【145】 △ 齋藤 孝 『座右のゲーテ―壁に突き当たったとき開く本』 (2004/05 光文社新書) ★★★

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斎藤氏自身のメッセージを込めたビジネス啓蒙書とみていいのでは。

i座右のゲーテs.jpg座右のゲーテ.jpg座右のゲーテ -壁に突き当たったとき開く本』光文社新書〔'04年〕

 これを機に『ゲーテとの対話』(岩波文庫で3分冊、約1200ページあります)を読む人がいれば、その人にとっては"ゲーテ入門者"ということになるかも知れませんが、本文中に「ビジネスマンこそ、自分の資本は何かということを問われる」などとあるように、基本的には斎藤氏自身のメッセージを込めたビジネス啓蒙書とみていいのでは。
 仕事術、処世術から氏の専門である身体論、教育論、さらに人生論まで幅広いです。

 ゲーテは常に偉大なものに対しては素直だったそうですが、斎藤氏もそうあろうとしているのでしょうか。
 教養主義を過去のものとする風潮に対する氏の考えには共感できる部分もあるのですが、大芸術家や文豪から、スポーツ選手、歌手、漫画家まで、多方面から引いてきた"いい話"が満載で、誰でもこの人のヒーローになっちゃうのかな、という感じもしました。

 個々にはナルホドと思う箇所もありました。「豊かなものとの距離」の章で、憧れの対象と付かず離れずの距離を置くことを説いていることに納得!
 ゲーテはシェイクピアの作品との付き合い方を「年1回」という言い方で、「適当にしておけ」と言っているそうです。
 著者自身の経験からか、藤沢周平の作品の読み易さをから、そこにハマって他のものを読まなくなると、世界が広がらなくなるとも言っています。

 ただし、変に固まってしまうことを戒めると同時に大人になり切れないことの弊害を説くというように、「すべてを語って何も語らず」みたいな感じもして、文章自体が平易でスラスラ読める分、読後の印象がやや薄いものになった気がします。

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This page contains a single entry by wada published on 2006年8月17日 00:42.

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