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状況が加速するにつれてリアリティが後退し、イマイチ入り込めなかった。
「悪の教典 上」「悪の教典 下」 映画「悪の教典」(2012年/東宝) 監督:三池崇史、主演:伊藤英明 「デクスター ~警察官は殺人鬼」
2010(平成22)年・第1回「山田風太郎賞」(角川文化振興財団、角川書店主催)受賞作。2010 (平成22) 年度「週刊文春ミステリー ベスト10」(国内部門)第1位。2011 (平成23) 年「このミステリーがすごい!」(国内編)第1位。2011年版「ミステリが読みたい!」国内編・第2位。
暴力生徒やモンスターペアレント、集団カンニングに、淫行教師など様々の問題を抱える私立高校に勤める蓮実聖司は、有能で生徒からの人気も高かったが、実は彼の本性は、自分に都合の悪い人間を次々と抹殺していくサイコ・キラーだった―。
―ということだったのだなあ。何ら先入観無しで読み始めたので、最初は、学校の諸問題をあらゆる手段で解決していくマキャベリストの話かと思ったけれども、そうではなく、単なる殺人鬼でした。
それでも前半部分は、学校内の教師間、教師と生徒間の人間関係のダイナミクスが旨く書けているように思え、サスペンスとしてもまあまあの滑り出しのように思えました。
しかし、主人公のシリアルキラーぶりが昂進し、殺人が大量殺戮へと加速していった途端に、現実感が希薄になり、あとはゲームの世界のような感じで、イマイチ入り込めませんでした(「他人に共感出来ない」というだけで、これだけ殺すかなあ)。
同じくシリアルキラーを描いた、海外ドラマ「デクスター~警察官は殺人鬼」のマイケル・C・ホール演じる主人公のデクスターは、優秀な鑑識官でありながら自らの殺害欲求を抑えられない、これもまたサイコパスですが、法では裁き切れない凶悪犯を次々と殺害していくという点では、世の役に立っている?
マイケル・C・ホールは、これ、ハマり役。主人公の複雑な内面も、「デクスター」の方がよく描けているように思えます(海外ドラマ、意外と侮れない)。
「デクスター ~警察官は殺人鬼」 Dexter (Showtime 2006~2013) ○日本での放映チャネル:FOX CRIME (2007~2013)
(シーズン8)シャーロット・ランプリング(サイコパス研究家エブリン・ボーゲル博士)[計10話出演]/マイケル・C・ホール
【2012年文庫化[文春文庫(上・下)]】