【109】 ○ ジャック・ウェルチ/ジョン・A・バーン (宮本喜一:訳) 『ジャック・ウェルチ わが経営 (上・下)』 (2001/10 日本経済新聞社) ★★★★

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○経営思想家トップ50 ランクイン(ジャック・ウェルチ)

話題になったウェルチ流の事業戦略・人材戦略・リーダーシップ。

ジャック・ウェルチわが経営.jpg ジャック・ウェルチわが経営 下.jpg  日経ビジネス人文庫 ジャックウェルチ わが経営 上.jpg 日経ビジネス人文庫 ジャックウェルチ わが経営 下.jpg
ジャック・ウェルチわが経営<上><下>』 ('01年/日本経済新聞社) 『ジャック・ウェルチ わが経営(上) (日経ビジネス人文庫)』『ジャック・ウェルチ わが経営(下) (日経ビジネス人文庫)』['05年]

ジャック・ウェルチ.jpg 本国出版、日経連載、日本語出版の間が1ヶ月という早業だったと思いますが、文庫化('05年4月)も、M&Aが巷間に話題の折で、ある意味ジャストタイミングでした。

Jack Welch

 まず注目は事業戦略。「ナンバー1・ナンバー2戦略」は、実践例と共に読む者をひきつけますが、有名なこの戦略は、あのピーター・ドラッカーの言葉からヒントを得てるようです。
 たしかにすさまじい"M&Aぶり"ですが、一方で買収企業の企業文化がGEのそれと相容れるかどうかを重視していることもわかります。組織戦略、人材戦略においてもそうですが、"価値観"重視です。

 その人材戦略の1つ、トップ20%がAの人達で、活性化すべきは真ん中70%のBの人達、ボトム10%のCのの人達には会社を去ってもらうというのは、管理職に限っての話ですが、徹底しています。
 日本のS社では早速マネして社員に同じことを導入し、すぐさま解雇争議となり、会社側が敗訴しています。

 一時期"日本版ウェルチ待望論"がありましたが、大企業でどれだけそうした事例があったでしょうか。
 日本的リーダーシップとなるとまた違ってくるのでしょうか。
 競争心の強い彼の性格(自身が唱えるリーダーシップの4Eの1つ"Edge"(決断力)には競争心という意味合いもある)が随所に表れていますが、自分の上司やライバルがこんな人だったらちょっとキツイなあと、個人的には思ったりもして...。 

 ジャック・ウェルチ型の経営がいかに米国企業でもてはやされたかということについては、例えば冒頭の「ナンバー1・ナンバー2戦略」に関して、米国の家電メーカーなどはすべてGEに倣ってこれに追随したということにも表れているかと思います。
 ここで言われている「ナンバー1・ナンバー2戦略」とは、グローバル市場においてナンバー1・ナンバー2になり得ない分野からは撤退するという意味であり、1980年代の終わりまでには、米国の家電メーカーはカラーテレビや冷蔵庫を製造しなくなり、それらの製品について米国はすべてを輸入に頼っています。

 【2005年文庫化[日経ビジネス人文庫(上・下)]】

《読書MEMO》
●ナンバー1かナンバー2でなければ、再生、売却、もしくは閉鎖(上178p)
●活性化カーブ...Aプレイヤートップ20、Bバイタル70、Cボトム10(上250p)
●Aプレイヤーの4つのE...
 ・活力(Energy)
 ・周囲の活力を引き出す(Energize)
 ・決断力(Edge)
 ・実行力(Execute)
 各々Pationにより結びつく(上251p)

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