資源であるヒト、モノ、カネ、情報のうち、最も重要なのが「ヒト」であることはドラッカーの指摘を待つまでもありませんが、経営管理においてその「ヒト」の部分を担うのが人事労務管理の役割であるといえるでしょう。
では実際問題として、人事部に新たに配属になった若手社員がいたとして、人事労務管理(人材マネジメント)の全体像がどれぐらい把握されているかというと、とりあえずは目の前の仕事をこなすことに忙殺され、近視眼的にしか自らの仕事を捉えられていないということもあるのではないでしょうか。
本書は、人事労務管理を担当する初心者から中堅クラスを対象に、人事の業務全般が体系的に把握できるように解説された入門書であり、2012年刊の初版、2017年刊の第2版に続く第3版であるとともに、2010年刊の『人事担当者が知っておきたい、⑩の基礎知識。⑧つの心構え。―基礎編(人事の赤本)』『人事担当者が知っておきたい、⑧の実践策。⑦つのスキル。―ステップアップ編(人事の青本)』の姉妹本になります。
これまでと同様、第1章で「人事の基本」として7つの仕事を挙げ、第2章以下、人材確保、人材活用、人材育成、働き方や報酬マネジメント、働きやすい環境の整備、労使関係と社内コミュニケーションを良くすることなど、人事にとって重要な8つの役割について解説されています。
原則として見開きごとに1テーマとなっていて、要点を絞って簡潔に解説されているうえに図説もふんだんに使われていて、内容的にもオーソドックスであり、新任の人事パーソンにも入門書として読みやすいものとなっています。
こうした入門書において「読みやすさ」と「内容に漏れがなく一貫性があること」は大きなアドバンテージになるかと思いますが、本書はその両方を満たしており、人材マネジメントの基本的なコンセプトから、諸制度の枠組み、「採用」から「退職」までの業務の流れ、労働法・社会保険に関する基礎知識などが、バランスよくコンパクトに網羅されています。
さらにこの第3版は、近年の法改正への対応はもちろん、最近注目の人事に関するトピックやテーマにも触れ、例えば、職場環境の整備のところでは、メンタルヘルスケア、ハラスメントの防止、ワーク・ライフ・バランス、ダイバーシティへの対応といった節が新たに設けられています。
また、最終章では、環境の変化に伴うこれからの人事の課題として、これまでも触れていた少子高齢化、グローバル化、企業の社会的責任に加え、HRテックとピープル・アナリスティック、日本型雇用慣行とその変容、人事管理(PM)と人的資源管理(HRM)という節が新たに設けられていて、まさに「今」読むに相応しい入門書となっています。
従来の人事労務管理の入門書が、実際には「マネジメント」領域までは踏み込んでおらず、実務中心のいわば「アドミニストレーション」偏重であるものが多いのに対し、この「緑本」「赤本」「青本」のシリーズを通して感じるのは、何れも人材の「マネジメント」という視座がしっかり織り込まれていることです。
部下に人事部の役割や仕事を教える際に、実は伝えるのに最も苦労するのがその「マネジメント」の部分であり、その点を含めてカバーしている点にこのシリーズの特長があるように思います。


見開き2ページ毎に各1冊紹介する形で、左ページにその本の「著者略歴」の紹介と「この本を一言でいうと」どういう本なのか、また「この本が名著とされる理由」、更にはわかりやすさ度、有名度、お役立ち度、エンタメ度をそれぞれ★で5段階評価しています。













![影響力の武器[新版]2023.jpg](http://hurec.bz/book-movie/%E5%BD%B1%E9%9F%BF%E5%8A%9B%E3%81%AE%E6%AD%A6%E5%99%A8%EF%BC%BB%E6%96%B0%E7%89%88%EF%BC%BD%EF%BC%92%EF%BC%90%EF%BC%92%EF%BC%93.jpg)



学校を卒業して社会人となる人、またはなって間もない人のための仕事術集のような本で、こうした経歴の人の書いた本って結構ムチャなことが書いてあったりするのではないかと思いましたが、読んでみたらマトモで、ネットなどの書評でも好評のようです。





















































































































著者は、放送作家としてバラエティ番組の制作に参加したり、「AKB48」のプロデュース等にも携わった人とのことですが、NHKの「クローズアップ現代」で「よみがえる"経営の神様"ドラッカー」としてドラッカー・ブームをフィーチャーした際に('10年3月放映)、ドラッカー本の翻訳者である上田惇生氏と共にゲスト出演していたコピーライターの糸井重里氏もさることながら、その糸井氏よりも著者の方がより"ドラッカリアン"ではないでしょうか(但し、本書とこの糸井氏出演のテレビ番組でドラッカーブームに火がついたとされているようだ)。
梅棹 忠夫 氏 





'05年に『脳を鍛える大人の計算ドリル』『脳を鍛える大人の音読ドリル』の川島隆太氏の訳で『頭脳を鍛える練習帳―もっと"柔軟な頭"をつくる!』(三笠書房)として改訳版が出ましたが、先に城山訳が刊行されていることに言及していないとのことで、それはいかがなものか(先んじて本書に着眼した故・城山三郎に対し失礼ではないか)。
佐々木直彦 氏(略歴下記)
本論では、エンプロイアビリティ向上のために実践し(フィールドワーク)考え(コンセプトワーク)人とつながる(ネットワーク)ことの重要性を、図解やケーススタディと併せ、またキャリア行動に関する理論を引きながら、わかりやすく具体的に説いていています。
金井壽宏 氏
金井教授の「一皮むける」という表現は、その仕事上の経験を通して、ひと回り大きな人間になり、自分らしいキャリア形成につながった経験のことを指し、ニコルソンのトランジッション論などのキャリア理論がその裏づけ理論としてあるようです。直接的には南カリフォルニア大の経営・組織学教授モーガン・マッコールが著書『ハイ・フライヤー』('02年/プレジデント社)の中で述べている"クォンタム・リープ(量子的跳躍)"という概念と同じようですが、"クォンタム・リープ"といった言葉よりは"一皮むける"の方がずっとわかりやすいかと思います(一方で、"ターニング・ポイント"という言葉でもいいのではないかとも思うが、ここでは"キャリア"ということを敢えて意識したうえでの用語選びなのだろう)。その言葉のわかりやすさと、金井氏の思い入れが、本書を単なる報告書レベルを超えたまとまりのあるものにしています。
小杉俊哉 氏 (略歴下記)
キャリア理論を学ぶうえでも、シャインの何が得意か、何がやりたいか、何をやっているときに意味を感じ社会に役立っていると実感できるかという〈3つの問い〉や、ブリッジスの、キャリアにおける危機の一つとしての転機は、一方で躍進・前進に繋がる可能性もあるという〈トランジッション論〉、クランボルツの、キャリアの節目さえデザインしていれば、それ以外はドリフトしていいとして、偶然性や不確実性の効用を説いた〈キャリア・ドリフト〉といったキャリア行動や意思決定に関する理論や概念が、最近のものまでバランス良くカバーされており、役に立つのではないでしょうか。
またそれらの解説が大変わかりやすいうえに、著者の「この理論を自分のキャリアを決める際に生かしてほしい」という熱意が伝わってきます。