【2060】 ○ サラ・ヘリングス 「バーナビー警部(第29話)/森の聖者」 (03年/英) (2009/01 ミステリチャンネル) ★★★★

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昇進したトロイの門出に花を持たせた脚本? バーナビーがトロイを送り出すに相応しいエピソード。

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Midsomer Murders [VHS] [Import]」 The Green Man (2003)(森の聖者) Sergeant Gavin Troy's last appearance as regular
森の聖者 00.jpg 産業遺産としての運河の再開に向けて、バーナービー夫人ジョイスや娘のカーリーを含む多くのボランティアが清掃活動に参加する中、トンネル崩落事故が起き、ジョイスらは中に閉じ込められるものの何とか救出される。救出活動中に、トンネル内から18~19世紀頃の工夫ものと思われる複数体の人骨が発見されるが、一体だけ20世紀の歯科技術を施されていた。同じ頃、村の若者たちが運河のある森に住むホームレスの老人トム(デイヴィッド・ブラッドリー)に暴行を加えたという匿名の通報があり、警部補への昇進通知を受け取ったばかりのトロイは、トムに会うため森へ向う。その内に、トムに暴行を働いた若者の一人が猟銃で撃たれて殺される事件が起き、更にまた1人―。

森の聖者 02.png 警部補へ昇進したトロイを実質的に独り立ちさせるためか、バーナビーはトンネルの遺体の謎の解明に専念し、ホームレス老人への暴行事件は敢えてトロイに一人で捜査させているといった感じ。しかし、そのトロイは、森の住人トムを捜して会うだけで苦労しているといったところでしょうか。そしたら、連続殺人事件が起きて...いよいよトロイには荷が重そう?

greenman8.jpg このエピソードは、トロイがレギュラーで登場する最後の回で、ところがいきなり「森の聖者」を誤認逮捕(しかも警察犬にがぶりと噛ませて)、このまま良いとこ無しに終わるのかと思ったら、二転三転して何とか一件落着したように見えた事件に対し、何となく腑に落ちないものを感じたトロイがいきなり閃いて、最後の最後に彼が事件の真相を突き止めるという、トロイの新たな門出に脚本家が花を持たせた感じでした。

森の聖者 03.jpg 「第28話/真実の鳥」では鳥が"演技"していたけれど、今度はキツネが演技していました。そのキツネが若者に撃たれたのは可哀そうだったし、キツネを友とする森の老人(聖者または哲人風?)も痛々しかったですが、その後、何とか救いのある場面もあったし、最後の、バーナビー一家によるトロイの昇進祝い&送別会的な団欒も、一家の息子を送り出すようで、いい味が出ていました(結局、トロイとカーリーとは友達で終わってしまったが)。総じて、バーナビーがトロイを送り出すに相応しいエピソードだったと思います。

バーナビー&トロイ.jpg トロイの新たな赴任地はニューカッスル。トロイは子供の時に北部から引っ越してきたので、いまだに北部訛りがあるという設定ですが、演じているダニエル・ケーシーも、1972年イギリス北部、ストックトンオンティーズの生まれ(ニューカッスルに近い)。父親はジャーナリストでテレビの司会者、姉妹はジャーナリストだったり作曲家だったりし、ダニエル・ケーシー自身も歌とバイオリンを8年間習い、ギターも習っているし、そのうえ乗馬などのスポーツを愛し、結構、お坊ちゃん育ちという感じ(作中のトロイは労働者階級の出身という設定)。トロイは原作にもあるキャラクターですが、ドラマでのトロイ像には、ダニエル・ケーシー自身の役作り観が大いに織り込まれていたとのことです。ダニエル・ケーシーは、10年前のこの頃に比べ今は太ったのが残念。この頃が一番良かった?

「バーナビー警部(第29話)/森の聖者」●原題:MIDSOMER MURDERS:THE GREEN MAN●制作年:2003年●制作国:イギリス●本国上映:2003/11/02●監督:サラ・ヘリングス●製作:ブライアン・トゥルー=メイ●脚本:マイケル・ラッセル●撮影:ダグ・ハロウズ●時間:102分●出演:ジョン・ネトルズ/ダニエル・ケーシー/ジェーン・ワイマーク/ローラ・ハワード/バリー・ジャクソン/デイヴィッド・ブラッドリー/John Carlisle/Tim Woodward/Cherie Lunghi/Marc Buchner●日本放映:2009/01●放映局:ミステリチャンネル(評価:★★★★)

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