「●文章技術・コミュニケーション」の インデックッスへ Prev|NEXT ⇒ 【158】 山田 ズーニー 『伝わる・揺さぶる!文章を書く』
全部を熟読すると、どうすればいいのか、かえってわからくなる。
『アタマにくる一言へのとっさの対応術』 ('00年/草思社) 『アタマにくる一言へのとっさの対応術 (SB文庫 ヘ 1-1)』 ['07年]
著者はドイツ人で、大学で心理学を学び、今はコミュニケーショントレーナーであるということですが、タイトルに惹かれた人が多かったのか、かなり売れた本です。
自分の意見を否定されたり相手から侮辱を受けたりし「アタマにきた」場合に、どう対応すれば良いかが、具体例と併せて数多く書かれていますが、大まかに分けて、無視して相手を空回りさせたり、話題を変えるなどして相手をはぐらかす方法と、我慢しないで、相手に対し一言ビシッと、できるだけ効果的な言葉で言い返す方法、があるということでしょうか。
その場で即、「言葉」による対応をすることで自分を護る、という点が西洋的で、「はぐらかし」というのは、彼らにとっては一種の応用形なのかも。
日本人は「はぐらかし」てばかりで、外国人から嫌われている気もしますが...。
でも、「どうしていいかわからなくなったら黙りこむ」とも書かれていて、全部を熟読すると、かえって、どうすればいいのかわからなくなってしまうような本でもあるような気もします。
そこで、もっと理解を深めようと、『グサリとくる一言をはね返す心の護身術』('02年/草思社)などの続編までも買ってしまうのかなあ(家の本棚にいつの間にか?ある)。
個人的に思うのは、自分に一点の非も無ければ、比較的ゆとりを持って対応できるだろうし、相手の指摘で自分の方の筋に自信が持てなくなるとイライラ度が増すのではないかとも思うのですが、この本は、一応自分はまったくもって正しいという前提で書かれているようです。
【2007年文庫化〔SB文庫(ソフトバンク クリエイティブ )〕】