【1464】 △ 松森 健 (脚本監修:石原慎太郎)「これが青春だ! (1966/12 東宝) ★★★

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石原慎太郎の脚本監修。意外と素直な高校生よりは、併映の"エビラ"の方がインパクトあった?

これが青春だ.jpg これが青春だ! vhs.jpg これが青春だ! 1シーン.jpg  これが青春だ! シネマヴェーラ渋谷.jpg
「これが青春だ!」ポスター/VHS(絶版)['66年/カラ―]/2009年「シネマヴェーラ渋谷」再映時チラシ

これが青春だ 夏木陽介.jpg 森山高校に赴任してきた由木(夏木陽介)は型破りの熱血漢。授業では教科書を使わず、職員室では歯に衣着せぬ物言いで教師たちを驚かせる。生徒からの人気はうなぎ上りで、女生徒達は次々と由木に熱を上げる始末。そんな中、部員の成績悪化で廃部寸前のラグビー部を救うため、由木は奮闘するのだが―。(「シネマヴェーラ渋谷」2009年再映時のチラシより)
    
青春とはなんだ2.jpg青春とはなんだ 1.jpg 日本テレビ系で1965年10月から翌年11月まで放送されていたテレビドラマ「青春とはなんだ」を映画化したものです。テレビドラマ版は当時まだ白黒で、映画「これが青春だ!」はカラーであり、ドラマの監督をしていた松森健(1928-2016)の初映画監督作品です(主演もドラマと同じく夏木陽介、役名は野々村健介だったのが映画では由木真介となった)。因みに、ドラマの原作は石原慎太郎の同名小説であり、テレビドラマ放送青春とはなんだ 石原慎太郎3.jpg開始の3カ月前に舛田利雄監督、石原裕次郎主演で「青春とはなんだ」('65年/日青春とはなんだps.jpg活)として映画化されています。そのため、東宝映画の方は「青春とはなんだ「青春とはなんだ」映画.jpg」という既に日活で使われたタイトルではなく、「これが青春だ!」になったものと思われます。映画脚本はドラマのメインライターだった須崎勝弥、映画では石原慎太郎は"脚本監修"となっています(ドラマの方も好評のため延長となった第3クール第27話からは原作を離れたオリジナル・ストーリーになり、石原慎太郎は"脚本監修"となっている)。 『青春とはなんだ (1965年)
映画「青春とはなんだ」('65年7月/日活)石原裕次郎/十朱幸代/太田博之
     
これが青春だ tv.jpgこれが青春だ 竜雷太.jpg 1966年11月からは、学園ドラマシリーズの第2弾として竜雷太主演(夏木陽介が映画出演でテレビの方に出られなくなったための抜擢)の「これが青春だ」がスタートしており(「竜雷太」の芸名は、このドラマの役名「大岩雷太」から付けた)、何だかややこしいですが、こっちは"ラグビー部"ではなくて"サッカー部"が舞台になっています。"ラグビー部"が舞台の映画のタイトルは「これが青春だ!」と最後に"!"がつきますが、"サッカー部"が舞台の竜雷太主演のテレビ版「これが青春だ」には"!"がつきません。

 映画の内容としては、森山高校の生徒と隣町との高校の番長(黒沢年男)グループとの争いが、「学ランのボタン狩徳光和夫 .jpgり」というのが時代を感じさせ(まるでイヴ・ロベールの「わんぱく戦争」('61年/仏)か)、結局最後は由木が間に入って両校のラグビー試合で決着をつけさせることにしたというのが、話が旨く出来過ぎているような気もしますが...(因みにTVドラマ「青春とはなんだ」の最終回もラグビー対決で、日テレ入社3年目の徳光和夫アナ(当時26歳)が実況中継をしている)。

『これが青春だ!』香代(演:酒井和歌子).jpg酒井和歌子_10.jpgこれが青春だ! 酒井和歌子.bmp 無理やりスナック勤めをさせられている相手高校の女生徒・香代を酒井和歌子が演じていて、実年齢も17歳と初々しく、この映画の第2弾とも言える松森健監督、夏木陽介主演の「でっかい太陽」('67年/東宝)でも、同じように相手高校の女子高生役で出ています(こちらも、「青春とはなんだ」酒井.jpg飛び出せ! 青春_3.jpg今度はラグビー試合ではなく"サッカー"対決で決着を図るという、競技種目を変えただけの鉄壁のワンパターン)。因みに酒井和歌子は、テレビ版では「青春とはなんだ」の 第13話「危険な年輪」の1話のみにやはり女子高生役で登場、6年後の村野武範主演の「飛び出せ!青春」(1972年2月-1973年2月)では教師役で準主演としてレギュラー出演しています。
「青春とはなんだ」 第13話「危険な年輪」(1966年1月16日)/「飛び出せ!青春」1972年2月-1973年2月)
酒井和歌子青春ドラマ.jpg


ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘 これが青春だ.gif「ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘」6.jpg 「これが青春だ!」は布施明の歌うテーマソングもヒットしましたが、正月映画として公開された当時の併映が「ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘」('66年/東宝)というのが凄かった気がします。一見反抗的に見えて意外と素直な面が多く見られた高校生らよりは、南海の暴れん坊"エビラ"の方がインパクトあったかも?

豊浦美子1.jpg勝子(岡田可愛)と順子(豊浦美子).jpg 尚、この映画に出ていた野村美子役の豊浦美子(同じ松森健監督の「空想天国」('68年/東宝)にも社長令嬢役で出演している)は、ドラマの中でも女子高生・山下順子役で松井勝子役の岡田可愛と共に人気を二分しますが、高校生役を演じながら実は当時22歳でした(まあ、TVドラマ「柔道一直線」('69~'71年/TBS)で近藤正臣は27歳で高校生を演じているが)。
菱見百合子2.jpg
岡田可愛/豊浦美子

 豊浦美子はその頃、「ウルトラセブン」('67~'68年/TBS)のアンヌ隊員役としてキャスティングされ撮影にも入っていましたが、「クレージーの怪盗ジバコ」('67年/東宝)に浜美枝と共に準主演級で出演することが決まり、東宝においては1期後輩にあたる菱見百合子(右)にアンヌ隊員の役が「代役」として転がり込んだとのことです。

iこれが青春だ!パンフ.jpg「これが青春だ!」(映画)●制作年:1966年●監督:松森健●製作:森田信●脚本:須崎勝弥●脚本監修:石原慎太郎●撮影:西垣六郎●音楽:いずみたく●主題歌「若い明日」歌:布施明(作詞:岩谷時子/作曲・編曲:いずみたく)●時間:92分●出演:夏木陽介/藤山陽子/団令これが青春だ!佐藤充.jpg子/佐藤允/黒沢年男/三木のり平/藤木悠/十朱久雄/田中春男/南都雄二/早崎文司/豊浦美子/岡田可愛/土田早苗/酒井和歌子/矢野間啓治/木村豊幸/関戸純方/柴田昌宏/大沢健三郎/井上これが青春だ! 映画1966 2.JPG博之/馬場添良一/布施明●公開:1966/12●配給:東宝 (評価:★★☆)●併映:「ゴジラ・エこれが青春だ! 映画1966 3.JPGビラ・モスラ 南海の大決闘」(本多猪四郎) 映画「これが青春だ!」パンフレット  

青春とはなんだ (1967年) (ロマン・ブックス)』/重版      
青春とはなんだ (1967年).jpg春とはなんだ    石原慎太郎  重版.jpg「青春とはなんだ」(テレビドラマ).jpg青春とはなんだ.jpg「青春とはなんだ」(テレビドラマ)●演出:松森健/出目昌伸/児玉進/高瀬昌弘●制作:岡田晋吉/中根敏雄/酒井知信●脚本:井手俊郎/須崎勝弥/浅川清道/田波靖男/倉本聰●音楽:いずみたく●主題歌「若い明日」歌:布施明(作詞:岩谷時子/作曲・編曲:いずみたく)●原作:石原慎青春とはなんだ 加東大介.jpg青春とはなんだ 藤山陽子.jpg青春とはなんだ「マーガレット」昭和40年21号.jpg郎(第27話以降は脚本監修)●出演:夏木陽介/藤山陽子/藤岡琢也/三遊亭金馬/名古屋章/加東大介/久保菜穂子/平田昭彦/十朱久雄/有島一郎/三井弘次/寺田農/豊浦美子/土田早苗/岡田可愛/矢野間啓治/木村豊幸/杉本哲章/藤木悠/十朱久雄/田崎潤/藤原釜足/寺田農●放映:1965/10~1966/11(全41回)●放送局:日本テレビ

「青春とはなんだ」(「マーガレット」1965(昭和40)年21号の表紙から)夏木陽介/藤山陽子/矢野間啓治/木村豊幸/岡田可愛/豊浦美子

夏木陽介 in「宇宙大怪獣ドゴラ」('64年/東宝)/「三大怪獣 地球最大の決戦」('64年/東宝)with 若林映子
夏木ドゴラ0.jpg 夏木「三大怪獣 地球最大の決戦」61.jpg

これが青春だ6.jpgこれが青春だ tvドラマ.jpg「これが青春だ」(テレビドラマ)●演出:松森健/児玉進/小松幹雄/竹林進/土屋統吾郎●制作:大木亀雄/岡田晋吉●脚本:須崎勝弥/田波靖男/倉本聰/井手俊郎●音楽:いずみたく●主題歌:布施明「これが青春だ」(作詞・岩谷時子/作編曲・いずみたく)●出演:竜雷太/岡田可愛/松本めぐ/木村豊幸/矢野間啓治/藤山陽子/結城美栄子/寺田農/沢村貞子/藤木悠/三井これが青春だ (1967年) 0_.jpgこれが青春だ tvテーマ.jpg弘次/西村晃/弓恵子/北島マヤ/堺駿二/渚健二/柏木由紀子/名古屋章/十朱久雄/寺田農●放映:1966/11~1967/10(全39回)●放送局:日本テレビ

これが青春だ (1967年)
これが青春だ~青春ドラマ テーマソング大全

木村豊幸/松本めぐみ/竜雷太/岡田可愛

 
松本めぐみ/加山雄三        松本めぐみ in「ズバリ!当てましょう」
松本めぐみ・加山雄三.jpg松本めぐみ ズバリ!当てましょう.jpg

松本めぐみ:1970年9月4日、「エレキの若大将」(1965年)で共演した加山雄三とロサンゼルスで結婚、それを機に芸能界を引退。

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夏木陽介(なつき・ようすけ)2018年1月14日、腎細胞がんで死去。81歳。

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