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HRM基本フレームの理解に役立つが、発表済みのものの使い回しも。
『ヒューマン・リソース・マネジメント』(2004/10 ダイヤモンド社) 高橋俊介 氏
ヒューマン・リソース・マネジメントについて、組織・人材・制度・報酬からキャリア・福利厚生まで最近のトレンドを入れて包括的に述べた入門書です。HRMの基本フレームの理解には役立つかも知れません。
とは言え、全体的に一般論を教科書的に並べたという感じで、著者が今まであちこちで発表したものとも内容が重なるため、既に氏の著書を何冊か読んだ人には特に新鮮なものとして受けとめられないのではないでしょうか。
おさらい的に読むことはできますが、約200ページで2400円という価格は割が合わないと思います。
ただ本書では、HRMに関する事例がわかりやすくとり上げられていて、スターバックスが顧客を装ったスパイによってサービスチェックをしているということや、リークルートの「じゃらん」の温泉紹介などは地元の主婦が書いていることなど、初耳の人には興味深いかも知れません。
ただし、これら事例のほとんども、氏の他の著書で既にとり上げられているものです。
《読書MEMO》
●アメリカの職務主義は差別を禁じた公民権法('64)の影響が大きい。アメリカでは差別していると言われるリスクを回避するために「人」を見ず「仕事」を見る
●IBMのCEOガースナーが「巨象も踊る」や「私の履歴書」の中で披露した「青いシャツと白いシャツ」の話
●ケーススタディ
◆スターバックスコーヒー...アルバイトの定着を高めるためにストックオプション・フランチャイズなし直営店しかやらない・覆面調査(日本の400店でも実施)
◆GE...継続的リーダー育成機関クロントンビル
◆CSKコミュニケーションズ(沖縄)...採用は2次試験での点数の上昇度で決定
◆サウスウエスト航空...ビヘイビアインタビューで子どものころから人を喜ばせるのが好きだったかを聞く(企業ビジョンとの相性で採用)
◆ノードストローム(優れた接客で有名な百貨店)...販売員はすべてコミッション営業