【2077】 ○ サラ・ヘリングス 「バーナビー警部(第50話)/壊れかけた聖歌隊」 (06年/英) (2010/05 AXNミステリー) ★★★☆ (△ リチャード・ホルトハウス 「バーナビー警部(第49話)/ビジネスの総決算」 (06年/英) (2010/05 AXNミステリー) ★★★)

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壊れかけてはいたが壊れてはいなかった「聖歌隊」。意外とヒネリが無かった「ビジネスの...」。

DEATH IN CHORUS dvd.jpg第50話/壊れかけた聖歌隊 dvd2.jpg 第50話/壊れかけた聖歌隊 00.jpg  第49話)/ビジネスの総決算 dvd1.jpg
"Midsomer Murders" Death in Chorus(壊れかけた聖歌隊) Country Matters(ビジネスの総決算)

第50話/壊れかけた聖歌隊 01.jpg ジョイスやジョージも参加するミッドサマー・ワーシー聖歌隊が大会に向け猛練習の最中、メンバーの一人コナーが突然心臓発作で倒れ、軽症だったためにそもまま帰宅するが、自分の忘れ物を取りに来たステファンが、偶然コナーの携帯電話を見つけ届けに行くと、コナーは何者かに頭を殴られDEATH IN CHORUS 3.jpg死んでいた。キッチンのゴミ箱からは「お前の嘘つきな心臓」と書かれた紙とともに、豚の心臓が見つかる―。(第50話「壊れかけた聖歌隊」)

 指揮者ローレンスの過度な猛練習に聖歌隊の雰囲気は悪くなっていましたが、そのローレンスと、アストン聖歌隊の指揮者で、かつて経歴詐称をして大聖堂のオルガン奏者の座を手に入れたというフランシスとの間に憎悪に近いライバル心があり、聖歌隊メンバーへの嫌がらせもフランシスの仕業だったけれど、一方のローレンスも、自分の妻エレンとコナーとの不倫の証拠をもみ消して無かったことにしようとして、コナー宅に忍び込んでそこ(殺人現場)で音叉を落としてしまっていて、こうした彼らの行動が犯人推理を大いにミスリードさせてくれたなあ。

DEATH IN CHORUS house.jpg そうこうしている内に、教会の周辺でメンフクロウを観察をしていたサムという男が、墓地で遺体で発見され、実際に殺害された場所は彼が以前不動産管理を任されていたハーツメイドというジャイルズの屋敷の納屋だったようだ―。結局、ギャンブルで大損こいたコナーとレオという男とジャイルズが、ジャイルズの妻キャロラインが相続したバッハの肖像画の贋作を売って儲けようとしたところ(コナーはかつて贋作画家だった!)、本物を手にしたコナーがそれを売ってエレンと駆け落ち資金にしようとしたということからの仲間割れが原因だったのか。
Used as the Giles & Carolyn Armitage's house in 'Death in Chorus'

第50話/壊れかけた聖歌隊 04.jpg 妻キャロラインに薬を飲ませて入水自殺に見せかけ殺そうとしたジャイルズが一番のワルか。男たちの喧嘩を仲裁しようとして池にドボンしたジョーンズ巡査に続いて、キャロラインを助けようとしたバーナビーもびしょ濡れに。スティーブンという男性も最初はやや怪しかったけれど、キャロラインに対する純愛のみの男だったわけで、事件解決後暫くしたら彼女と結ばれる? エレンの方は、妻と縒りを戻すのを諦めたローレンスが家をおん出て、彼女はバーナビーからコナーが自分のために描いてくれた絵を返してもらい、コナーの想い出に生きるのでしょう。

DEATH IN CHORUS 05.jpg だんだん刑事らしくなってきたジョーンズは(次回「第51話「呼ばれた殺人者」で巡査部長に昇進する)、バーナビー宅でシャワーを浴びていた際の歌声を見込まれてコナーの代わりに聖歌隊のテノール担当になっていましたが、指揮者ローレンスはヤケクソになったのか聖歌大会の場にも現れず、前から聖歌隊の一員だった検視官ブラード博士が熱弁を振るって皆を鼓舞し、ローレンスの代わりに指揮棒を振ってミッドサマー・ワーシー聖歌隊が優勝!と、やや出来過ぎた作りですが、事件のプロセスが暗めであるだけに、"お口直し"的エンディングということでいいのではないでしょうか。

 
COUNTRY MATTERS 7.jpg 田舎町エルバートンで、大手スーパー「グッドフェア」の進出を巡り、議会と一部住民が対立していた。ある晩、村の集会で、グッドフェア側は、スーパーを誘致すれば、世帯向け物件を提供するほか、建設予定地の汚染土壌浄化を行うと住民に説明したが、賛成COUNTRY MATTERS 8.jpg派と反対派の間で小競り合いが起きて収拾がつかなくなる。その頃、集会を抜け出した子供達が製材工場で男性の刺殺体を発見、被害者の名はフランク・ホップカークと判明し、現場にあった凶器と思われる高級ナイフは、地元で料理教室を経営している女性ローズのものと判るが、警察の問いに彼女は、ホップカークが偽名で料理を習いに来ていたが、ナイフが何時なくなったのかは覚えがないと言う―。(第49話「ビジネスの総決算」)

第49話)/ビジネスの総決算 01.jpg第49話)/ビジネスの総決算 3.jpg スーパー反対派のオーランドは馬の調教師をしている妻ジニー差し置いてローズに執心、ジニーは当てつけにパブ店主を愛人にするものの、その愛人もジニーに入れ込むという、この料理教室のオバさんのモテぶりは不思議。ホップカークも彼女目当てに料理教室に通っていた? 躰を許さないというのが却って男が惹かれる要因なのでしょうか、それとも、調教師ジニーの"調教"(SM強要)に男達は付き合い切れなかったということだったのかも。

第49話)/ビジネスの総決算 4.jpg 狩猟場では「コスプレ人間罠」ごっこみたいな変てこなビジネスをやっているし(ちゃんとお客がいるわけだ)、村の女性司祭は雑貨屋店主と不倫しているし、こんな誰もが乱脈な環境だと、子供達も製材所で隠れて酒と煙草に耽るようになってしまうということなのでしょうか。死体を見つけてショックを受けるどころか、「学校に行って友達に話さなくっちゃ」と、むしろ新たな刺激を見つけて張り切っている様子です。

 見るからに怪しげな人物は犯人ではないというのがパターンになっているように思いましたが、今回は、怪しげで無い人は殆どおらず、犯人も結局その怪しげな人物の中の一人だったわけで、その分ヒネリがあまりなかった印象も受けました(「ビジネスの総決算」と言うより、それに便乗した「愛情(嫉妬)の総決算」だった)。

 犯人が誰かをぎりぎりまで引っ張らず、少し早めに犯人を明かして、犯行の経緯をじっくり犯人に話させる(同時に再現映像を流す)というのが、ここのところ見られる新たなパターンと言えるでしょうか。
 
MIDSOMER MURDERS 50.jpgMidsomer Murders Set 12.jpg「バーナビー警部(第50話)/壊れかけた聖歌隊」●原題:MIDSOMER MURDERS:DEATH IN CHOURUS●制作年:2006年●制作国:イギリス●本国上映:2006/09/03●監督:サラ・ヘリングス●製作:ブライアン・トゥルー=メイ●脚本:デヴィッド・ハーセント●時間:102分●出演:ジョン・ネトルズ/ジェイソン・ヒューズ/ジェーン・ワイマーク/ローラ・ハワード/バリー・ジャクソン/パトリック・ドルーリー/ピーター・キャパルディ●日本放映:2010/05●放映局:AXNミステリー(評価:★★★☆)

Midsomer Murders Set 12 [DVD] [Import]」(Four Funerals and a Wedding/Country Matters(ビジネスの総決算)/Death in Chorus(壊れかけた聖歌隊)/Last Year's Model) 

COUNTRY MATTERS 6.jpg第49話)/ビジネスの総決算 dvd2.jpg「バーナビー警部(第49話)/ビジネスの総決算」●原題:MIDSOMER MURDERS:COUNTRY MATTERS●制作年:2006年●制作国:イギリス●本国上映:2006/09/10●監督:リチャード・ホルトハウス●製作:ブライアン・トゥルー=メイ●脚本:アンドリュー・ペイン●時間:102分●出演:ジョン・ネトルズ/ジェイソン・ヒューズ/ジェーン・ワイマーク/バリー・ジャクソン/クレア・ホルマン/ティム・ハーディ●日本放映:2010/05●放映局:AXNミステリー(評価:★★★)

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This page contains a single entry by wada published on 2014年1月18日 22:37.

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