【053】 ○ 池田 隆寛 『実践・企業内研修』 (1996/02 生産性出版) ★★★★

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あくまでも"企業内"で独自に研修を企画し実施するために必要な知識を紹介。

企業内研修.jpg 実践・企業内研修.jpg 『実践・企業内研修』 (1996/02 生産性出版)

seminar.bmp 本書の特徴は、あくまでも"企業内"で独自に研修を企画し実施することを前提にしていることで、それは「企業文化を創造し発展するも目的を外部者に依存するわけにはいかない」という考え方に基づいています。

 この考えが100%正しいかどうかは別として、コンサル会社の書いた研修本にはすぐに外部講師が登場し、また実際に大企業の研修などで、企画も実施も全部外部に丸投げし、頭と終わりの挨拶だけ社内講師がやるというのも珍しくないので、この姿勢にまず一定の共感を覚えます。

 構成は、第1部が企業内研修について(企業研修概要、社内インストラクターの実務)、第2部が企業内で実施できる研修(新入社員研修、管理者研修、営業研修、プロジェクト管理、企業戦略、ビジネス文書作成、プレゼンテーション・スキル、ビジネス・コミュニケーション・スキル、クリエイティブ・マインド、ビジネス・キャリアアップ、EM法)、第3部が研修コースの開発(ビジネス・コミュニケーション、創造性開発)となっていて、2部、3部のそれぞれの研修については、その目的、コース概要、研修の進め方、基本的な知識がまとめられています。

 切り口が多岐にわたり、網羅している範囲が広い。多少以前に出た本ですが、流行(ハヤリ)ではなく普遍的な事柄を扱っているので、今でも充分通用する内容だと思います。
 ただし、読み物風にまとめられている部分もあり、読者によって合う、合わないはあるかもしれません。

 大体、「研修」というもの自体が、誰にでも善し悪しを論評できるので、その辺りが担当者には頭の痛いところではないでしょうか(法律問題なら、法でこうなっています、で済んでしまいますが)。
 個人的には、「管理者研修」と「企業戦略研修」の章がたいへん参考になりました。

《読書MEMO》
●ランチェスターの法則(田岡信夫著『ランチェスターの法則』サンマーク出版)
 ・第1法則=一騎打ちの法則=兵器や戦術が同じなら兵力数の差が行き残りの差に
 ・第2法則=ただし広域の総合戦、近代戦では、戦力差は2乗の差で現れる
 ・第1法則は弱者の法則、第2法則は強者の法則
 《事例》
 第2次世界大戦...米国にとって戦略力6.7:戦術力3.3が理想、戦略力とは戦略物資の補給力(B29が決め手)、戦術力とは部隊編成、兵士の訓練、兵器の性能(124p)
●EM法(Effective Management)...KT(ケプナー・トリゴー)法を飯久保氏が改定したもの-さまざまな業務の問題を状況分析で分類し、原因分析(過去)、結果分析(現在)、リスク分析(将来)の3つで解析し、最適の解を求める(226p)

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