【426】 ○ 斎藤 美奈子 『趣味は読書。 (2003/01 平凡社) ★★★★

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ベストセラー本を爽快になで斬り。時間の節約になる。

趣味は読書.jpg 『趣味は読書。』(2003/01 平凡社)趣味は読書 文庫.jpg趣味は読書。 (ちくま文庫)

 ベストセラーを追いかけて読む方ではないが、どうせたいした内容ではないだろうと思いつつも、社会現象としては多少気になる部分もある。 
 でも、そんなのいちいち追っかけて読んでいたら、自分の読みたい本を読む時間が無くなってしまう。 
 そんな人には便利な、斎藤美奈子の書評集です。

 「趣味は読書」という人に何を読んでいるか訊ねたら、くだらないベストセラーばかり、という皮肉も込めたタイトル。 
 ベストセラー本を爽快になで斬りという感じですが、その中で『プラトニック・セックス』(飯島愛)に対してだけ、なんとなく甘いような...。 
 いずれにせよ、読むことで時間の節約になる1冊であり、ベストセラーの共通項を通して、世間が求めているものも少し見えてききます。

 【2007年文庫化[ちくま文庫]】

《読書MEMO》
●『大河の一滴』...辻説法
●『日本語練習帳』...ボケ防止
●『光に向かって100の花束』..."死ぬまでラッパを話しませんでした"式の辻説法
●『生きかた上手』...あやかりたいけれどあやかれない本
●『鉄道員』...怪談、死んだ娘だから父に優しい(生きていたらグレてる)
●『朗読者』...男に都合のいい包茎文学
●『白い犬とワルツを』...家長に都合のいい幻想譚
●『蜜の味』(叶恭子)...遠足に吉兆の弁当!女はパトロンに頼るべしの開き直り、援交物語
●『プラトニック・セックス』...◎プチ不良を黙らせる効果
●『永遠の仔』...主人公3人が幼児虐待を受けていたという絵に描いたようなアダチル小説
●『「捨てる!」技術』...○終盤ペースダウンだが「捨てる勇気」を説く
●『話を聞かない男、地図を読めない女』...科学を装った迷信
●『冷静と情熱の間』...浮世離れした女と自意識過剰男
●『金持ち父さん貧乏父さん』『チーズはどこへ消えた?』『ザ・ゴール』...80年代にアメリカではやった寓話スタイル
●『模倣犯』...少女チックでコバルト文庫のノリ
●『海辺のカフカ』...最後まで成長しない
●『五体不満足』...乙武くんは絵になる障害者、くん付けはアイドル系の証拠、障害者は全部頑張ればいいんだで済まされると困る
●『だから、あなたも生きぬいて』...非行少女&極妻時代の記述(16-22歳)が抜け落ちている(児童書として企画されたからというが)「学歴社会逆転本」
●『ハリー・ポッター』シリーズ...現実逃避は構わないが、出るごとに書店の他の本が書店の隅へ押しやられる(書店はハリポタを売っていればそれでいいということに)
●『声に出して読みたい日本語』...ジジババ本は権威主義と紙一重、国語教育の呪縛に囚われている

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This page contains a single entry by wada published on 2006年9月 9日 18:38.

【425】 ○ 斎藤 美奈子 『文壇アイドル論』 (2002/06 岩波書店) ★★★★ was the previous entry in this blog.

【427】 ○ 斎藤 美奈子 『実録 男性誌探訪』 (2003/12 朝日新聞社) 《『麗しき男性誌』 (2007/06 文春文庫)》 ★★★★ is the next entry in this blog.

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