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「敗者3部作」第3作。"人生、捨てたもんじゃない"と思わせてくれる。

「街のあかり [DVD]」
ヘルシンキの百貨店で夜間警備員を務める冴えない男コイスティネン(ヤンネ・フーティアイネン)は、魅力的な女性ミルヤ(マリア・ヤルヴェンヘルミ)と出会う。2人はデートをし、コイスティネンは恋に落ちた。人生に光が射したと思った彼は、起業のため銀行の融資を受けようとするが、まったく相手にされなかった。それでも恋している彼は幸せだった。
しかし、実は恋人は彼を騙していた。ミルヤは、宝石強盗を目論むリンドストロン(イルッカ・コイヴラ)の手先だった。まんまと利用されたコイスティネンだったが、惚れたミルヤを庇って服役する。リンドストロンはそこまで読んで、孤独な彼を狙ったの
だ。馴染みのソーセージ売りアイラ(マリア・ヘイスカネン)の彼への思いには気づかぬまま、粛々と刑期を終え社会復帰を目指すコイスティネン。だがある日、リンドストロンと一緒のミルヤと居合わせた彼は、そこで初めて自分が利用されていたに過ぎないことを悟る―。
2006年公開の、アキ・カウリスマキ監督の、「浮き雲」('96年)、「過去のない男」('02年)に続く「敗者3部作」の第3作(完編)で、'06年カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品。
この作品の主人公の男は"孤独"の中にいて、彼の身に起こる不幸はとても辛いものだけれど、彼自身は自分の不幸に気づいてない様子でもあります。さらには、幸せの芽がすぐ傍にあることをも―(やや"無力症"気味?)。そんな彼が起業を思い立ったのはいいですが、職業訓練校の終了証明だけを持って銀行に行き、それだけでもって融資を受けようとするのが滑稽(この辺り、カウリスマキ独特のユーモアか)。それでも、切ない出来事のあとにジンワリ心に広がる希望があって、誰かがこの映画についてそう言ってたけれど、"人生、捨てたもんじゃない"と思わせてくれる、やさしさで包み込むような物語が心地いいです。
コイスティネンを演じるヤンネ・フーティアイネンは、アキ・カウリスマキ作品では前作「過去のない男」などに脇役出演し、今回がカウリスマキ作品で初めての主演。恋人のいない寂しい男を演じるにはマルチェロ・マストロヤンニに似ていて男前過ぎる気もしましたが、その分、寂しそうな姿は絵になっていました(職場でも孤立し、男たちは彼のことを蔑んでいるのに、女性たちは同情的であるのはこのイケメンのせい?)。一方、アキ・カウリスマキ作品主役級常連のカティ・オウティネンは、スーパーのレジ係の役で出ていました。
「街のあかり」●原題:LAITAKAUPUNGIN VALOT(英:LIGHTS IN THE DUSK)●制作年:2006年●制作国:フィンランド・フランス・ドイツ●監督・脚本・製作・撮影:アキ・カウリスマキ●時間:78分●出演:ヤンネ・フーティアイネン/マリア・ヤルヴェンヘルミ/イルッ
カ・コイヴラ/マリア・ヘイスカネン/ヨーナス・タポラ/ペルッティ・スヴェホルム/メルローズ(バンド)/カティ・オウティネン(カメオ出演)/パユ(犬)●日本公開:2007/07●配給:ユーロスペース●最初に観た場所:北千住・シネマブルースタジオ(24-05-12)((評価:★★★☆)
