【708】 ◎ 藤原 久嗣 『ベーシック賃金管理―賃金・手当・賞与・退職金』 (2000/02 生産性出版) ★★★★★

「●労働法・就業規則」の インデックッスへ Prev|NEXT ⇒ 【073】 日経連労働法研究会 『変革期の就業規則

しっかりした構成と実務に沿った解説。解釈例規や裁判例も充実。

ベーシック就業管理・賃金管理021.JPGベーシック賃金管理.gif  ベーシック就業管理.jpg
ベーシック就業管理 (Basic series)』['99年改訂版]/『ベーシック賃金管理―賃金・手当・賞与・退職金

 同著者の『ベーシック就業管理』('99年改定版/生産性出版)の姉妹書。
 前著が「労働時間」管理を中心に、変形労働時間制、フレックスタイム、みなし労働時間制、時間外・休日労働をめぐる実務、休暇、育児介護休業、女性・年少者をめぐる実務、パートタイマーや派遣の終業管理などを扱っていたのに対し、本書は、「賃金」に的を絞って、賃金とは何か、賃金に関する法的規制と賃金債権の保護、賃金支払いの実務、割増賃金の実務、平均賃金の算定、退職金支払いの実務、賃金税務など7章にわたって解説しています。

eyes0961.jpg 賃金は働く者にとって最も重要な労働条件の要素であり、それゆえ賃金をめぐる労使のトラブルは尽きないわけですが、一方で、「賃金」に関する法令上の規定は「労働時間」などに比べ条文数としては少なく、実務上のトラブル等への対処としては、法の基本趣旨を理解するほかに、行政解釈や裁判例をよく知っておくことがひとつポイントになるかと思います。

 その点で本書は、各章のテーマごとに法の趣旨や実務上の留意点を解くとともに、実際に企業等から相談を多く持ちかけられるような事案に重点を置き、ケースに当て嵌まる行政解釈や裁判例を的確に抽出し解説しています。

 タイトルに「ベーシック」とあるものの、実務書でここまできっちり書かれているものは少なく、刊行されてからある程度の年月を経ている本ですが、個人的には常に手元に置き、よく参照させてもらっている本です。

《読書MEMO》
●章立て
第1章 賃金とはなにか
第2章 賃金に関する法的規制と賃金債権の保護
第3章 賃金支払いの実務
第4章 割増賃金の実務
第5章 平均賃金の算出実務
第6章 退職金支払いの実務
第7章 賃金(退職金)の税務実務

About this Entry

Categories

Pages

Powered by Movable Type 6.1.1