【3586】 ○ アンリ・カルティエ=ブレッソン 『アンリ・カルティエ=ブレッソン (ポケットフォト) (2010/05 創元社) ★★★★

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このシリーズ、持ち運びができていい。日常の一コマが芸術になるカルティエ=ブレッソンの妙。

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アンリ・カルティエ=ブレッソン(ポケットフォト) (POCKET PHOTO)』['10年]
 写真家の代表作ほか、解説文や年譜、参考文献といった資料的な情報をハンディサイズに収めた創元社の「ポケットフォト」シリーズの1冊で、このシリーズは本書の他に、ウォーカー・エヴァンス(米国出身の記録写真家)、マン・レイ(米国出身の写真家・画家・彫刻家・映画監督)、ヘルムート・ニュートン(ドイツ出身の写真家)、ロバート・キャパ(ハンガリー出身の報道写真家)、ドン・マッカラン(英国出身の報道写真家)、マグナム・フォト(写真家集団)、荒木経惟(日本からただ一人)、ルイス・キャロル(あの『不思議な国のアリス』の)、ビル・ブラント(ドイツ出身の英国の写真家)、アンドレ・ケルテス(ハンガリー出身の写真家)、サラ・ムーン(フランス出身の女流写真家)の全12冊あり、アンリ・カルティエ=ブレッソンからヘルムート・ンユートンまでの4冊が第1期です(トータルディレクションは、サラ・ムーンの夫で、巨匠たちからの信頼も厚いとされるディレクター、ロベール・デルピール)。

アンリ・カルティエ=ブレッソン (ポケットフォト)04.jpg アンリ・カルティエ=ブレッソン(1899-1984)は、激変する世界の国々を訪れ、その歴史的な「決定的瞬間」をカメラに収めたの写真家です。他の写真家の写真集もそうですが、アンリ・カルティエ=ブレッソンの写真集も大判のものが多く、それに対して本書は、手軽に持ち運びができていいです。63点を所収し、右ページを写真に使い、左ページは余白になっていて、下部左にタイトルや撮られた場所、撮影年が記されています。点数自体はそう多くはないですが、「決定的瞬間」の象徴的作品である「サン=ラザール駅裏」など代表的写真を収め、アンリ・カルティエ=ブレッソンのエッセンスが詰まっているとも言えます。

アンリ・カルティエ=ブレッソン (ポケットフォト)05.jpg それと、前の方はパリを始め、フランスやスペイン、ヨーロッパ各地で撮られた写真が多アンリ・カルティエ=ブレッソン (ポケットフォト)06.jpgいですが、後半になると、中国やインド、アメリカやメキシコなどで撮られたものもあり、世界の国々を訪ねた痕跡が見られます。日本で撮られたものも一葉あり、東京で開かれた自身の写真展で来日した際に撮ったものと思われ、タイトルは「歌舞役者の葬儀」(1965)。この時5カ月くらい日本に滞在していたらしいですが、葬儀の写真が選ばれているのが興味深く思われました(選んだのはロベール・デルピールか)。
  
 アンリ・カルティエ=ブレッソンは小型カメラのライカを手に街中を歩きまわって、日常の一コマを撮影していたそうで、被写体にポーズを取らせて撮影したり、写真のために作り上げた対象を撮影したりするというスタイルではないのです。それでいて、そうして撮られた写真が完璧な構図になっているのがまさに「決定的瞬間」であり、普段の暮らしや日常の一瞬を切り取っただけのものが芸術となるところに作品の妙があるのではないかと思います。

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