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2006年08月21日   書評:HUREC AFTERHOURS 人事コンサルタントの読書備忘録

【214】 ○ 松田 道弘 『超能力のトリック (1985/12 講談社現代新書) ★★★☆ (△ レオ・ペン 「新・刑事コロンボ/汚れた超能力 (刑事コロンボ'90/超魔術への招待)」 (89年/米) (1993/05 NTV) ★★★)

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ユリゲラーは"下手な奇術師"?人がいかに騙されやすいかがわかる。

超能力のトリック.jpg  『超能力のトリック』 講談社現代新書 〔'85年〕   ユリ・ゲラー.jpg 「ユリ・ゲラー
                                                               Harry Houdini
HarryHoudini1899.jpg 本書はタイトルの通り、テレパシーや透視、予知能力、念力など世間で超能力ではないか言われているもののトリックを、マジック研究家の立場から次々と解き明かしていくものです。

 ですから本書自体は「超心理学」そのものについての本ではありませんが、宮城音弥『超能力の世界』〈'85年/岩波新書〉にも紹介されていた〈マージェリー〉という有名な女性霊媒師のトリックを、フーディーニ(Harry Houdini)という奇術師が暴いていく過程などは結構スリリングでした(図説が詳しく、宮城氏のものよりわかりやすい)。

 あのユリゲラー(懐かしい~)については、スプーン曲げから透視や念力まで、フーディーニならぬ著者自身がその“稚拙な”トリックを解き明かしています。

 本書で知ったのですが、ユリゲラーはイカサマがばれて母国イスラエルを追放になった後に米国に渡ってマスコミデビューし成功、スタンフォード研究所の調査もパスしたけれども、後であれはおかしいのではという話になり、それで更に日本に活動の場を移したということだったそうな(その後、訳のわからないシングル版レコードを出したりもしたが、ミステリー作家になって成功し、エルビス・プレスリーの旧邸宅を購入している!)。
 普通レベルの奇術師なら簡単にできるところを、"下手な奇術師"ユリゲラーが下手にやればやるほど人々が信じてしまうという逆説が面白い。  

「汚れた超能力」3.jpg「汚れた超能力」2.jpg そう言えば、「刑事コロンボ」が新シリーズで再開した際の第1弾が「「汚れた超能力」(「超魔術への招待」)というもので(このシリーズの作品には全て“モデル”がいるという触れ込みだった)、これに出てくる「超能力」とは、被験者が地図所上で任意に示した場所に行き、そこで見たものを「超能力者」が念視して書写するというもの。トリックは判ってしまえばチープで、新シリーズの第1弾としては物足りないものでしたが、「トリックが単純であればあるほど騙され易い」というセオリーには適っていたかも(監督のレオ・ペンはショーン・ペンの父親)。 Columbo: Columbo goes to the Guillotine (1989)

 本書では「超能力」についての正統的説明も一応はされていますが、むしろ「超能力と言われるもの」についての本と言った方が適切で、マジシャンの“企業秘密”が勿体ぶらずおおっぴらに書かれていて、気軽に楽しく読めます。
 しかし一方で、昔も今も人というものがいかに騙されやすいかを思い知らされ、怖さも感じます。
 こんな“稚拙”なトリックにひっかかって怪しげな宗教に入る人もいるわけで…。
ガダラの豚.jpg
 因みに中島らもの『ガダラの豚』('93年/実業之日本社)という日本推理作家協会賞を受賞した小説には、本書を参照したと思われる部分が多々あり、実際その本の巻末の「参考文献」欄にも本書の名がありましたが〈この小説にはフーディーニのような人物が登場する〉、そうした“ネタ”が詰まった本とも言えます。

「汚れた超能力」.jpg「新・刑事コロンボ/汚れた超能力」 (「刑事コロンボ'90/超魔術への招待」)●原題:COLUMBO: COLUMBO GOES TO THE GUILLOTINE●制作年:1989年●制作国:アメリカ●監督:レオ・ペン●製作:スタンリー・カリス/ジョン・A・マルティネリ/リチャード・アラン・シモンズ/ピーター・V・ウェア●脚本:ウィリアム・リード・ウッドフィールド●撮影:ロバート・シーマン●音楽:ジョン・カカヴァス●時間:93分●出演:ピーター・フォーク/アンソニー・アンドリュース/カレン・オースティン/ジェームズ・グリーン/アラン・ファッジ/ダナ・アンダーセン/ロバート・コンスタンツォ/アンソニー・ザーブ●日本放映:1993/05 (NTV)●最初に観た場所:自宅(VHS)(91-09-04)(評価:★★★)

    



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和田泰明ブログ

投稿者 wadamy : 2006年08月21日 00:25