【173】 ○ 高橋 俊介 『キャリアショック―どうすればアナタは自分でキャリアを切り開けるのか?』 (2000/12 東洋経済新報社) ★★★★

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刊行時はキャリア行動の教科書的な読まれ方。今でも示唆は多い。

キャリアショック.jpg 『キャリアショック―どうすればアナタは自分でキャリアを切り開けるのか?』 ['00年]

4211281012.jpg 自分の思い描いていたキャリアの将来像が予期しない環境変化により崩壊してしまうことを「キャリアショック」とし、そうしたことが起こりうる現代において自分のキャリアをどう捉え、どう開発していくかを説いています。

 変化の激しい時代においては、最初に目標があっても必ずしも予定通りにはいかない、ということは多くのビジネスパーソンが感じているところ。しかしそうした時代だからこそ、自律的なキャリア形成を図るよう心掛けるべきである、というのがメインの主張です。

 キャリアアップという言葉を使わず、「幸福なキャリア」を築くにはどうしたらよいかということを、プランド・ハップンスタンス(計画的偶然性)などキャリア行動の概念を用いて説明する過程は、先駆的で、かつわかりやすいものでした。
 実際にキャリアチェンジした人の事例を多く挙げていて、キャリアコンピテンシーの高め方が身近に理解できる1冊。

 本書が刊行された'00年は、民間のコンサル会社ワイアットの社長だった著者が独立を経て慶応大の教授に転身した年ですが、この一般向けの著書はキャリア行動の教科書的な読まれ方をしました。
 ただし、その後あまりにこうした本や考え方が出尽くして、今読むと当時ほどの目新しさはありません。
 それでもなお、キャリアの入り口にいる学生や、今を自分のキャリアの転機ととらえて転職を考えている人には、今もって示唆の多い内容ではあると思います。

  高橋 俊介.jpg 高橋 俊介 氏 (略歴下記)

 【2006年文庫化(ソフトバンククリエイティブ[SB文庫])】
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高橋 俊介
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授
組織・人事に関する日本の権威の一人。プリンストン大学大学院工学部修士課程修了。マッキンゼー・アンド・カンパニー、ザ・ワイアット・カンパニーに勤務後、独立。
人事を軸としたマネジメント改革の専門家として幅広い分野で活躍中。主な著書に「自由と自己責任のマネジメント」「自立・変革・創造のマネジメント」「キャリアショック」「組織改革」「人材マネジメント論」がある。

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