【2994】 ○ 相島 敏夫/丹羽 小弥太 『こんなことがまだわからない―科学を困らす24のナゾ』 (1964/01 講談社ブルーバックス) ★★★★

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こんなことがまだわからない―科学を困らす24のナゾ (ブルーバックス 26)』['64年]
(本文イラスト:真鍋博

 科学ジャーナリストの相島敏夫(1905 - 1973)と科学評論家の丹羽小弥太(1917 - 1983)の共著で、1964年1月刊。ブルーバックスはその前年9月刊行の菊池誠『人工頭脳時代』が創刊第1号なので、同レーベルの中でもかなり初期にものとなります(刊行№は26)。取り上げられている科学の疑問は以下の24です。
 ・なぜ私たちはカゼをひくのか
 ・日本脳炎のウイルスは秋になるとどこへいくのか
こんなことがまだわからない20.JPG ・渡り鳥はなぜ渡る
 ・日本人はどこから来た
 ・太陽はなぜ熱いのか
 ・汗はなぜかく
 ・太陽の使者は私たちに何をもってくるか
 ・花はなぜ咲く
 ・何が雨をよぶのか
 ・海水から真水がとれないか
 ・泡にもナゾがある
 ・夢と眠りのふしぎ
 ・月世界はどんな所か
 ・宝石は合成できないか
 ・地震は予知できるのか
 ・地球の内部はのぞけないものか
 ・地球はほんとうにまるいのか
 ・知られざる塩
 ・どうして味や香りを感じるか
 ・アレルギーはどうしておこる
 ・ガンの正体はつきとめられたか
 ・内臓の交換はなぜむずかしいのか
 ・生きるということ

 「日常の科学」とでも言うか、生活に馴染みがある事象を多く取り上げていて、各テーマの中でも更に細分化されたテーマについて、わかっていることについては解説を、わからないことについてはどこまでがわかっていてどこまでがわかっていないかを丁寧に解説しています。

 何十年かぶりに読み返してみて、今でも依然わかっていないことの方が多いように思えました。大体、科学というものは、わかればわかっただけ、新たにわからないことが多くなるのだろうなあという気がします。

 両著者がそれぞれ「暮らしの手帖」と「婦人画報」に連載したものに加筆したもので、だから身近な事象を多く取り上げているのだとは思いますが、細分化されたテーマの解説などのなかにはかなり専門的な話もあり、密度が濃く、手抜きされてはいないという印象を受けます。昭和30年代から40年代にかけて、日本人の間に強い科学指向があったのではないかなと思います。

 2013年に版元がブルーバックスの刊行50周年を記念して「発行部数ランキング」を「創刊50年の通算ランキング ベスト20」と「21世紀のランキング ベスト10」に分けて発表していますが(本書は19位にランクインしている)、ベスト20のほとんどが60年代か70年代の刊行です(2017年に通算2000番突破を記念して新ランキングが発表されたが「21世紀のランキング ベスト10」の第10位以外は変わっていない)。

 う~ん、他にも「サイエンス・アイ新書」('06年創刊)のようなサイエンス系の新書レーベルが創刊されたりしたこともあったかもしれませんが、「PHPサイエンス・ワールド新書」('08年創刊)が休刊になったりするなど、全体のパイ自体がそれほど増えていない気がします。サイエンス系に関心を持つ生徒や学生の裾野が狭まっているようにも思えますが、どうなのでしょうか。

《読書MEMO》
●ブルーバックス創刊50年の通算ランキング ベスト20(2013年)
1 1998『子どもにウケる科学手品77』 後藤道夫
2 1975『ブラックホール』 ジョン・テイラー
3 1966『相対性理論の世界』 ジェームズ・A.コールマン
4 1968『四次元の世界』 都筑卓司
パズル・物理入門(旧).gif5 1967『パズル・物理学入門』 都筑卓司
6 1965『量子力学の世界』 片山泰久
7 1970『マックスウェルの悪魔』 都筑卓司
8 1965『計画の科学』 加藤昭吉
9 1968『統計でウソをつく法』 ダレル・ハフ
10 1969『電気に強くなる』 橋本尚
11 1971『タイムマシンの話』 都筑卓司
12 1978『相対論はいかにしてつくられたか』 リンカーン・バーネット
13 1974『相対論的宇宙論』 佐藤文隆/松田卓也
14 1972『新・パズル物理入門 都筑卓司
15 1970『不確定性原理』 都筑卓司
16 1968『確率の世界』 ダレル・ハフ
17 2001『記憶力を強くする』 池谷裕二(21世紀のランキング1位)
18 1968『推計学のすすめ』 佐藤 信
19 1964『こんなことがまだわからない』 相島敏夫/丹羽小彌太
20 1977『マイ・コンピュータ入門』 安田寿明
●21世紀のランキング ベスト10(2013年)
1 2001『記憶力を強くする』 池谷裕二
分かりやすい説明の技術.jpg2 2002『「分かりやすい説明」の技術』 藤沢晃治
進化しすぎた脳 中高生と語る〈大脳生理学〉の最前線.jpg3 2007『進化しすぎた脳』 池谷裕二
4 2005『計算力を強くする』 鍵本 聡
5 2004『大人のための算数練習帳』 佐藤恒雄
6 2005『マニュアル不要のパソコン術』 朝日新聞be編集部
7 2001『化学・意表を突かれる身近な疑問』 日本化学会
8 2004『「分かりやすい文章」の技術』 藤沢晃治
村山斉 『宇宙は本当にひとつなのか』.jpg9 2011『宇宙は本当にひとつなのか』 村山 斉
算数パズル「出しっこ問題」傑作選.jpg10 2001『算数パズル「出しっこ問題」傑作選』 仲田紀夫

●2017年発表版
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創刊(1963年)〜90年代まで
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2000年代〜現在(2017年)まで
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