「●人事・賃金制度」の インデックッスへ Prev|NEXT ⇒ 【023】 中村 壽伸 『こんなに会社が変わる執行役員制』
中小企業向けだが、賃金・人事に関する筋(すじ)論が貫かれている。
『経営が苦しいときの給料の払い方―解雇を避けて企業と社員を守るマル秘テクニック』 (1999/06 東洋経済新報社)
中小企業に対する豊富なコンサルティング経験に裏づけされた著者の、事業主に対する適切なアドバイスには定評があり、本書においても、オーナー事業主からよく出てきそうな無茶な(?)内容の相談に対し、時に優しく時に厳しく応えています。
私見ですが、本書は賃金の制度や管理そのものについては、中小企業向けに何か特別の提案をしているわけでも、また特別の許容をしているわけでもありません。
「解雇を避けて企業と社員を守る」という本書サブタイトルを含め、これらに貫かれているのは賃金・人事に関する筋論だと思います。
なお、本書で述べられている人件費実績の個別管理は、中小企業における人件費管理の必須事項であると思います。
全面的に賛成するとともに、人件費予算の管理も同じ考え方でやるべきだと思います(どちらかというと「予算」の方が先ではないか)。
《読書MEMO》
●会長職の父に役員報酬を払いながら、赤字で悩んでいる→会長は無給・年金を貰うべき
●歩合給にしたい→まず業績型賞与に
●管理職手当をカットしたい→残業のつくスタッフとの逆転が起きる
●賃下げしたいが退職金に響く→そんな退職金規程は早急に改定すべき
●賞与をゼロにしたい→年間2ヶ月は確保すべき、どうしてもというなら...
●退職金制度なんて古いのでは→中小企業では「老後資金」ではなく「手切れ金」
●一方的な賃下げは合法か?→同意ナシの引き下げが認められたのはスカンジナビア航空事件ぐらい