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語呂合わせによる記憶方法。"邪道"かもしれないが、個人的な相性は良かった。
『英単語連想記憶術〈第1集〉―心理学が立証した必須4000語の獲得 (青春新書)』 『英単語連想記憶術〈第2集〉―笑いながら獲得する必須3000語 (青春新書)』〔新版'98年〕(表紙イラスト:ウノカマキリ)
'74年に刊行されロングセラーとなった旧版『英単語連想記憶術』の、語彙数を増やし2色刷にした24年ぶりの改訂新版(「デラックス版」とのこと)ですが、旧版には自分が英単語の習得で周囲から遅れをとっていた時に、それにより一気に語彙数を挽回すること出来、大変お世話になったという思い出があります。
『英単語連想記憶術 (第1集) (青春新書)』旧版(1974年)
「sympathy 心配し同情する」、「insurance 飲酒は乱す、保険は遺族を保証する」といった語呂合わせによる記憶方法であり、森一郎の『試験にでる英単語』(こちらも'97年に改訂され、'02年にはCD付のものが出ている)が、語源、つまり単語を接頭語や接尾語などにパーツ分けして憶える方式をとっているのとは、暗記方法が根本的に異なります。
『英単語連想記憶術 (第2集) (青春新書)』 旧版(1974年)
ベストセラーとなった『試験にでる英単語』は、英単語をアルファベット順ではなく試験にでる順に並べたところが画期的であったと言えるでしょう。それに対してこちらは憶え方そのものが、言わば"連想丸暗記"方式で画期的であり、"邪道"と言われればそういうことになるのかもしれませんが、とにかく憶えてしまうことが目的という点では「連想」式の方が自分に合っていました(原語と語呂の間に発音記号が付されているので、発音上の問題はないと思う)。
『試験にでる英単語―耳から覚える』(2002年)
この『英単語連想記憶術』の改訂新版が出ていることは最近知ったのですが、ウノカマキリの表紙イラストまでほぼ同じで、2色刷りになったことを除いては「復刻版」と言ってもよいのでは。いったんこのやり方で憶えると、もうこの方式から逃れられない?と思いつつ、読み返してみると結構、元の語呂は忘れているのに単語の意味は頭に入っているものもあれば、あまり使わずに忘れてしまったものもあり、それでも、読み返しているうちに思い出し、特に小松慶司郎の挿絵と組対になっているものは、すぐに記憶が蘇ってきました(イラストは右脳を刺激するので記憶促進に有効であるという説は、ある程度当たっているように思う)。
改訂新版(「デラックス版」)は第1集が4,000語、第2集が3,000語とのことですが、これらは、見出し語だけでなく派生語や反対語も含んだ語彙数で、ただし、『試験にでる英単語』もそうですが、見出し語の中にも受験英語のレベルを超えたものがかなりあり、試験には出ないけれども、専門分野やビジネスの世界に進んでから結構出くわす単語も多く含まれているかと思います。