【3447】 ◎ デール・カーネギー (山口 博:訳) 『人を動かす【新装版】』(1999/10 創元社)《『人を動かす』(1958/11 創元社)/『人を動かす【文庫版】』(2016/01 創元社)/『人を動かす【改訂新装版】』(2023/06 創元社)》★★★★★

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自己啓発の名著であるとともに、リーダーシップの名著でもある。

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人を動かす 新装版』['99年]『人を動かす 文庫版』['16年]『人を動かす 改訂新装版』['23年]『人を動かす 改訂文庫版』['23年]
1937年10月30日・日本語抄訳版初版(加藤直士:訳)/1958年5月20日・第20版/1958年11月1日・全訳版初版(山口 博:訳)/1982年12月1日・第2版
『人を動かす』[旧版].jpg 本書は、社会人として身につけるべき「人間関係の原則」を具体的に明示した、自己啓発本の古典としてよく知られている本です。1936年に刊行(日本語版は抄訳版が1937(昭和12)年創元社刊)されて以降、全世界で1500万部以上売れてたベストセラーであり、タイトルだけは聞いたことがあるという人も多いのではないでしょうか。もちろん、すでに読んだという人も多いかと思います。

 PART1では、「人を動かす3原則」として、①盗人にも五分の理を認める、②重要感を持たせる、③人の立場に身を置く――を挙げています。どんな相手であっても非難せずに相手を認めること、相手に心からの賛辞を示して自己重要感を満たすこと、自分のことではなく相手の立場に立ってその望みは何なのかを考え、そこに自分の望みの標準を合わせることが、人を動かすための重要な点であるとしています。

 PART2では、「人に好かれる6原則」として、①誠実な関心を寄せる、②笑顔を忘れない、③名前を覚える、④聞き手にまわる、⑤関心のありかを見抜く、⑥心からほめる――を挙げています。どんな人でも、自分に関心があって、常に笑顔で、自分の話をよく聞き、自己重要感を高めてくれる相手に対しては、けっして無下に扱うようなことはしないとしています。自然と人に好かれ、行動を促すための、簡単なようでなかなかできている人が少ない人間関係の基礎を説いています。

 PART3では、「人を説得する12原則」として、①議論を避ける、②誤りを指摘しない、③誤りを認める、④穏やかに話す、⑤"イエス"と答えられる問題を選ぶ、⑥しゃべらせる、⑦思いつかせる、⑧人の身になる、⑨同情を寄せる、⑩美しい心情に呼びかける、⑪演出を考える、⑫対抗意識を刺激する――を挙げています。人を説得する12原則では、人を動かす3原則、人に好かれる6原則をベースに具体的な方法が書かれています。自分の意見を相手に受け入れてもらい、説得するためにはまず相手を尊重する必要があるとし、対立することを避け、相手の立場と考えを尊重し穏やかな言動で接することで、相手はこちらの意見を受け入れやすくなるとしています。その上で相手の良心に訴え、相手が興味を引き楽しめるような演出をすることで、結果的に相手がこちらの望む行動をとるようになるとしています。

 PART4では、「人を変える9原則」として、①まずほめる、②遠まわしに注意を与える、③自分の過ちを話す、④命令をしない、⑤顔をつぶさない、⑥わずかなことでもほめる、⑦期待をかける、⑧激励する、⑨喜んで協力させる――を挙げています。人を変える9原則では、相手へ影響を与えるための原則が書かれています。人を変えるには、まず相手を褒め、自尊心を満たし、期待をかけ自分は変われるという自信を持たせること、そして実際以上の評価を相手に伝えることで理想とする指針を示し、やる気を刺激する「肩書き」を与えることで、相手の自発的な行動が促されるとしています。

 「時代が変わっても、人の性質は変わらない」という著者の言葉があります。豊富な事例から抽出される原則が的確で、まさに原則としての普遍性を湛えており、それが、今日もなお本書がベストセラーの上位にある所以でしょう。

 自己啓発の名著であるとともに、リーダーシップの名著でもあります。全部で30の「人間関係の原則」が記されていることになりますが、一つ一つの原則を自分が理解できるまで何度も繰り返し読み、何度も実践しすることで、自分のものへと落とし込んでいくことになるかと思います。

人を動かす 完全版.jpg 創元社の単行本【新装版】(1999年刊)と【文庫版】(2016年刊)の違いは、単行本版には「付」として「幸福な家庭をつくる7原則」というのが掲載されていますが、文庫版にはありません(昨年['23年]、【改訂新装版】の単行本が6月に、文庫が9月に刊行されたが、どこが"改訂"なのか、個人的には未確認。目次を見る限りそれぞれ同じに見えるが...)。また、新潮社より『人を動かす 完全版』(2016年刊)が東条健一訳で刊行されており、こちらは著者の未亡人が編纂に関わり、著者の死後に加えられたエピソードを排し、失われていた「本書を書いた理由」など多くの原稿を復活させたものです(ただし、個人的には創元社版の方が読みつけているせいか読みやすい)。

人を動かす 完全版』['16年]

【1999年新装版[創元社]/2016年新装版文庫化[創元社]/2016年完全版[新潮社]/2023年改訂新装版[創元社]/2023年改訂新装版文庫化[創元社]】

【2202】 ○ ダイヤモンド社 『世界で最も重要なビジネス書 (世界標準の知識 ザ・ビジネス)』 (2005/03 ダイヤモンド社)

【2203】 ○ ジャック・コヴァート/トッド・サッターステン (庭田よう子:訳) 『アメリカCEOのベストビジネス書100』 (2009/11 講談社)

【2298】 ○ 水野 俊哉 『明日使える世界のビジネス書をあらすじで読む』 (2014/04 ティー・オーエンタテインメント)

【2713】 ○ 日本経済新聞社 (編) 『リーダーシップの名著を読む』 (2015/05 日経文庫)

蔵書用(単行本)と携帯用(文庫)
『人を動かす【新装版】』1.jpg

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