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効果的な異文化コミュニケーションをマネジメント要素別、国別に分かりやすく解説。


『異文化理解力――相手と自分の真意がわかる ビジネスパーソン必須の教養』['15年]『The Culture Map: Breaking Through the Invisible Boundaries of Global Business』['14年]Erin Meyer
グローバル化により、外国企業と交渉したり上司や部下が外国人だったり、多国籍のチームで働くことは珍しくなくなってきていますが、育った環境や価値観が異なる人たちと仕事をするときに、互いの発言や行動の真意を理解し合い、誤解や対立を避けつつ、リーダーシップを発揮したり意思疎通を円滑にしたりし、多国籍な職場で成果を出し続けるにはどうすればいいか─本書の著者エリン・メイヤーは、フランスとシンガポールに拠点を置くビジネススクールの客員教授で、異文化マネージメントのプログラム・ディレクターなどを務めていますが、10年超の研究と数千人の経営幹部への取材をもとに、本書において、異文化を理解するためのツール「カルチャーマップ」により、マネジャーが自覚しておくべき以下の8つの指標について、国の文化や慣習が相対的にどこに位置しているのかを可視化しています。
1.コミュニケーション:ローコンテクスト vs ハイコンテクスト
2.評価(ネガティブフィードバック):直接的 vs 間接的
3.説得:原理優先 vs 応用優先
4.リード:平等主義 vs 階層主義
5.決断:合意志向 vs トップダウン式
6.信頼:タスクベース vs 関係ベース
7.見解の相違:対立型 vs 対立回避型
8.スケジューリング:直接的な時間 vs 柔軟な時間
「カルチャーマップ」とは、8つのマネジメント領域を縦軸に、各領域における両極端の特徴を横に置いた、文化の「見取り図」とでも言うべきもので、「評価」という領域では、左端が「直接的なネガティブなフィードバック」、右端が「間接的なネガティブなフィードバック」となり、例えばドイツは左端、日本は右端に位置するとされています。以下、各章ごとに、8つの指標について、それぞれがどのような「カルチャーマップ」(の要素)となるか解説しています。
第1章「空気に耳を澄ます」では「コミュニケーション」について、ローコンテクスト文化のアメリカやカナダなどは、簡潔明瞭で額面どおりの表現を好むのに対し、ハイコンテクスト文化の日本や中国などは、曖昧で含みがある表現を多用するとしています。
第2章「様々な礼節のかたち」では「評価」について、ネガティブなフィードバックを率直かつ単刀直入に行うロシアやイスラエルに対し、日本やタイなどは間接的にやんわりと伝える傾向があるとしています。
第3章「『なぜ』vs『どうやって』」では「説得」について、ラテン系のイタリア、フランス、スペインなどは「原理優先」の文化であるが、アングロサクソン系のアメリカやカナダなどは「応用優先」の文化であるとしています。また、アジアの人々はいわゆる「包括的な」思考パターンを持っていて、西洋の人々はいわゆる「特定的な」アプローチをとっているとしています。
第4章「敬意はどれくらい必要?」では「リード」について、同じヨーロッパの国でも、歴史的背景の違いににより、ローマ帝国やカトリックの影響をうけた南欧諸国は階層的権威主義的であるのに対し、バイキングの思想に基づく北欧諸国は平等主義的であるとしています。そして、儒教文化の影響を受けた中国、韓国、日本は、最も階層主義的文化と位置づけられるとしています。
第5章「大文字の決断か小文字か」では「決断」について、アメリカ人は<小文字の決断>を複数繰り返し行って、最終的な形にしていくという傾向があるが、日本人は<大文字の決断>という一度決めたら二度と変えないくらいの行動をする傾向があるとしています。また、決断が個人でなされる(たいていは上司)トップダウン式がアメリカなどの国であり、決断は全員の合意の上グループでなされる典型的な国が日本であり、日本の稟議システムは、階層主義かつ超合意主義であるとしています。
第6章「頭か心か」では「信頼」について、信頼はビジネスに関連した活動で築かれるというタスクベースの考え方をするのがアメリカなどであり、それに対し、食事をしたり酒を飲んだりすることで築かれるという関係ベースの考え方をするのが中国や日本であるとのことです。また、人間関係を構築する傾向を「桃」VS「ココナッツ」と表現しています。これは、アメリカ人はアイスブレイクなどをワークショップなどで行うことが多く、容易くそれをこなしているが、彼らは「桃」の関係構築をしていて、会ったばかりの人には親しく接するものの、どこかで種にぶつかったかのように、その人の守る壁に突き当たり、逆に日本人などは「ココナッツ」の関係構築をしていて、「ココナッツ」は皮が固くなかなか親しくしてもらえないが、親しくなるとプライベートも関わるような関係ができる、という関係を構築する文化のことを表しています。
第7章「ナイフではなく針を」では「見解の相違」について、例えばフランス人は見解の相違や議論はチームや組織にとってポジティブなものだと考える対立型の傾向があるが、日本人などは、ネガティブなものだと考える対立回避型の傾向があるとしています。
第8章「遅いってどれくらい?」では「スケジューリング」について、プロジェクトなどがスケジュール通りに進むことが重要であると考える日本や中国に対し、インドなどでは、プロジェクトは流動的なものとして捉えられ、場当たり的に作業を進め、組織性より柔軟性に価値が置かれるとしています。
各章とも事例をもとに解説されているため、読みやすく、また、納得性の高い内容であったと思います。どの指標においても日本は常にどちらかの側に偏った端的なポジショニングにあることを改めて思い知ったという印象です。ビジネスでの同意、決定、承認、チームをリードする、といった場面で、どの国の人にはどのような手法がより効果的になるかが、分かりやすく説明されている本であり、仕事で外国人と接することがあるすべてのビジネスパーソンにお薦めできます。もちろん、グローバル企業で働く人事パーソンにも、これからの教養としてお薦めです。
『


国分太一がその例で出てきて、人をさりげなく褒めるのが上手いとのこと(著者はネクタイの柄を褒められたそうな)。更に、終わりの方でももう1回出てきて、前に会った時の雑談の内容をよく覚えているとして絶賛しています(国分太一に学ぶ「覚えている能力」)。
外国語教授や留学等、語学に関わるサービスを提供しているベルリッツ・ジャパンによる本であり、本書にある「カルチュラル・コンピテンス」を伸ばす手法は、ベルリッツの子会社であるTMC(Training Management Corporation)が開発したものであり、世界各国の組織や個人によって実務に適用されているとのこと(ベルリッツ・ジャパンも「カルチュラル・コンピテンス」を使った研修を2010年から実施している)。今回の刊行は、この研修の受講者からの、日本語で「カルチュラル・コンピテンス」を復習したいとの要望に応えてのものだそうです。


本書は昨年('12年)1月20日に刊行され12月10日に発行部数100万部を突破したベストセラー本で、昨年は12月に入った時点でミリオンセラーがなく、「20年ぶりのミリオンゼロ」(出版科学研究所)になる可能性があったのが回避されたのこと。今年に入ってもその部数を伸ばし、5月には135万部を、9月13日には150万部を突破したとのことで、村上春樹氏の『






これは、今は大リーグ解説などで知られる村上雅則氏の話で、かつて日米の選手交換協定で、南海入団2年目の彼が1年間の野球留学でサンフランシスコ・ジャイアンツ1Aに行ったとき、協定の中にSFジャイアンツは親球団に1万ドル払えば選手契約を買い取れるとの条項があって、ジャイアンツは村上をメジャー昇格させ、南海は(それまでまさか日本人投手がメジャー昇格するとは思ってなかったが)とりあえず1万ドルを受け取った―、ところが、村上が正月に日本に戻ると、彼は日本人であり長男なのだから日本に留まるべきだという意見があり、プレッシャーに押された南海は彼に南海でプレーするよう契約をとり付けたという二重契約事件。
東山 紘久 氏(経歴下記)

「話が通じない人」とコミュニケーションする場合、言葉や論理に頼りすぎない方が良い場合もあり、それが著者の言う「非・論理コミュニケーション」ですが、「なぜ話が通じないのか」という切り口から、コミュニケーション・トラブルの対処法、背後にある力関係、日本的な"面子"の問題、非言語コミュニケーションの役割、「聴く」ことの重要性、異価値に対する柔軟さの必要性などを指摘し、コミュニケーション能力を高める様々なヒントを提示しています。
中西 雅之 氏


どうして本書がベストセラーになったのか、読み終えて(途中から通読になってしまった)今ひとつピンとこなかったのですが(でも家人は読んで「続編」ともいえる『頭がいい人、悪い人の<言い訳>術』という本まで買った)、よくよく考えると、方法論的な何かを得るというよりも、読み手によってはカタルシス効果のようなものがあるのではないかと思った次第です。"充分なカタルシス効果"を得るための、本書の「使用書」と「注意書」を皮肉を込めてを付けるとすれば、こうなるのでは...。
山田ズーニー氏(略歴下記)
ちょっと引き気味になりそうなタイトルですが、読んで見るとなかなかでした。

著者はドイツ人で、大学で心理学を学び、今はコミュニケーショントレーナーであるということですが、タイトルに惹かれた人が多かったのか、かなり売れた本です。
鬼才コラムニストとして知られる著者が「危険な」と冠するからには一体どんな内容かと思いきや、技術論よりも、文章を書く際に邪魔になる囚われから読者を解き放つことに主眼を置いた真面目な文章論でした。「批判」と「悪口」の違いを述べた部分など、啓蒙書としての倫理性すら感じます。