「●労働法・就業規則」の インデックッスへ Prev|NEXT ⇒ 【072】 安西 愈 『人事の法律常識 〔第5版〕』
社員向けに書かれた本を読むのも初学者にとっては1つの方法。
主に社員向けに書かれた労働法入門書で、日常起こりうる労務問題についてアドバイスするという立場で平易に書かれていますが、同時に、使用者たる企業に対しても、従業員を雇用する限りはこれだけのことは知っておいた方がいいですよ、というニュアンスが含まれています。
'94年の刊行で、個人的には相性の良かった本であり、「解雇」と「不払い残業」の問題が最初の1章、2章にそれぞれきていて、時代に即応していたという感じがします。
労働法は以降、(本書に書かれている内容レベルではさほど影響がないものの)細部においては改正部分が多くあるので、今時点でこの本自体をわざわざ古書市場に探し求めたりする必要は無いかと思いますが、こうした社員向けに向けたスタンスで書かれたものは、人事部に新たに配属された管理者やスタッフなど、初学者が最初に読む本としても入りやすいのではないかと思います。
(それまで法律関係の本を読んだことがない部下に、いきなり労働法全書のようなものを読ませるのは酷だし、効率が良くない。)
こうした本は少なくなく、一般書店で充分入手できます。
ただし、本を選ぶ場合は、読みやすさだけでなく、一応、著者の来歴もチェックしておいた方がいいかも知れません。
本書の著者は労働基準監督官を経て弁護士となった人で、個人的にはこの著者の本に関しては信頼を置いています。
外井 浩志 氏 (弁護士)
昭和56年 3月 東京大学法学部公法学科卒業
昭和57年10月 司法試験合格
昭和60年 4月 安西法律事務所入所(第一東京弁護士会登録)
平成18年 4月 外井(TOI)法律事務所開所