【3677】 ○ ルイ・マル 「ビバ!マリア」 (65年/仏・伊) (1966/04 ユナイテッド・アーティスツ) ★★★☆

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ルイ・マルの冒険活劇コメディ。「鬼火」があったからこそ撮られたセラピー的作品。女性讃歌。

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ビバ、マリア [DVD]」ブリジット・バルドー/ジャンヌ・モロー
ビバ!マリア02.jpg アイルランドの刑務所で生まれたマリー(ブリジット・バルドー)は、アナーキストの父のもとで幼い頃からテロ活動を続けてきた。中米での作戦中に父を亡くし、ひとりで逃亡生活を始めた彼女は、ある旅芸人一座に遭遇。一座の花形である歌手マリア(ジャンヌ・モロー)は、同じ名を持つコンビの相方を亡くしたばかりだった。一座はマリーをスペイン語式に「マリア」と呼んでペアを復活させ、2人はたちまち人気者となる。悪政に耐えかねた民衆の不満が高まるなか、一座は偶然にも革命軍を率いるフローレス(ジョージ・ハミルトン)と出会うが、やがてフローレスは銃弾に倒れてしまう。2人のマリアはフローレスの遺志を継ぎ、壮絶な戦いに身を投じていく―。

ビバ!マリア03.jpg 1965年公開の、ルイ・マル監督がブリジット・バルドーとジャンヌ・モローを主演とし、革命に揺れる20世紀初頭の中米を舞台に、同じマリアという名を持つ2人の女性の活躍をアクション映画や西部劇のパロディ満載で活写したコメディ。ルイ・マル監督による冒険活劇コメディというのが意外ですが、「鬼火」('63年)完成後、スタッフ間に蔓延していた自殺願望、厭世的な雰囲気を一掃すべく、ルイ・マルが異国情緒豊かな中南米を舞台にしたコメディを構想したのがこの作品だそうです(それにしても「鬼火」の影響力、スゴイ。「鬼火」があったからこそ撮られた、ある種セラピー的な作品とも言える)。

 ルイ・マル監督は一応、「地下鉄のザジ」('60年)のようなコメディ色の濃い作品も前に撮っていることは撮っています。フィリップ・ド・ブロカ監督、ジャン=ポール・ベルモンド出演の南米を舞台にした活劇コメディ「リオの男」('64年)が公開された翌年の作品でもあります。

ビバ!マリア01.jpg ブリジット・バルドー演じるマリーは元々はIRAの戦士みたいですが、ひょんなことから旅芸人の一座に加わり、ジャンヌ・モロー演じる踊り子マリアと共に、ストリッパーとして2人で客を沸かせるという流れは、当時31歳のブリジット・バルドーを迎え撃つ当時37歳ジャンヌ・モローという感じもしなくはないですが、16週間もの長く厳しい撮影期間を通して2人の間には戦友意識が生まれ、この作品で生涯の盟友となったそうです。

ビバ!マリア07.jpg 元々は戦いなどに興味のなかったジャンヌ・モローの演じるマリアが恋に落ち、いつの間にか立派な闘争集団のドンになる流れと、そこに手を貸す元バリバリの反体制派テロリストのブリジット・バルドー演じるマリア(元マリー)。女性の力が男性を凌駕するものとして描かれている作品であり(タイトルそのものが女性讃歌)、ルイ・マルらしいと言うよりジャンヌ・モローらしいと言えるかもしれません。ジャンヌ・モローはこの作品で「英国アカデミー賞海外女優賞」を受賞し、ブリジット・バルドーもノミネートされました。


 ジャンヌ・モローが恋に落ちる闘争集団のリーダーを演じているのは、様々な女優と浮名を流したプレイボーイとして知られる米国俳優のジョージ・ハミルトン(1939年生まれ)(この映画は仏・伊合作映画だが、米国資本で製作されている)。後に「ドラキュラ都へ行く」('79年)のようなコメディ映画にも出ていて、映画でも実生活を地でいくキザでニヤけたジゴロ役が多い俳優ですが、この「ビバ!マリア」では、革命の道半ばで斃れ、ジャンヌ・モローに後を託すというシリアスな役柄。全編ドタバタではなく、シリアスなところはシリアスに作っているのが功を奏しています。

 BB(バルドー)の健康的なセクシーさとジャンヌ・モローの知的な美しさの対照、2人が歌って踊るショーシーン、馬に乗ってのアクション、ピエール・カルダンが担当した衣装など、愉しみどころ盛沢山ですが、しかし、この映画は一体何人エキストラを使ったのだろうか。火薬の量ビバ!マリアb1.jpgも半端じゃないね。どうしてもルイ・マル監督作というイメージが湧かない(笑)。


ビバ!マリア06.jpg「ビバ!マリア」●原題:VIVA MARIA!●制作年:1965年●制作国:フランス・イタリア●監督:ルイ・マル●製作:オスカル・ダンシヘルス●脚本:ルイ・マル/オスカル・ダンシヘルス●撮影:アンリ・ドカエ●音楽:ジョルジュ・ドルリュー●時間:122分●出演: ジャンヌ・モロー/ブリジット・バルドー/ジョージ・ハミルトン/クラウディオ・ブルック/カルロス・ロペス・モクテズマ/ポーレット・デュボスト●日本公開:1966/04●配給:ユナイテッド・アーティスツ●最初に観た場所:新宿武蔵野館(24-10-01)(評価:★★★☆)

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