【231】 ○ 三谷 一馬 『江戸商売図絵 (1995/01 中公文庫) 《(1963/05 青蛙房)》 ★★★★

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江戸庶民の生活の息吹が感じ取れて楽しい図絵集。時代小説ファンにお薦め。

三谷一馬『江戸商売図絵』青蛙房 昭和38年発行.jpg江戸商売図絵8.JPG商売.jpg 三谷 一馬.jpg 三谷 一馬(1912-2005/享年93)
江戸商売図絵 (1963年)』青蛙房 『江戸商売図絵』中公文庫 〔95年〕
『江戸商売図絵』.jpg
 文庫本で600ページ以上ある江戸時代(中期以降)の「商売図鑑」で、店商売や物売りから職人や芸人まで数多くの生業(なりわい)の様を絵画資料から復元し、それぞれにわかりやすい、結構味のある解説を加えています。

 「紅屋」で"光る口紅"を売っていたとか、「髢屋」(かもじ=つけ毛・ウィッグ)とか、江戸時代の庶民は大いにお洒落を楽しんだ?
 「鮨屋」「鰻屋」「居酒屋」のように今の時代に引き継がれているものもありますが、「楊枝屋」「烏帽子屋」となると、店を構えた上でのこうした単品の商売が成立ったのが不思議な気もして、現代のスーパー・コンビニ社会から見ると驚くべき細分化ぶりです(「鳥屋」でペットと鳥肉を一緒に売っている図もありますが)。

江戸商売図絵 1975.jpg 物売りにしても多彩で、「ビードロ売り」とか「水売り」とか風流で、「八百屋」「魚屋」などが江戸と大阪で格好が違ったりするのも面白し、「熊の膏薬売り」が熊の剥製を被っているのは笑えて、「物貰い」というのがちゃんとした職業ジャンルであったことには驚かされます(掛け声や独特のパフォーマンスなども紹介されています)。
 さすがに「七夕の短冊売り」とか月見用の「薄(ススキ)売り」というのは、年中それしか扱っていないというわけではないのでしょう。

三谷 一馬 『江戸商売図絵』.jpg 青蛙房から出版された元本の初版は'63年で'75年に三樹書房から新装版が出されましたが、古書店で5万円という稀こう本的な値がついたらしく、やはり小説家とか劇画家には重宝したのかも...。
 本書は'86年の単行本(定価4,600円)を元本として文庫化したものですが(価格は定価1,300円に)、江戸庶民の生活の息吹が感じ取れて一般の人にも充分楽しいし、時代小説好きならば、そうした本を読む際のイメージがより生き生きするのではないかと思います。

『江戸商売図絵』 三樹書房版 (1975)[上]/『江戸商売図絵』立風書房版(1986)[右]

                    
2015年




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和田泰明ブログ

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This page contains a single entry by wada published on 2006年8月21日 11:54.

【230】 ◎ 神坂 次郎 『元禄御畳奉行の日記―尾張藩士の見た浮世』 (1984/09 中公新書) ★★★★☆ was the previous entry in this blog.

【232】 ○ 坂本 多加雄/秦 郁彦/半藤 一利/保阪 正康 『昭和史の論点』 (2000/03 文春新書) ★★★☆ is the next entry in this blog.

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