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最新の知見をわかりやすく(易しく)解説。併せ読むことで多角的・相互補完的に理解できる。


『ニュートン式 超図解 最強に面白い! ! 宇宙の終わり』['22年]『ニュートン超図解新書 最強に面白い 宇宙の終わり』['24年]/『やさしくわかる! 文系のための東大の先生が教える 宇宙の終わり (文系シリーズ) 』['23年]
2冊とも「宇宙の終わり」についてわかりやすく(と言うより易しく)解説した本で、監修者が同じであるため、ほぼ似たような流れと結論になっており、イラストを多く入れたり、対話形式で分りやすかったりするので、読みながら相互に知識を補完し合うとよいと思いました(『ニュートン式 超図解 最強に面白い! ! 宇宙の終わり』の方は今年['24年]「ニュートン超図解新書」('23年創刊)にて新書化された)。
『ニュートン式 超図解 最強に面白い! ! 宇宙の終わり』の方の流れで行くと、まず第1章で、「地球と太陽の死」について述べています(いきなりという感じだが)。60億年後に太陽は膨張を開始し、今の170倍の「赤色巨星」になりますが、その時太陽に飲み込まれるのは水星と金星までで、現在の地球の軌道までくるものの地球の軌道もその頃は大きくなっているため、その時には地球は飲み込まれないと。ただし、太陽はいったん現在の10倍程度の大きさまで戻った後、82年億後に太陽が再膨張し、現在の200倍から600倍の大きさになって、今度は地球も飲み込まれるとのことです。そして太陽もやがて小さくなって白色矮星となり、あとはゆっくり冷えて輝きを失った残骸となると。
第2章では、「天体の時代の終わり」について述べています。天の川銀河は39億年後にアンドロメダ銀河と合体して1つの楕円銀河になり、これら銀河団に属する銀河は数百億年から1000億年以内に1つに纏まって球状の巨大天体になると。ただし、宇宙が膨張を続けるためその巨大天体は宇宙の中で孤立し、やがて新しい星も生まれなくなって10兆年後には銀河は暗くなり、宇宙は輝きを失うと。ただ、ブラックホールや中性子星はまだ残っていて、10の20乗年後に銀河の中心のブラックホールが巨大化し、すべての天体を飲み込むと。そのブラックホールも、10の100乗年後には飲み込むものが無くなって「蒸発」してしまうとのことです。
第3章では、「宇宙の終わりと生まれ変わり」について述べています。宇宙の未来を決めるのはダークエネルギーですが、そのダークエネルギーがよく分かってないらしいです。宇宙の未来も不確定で、緩やかな膨張、膨張から収縮へ転じる、膨張がこれまでより加速する、の3パターンが考えられると。第2章までは「緩やかな膨張」を前提に書かれていて、これだと最後には宇宙は素粒子だけが飛び交うだけの世界になり、その素粒子も、ブラックホールが蒸発した10の100乗年後には密度がゼロに近づくと(「10の100乗年後」というのがなかなかイメージしづらいが)。そこから後は、宇宙が生まれ変わるとの説を主張する研究者もいるようです。以下、宇宙が収縮に転じた場合、膨張がこれまでより加速した場合についても予測していますが、いずれも終末を迎えるシナリオのようです。
第4章では、宇宙が長い年月を経て終末を迎えるのではなく、「突然死」する可能性についてもみていきます。それは、10の数百乗年に1回の確率で起こると言われる「真空崩壊」という現象によるもので、このあたりになると完全に理論物理学の世界で、イメージするのも難しいです。解説自体は数式など使わず易しい言葉で書かれているのですが(笑)。
『やさしくわかる! 文系のための東大の先生が教える 宇宙の終わり』の方は、先生と生徒の授業(対話)形式で進められ、第1章(1時間目)では宇宙の「はじまり」から説き起こしていますが、第2章(2時間目)で「天体時代の終わり」(「地球と太陽の死」を含む)、第3章(3時間目)で「宇宙の終わり」を扱い、流れとしてはほぼ同じで、第3章で真空崩壊まで解説しています。
先にも述べたように、流れは同じですが、それぞれ違った表現や図・イラストを用いているため、併せ読むことで多角的・相互補完的に理解できる取り合わせかと思います。個人的には、宇宙の終焉に関しては、竹内 薫 著『ざっくりわかる宇宙論』('12年/ちくま新書)以来の久しぶりの復習になりました(同書の宇宙の終焉の予測は宇宙が「加速膨張」する前提に立っているが、本書の「緩やかな膨張」論も「緩やかに加速膨張する」ことを意味しており、結末は基本的には本書と同じである)。
