【1236】 ○ 新美 直 『夢のアロマ VENEZIA (2008/03 アップフロントブックス) ★★★☆

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ヴェネチア・カーニヴァルの妖しげな彩り。映画「ヌードの女」を思い出した。

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夢のアロマVENEZIA.jpg          アリゾナの青い風になって.jpg
夢のアロマVENEZIA』(25.6 x 21 x 2.2 cm)['08年]『アリゾナの青い風になって―Spiritual Journey (Up‐Front Books)』 ['07年]

ヴェネチア カーニバル.bmp夢のアロマ VENEZIA01.jpg ヴェネチアのカーニヴァルは、1年の豊作を祈って農民の間でローマ時代から始まったものが当地の風習となり、18世紀には1年の半分近くがカーニヴァルだったこともあるとかで、今でもシーズンには欧州中から観光客が集まりますが、中でも仮面舞踏会を想わせるような仮装にその特徴があり、「仮面カーニヴァル」とも言われています。

夢のアロマ VENEZIA6.jpg 本書は、『アリゾナの青い風になって―Spiritual Journey』('07年/アップフロントブックス)でアリゾナ北部にあるバーミリオンクリフ・ウィルダーネスという特別自然管理地域を旅行記風に撮った写真家が、今度はこのヴェネチアのカーニヴァルで様々に仮装する人々を撮った写真集で、こうしてみると「リオのカーニヴァル」の仮装などとは随分と雰囲気が違うなあと。

今宵限りは  シュミット.jpg 白塗りの無表情な仮面などはちょっと恐さを感じさせ(ホラー映画にもよく出てくるなあ、こういうの)、キンキラ系はキンキラ系でこれまた神秘的な妖艶さを醸しています(屋敷の主人たちと召使たちが一晩だけ入れ替わるというダニエル・シュミット監督の映画「今宵かぎりは...」('72年/スイス)で、召使の前で踊る主人乃至旅芸人がつけていた仮面を思い出した)。

 写真は大判で何れも美しく、「街」よりも「人」や「衣装」にフォーカスして、その妖しげな彩りを青い空や水路の水の色と対比させているのがいいと思いましたが、ゴージャスな分、やや点数的には物足りないかなという気も。

 このヴェネチアのカーニヴァルを背景とした映画に、ニーノ・マンフレディ(1921‐2004)監督・主演の「ヌードの女」('81年/伊)という作品があったあったのを思い出しました。夫婦の微妙な関係を描いたミステリ風コメディですですが、映画のテーマと、「仮面カーニヴァル」という背景がよくマッチしていました。

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This page contains a single entry by wada published on 2009年9月11日 21:55.

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