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記念すべき第1話は2つの事件を扱う拡大版。第2話でいきなり変化球。

「名探偵モンク シーズン1 バリューパック [DVD]」第1話「狙われた市長候補」"Mr. Monk and the Candidate"/第2話「第一発見者は超能力者」"Mr. Monk and the Psychic"
第1話「狙われた市長候補」
サンフランシスコ市警の名刑事だったモンクは、ある事件以来、極度の神経症のため3年間の休職を余儀なくされながらも、犯罪コンサルタントとして怪事件の解決に貢献していた。ある日、サンタクララで起きた女性の殺人事件のコンサルタントを頼まれたモンクは、シャローナと一緒に犯罪現場を訪れ、犯人の特徴を言い当てる。その後自宅に戻ってきたモンクだが、サンフランシスコ市長選挙の候補者の一人ワレン(マイケル・ホーガン)が演説中に暗殺未遂に遭い、ボディガードが殺される。事態を重く見た助役から捜査の協力を頼まれ―。
「狙われた市長候補」は、2002年7月スタートのシーズン1(全13話)(日本ではNHK-BS2で2004年3月からレギュラー放送を開始したが、シーズン1については2003年6月から「モンク」のタイトルでビデオレンタルとしてVol.1〜6(全13話)が出されていた)の記念すべき第1話であり、前後編から成る拡大版で、内容的にも2つの事件を扱うものになっています。
この頃は、モンクが警察官への復職を強く望み、一方で元上司のストットルマイヤー警部や元同僚のディッシャー警部補はモンクの異常な潔癖ぶりに彼をややお荷物のように感じている面もあった感じです。モンクは、そうして元上司・同僚に疎まれながらも難事件・怪事件を解決していくというパターンが主でしたが、やがてストットルマイヤー警部などはだんだんモンクを頼りにするようになっています。
市長選挙の候補者暗殺未遂事件の謎解きが見事です。関係者を調べていくと暗殺者を雇って流れ弾で護衛の方を殺したのではないかと考え、事件時にビル街にも関わらず発砲音のあった方向から狙撃手のいた場所を言い当てた選挙参謀がどうやら怪しいと―。結局、モンクはこの事件を解決して、以来、市長から直接指名で事件捜査に当たるよう要請があったりするようになったわけです。
第2話「第一発見者は超能力者」
警察本部長のアシュコム(ジョン・ブルジョワ)の妻、キャサリンが行方不明に。アシュコムは記者会見を開き、妻に呼びかける。モンクはトゥルーディのことを思い出し、捜査の解決に協力を申し出る。ところがその後、事件は急展開を迎える。霊能者のドリー(リンダ・キャッシュ)がある朝目を覚ますとがけの下におり、そこにはキャサリン・アシュコムの死体が。ドリーはキャサリンの霊に招かれたと言うが、モンクは到底信じることができない。やがてモンクはアシュコムが犯人だと確信するが、一体なぜドリーが第一目撃者に選ばれ、そして何のために夫人は殺されたのか?
「第一発見者は超能力者」は、シーズン1第2話にしてかなりコメディ的要素が強まった印象です。でも、ミステリとしてもまずまずでした。犯人が夫で市警本部長アシュコムであることも、妻を殺害する手口も冒頭から明かされていて、本題となる謎は、どのような理由で死体発見の霊能力者を絡ませたかということでした。
モンクならずともドリーの霊能力なるものがインチキだとは誰もが思うわけですが(シャロローナは信じている風。過去に実績もあったというが偶然か)、彼女がどうして死体の第一発見者になり得たのかが(これが事件解決のカギになるわけだが)どうしても分かりませんでした。
結局、犯人は彼女の霊能者としてもっともらしく振舞う性質を利用したわけで、ただ、死体発見後の彼女のどや顔的な振る舞いはともかく、犯人が彼女を現場に導くまでが計画犯罪としてはかなり不確定要素が大きいようにも思いました。
最後、ドリーも超能力なんてデタラメだと自ら告白し、捜査に協力するのが可笑しいです。悪い人じゃないということですね。「刑事コロンボ」や「古畑任三郎」と同じく倒叙ミステリーでしたが、これはシリーズ全体の中では少数派であり、ある意味、第2話にしていきなり変化球できたとも言えるかと思います。
「名探偵モンク(第1話)/狙われた市長候補」(Season1 | Episode 1・2)●原題:Mr.MONK and the CANDIDATE●制作年:2002年●制作国:アメリカ●本国放映:2002/07/12●監督:ディーン・パリソット●脚本:アンディ・ブレックマン●時間:86分●出演:トニー・シャルーブ/ビティ・シュラム/テッド・レヴィン/ジェイソン・グレイ=スタンフォード/(ゲスト)マイケル・ホーガン/ベン・バス●日本放映:2004/03/30●放送:NHK-BS2(評価:★★★★)
「名探偵モンク(第2話)/第一発見者は超能力者」(Season 1 | Episode 3)●原題:Mr.MONK and the PSYCHIC●制作年:2002年●制作国:アメリカ●本国放映:2002/07/19●監督:ケビン・インチ●脚本:ジョン・ロマノ●時間:43分●出演:トニー・シャルーブ/ビティ・シュラム/テッド・レヴィン/ジェイソン・グレイ=スタンフォード/(ゲスト)リンダ・キャッシュ/ジョン・ブルジョワ●日本放映:2004/04/06●放送:NHK-BS2(評価:★★★☆)
●「名探偵モンク」エピソード別IMDbレーティング(評価)



老人ホームで暮らしていた男性長寿世界一のホリング(パトリック・クランショー)が、115歳の誕生日直前に死ぬ。以前、彼を取材したことがあるーランド警部の妻でドキュメンタリー映画監督のカレン(グレン・ヘドリー)は、彼のクセを熟知し
ていて、ベッドで亡くなったのは、誰かに殺されたからだと言う。捜査を頼み込むカレンに警部は、モンクが殺人だと言えば捜査をすると言い、渋々モンクを現場に派遣するが、警部の意に反してモンクは他殺説を支持する。そこで遺体を掘り起こして検死解剖すると、死因は窒息死だった。この件で妻と喧嘩になった警部は、モンクの家に転がり込むことに―。
115歳の老人の殺人事件の犯人は誰かという話ですが、ストットルマイヤー警部が奥さんと夫婦喧嘩してモンクの家に転がり込んできたサブストーリーの方がメインになっている印象が強く、邦題もそれに沿ったものとなっています。しかし、夜中にいきなり掃除を始めるとはモンクらしいけれど、同居人にすればさすがに文句も言いたくなる? 結局、これに我慢しきれなくなった警部は、最後は自ら奥さんのところに戻ることになり、モンクにお前は最高に結婚生活カウンセラーだと言い放つのが可笑しいです。
また、警部は、奥さんが老人の死が他殺であると主張するのに対し、自分はそれが見抜けなかったことで自信喪失になっていましたが、最後は奥さんのドキュメンタリーのビデオを見てモンクに先んじて犯人を推察するという、この辺りの自信回復に至る作りも上手いです。更には、すべてが整然としてしているモンクの家で、リビングのテーブルだけが椅子と平行になっていない(むしろ警部の方がそのことが気がかりになっている)、その謎が最後に明かされるのも良かったです(評価★★★★)。
シャローナはモンクを連れて、妹で女優のゲイル(エイミー・セダリス)の舞台を観に来ていた。だが、劇中でゲイルが相手俳優ハルをナイフで刺す場面で、倒れたままのハルは目撃者300人の観客の前で死亡が確認される。最近、交際していたハルに振られたゲイルは、殺人容疑者として拘束されてしまう。娘の芝居を観ようとフロリダからやって来たシャローナ姉妹の母親シェリル(ベティ・バックリー)から捜査の依頼を受けたモンクは、ゲイルの代役として準備万端の様子で張り切るジェナ(メリッサ・ジョージ)に違和感を覚える―。
モンクが殺害された俳優のピンチヒッターで舞台に立つことになるなど、変わった趣向で面白かったです。ライバル女優を殺害するのではなく、その元恋人を殺害してその女優に容疑を被せるというのが凝っていて、どうやって犯行に及んだのかと思ったら、共犯者がいたというのも意外でした。でも、300人の観客の前であのような犯行が実際可能なのかと、ふと思ってしまいました(評価★★★)。
「名探偵モンク(第18話)/同居人に文句あり」(Season 2 | Episode 5)●原題:MR. MONK AND THE VERY, VERY OLD MAN●制作年:2003年●制作国:アメリカ●本国放映:2003/07/25●監督:ローレンス・スリリング●脚本:ダニエル・ドラッチ●時間:44分●出演:トニー・シャルーブ/ビティ・シュラム/テッド・レヴィン/ジェイソン・グレイ=スタンフォード/(ゲスト)グレン・ヘドリー/パトリック・クランショー●日本放映:2004/08/10●放送:NHK-BS2(評価:★★★★)
「名探偵モンク(第19話)/スター誕生」(Season 2 | Episode 6)●原題:MR. MONK GOES TO THE THEATER●制作年:2003年●制作国:アメリカ●本国放映:2003/08/01●監督:ロン・アンダーウッド●脚本:ウェンディー・マス/スチュー・リーヴァイン/トム・シャープリング●時間:44分●出演:トニー・シャルーブ/ビティ・シュラム/テッド・レヴィン/ジェイソン・グレイ=スタンフォード/(ゲスト)エイミー・セダリス/ベティ・バックリー/メリッサ・ジョージ●日本放映:2004/08/17●放送:NHK-BS2(評価:★★★)

GPSカーナビの入力先とは違う、見知らぬ工場団地駐車場に誘導された大富豪ローレンスと妻エリン。そこでエリンは銃弾4発を撃ち込まれ、ローレンスも撃たれ、「具はチリ・エビ15枚のピザ」という謎の言葉を残して息絶える。遺体発見時、車にカーナビは無かった。警察はローレンスを狙った犯行だと主張するが、モンクは妻が標的だと断言。彼女がプロ野球のスター
選手スコット(クリストファー・ウィール)と不倫関係にあったことを突き止め、彼に会いに行くが―。
野球選手と心を通わすモンクというのが珍しいですが、愛する者を喪った者同士ということで(野球選手の方は不倫相手なのだが)、もの悲しくもあります。ホームランボールの話が出てくるのはモンクが犯人が誰だか気づく最終盤であり、日本語タイトルはイマイチかも。犯人の殺人の動機としてもやや牽強付会と言うか、確実性は必ずしも高くないかもしれません(評価★★★☆)。
レストランのオープンテラスで食事をしていたセルゲイが、建物の避難ハシゴから飛び降りてきた人物に撃たれて死亡。犯人はテーブルに飛び乗り、派手な宙返りをして逃げ去る。被害者がサーカス団員だったことから、モンクらは町へ来ているサーカスへ事情聴取に向かう。セルゲイが殺害された際同席していた女性は、犯人は彼の嫉妬深い元妻で軽業師のナターシャだと告げる。モンクはナターシャが犯人だとにらむが、2週間前に骨折した彼女に犯行は不可能だった―。
面白かったです。凝っていると思いました(ロマって現代医療を拒否しているのか。そういえばナターシャはテントでジプシーカード占いみたいなことしてたなあ)。ただ、このシリーズにしては珍しくエグい殺人のシチュエーションがあり、実際にそのシーンは映してませんが、その前のゾウのスイカ割りのシーンでモンタージュ効果十分。あれではシャローナはますますゾウ恐怖症になってしまうのではないかなあ(自分を撥ねようとしたクルマの前に立ちふさがってくれただけでは治らない?)。それと、賢い犯人が犯行に使った小道具を"現場"にそのままにしておくとは考えにくく(普通は即回収するでしょう)、サーカスに関係するシーンが本格的だっただけに、そこが惜しかったでしょうか(評価★★★☆)。
「名探偵モンク(第16話)/ホームランボールの謎」(Season 2 | Episode3)●原題:MR. MONK GOES TO THE BALLGAME●制作年:2003年●制作国:アメリカ●本国放映:2003/07/11●監督:マイケル・スピラー●脚本:ハイ・コンラッド●時間:43分●出演:トニー・シャルーブ/ビティ・シュラム/テッド・レヴィン/ジェイソン・グレイ=スタンフォード/(ゲスト)クリストファー・ウィール/レイン・ウィルソン●日本放映:2004/07/06●放送:NHK-BS2(評価:★★★☆)
「名探偵モンク(第17話)/宙を舞う殺人者」(Season 2 | Episode4)●原題:MR. MONK GOES TO THE CIRCUS●制作年:2003年●制作国:アメリカ●本国放映:2003/07/18●監督:ランドール・ジスク●脚本:James Krieg●時間:43分●出演:トニー・シャルーブ/ビティ・シュラム/テッド・レヴィン/ジェイソン・グレイ=スタンフォード/(ゲスト)ロリータ・ダヴィドヴィッチ●日本放映:2004/07/13●放送:NHK-BS2(評価:★★★☆)

としてのモンクのポジションが安定し、違和感なく事件に関わるようになってきます(モンクの哀愁は妻の事件が絡む時に集約されるようになったが、細部へのこだわりの方はむしろ強くなった?)。2003年6月スタートの第2シーズンでは、モンクの才能全開という感じでしょうか。因みに、モンク役のトニー・シャルーブは2003年にゴールデングローブ賞コメディシリーズ部門、エミー賞コメディ部門で共に主演男優賞を受賞しています(エミー賞コメディ部門主演男優賞は2005年・2006年度も受賞)。
モンクはリーランド・ストットルマイヤー警部(テッド・レヴィン)の依頼で、亡き妻トゥルーディの母校で転落死した教師ベスの調査に当たる。ベスは化学教師フィル
ビー(アンドリュー・マッカーシー)と不倫関係にあり、モンクはフィルビーが殺害したと確信するが、彼にはその時間には授業をしていたという完璧なアリバイがあった。モンクが代理教師として学校へ入り込み捜査を続ける中、第二の不審死が発生。モンクは二件ともフィルビーの犯行だと考えるが―。
すというのはある種パターンであるし、時計台の時計の針を使ったトリックというのもありそうだし、証拠物件をわざと放置して、それをエサに犯人をおびき寄せるというのも「刑事コロンボ」などでもありましたが、それらを自然に組み合わせているのが上手いと思います。市長から捜査の協力依頼がくるということから、モンクの評価は定着していることを窺えます。モンクのキャラクターも確立し、モンクを馬鹿にした生徒に詰め寄るシャローナ(ビティ・シュラム)などのキャラも相変わらずいいです。安定感のある第2シーズンのスタートといった感じでしょうか(評価★★★★)。
休暇中に訪れたメキシコでスカイダイビングを無料体験した米国人学生チップが、地面に激突。しかし、検死結果は溺死だった。チップの父親が友人のサンフランシスコ市長に相談したことから、モンクが現地に派遣される。事件の鍵を握る人物を探しに来たホテルで、手掛かりを得るモンクとシャローナ。だが、酒豪の
シャローナは学生たちと羽目を外してしまい、モンクは単独で捜査を続行。翌日、二日酔いのシャローナのもとに思わぬ訃報が舞い込む―。
にすがりつくのが可笑しいですが、それ以上に可笑しかったのが、ストットルマイヤー警部が、モンクがメキシコで死んだという連絡を受けて警察葬をすると言い、ディッシャー警部補(ジェイソン・グレイ=スタンフォード)が警官でないから出来ないと言うと、それが出来ないなら自分は辞めるとまで言った矢先、実はそれは誤報でモンクは生きていると分かり、その途端に「アイツなんか大嫌いだ」と言い放つのが可笑しかったです。シャローナが、殺害されたのはモンクではなかったことに気づくところもいいです。モンクにとって、メキシコに着いた矢先に衣類から何から荷物を全部盗まれたという災難が、逆に命拾いすることに繋がったという作りも上手いし、「ライオンに噛まれて亡くなった男」の事件の挟み込み方も上手。フーダニット色が強く、これも愉しめました(評価★★★★)。
「名探偵モンク(第14話)/時計台の殺人」(Season 2 | Episode 1)●原題:MR. MONK GOES BACK TO SCHOOL●制作年:2003年●制作国:アメリカ●本国放映:2003/06/20●監督:ランドール・ジスク●脚本:デイビット・ブレックマン/Rick Kronberg●時間:44分●出演:トニー・シャルーブ/ビティ・シュラム/テッド・レヴィン/ジェイソン・グレイ=スタンフォード/(ゲスト)アンドリュー・マッカーシー/デヴィッド・ラッシュ●日本放映:2004/06/22●放送:NHK-BS2(評価:★★★★)
「名探偵モンク(第15話)/空からの水死体」(Season 2 | Episode 2)●原題:MR. MONK GOES TO MEXICO●制作年:2003年●制作国:アメリカ●本国放映:2003/06/27●監督:ロン・アンダーウッド●脚本:リー・ゴールドバーグ/ウィリアム・ラブキン●時間:43分●出演:トニー・シャルーブ/ビティ・シュラム/テッド・レヴィン/ジェイソン・グレイ=スタンフォード/(ゲスト)マイケル・B・シルヴァー●日本放映:2004/06/27●放送:NHK-BS2(評価:★★★★)





ワイナリー経営者エイドリアン・カッシーニ(ドナルド・プレザンス)のもとへ、腹違いの弟でワイナリーのオーナー(父親からの相続人)であるリック(ゲイリー・コンウェイ)がやって来て、金が要るのでワイナリーを売却すると言う。ワイナリーに人生を捧げてきたエイドリアンは、そんなことはさせないとリックと口論になり彼の後頭部を一撃、床に倒れ意識を失ったリックをワイン貯蔵庫に運び、ロープで手足を縛って、空調装置のスイッチをオフにした。やがてリックは窒息死するはずである―。
「刑事コロンボ」シリーズ第19話で、シリーズの中でも傑作との呼び声が高い作品ですが、犯行が衝動的なものであるため、犯行後の犯人のアリバイ工作が咄嗟にしてはそれなりに冷静に練られたものではあるものの、コロンボの手に掛かれば穴が多いものにならざるを得なかったような...。では、なぜこの作品の評価が高いかというと、ワイン通である犯人が、常人では判別できないワインの劣化を言い当てることで、自らが犯人であることの疑いを強めてしまうといったストーリーの旨さもさることながら、やはり多くのファンが指摘するように、捜査の進展とともに犯人とコロンボの関係がワインを通して深まっていくところにあるのでしょう。
ラストも、第1シーズンによく見られた意外なネタ明かしと突然のエンディングという終わり方ではなく、コロンボが観念した犯人を乗せた愛車プジョーを犯人のワイナリーの前に止めて、自分が選んでおいたワインを取り出し(この頃にはコロンボも勉強の甲斐あってすっかりワイン通になっている)、車中で犯人と杯を交えるという余韻を残したものとなっています。

映画「大脱走」('63年/米)の名脇役ドナルド・プレザンス(1919‐1995/享年75)(「
それで思い出したのが、「刑事コロンボ」と同じく「ホームズ型」のドラマで、潔癖症の元刑事エイドリアン・モンクが活躍する「名探偵モンク」の第7シーズン(日本放映では第6部)第6話「悲恋」(通算・第99話)でした。
なお、刑事コロンボのシリーズ作中、この第19話「別れのワイン」と同じく、犯人が被害者を密室に閉じ込めて窒息死させるという殺害方法の
ものに、第41話「死者のメッセージ」があります。70歳を超えた今も第一線で活躍するアビゲイル・ミッチェルという人気女流ミステリ作家が、「ヨット事故で亡くなった姪」の夫エドモンドを殺害したもので、ミステリ作家としての鋭い勘で姪がエドモンドが姪を殺害したと推理したアビゲイル・ミッチェルが、その復讐を果たすというもの(アビゲイル・ミッチェル役のルース・ゴードンはシリーズ最高齢の犯人役を演じたことになり、自身、本作制作時には80歳を超えていた)。こちらで被害者が閉じ込められるのは、ワインセラーではなく金庫室です。
このエピソードの中で、コロンボがアビゲイル・ミッチェルの講演会に顔を出したところいきなり振られてスピーチをすることになり、その中で「時には殺人犯を尊敬し、好意を抱くこともある」と述べていますが、これはまさにアビゲイル・ミッチェルを指しているともとれます。アビゲイル・ミッチェルもそのことを察してか、コロンボに自らの犯行を突き詰められた際に、自分は年寄りだから見逃してくれないかと懇願しますが、コロンボは、「あなたもプロなら私もプロなのでそれは出来ない」と言います。この辺りも、「別れのワイン」や名探偵モンクの「悲恋」に通じるものがあるように思いました。作品の雰囲気はいいのですが、被害者のダイイング・メッセージが見つからない可能性が高いよう思われ(或いは逆にコロンボより先に犯人が見つけてしまう可能性もあるため)、個人的評価はその分やや引いて星3つ半としました。
「刑事コロンボ(第19話)/別れのワイン」●原題:ANY OLD PORT IN A STORM●制作年:1973年●制作国:アメリカ●監督:レオ・ペン●製作:ロバート・F・オニール●脚本:スタンリー・ラルフ・ロス●ストーリー監修:ジャクソン・ギリス●音楽:ディック・デ・ベネディクティス●時間:95分●出演:ピーター・フォーク/ドナルド・プレザンス/ジュリー・ハリス/ジョイス・ジルソン/ゲイリ
ー・コンウェイ/ダナ・エルカー/ロバート・エレンスティーン/リジス・コーディック/ヴィト・スコッティ/モンテ・ランディス/リード・スミス/ロバート・ウォーデン/モンテ・ランディス/マイケル・ラリー●日本公開:1974/06●放送:NHK(評価:★★★★)

「名探偵モンク(第99話)/悲恋」(Season 7 | Episode 6)●原題:MR. MONK FALLS IN LOVE●制作年:2008年●制作国:アメリカ●本国放映:2008/08/22●監督:アーリーン・サンフォード●脚本:ジョッシュ・シーガル/ディラン・モーガン●時間:41分●出演:トニー・シャルーブ/トレイラー・ハワード/テッド・レヴィン/ジェイソン・グレイ=スタンフォード/(ゲスト)ジョアンナ・パクラ/ジェイムス・ゴメス/クリスティーナ・アナパウ●日本放映:2009/05/11●放送:NHK-BS2(評価:★★★★)
「刑事コロンボ(第41話)/死者のメッセージ」●原題:TRY AND CATCH ME●制作年:1977年●制作国:アメリカ●監督:ジェームズ・フ
ローリー●製作:リチャード・アラン・シモンズ●脚本:ジーン・トンプソン/ポール・タッカホー●原案:ジーン・トンプソン●撮影:デッド・ヴォイトランダー●音楽:パトリック・ウィリアムズ●時間:73分●出演:ピーター・フォーク/ルース・ゴードン/マリエット・ハートレイ/G・D・スプラドリン/チャールズ・フランク●日本公開:1978/04●放送:NHK(評価:★★★☆)


