【3436】 ◎ ビジネス・キャリア検定試験研究会 (木谷 宏:監修) 『ビジネス・キャリア検定試験過去問題集(解説付き) 人事・人材開発2級・3級 [第2版] (2022/10 雇用問題研究会) ★★★★★

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すべての過去問が、初版で取り上げた過去問と重複しないかたちで抽出されている。

ビジネス・キャリア過去問題【第2版】.jpgビジネス・キャリア®検定試験 過去問題集(解説付き)「人事・人材開発 2級・3級」【第2版】』['22年]

 「ビジネス・キャリア検定試験」は、事務系職種のビジネス・パーソンを対象に平成6年(1994年)にスタートした、中央職業能力開発協会(JAVADA=ジャバダ)が実施する公的資格試験で、事務系職業の労働者に求められる能力の高度化に対処するために、段階的・計画的に自らの職業能力の習得を支援し、キャリアアップのための職業能力の客観的な証明を行うことを目的としています。

 分かりやすく言えば、同じくJAVADAが実施する「技能検定」のホワイトカラー版といったところでしょうか。検定分野は「人事・人材開発・労務管理」「企業法務・総務」など8分野に区分され、その中に「人事・人材開発」「労務管理」「企業法務」「総務」など18部門(2級)があり、2級と3級の試験がそれぞれ年2回実施されています(それとは別に、論述式の1級の試験が年1回実施されている)。

本書は「人事・人材開発」部門の2級(部長補佐・課長級)・3級(課長補佐・係長級)の過去問題集です。一部、労働法関連の問題も含まれていますが、当然のことながら、労働法分野も「人事」の出題範囲内です。「人事・人材開発」部門の出題傾向としては、2級・3級とも新規問題よりも過去問題をそのまま乃至は一部改変して出題するケースの方が、出題数に占めるウェイトとしては圧倒的に高いため、この過去問題集を読み込めば、試験において40問のうち何問かは、読まない人より上乗せできると思います。

 JAVADAは以前から過去問をウェブサイトで公表し、新たに実施された試験も同じように試験後それほど日を置かずに公表していますが、正答の公表のみで解説が無かったため、これだけでは今一つ、過去問を検証する動機づけが弱いように思います。この過去問題集を読むと(一度自分で解いてみるのが理想だが)、どうしてそのような答えになるのか納得することが出来、作問者の意図を嗅ぎ取るセンスのようなものが身につくのではないかと思います。

 そのうえで、(本書にすべての過去問が出ているわけではないので)その他の過去問をウェブサイトでチェックすれば、試験対策効果としては大きいと思います。もちろん、2級・3級についてはそれぞれ公式テキストがあるので、学習効果全体を向上させるためにはテキストの読み込みも欠かせないと思います。ただし、ほとんどの公的資格試験に当てはまることですが、より確実に合格ライン(当検定の場合は6割以上の正答率)を確保しようとするならば、過去問をやらない手はないと思われます。

 本書は第2版ですが、初版をすでに所持している人にもお薦めです。なぜならば、この第2版では、すべての過去問が初版で取り上げた過去問と重複しないかたちで抽出されているからです。したがって、初版に加えてこの第2版も読み込めば、過去問対策としてはより盤石になるかと思います。

 このように、活用すればしただけ試験で有利になるかと思いますが、ただ試験に合格するためというだけでなく、自らの人事的な知識・センスをチェックし、それをより一層磨きたいと思っている人にもお薦めです。

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